日本ロボット学会誌
Online ISSN : 1884-7145
Print ISSN : 0289-1824
ISSN-L : 0289-1824
7 巻, 2 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 浅田 春比古, 金 寧鐸
    1989 年 7 巻 2 号 p. 111-120
    発行日: 1989/04/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本論文ではダイレクト・ドライブの特長を生かし, 安定性や速応性に優れた動的コンプライアンス制御系の設計方法について述べる.まずロボットの機械的構造やセンサーの設置場所によるシステムの動的な挙動の違いを解析し, 望ましい機械構造やセンサーの配置を導く.次に実際にこの設計方法に基づいてダイレクト・ドライブシステムを設計製作し, その特性を評価する.また本方式に適した光学式トルクセンサーをあらたに開発し, ダイレクト・ドライブモータに組み込む.最後にコンプライアンス制御系の極とコンプライアンスを望ましい値に指定する動的コンプライアンス制御系を設計し, 試作したダイレクト・ドライブロボットに応用して, その特性を実験によって評価する.
  • 前田 陽一郎, 津谷 定廣, 萩原 史朗
    1989 年 7 巻 2 号 p. 121-127
    発行日: 1989/04/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    車輪とクローラ脚を複合した多機能移動ロボットMRV-3を開発した.このロボットは車輪, クローラ, 脚の3つの移動モードをもっている.車輪モードでは, 前後進, 横進, その場回転が可能である.クローラモードでは, 階段昇降, 不整地走行, 溝越えなどができる.さらに脚モードでは, 立脚したのち障害物またぎ越えが可能である.これらの移動モードは4つのモータと12個の電磁クラッチからなる駆動メカニズムにより実現される.MRV-3の重量はバッテリー搭載時で約150kg, 車輪モードのときの本体寸法は, 770W×650L×810Hmmである.本論文では, まずパイプなどの障害物を非接触でまたぎ越えるときの動作シーケンスについて考察する.さらにこのとき静的安定性とまたぎ越え可能な障害物の形状寸法について解析を行う.最後にこれらの解析に基づいて行なった障害物またぎ越え動作実験の結果についても報告する.
  • 広瀬 茂男, 佐藤 幹夫
    1989 年 7 巻 2 号 p. 128-135
    発行日: 1989/04/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ロボットの機能性向上のためには多自由度化することが不可欠である.しかし, 在来のアクチュエータの出力重量比は著しく制限されている.単純な多自由度化はロボット重量の過大な増加を招く.そのため機能性を十分発揮し得る軽量で現実的なロボット, 特にこれから必要とされてゆく自律移動ロボットを実現してゆくためには, 従来とはまったく異なる新しい設計手法が必要とされる.本研究は, 多自由度化と同時に軽量化も計る新しいロボット設計手法を提案する.
    提案する設計手法は, ロボットに装備する複数の自由度を使用頻度の高い作動状態において出来る限り相互に干渉させ, 共同駆動させようとするものであり「干渉駆動」と呼ぶ.干渉駆動によれば, 多自由度的な機能を発揮するために複数のアクチュエータが装備されていたとしても, 各アクチュエータが装備すべき出力容量は低く抑えられる.よってロボット本体の重量も軽減できる.
    従来, 制御性の観点からはロボットの駆動系は出来る限り非干渉化すべきであるとされてきた.提案する干渉駆動は, 逆に出来る限り干渉化させるべきであることをハードの立場から主張している.干渉駆動の評価関数として, 装備すべき全出力パワーに対する作業のためのパワーの比である「駆動率ηc」を導入する.
    干渉駆動の考え方に基づくロボットの機構設計および制御法を検討するため, 4足で壁面を垂直上方に吸着歩行するロボットを想定しシミュレーション実験を行う.実験は準静的な運動を対象とし, 歩行ロボットの機構や歩行姿勢が与えられたとき, その駆動率を最大化する歩行を線形画法によって誘導している.この実験により, 干渉駆動の考え方の導入がロボットの軽量/高速化設計に有効であることを明らかにしている.
  • 樋口 俊郎, 津田 匡博, 藤原 茂喜
    1989 年 7 巻 2 号 p. 136-144
    発行日: 1989/04/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    精密はめあい作業を自動化するため, 磁力支持方式精密自動組立用ハンド (磁力支持ハンド) を開発した.本論文では, 磁力支持ハンドの構造・制御系・機能を示し, 製作した磁力支持ハンド実験システムと, その実験システムによる自動組立実験について説明する.
    磁力支持ハンドは, 5自由度制御形磁気軸受と同様の構造を持ち, リスト部分において, ワークを把持するハンド機構を, ギャップセンサ出力により制御された電磁石の吸引力によって, 非接触で支持する.
    磁力支持ハンドは, この構造により, 3つの機能: 1) 可変コンプライアンス機能 (フレキシブルRCC機能) : 2) 微小位置・姿勢制御機能: 3) 力覚センサ機能を有することができる.
    磁力支持ハンドは, この3機能を選択または組合せて用いることにより, 種々の作業条件に対応した難度の高いはめあい作業を自動化することができる.特に, Remote Center Compliance (RCC) と同等の機能を持つことができる.さらに, RCC等の機械式弾性ハンドの機能の限界を越えた組立作業の自動化が期待できる.
    以上のような自動はめあい作業における磁力支持ハンドの有用性を棟証し, 挿入過程の実験的解析をするため, 実験システムを製作した.この実験システムにおいて, 磁力支持ハンドによる精密自動はめあい作業に成功した.
  • ―定式化と制御系の設計―
    隈下 恭介, 杉江 俊治, 小野 敏郎
    1989 年 7 巻 2 号 p. 145-153
    発行日: 1989/04/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本論文は2本のマニピュレータによる2次元空間内の物体の協調的操りに関するものである.マニピュレータによって物体を正確だ操るためには, マニピュレータの動特性だけでなく対象物体の運動も考慮にいれる必要がある.そこで, まず, マニピュレータと物体両方の動特性を考慮にいれた上で, 2次元空間における2本のマニピュレータによる協調的操り制御のための基礎方程式を導出する.ここでは特に物体の姿勢を表すのに, オイラー角やロール・ピッチ・ヨー角などの従来の表現のかわりに簡単なベクトルを用いる.次にこの基礎方程式に基づいて, 物体の所望の位置と姿勢を独立に達成するような制御系を既存の拘束条件付き制御法を応用して設計する.最後にシミュレーションによって本制御法の有効性を示す.
  • 藤本 公三, 黒木 英一, 松永 知也, 中岡 久, 仲田 周次
    1989 年 7 巻 2 号 p. 154-166
    発行日: 1989/04/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    3次元形状計測は, 3次元物体の形状認識にとって非常に重要な課題である.モアレ縞画像は, 等高線として形成されるため, その画像中に3次元形状情報 (距離情報) を含んでおり, 物体の3次元形状計測法として有用である.しかし, このモアレ縞画像を用いて物体の形状計測を行うには実用上種々の問題がある.つまり, 1) 蛍光灯などの環境光の存在下でのハイコントラストで, かつ均一なモアレ縞画燥の形成, 2) 簡易凹凸判定, 3) モアレ画像からの簡易な形状情報の抽出方法等である.
    本論文は, レーザスリット光を走査することで形成された格子列をTVカメラの撮像面上に蓄積させて形成させる新しいモアレ画像形成法および簡便な凹凸判定法, コンピュータによる自動形状計測法について示したものである.この新しいモアレ画像形成法は, 産業用ロボット等の実環境下である明るい室内でも均一な2値化モアレ縞画像の形成を可能にした.また, 本論文で提案した凹凸判定法は, 計測対象面の傾きの正負判定2値画像をもとに行うもので, この2値画像は, モアレ縞画像形成の基になる変形格子像のTVカメラからの映像信号をアナログ波形処理することにより, モアレ縞画像形成と並列にリアルタイムで形成させることができる.
  • 岡本 健一, 大須賀 公一, 小野 敏郎
    1989 年 7 巻 2 号 p. 167-171
    発行日: 1989/04/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    This note is concerned witha new approach to design an adaptive control law for robot manipulators with elastic joints. Our method based on the Lyapunov's second method. This control law uses angular acceleration of rotors, but we need no information of joint elasticity. And we can apply our method to robot manipulators with even nonlinear elastic joints.
  • 前田 武彦, 戸谷 隆美
    1989 年 7 巻 2 号 p. 172-179
    発行日: 1989/04/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ポポフの超安定理論に基づくモデル規範適応制御を2リンク・スカラ型マニュピュレータのトラッキング制御に適用し, その有効性を実験的に検証している.規範モデルとしては, 線形化状態方程式に最適状態フィードバックを行ったものを用いているが, このような, モデルと実システムの構造的な類似性は, 適応制御系の設計を簡単にするのに役立っている.さらに, 線形および非線形制御を組合せた新しい適応法則を導入して, 制御入力中の高周波のチャッターを低減することが可能になっている.シミュレーションと実験の結果, 通常の状態フィドバックに, 比較的簡単な適応機構を加えることにより, クーロン摩擦やパラメータ同定誤差の影響を取り除いて, トラッキングの精度を格段に高めることができることがわかった.
  • 川崎 晴久
    1989 年 7 巻 2 号 p. 181
    発行日: 1989/04/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 石井 優, 坂根 茂幸, 柿倉 正義, 三上 芳夫
    1989 年 7 巻 2 号 p. 182-191
    発行日: 1989/04/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    従来のティーチングプレイバック制御での繰り返しの相対精度に対して, 3次元モデルに基づく次世代のロボットシステムにおいては, ロボットの絶対位置決め精度が, 高度なオフラインティーチングやロボット言語システムを有効に利用するためにますます重要となる.
    本論文では, ダイレクトドライブ (DD) ロボットを対象とし, その機構モデルのパラメータを推定してベース座標系の位置と姿勢を求め, ロボット自身および統合ロボットシステムの絶対位置決め精度を改善することが可能なキャリブレーションについて述べる.
    ロボットの機構モデルにおけるパラメータを, 内部パラメータと外部パラメータの2つに分ける.内部パラメータは, 各回転軸におけるエンコーダのオフセット値, リンク長および隣接座標系の変位とねじれ角などである.一方, 外部パラメータはロボットのベース座標系の位置と姿勢であり, 他のロボットシステムとの結合に用いられる.
    ロボットの機構モデルは, 一般的なベクトル記法で記述され, 冗長なパラメータを許している.そこで, 本論文では最適パラメータの設定にヤコビ行列の特異値分解を適用している.
    キャリブレーションパラメータの推定にはニュートン法による反復修正アルゴリズムを用いる.その入力データはロボットの異なる位置姿勢時での各回転軸のエンコーダ値およびハンド基準点の3次元測定装置による計測値である.
    実験の結果, 実測値とキャリブレーションパラメータによる計算値との距離ノルム誤差は, 約0.4mmとなった.DDロボットの絶対位置決め精度が格段に向上する.
    本システムは, マルチロボットやハンドアイシステムなどの統合ロボットシステムの絶対位置決め精度を確立し, オフラインティーチングやロボット言語システムを実現するための基礎を与える.
  • 有本 卓
    1989 年 7 巻 2 号 p. 192-196
    発行日: 1989/04/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 石井 優
    1989 年 7 巻 2 号 p. 197-202
    発行日: 1989/04/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 前田 浩一
    1989 年 7 巻 2 号 p. 203-208
    発行日: 1989/04/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 坂和 愛幸
    1989 年 7 巻 2 号 p. 209-214
    発行日: 1989/04/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 稔
    1989 年 7 巻 2 号 p. 215-220
    発行日: 1989/04/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
feedback
Top