日本ロボット学会誌
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3 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 川村 貞夫, 川村 竜也, 藤野 大助, 宮崎 文夫, 有本 卓
    1985 年 3 巻 3 号 p. 177-187
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    二足歩行運動には, いくつかの種類の歩行運動パターンがある.ロボットは, 環境の変化に対して運動パターンを選択することによって, 歩行における適応能力を獲得するものと思われる.しかしながらロボットのまわりの環境に大きな変化がない場合には, 同じ運動パターンを繰り返すことによって二足歩行運動は実現される.したがって二足歩行ロボットにとっては, なによりもまず第一に一つの歩行運動を実現することが最も必要なことである.
    一般に, 一つの歩行運動パターンが与えられたとしても, 単純なサーボ機構だけではそれは実現されない.なぜならば, リンク間の動的干渉や摩擦や歩行に関する機械的拘束条件の変化などが, ロボットの運動に大きく影響するからである.このような困難な問題を解決するために我々は, 一種の学習制御を二足歩行ロボットに適用する.この制御方法によれば, 歩行を実現できる望ましい入力パターンは, ロボットが歩行運動を繰り返すことによって構成される.そして数回の試行の後, ロボットは一つの歩行運動パターンを獲得することができる.
    この論文においては, 学習制御によって得られたいくつかの実験結果が示される.さらに, 別の歩行運動を生み出す入力パターンは, 以前に学習によって得られた入力パターンから直接得られることを示す.
  • 荒牧 重登, 長沢 勲
    1985 年 3 巻 3 号 p. 188-196
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    我々は先に, LISPやAPLなど関数型言語の特徴をもつ動作記述型ロボット言語IMLを開発した.しかし, IMLは作業環境への適用能力を向上させるための各種センサからのフィードバック情報を処理していないので, 環境の変化に適応して行う作業を記述できなかった.本論文では, ロボットの感覚機能として力センサとオンオフセンサを考え, これらのセンサ情報を処理できるように拡張したIMLについて述べる.そして力制御モードを導入した教示データの再生によって, 作業プログラムの作成が容易になることを示す.また, いくつかの作業例をIMLで記述し, 実際にロボットにその作業を行わせることによってその有効性を確認できた.
  • 増田 隆広, 二川 暁美, 古賀 英士, 井上 健二
    1985 年 3 巻 3 号 p. 197-206
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    現在, 産業用ロボットに用いられている制御法は, 駆動モータの回転角や角速度を検知してアームの運動を制御するセミクローズドループである.この様な構成のロボットシステムについて, アーム運動系のみならず, 制御系, 駆動系, および動力伝達系を含む総合的なシミュレーション解析を行った.その結果, ロボットアームに発生する振動とその低減法に関し, 以下の事項を明らかとした.
    (1) ロボットアームに発生する振動
    動力伝達系の剛性が制御系の剛性に比べて十分低い場合には, アーム運動系の最も低い固有振動が卓越する.これは, 各軸が剛体で, かつ関節にばねを設けた振動モデルの1次固有振動に一致する.関節のばねは, 動力伝達系の剛性と等しい.制御系の剛性が動力伝達系の剛性に比べて十分低い場合には, 制御系の剛性に起因する振動が発生する.
    (2) ロボットアームの振動の低減
    振動が制御系の剛性と動力伝達系の剛性のいずれに起因して生じているかをまず明確にする必要がある.動力伝達系の剛性に起因する場合には, これを上げる対策と制御系の剛性とダンピングを下げる対策が有効である.制御系の剛性に起因する場合には, 制御系のダンピングを上げる対策が有効である.
  • 金子 真, 舘 〓, 谷江 和雄, 阿部 稔
    1985 年 3 巻 3 号 p. 207-219
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本論文は, エネルギー効率の観点からみた歩行機械の相似性について論じている.
    、はじめに9つの物理量に対して次元解析を行5ことにより, 歩行機械のエネルギー効率を支配する5つの無次元数を導入している.次に, 各無次元数がエネルギー効率に及ぼす影響について調べるため, n脚歩行モデルを対象に, アクチュエータ配置に関する基本的な考察と計算機シミュレーションが行われている.このシミュレーションでは, 特に脚系の慣性力に起因する床反力まで考慮されている.
    シミュレーション結果と相似性についての基本的解釈は以下のようにまとめられる. (1) 同じ歩幅比であっても無次元胴体高さはエネルギー効率 (移動仕事率) に大きく関与する. (2) 質量比はエネルギー効率 (移動仕事率) に線形的に影響する. (3) 脚慣性力による床反力の効果は必ずしも無視できない. (4) 極端な低速歩行では, 6脚歩行機械より4脚歩行機械の方が少ないエネルギーで移動できるが, 高速になってくると逆に6脚歩行機械の方が少ないエネルギーで移動できる. (5) たとえ幾何学的に相似で質量比まで同じ2つの歩行機械を考えたとしても, 両者のエネルギー効率は一般に等しくならず, 理論的に両者が等しくなるのは限られた運転条件に限定される.
  • 松原 仁, 岡野 彰, 井上 博允
    1985 年 3 巻 3 号 p. 220-228
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    知能ロボットシステムの構築のためには, 高いレベルのロボット言語の存在が不可欠である.我々の研究室では, 既に動作レベルの言語処理系AL/Lが作成されているが, この度その処理系の上に, 積み木の世界を対象とする作業目標レベルと対象物状態レベルの言語処理系の設計と試作を行ったので, 本論文ではその内容についてアーチの例を示しながら述べる.
    試作した作業目標レベルの処理系は, たとえば (build arch) という入力に対し, 概念モデルに記憶してあるアーチの情報から具体的な目標状態の記述を作成して, (make〈アーチに相当する状態〉) という出力を対象物状態レベルの処理系に渡す.対象物状態レベルの処理系は, 目標状態の記述から作業手順を自動的に生成し, 各物体の位置と姿勢を算出して動作レベルのAL/Lのソースコードを出力する.これらの処理系は, あらかじめ概念を登録しておきさえすれば, 作業目標を入力するだけで動作レベルにまで展開してくれるので, 人間のプログラマーは環境状態やロボットの構造を意識せずにプログラムを書くことができる.
  • 中嶋 新一
    1985 年 3 巻 3 号 p. 229-233
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本小報告は, 対象物形状に沿ったロボットの経路教示作業の簡略化に超音波近接センサを利用する方法について検討を行っている.ロボットを手動で操縦するために, 本システムはロボット手先方向の速度指令を与えることのできる, 力感応形の操作器を用いており, この操作器に近接情報を反力としてフィードバックしている.
    この力フィードバックにより, 作業者は手先を, バネを介して押し付けるようにして, 対象面に沿って誘導することができる.これにより, 細かな位置調節に伴う作業負担を大幅に軽減することができ, 能率のよい教示作業が実現できる.
  • 加藤 一郎
    1985 年 3 巻 3 号 p. 235-238
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
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