日本惑星科学会秋季講演会予稿集
日本惑星科学会2006年秋季講演会予稿集
選択された号の論文の139件中51~100を表示しています
オーラルセッション 8 10月20日(金) 10:15-11:51
  • 田中 今日子, 山本 哲生
    セッションID: 308
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/01
    会議録・要旨集 フリー
    液体及びアモルファス物質の結晶化過程を理解するために、液体中の結晶核の生成と成長をモデル化した。完全溶融した液体球の冷却を考え、核生成過程、結晶核の成長とそれによる潜熱の解放を考慮した。界面エネルギーと活性化エネルギーをパラメータとしてさまざまなパターンを探査した結果、再融解、 結晶成長、結晶成長なしの3つの場合に分られることが分かった。実験(Nagashima et al. 2006)の温度履歴および結晶成長時刻の理論解析を行い、実験を良く再現するforsteriteの界面エネルギーと拡散の活性化エネルギーを求めた.
オーラルセッション 9 10月20日(金) 14:20-15:44
  • 奥地 拓生
    セッションID: 309
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/01
    会議録・要旨集 フリー
    クラスレートハイドレートは太陽系外部の氷衛星をつくる物質として重要である。そのうち水素を含むハイドレートの研究は、高圧力下での試料作成が必要なことからあまり進んでいない。我々は、高圧容器内でガスハイドレートを合成しながら、その場で同時にNMR分析を行う技術を実現し、これを水素ハイドレートに応用した。その合成・分解および水素の拡散速度を調べた結果、安定なクラスレート格子中での水素の分子輸送は液体なみの値であり、極めて速いことが示された。
  • 小長井 敬介, 平井 寿子, 町田 真一, 八木 健彦
    セッションID: 310
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/01
    会議録・要旨集 フリー
    固体メタンの高温・高圧実験を10~81 GPaでレバー式Diamond Anvil Cell、Nd:YAGレーザーを用いて行い、高温・高圧下で固体メタンの溶融が観察された。X線回折とラマン分光による評価の結果、最高温部ではメタン分子が重合し、冷却後は固体メタンとの明確な屈折率差が残り、エタンとの分子間力化合物に結晶化した。また、比較的低温では、メタン分子が保持されるが、冷却後にアモルファス化した。本実験より高温・高圧のメタンが存在する氷惑星氷層表面付近は溶融している可能性が高いと考えられた。
  • 深澤 裕, 井川 直樹, 山内 宏樹, 石井 慶信
    セッションID: 311
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/01
    会議録・要旨集 フリー
    外惑星やその衛星、カイパーベルトの天体に存在する氷は氷XIなのだろうか?この問題は、氷XIが強誘電体であることから興味深いものとなっている。強誘電性は、例えば氷粒間にロングレンジの静電力を発生させるので、氷粒が大きな氷天体へと成長する過程で重要な役割を担ったと思われる。
    宇宙に氷XIが存在する証拠を得るためには、氷XIを実験室で生成し、そのスペクトルの特徴を理解することが必要である。本研究では、氷XIの生成過程について、その存在に敏感な中性子を用いて調べたので報告する。特に、水酸化物や塩などの不純物、ガンマ線照射等の効果を述べる。
  • 堀 安範, 高部 英明, 佐野 孝好, 塩屋 俊直
    セッションID: 312
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/01
    会議録・要旨集 フリー
    太陽系の形成メカニズム解明へのアプローチとして、木星の岩石コアの質量がある。探査衛星からの観測量を満たす惑星モデルでは、可能なコア質量は、0~10倍の地球質量である (Saumon & Guillot,2004 )。この不定性は、超高圧、高温下にある巨大ガス惑星内部では、水素の状態方程式が理論的にも実験的にも未解決の為である。
    本研究では、ポリトロープモデルを仮定し、コアと外層を持つ木星及び土星の内部構造の数値解析を行った。そして、岩石コアの質量への状態方程式(ポリトロープ指数)の依存性を調べた。
  • 佐野 孝好, 生駒 大洋, 塩屋 俊直, 堀 安範, 重森 啓介, 境家 達弘, 大谷 一人, 一之瀬 大吾
    セッションID: 313
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/01
    会議録・要旨集 フリー
    超高圧下での水素の状態方程式は、木星に代表される巨大ガス惑星(木星型惑星)の内部構造を探る上で極めて重要である。我々は、惑星内部に匹敵するような超高圧下での水素の状態方程式を実験的に検証することを目的として、大阪大学レーザーエネルギー学研究センターにある激光XII号レーザーを用いた衝撃圧縮実験を開始した。まずは、木星内部の遷移層に近い物理条件を実験室で再現し、水素の状態方程式や金属化の証拠について調べていきたいと考えている。本公演では実験の現状と、水素の状態方程式実験が惑星形成シナリオに与えるインパクトについて報告する。
  • 千秋 博紀
    セッションID: 314
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/01
    会議録・要旨集 フリー
    固有磁場の存在は、惑星の可居住性についての議論する上で重要な要素のひとつである。地球型惑星が固有磁場を持つためには、金属コア内部で活発な対流が生じ、ダイナモ作用が働く必要がある。つまり固有磁場を持つか否かは、惑星の熱進化によって決まる。そこで本研究ではパラメタライズド対流モデルを使った地球型惑星の内部熱進化モデルを構築し、惑星のサイズが固有磁場の形成条件に与える影響について議論する。
  • 広瀬 佑介, 倉本 圭
    セッションID: 315
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/01
    会議録・要旨集 フリー
    水星の反射スペクトルの観測結果等から、水星は還元的な物質から成る可能性が示唆される。そこで水星のマントルおよび核の組成を、還元的な始原隕石であるエンスタタイトコンドライトの珪酸塩成分および金属・硫化物成分の組成とそれぞれ同一であるとし、水星の熱史を計算した。計算の結果、マントル対流が転位クリープによる場合は内核成長は起きず、結晶粒径3mm以下の拡散クリープによる場合は45億年以内に内核成長が起こり、それに伴って外核には組成対流が生じる。水星の固有磁場は後者の場合で説明できるかもしれない。
オーラルセッション 10 10月20日(金) 16:00-17:24
オーラルセッション 11 10月20日(金) 17:40-19:04
  • 杉山 耕一朗, 小高 正嗣, 中島 健介, 林 祥介
    セッションID: 323
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/01
    会議録・要旨集 フリー
    木星大気における H2O と NH3 の凝結および NH4SH の生成に伴う成層安定化効果と雲対流構造との関係を明らかにすることを目的に, これら 3 種類の凝縮成分を考慮した 2 次元雲対流モデルを新たに開発してきた. 本講演では, 長時間積分によって得られた木星雲対流構造の統計的平衡状態を報告する.
    計算の結果, H2O と NH3 の凝結に伴って安定化した成層が現れた. NH3 の凝結に伴う安定成層は流れ場を鉛直方向に完全に分割するほど強くはなく, H2O 凝結高度から対流圏界面にまで達する上昇流が間欠的に生じた.
  • 光田 千紘, 横畠 徳太, 倉本 圭
    セッションID: 324
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/01
    会議録・要旨集 フリー
    古火星の温暖な気候をもたらすメカニズムの一つとして,CO2氷雲による散乱温室効果が提案されている. 温室効果は雲の光学的厚さや粒径に強く依存するにも関わらず, どのような雲が形成されるかについてはほとんど調べられていない. 本研究ではCO2-H2O大気の一次元放射対流凝結平衡モデルを構築し, 放射冷却によって形成されるCO2氷雲の雲パラメタとその散乱温室効果を調べた. その結果, 大気圧が数気圧以上の場合, 凝結核混合比105-107 kg-1程度であれば強い散乱温室効果を起こす雲が形成され, 地表面温度は H2Oの融点を超えることがわかった.
  • 森川 靖大, 石渡 正樹, 高橋 芳幸, 小高 正嗣, 林 祥介
    セッションID: 325
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/01
    会議録・要旨集 フリー
    様々な惑星大気の条件に応じた数値実験の設計と実行を容易にする大気大循環モデルの姿を模索するべく, ソースコードの可変性と可読性を重視して新たにその力学過程の設計, プログラム実装, 試験計算を行った. 可読性と可変性向上のための工夫として, モジュールや構造体を用いたモデルの階層化, 配列演算における関数の利用, 変数と関数の命名規則の導入, ドキュメントを自動生成するための RDoc の拡充を行った. このモデルは DCPAM と名付け, インターネット上 (http://www.gfd-dennou.org) に公開している.
  • 古荘 玲子, 塚田 健, 鈴木 文二, 一星 昌利, 福島 英雄
    セッションID: 326
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/01
    会議録・要旨集 フリー
    73P/Schwassmann-Wachmannは、約5.4年の周期を持つ典型的な木星族彗星の一つで、1995年に4つの分裂核へと分裂をおこし2001年に複数の分裂核の回帰が観測された分裂彗星である。今年2006年では、C核やB核の回帰だけでなく、数十を越す数の分裂核が発見された。
    我々は、国立天文台三鷹にある50cm社会教育用公開望遠鏡に偏光撮像装置PICOを取り付け、73Pの偏光撮像観測を行った。
    講演では、観測結果を速報し、C核とB核の比較を行うとともに、二つの核の彗星塵の違いについて議論する。
  • 渡部 潤一, 佐藤 幹哉, 春日 敏測
    セッションID: 327
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/01
    会議録・要旨集 フリー
    ほうおう座流星群は、1956年に南極観測船・宗谷に乗り組んだ第一次南極越冬隊員によってインド洋上で目撃された流星群である。その後の流星出現はほとんど見られず、幻の流星群と呼ばれていた。最近になって小惑星2003WY25が母天体とされるブランペイン彗星とほぼ同一軌道をもつことがわかった。その軌道をもとにダストトレイル理論を用いて、1956年の流星群の大出現を再現した。また、本手法を応用し、流星群の出現状況から過去の彗星活動度を探る新しいアプローチについて紹介する。
  • 豊田 英里, 伊藤 洋一, 石隈 慎一郎, 村多 大輔, 大朝 由美子, 佐藤 文衛, 向井 正
    セッションID: 328
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/01
    会議録・要旨集 フリー
    我々は、連星系における惑星形成の理解を目指して、2003年度から岡山天体物理観測所の高分散分光器HIDESを用いて連星系の系外惑星探査を開始した。これまでに実視連星系をなす19天体について1~2ヶ月に1回程度の頻度で視線速度をモニターし、約3年分のデータを取得するに至った。これらについては、2004、2005年度秋季講演会でも報告を行ってきた。さらに、2005年度8月からは新たに、軌道長半径が10天文単位以下の分光連星系に対する系外惑星探査を開始した。本講演では、これらの観測の現段階での進捗状況について報告する。
  • 小林 憲正, 小川 智也, 細貝 知弘, 佐藤 康之, 金子 竹男, 吉田 聡
    セッションID: 329
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/01
    会議録・要旨集 フリー
    隕石や彗星中の有機物の生命の起源への寄与が注目されている。隕石や彗星中の有機物は,元来,分子雲中の星間塵アイスマントルに宇宙線が作用して生成した,という仮説を検証するため,メタノール,アンモニア,水の凍結混合物に重粒子線を照射した。その結果,分子雲中で宇宙線の作用によりアミノ酸前駆体を含む高分子状複雑有機物が生成することが示唆された。このような有機物は散光星雲では主として紫外線により,太陽系小天体となった後には,主として宇宙線による変成を受ける。そのような過程の検証実験を計画中である。
ポスターセッション
feedback
Top