日本組織適合性学会誌
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6 巻, 2-3 号
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原著論文
  • 松崎 雄三, 小林 賢, 鈴木 洋司, 向田 政博
    1999 年 6 巻 2-3 号 p. 105-113
    発行日: 1999年
    公開日: 2017/03/31
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    HLA検査法は, 従来からの血清学的方法がpolymerase chain reaction(PCR)技術に基づいたDNAタイピング法に置き換わりつつある. PCR技術に基づいたDNAタイピング法は, いずれもPCR増幅終了後に付加的手順が要求される. 我々は, TaqManプローブと呼ばれる二重標識蛍光プローブおよびABI PRISM 7700 Sequence Detection System(PEアプライドバイオシステムズ)を利用して, PCR-SSP増幅後に付加的操作なしに短時間でHLA-DRBアリルが決定できるDNAタイピング法を開発した. HLAアリルが既知の29試料を使用し, 2種類のTaqManプローブおよび市販されているプライマーキットを利用したシステムの検定を行ったところ. ABI PRISM 7700 Sequence Detection System装置から得られたΔRn閾値による陽性と陰性の判定は明瞭で, 偽陽性, 偽陰性反応のどちらも認められず, アリル判定結果は正確であった. TaqMan PCR-SSP法は, 複雑な付加的操作がないため人為的ミスを極力抑えることができ, かつ検査時間が短縮される. 市販されているPCR-SSPキットを使用するため, 臨床検査における日常試験法として応用可能である.

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