日本組織適合性学会誌
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12 巻, 2 号
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総説
  • 小出 幸夫
    2005 年 12 巻 2 号 p. 143-151
    発行日: 2005年
    公開日: 2017/03/30
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    T細胞は癌細胞や細胞内寄生病原体に対する生体防御機構として, 重要な役割を果たす. すなわち, 細胞傷害性T細胞(CTL)は癌細胞や細胞内寄生病原体のうち, 細胞質内に寄生する病原体に対する防御に重要な働きを行い, 1型ヘルパーT(Th1)細胞は食胞内に寄生する病原体の排除に重要な役割を果たすことが知られている. これらT細胞のエピトープを同定することは, エピトープ, ワクチンの作製, および特異的T細胞のテトラマー法などでの検出に重要である. しかしながら, 従来の方法ではペプチド, ライブラリーからエピトープを段階的に絞り込むという多大な労力と費用を要した. ここでは, 我々が結核菌の主要防御抗原として同定したMPT51分子を対象として, ペプチド, ライブラリーからコンピューター, アルゴリズムを使って, 一挙にT細胞エピトープを同定する方法, およびレトロウイルス発現ベクターとコンピューター, アルゴリズムを併用した合成ペプチドを必要としないエピトープ同定法を紹介する.

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