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杉山 耕一朗, 小高 正嗣, 中島 健介, 林 祥介
セッションID: 323
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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木星大気における H2O と NH3 の凝結および NH4SH の生成に伴う成層安定化効果と雲対流構造との関係を明らかにすることを目的に, これら 3 種類の凝縮成分を考慮した 2 次元雲対流モデルを新たに開発してきた. 本講演では, 長時間積分によって得られた木星雲対流構造の統計的平衡状態を報告する.
計算の結果, H2O と NH3 の凝結に伴って安定化した成層が現れた. NH3 の凝結に伴う安定成層は流れ場を鉛直方向に完全に分割するほど強くはなく, H2O 凝結高度から対流圏界面にまで達する上昇流が間欠的に生じた.
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光田 千紘, 横畠 徳太, 倉本 圭
セッションID: 324
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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古火星の温暖な気候をもたらすメカニズムの一つとして,CO
2氷雲による散乱温室効果が提案されている. 温室効果は雲の光学的厚さや粒径に強く依存するにも関わらず, どのような雲が形成されるかについてはほとんど調べられていない. 本研究ではCO
2-H
2O大気の一次元放射対流凝結平衡モデルを構築し, 放射冷却によって形成されるCO
2氷雲の雲パラメタとその散乱温室効果を調べた. その結果, 大気圧が数気圧以上の場合, 凝結核混合比10
5-10
7 kg
-1程度であれば強い散乱温室効果を起こす雲が形成され, 地表面温度は H
2Oの融点を超えることがわかった.
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森川 靖大, 石渡 正樹, 高橋 芳幸, 小高 正嗣, 林 祥介
セッションID: 325
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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様々な惑星大気の条件に応じた数値実験の設計と実行を容易にする大気大循環モデルの姿を模索するべく, ソースコードの可変性と可読性を重視して新たにその力学過程の設計, プログラム実装, 試験計算を行った. 可読性と可変性向上のための工夫として, モジュールや構造体を用いたモデルの階層化, 配列演算における関数の利用, 変数と関数の命名規則の導入, ドキュメントを自動生成するための RDoc の拡充を行った. このモデルは DCPAM と名付け, インターネット上 (http://www.gfd-dennou.org) に公開している.
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古荘 玲子, 塚田 健, 鈴木 文二, 一星 昌利, 福島 英雄
セッションID: 326
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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73P/Schwassmann-Wachmannは、約5.4年の周期を持つ典型的な木星族彗星の一つで、1995年に4つの分裂核へと分裂をおこし2001年に複数の分裂核の回帰が観測された分裂彗星である。今年2006年では、C核やB核の回帰だけでなく、数十を越す数の分裂核が発見された。
我々は、国立天文台三鷹にある50cm社会教育用公開望遠鏡に偏光撮像装置PICOを取り付け、73Pの偏光撮像観測を行った。
講演では、観測結果を速報し、C核とB核の比較を行うとともに、二つの核の彗星塵の違いについて議論する。
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渡部 潤一, 佐藤 幹哉, 春日 敏測
セッションID: 327
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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ほうおう座流星群は、1956年に南極観測船・宗谷に乗り組んだ第一次南極越冬隊員によってインド洋上で目撃された流星群である。その後の流星出現はほとんど見られず、幻の流星群と呼ばれていた。最近になって小惑星2003WY25が母天体とされるブランペイン彗星とほぼ同一軌道をもつことがわかった。その軌道をもとにダストトレイル理論を用いて、1956年の流星群の大出現を再現した。また、本手法を応用し、流星群の出現状況から過去の彗星活動度を探る新しいアプローチについて紹介する。
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豊田 英里, 伊藤 洋一, 石隈 慎一郎, 村多 大輔, 大朝 由美子, 佐藤 文衛, 向井 正
セッションID: 328
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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我々は、連星系における惑星形成の理解を目指して、2003年度から岡山天体物理観測所の高分散分光器HIDESを用いて連星系の系外惑星探査を開始した。これまでに実視連星系をなす19天体について1~2ヶ月に1回程度の頻度で視線速度をモニターし、約3年分のデータを取得するに至った。これらについては、2004、2005年度秋季講演会でも報告を行ってきた。さらに、2005年度8月からは新たに、軌道長半径が10天文単位以下の分光連星系に対する系外惑星探査を開始した。本講演では、これらの観測の現段階での進捗状況について報告する。
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小林 憲正, 小川 智也, 細貝 知弘, 佐藤 康之, 金子 竹男, 吉田 聡
セッションID: 329
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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隕石や彗星中の有機物の生命の起源への寄与が注目されている。隕石や彗星中の有機物は,元来,分子雲中の星間塵アイスマントルに宇宙線が作用して生成した,という仮説を検証するため,メタノール,アンモニア,水の凍結混合物に重粒子線を照射した。その結果,分子雲中で宇宙線の作用によりアミノ酸前駆体を含む高分子状複雑有機物が生成することが示唆された。このような有機物は散光星雲では主として紫外線により,太陽系小天体となった後には,主として宇宙線による変成を受ける。そのような過程の検証実験を計画中である。
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平田 成, 中村 良介, 本田 親寿, 中村 昭子, 出村 裕英, 道上 達広, 宮本 英昭, 齋藤 潤
セッションID: P01
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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衝突クレーターは,大気の無い天体の地形要素として非常に重要である.小惑星イトカワは,長軸長が535 mしかない非常に小さな天体である.このような小さな天体における衝突現象について知るために,探査機はやぶさによって取得された画像と,画像に基づいて構築された形状モデルを用いた地形学的な解析を行った.
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宮本 英昭, 矢野 創, 佐々木 晶, 出村 裕英, 平田 成, 石黒 正晃, 道上 達広, 中村 昭子, 中村 良介, 齋藤 潤
セッションID: P02
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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はやぶさ探査機は2005年11月に、小惑星イトカワへのタッチダウンに成功した。その降下フェーズ及びリハーサルの段階で、これまでの小惑星探査とは比較にならないほど鮮明な高解像度の画像が取得された。高解像度画像は、イトカワ上の異なる地域で合わせて30枚以上が取得されたが、一部の画像はあまりにも撮像範囲が小さいために、どの場所の画像なのか推定するに困難を伴った。本発表では、軌道情報や地理情報システムを用いて全ての画像の位置を同定したことを報告するとともに、そうした画像に見られる岩塊の堆積環境を、周辺の地質学的特性と比較検討しながら議論する。
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井上 達年, 山本 幸生, 岡田 達明, 白井 慶, 荒井 武彦, 小川 和律, 井上 朋香, 加藤 学
セッションID: P03
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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小惑星探査機はやぶさに搭載された蛍光X線分光計(XRS)は十分なエネルギー分解能を得るためにX線CCDのフードがラジエータとして働き放射冷却を行っており、この部位に温度計測を行うための温度センサーが取り付けられている。この温度センサーは熱真空試験により十分に較正されており、小惑星の温度を知るためにも有用である。この温度センサーにより計測された小惑星イトカワへのタッチダウン時の温度変化を説明するために小惑星イトカワの形状を考慮した温度モデルを作成し表面熱物性についての考察を行う。
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井上 朋香, 小川 和律, 岡田 達明, 白井 慶, 山本 幸生, 荒井 武彦, 加藤 學
セッションID: P04
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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蛍光X線観測は、惑星探査の代表的手法の一つであり、フライバイ探査によって大気のない惑星の表層元素組成を定量的に決定することができる。はやぶさ搭載XRS (X-Ray Spectrometer) では、イトカワ表層からの蛍光X線を観測し、定量的に表層元素組成を決定する。蛍光X線は太陽X線を励起源としているが、イトカワ観測期間中の太陽活動度は予想より低く、CaやFeなど高エネルギー側の元素を検出するには、観測期間のデータを長時間積分する事が必要である。我々は、数値シミュレーションの結果より積分時間を検討し、距離や視野を十分に考慮して解析を行った。
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出村 裕英, 宮本 英昭, 矢野 創, 吉川 真, 吉光 徹雄, 表面科学パッケージ サブグループ
セッションID: P05
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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小天体探査ワーキンググループ内に設置された我々SSPサブグループは、小天体地表で機能する表面科学パッケージの開発を目指している。探査機搭載グローバルマッピング用カメラの分解能と、回収試料サイズとをつなぐ撮像が目標で、位置同定・試料代表性確認のための機器構成を検討してきた。微小重力環境下の堆積学・層序学的知見も重要な目標である。現地でしかできない直接分析に重点を置き、試料採取地点選定の支援や探査機科学観測機器較正も念頭に置いている。本サブグループ内の機器新規開発要素の調査・試作の現状を報告する。
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安部 正真, 北里 宏平
セッションID: P06
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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はやぶさミッションの探査対象であった小惑星イトカワは、探査機の小惑星到着前までにさまざまな地上観測が実施され、さまざまなイトカワに関する物理量が推定されていた。その結果についてまとめる。これらの結果がどの程度有効であったのかを検証すると同時に、次期小惑星探査候補天体の地上観測をどのように進めるべきかを考える。
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矢野 創, 野口 高明, 松永 三郎, 藤井 裕矩, 三浦 弥生, 森 治, 土山 明, 奈良岡 浩, 中村 智樹, 長谷川 直, 小天体探 ...
セッションID: P07
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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はやぶさに続く始原天体ミッションとして、C型小惑星の表面および地下物質に適した試料採取機構・運用方法を検討している。従来のはやぶさの技術と運用をベースラインにしつつも、有機物や含水鉱物を採取する観点からの改良点として、収量の増加と層序情報の維持が挙げられる。そこで「コアラー撃ち込み&テザーによる引き抜き法」と「自由面発破による人工クレーター形成の可能性」の基礎開発を実施してきた。それらの成果を報告する。
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濱田 善夫, 鈴木 道人, 平田 成, 出村 裕英, 浅田 智朗
セッションID: P08
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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本研究では小惑星探査における地形認識の為に、多眼の魚眼レンズを用いた立体視システムを提案し検討する。この研究のシステムは、入力を2枚以上の画像とし、(1)特徴点の抽出、(2)魚眼レンズの歪みを考慮した画像の相関によるマッチング、(3)視差による3次元点の抽出を経て表示をする。本研究の進捗状況をポスターにて発表する。
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藤井 良明, 平田 成, 出村 裕英, 浅田 智朗
セッションID: P09
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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この開発では操作性を考慮してGUIを採用し、幅広いプラットフォーム環境で使用することができるよう、GTK(The GIMP Toolkit)を採用した。イトカワのポリゴンデータの各ポリゴンに、物理量を対応付けたファイルを入力データとして、その物理量に任意の色割り当てを行うことができ、視点も自由に動かせる立体地図として可視化した。また、現在得られている最大解像度のポリゴンデータ(300MB)の読み込みに対応している。
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高木 靖彦, 宮本 英昭, 出村 裕英, 中村 良介
セッションID: P10
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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本発表では、JAXA宇宙科学研究本部理学委員会の下に作られた小天体探査WGによる次期小天体探査計画の検討結果のうち、小惑星表層および地形の探査に関わる科学目標とそのために必要な搭載機器の仕様を報告する。
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柴田 裕実, 野上 謙一, 宮地 孝, 蔵座 元英, 大橋 英雄, 藤井 雅之, 佐々木 晶, 岩井 岳夫, 南 繁行, 武智 誠次, 大西 ...
セッションID: P11
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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現在、BepiColombo国際日欧水星探査計画が進められており、2013年に水星へ向けて打ち上げられる。惑星空間及び水星周辺のダスト計測を行うために、MMO探査機にピエゾ圧電素子を用いたダスト検出器を搭載する予定で開発を行っている。計測対象として、速度 2~60 km/s, 粒子質量 1 fg ~ 1 ngのダストを想定している。検出器はダストの計数のみでなく、ダストの飛来方向、質量、速度を計測する。加速器を用いた超高速ダスト模擬衝突実験を東大とMPI-K(ドイツ)で行い、衝突の出力波形の解析から運動量や速度を求める方式を模索している。
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佐伯 和人, 奥野 英晶, 斉藤 貴美子, ALIS ユーザーグループ
セッションID: P12
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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画像分光望遠鏡を米国ハワイ州ハレアカラ山頂で運用し、月面の可視近赤外スペクトルを得た。このデータを元に、月面のMg/Fe比の違いに起因する鉄の二価の吸収バンドのシフトの検出に成功した他、月の推定反射率マップも作成することができた。これらのデータをもとに2007年度に打ち上げが予定されているセレーネ月探査機に搭載された月分光撮像装置で検出可能な地質特徴の予測や、観測重点箇所について提案する。
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岩田 隆浩, 南野 浩之, 佐藤 章, 鶴田 誠逸, 松本 晃治, 菊池 冬彦, 花田 英夫, 並木 則行
セッションID: P13
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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SELENEでは、リレー衛星(Rstar)とVRAD衛星(Vstar)を用いて、月裏側の4ウェイドプラ計測と多周波相対VLBI観測により、月重力場の高精度グロ-バルマッピングを行う。より高精度の重力場観測データを取得するため、バッテリ運用模擬試験、電気性能試験、熱真空試験、分離性能試験から衛星の実力を把握して、バッテリ、衛星姿勢、ならびに電力状態の状態を推定、運用計画に活用する。
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山田 竜平, 山田 功夫, 田中 智, 白石 浩章, 小林 直樹, 竹内 希, 村上 英記, 藤村 彰夫
セッションID: P14
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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本研究では、固有周期1secの速度型短周期地震計であるペネトレータ搭載用月震計で更なる長周期の特性を実現する事を目指す。ここではまず、現状の性能として、地球用の広帯域地震計STS-2と微小振動に対して同時観測を行い、長周期側で比較した結果を示す。次に、長周期化の手法としてフィードバックシステムを用いる事を検討した。検討結果より選別したフィードバック手法でどこまでの長周期の特性が実現できるかシミュレートを行い、その特性により得られる成果についても議論する予定である
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大村 和貴, 宮本 英昭, 春山 純一, 西堀 俊幸
セッションID: P15
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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私たちは室内実験を行うことで電磁波を用いた地下構造探査の探査データ解釈に必要な基礎データの蓄積を目指している。室内実験として取り扱うのに適切な~1m程度の大きさの模擬地形を用意しそれに応じた周波数帯の電磁波を用いることで、模擬実験を行っている。電波暗室の内部で行いネットワークアナライザに接続されたアンテナから1GHz-6GHzのチャープ信号の送受信を行い,反射波の電磁波強度と遅延時間を測定することで上述の探査データを適切に評価できる実験が行えるようになった。本講演では、この実験設備の詳細とこれを用いた今後の研究計画について報告する。
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原田 直人, 狩野 智皓, 木村 裕樹, 程熊 智樹, 平田 成, 出村 裕英, 浅田 智朗
セッションID: P16
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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この研究では、月惑星DTMからクレータと線状地形を自動抽出するアルゴリズムを開発した。そのアルゴリズムの前処理の部分である、DTMから特徴地形をエッジ検出する方法について検討した結果を報告する。今春に報告した時はFFTのハイパスフィルタを使ったエッジ検出を利用していたが、この方法だけでは、幅や大きさの違う特徴地形を検出することができなかった。そこでDTMの解像度を変えながらエッジ検出する方法を検討した。また、強調処理を行うことで、エッジ検出の効率は上がるのかどうかも調べた。
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木村 賢一, 平田 成, 出村 裕英, 浅田 智朗
セッションID: P17
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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SELENE/MIを念頭に置いたマルチバンド画像データについて、分光学的分類を試みた結果を報告する。将来の月面領域分割および地質図作成のための基礎技術である。
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横田 康弘, 春山 純一, 大竹 真紀子, 諸田 智克, 本田 親寿, 原 誠一, 日置 和之, LISM サイエンスチーム
セッションID: P18
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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SELENEに搭載される月面撮像/分光機器(LISM)の地形カメラ(TC)からは、三次元の数値地形モデル(DTM:Digital Terrain Model) が得られる。本研究ではこのDTMソフトのプロトタイプを利用してアポロ写真からDTMを作成して、定量的な地質区分の新しい指標を開発することを目標としている。現在アポロDTMの作成と各種検証作業を実施中である。講演会では、予備試験的に異なる地域間で起伏・斜度の統計的諸量を比較した結果も述べる予定である。
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杉原 孝充
セッションID: P19
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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これまでに理解されている情報の再評価を行うことで、リモートセンシングでデータを用いながら、月内部構造を理解する方法を考察する。
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滝田 隼, 斎藤 靖之, 田中 智, 宝来 帰一
セッションID: P20
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
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月熱流量観測がアポロ15・17号で実施され月表層温度が計測された。過去に年周期温度変動データ解析から月レゴリスの熱拡散率κが10の-8(m^2/s)乗程度、また月表面温度冷却曲線の解析から月面上にκが10の-9の2cm程度の薄い層が推定された。
Thermal skin depthの違いから、年周期に対して熱的解像度が高い短周期の現象である月自転・月食時の温度変動の解析を行った結果、上層のκを10の-9乗、下層が10の-6の場合、月自転では厚さ2cm、月食の場合では2mm程度で観測振幅を実現した。
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古市 勝久, 柏木 利介, 高島 健, 奥野 祥二, 吉田 健二, 伊藤 真之, 森 国城, 西村 純
セッションID: P21
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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月周回衛星SELENEに搭載されるα線検出器(ARD)は、月からのα線を観測し、月面からのガス放出現象をとらえる。これは月表層下の情報を得る手がかりとなる。本発表では、宇宙線によるバックグラウンド量の見積もりを行うことによって月面マッピングの際の空間分解能、検出感度等の評価を行う。
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石橋 之宏, 鍵谷 将人, 梅川 慎吾, 岡野 章一
セッションID: P22
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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月面のナトリウムの組成分布をその場観測により直接測定するのは難しい.一方で地上からの光学観測により,非常に希薄なナトリウム大気が月の周囲に分布していることが解っている.この過渡的な希薄大気の分布が月面組成分布を推定する有効な手段になり得るかどうかを確かめるため,ナトリウム大気生成を模擬した数値実験による検討を行った.初期結果では,月面のナトリウム組成に現実的な範囲内で変化を与えてもそれが希薄大気分布に対して有意な影響を与えなかった.
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園部 彩, 三澤 浩昭, 森岡 昭, 岡野 章一
セッションID: P23
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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水星ナトリウム大気には、地上からの光学観測により数々の特徴的な時間変動・空間分布が確認されている。この一つとしてNa大気空間分布の「Local Time(LT)依存性」が挙げられる。この現象は水星ディスク付近で確認されているため、低速で水星表面から放出されるNa原子が影響していると考えられている。本研究では、モンテカルロ法を用いた数値シミュレーションを用いて、観測結果との比較により水星Na大気のLT依存性を引き起こすメカニズム・効果を探ることで、Na大気の低速成分生成過程の理解を目指している。
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小川 佳子, マンガ マイケル
セッションID: P24
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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火星のアウトフローチャネルの形態及び分布はその水源が地下にあることを示しているが、その大規模な水の生成や流出過程はよくわかっていない。私達はダイクが凍土層に貫入した際に引き起こす融解水が1つの可能性であると考えている。そこでUSGSによって開発されたHYDROTHERMを拡張し、氷-水の相変化を新たに取り入れたコードを開発した。火星のマグマ貫入に伴う地下水流を数値的に解き、融解水の生成量を見積もり、透水係数への依存性を明らかにした。
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原田 雄司
セッションID: P25
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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火星における表層質量荷重による真の極移動の永年変動についてモデル計算を行なった.この計算では,化石バルジが自転軸の安定性に与える効果だけでなく,極潮汐が自転軸の安定性に与える効果も考慮した.その結果,極潮汐を考慮した場合の極移動の永年変動は考慮しない場合と比べて幾分,様相が異なる事が分かった.この差異の程度は火星の内部粘性構造に依存する.その理由は,極潮汐による粘弾性変形の記憶が慣性能率テンソルの変動の履歴に残るからである.本研究の結果は,火星においてタルシスにより駆動される極移動に対して極潮汐が影響を及ぼす可能性を示唆する.
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原田 雄司
セッションID: P26
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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エウロパの非同期回転に伴なう粘弾性潮汐変形のモデル計算を行なった.そしてモデル計算を踏まえて,エウロパにおける地質学的状況証拠,非同期回転周期,及び表面の氷のレオロジーの関連性について考察を行なった.その結果,エウロパの表面粘性は10
19 ~ 10
20 Pa.sである事が示唆された.本研究の考え方は,固体天体においてテクトニクスを通じて表面粘性を見積もる事が出来る可能性を示した.
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林 大雅, 林 佐千男
セッションID: P27
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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藤井 雄一, 中村 昭子
セッションID: P28
発行日: 2006年
公開日: 2007/06/01
会議録・要旨集
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惑星形成の中でダストから微惑星に至る物理過程はよくわかっていない。過去の実験的研究により、衝突によって物質が破壊し始める速度―臨界速度―にサイズ依存性があることが示されている(Higa et al.1998)。
ダストの集合体は空隙率が高いと考えられることから、本研究では衝突体が空隙を持つことで臨界速度にどのような影響がでるのかを調べるために、50±6%の空隙率を持つ石膏球を用いて低速度での衝突実験を行った。破壊の様子として圧密が生じることを結果として得た。それゆえ圧密が臨界速度にどういった影響を与えているかを議論する
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