熱帯農業研究
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6 巻, 1 号
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原著論文
  • 小林 ゆり, 岡野 武士, 丸尾 達, 北条 雅章, 塚越 覚, 淨閑 正史, 伊藤 善一, 林 紀男, 篠原 温
    2013 年 6 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/08/04
    ジャーナル フリー
    千葉県手賀沼の富栄養化水のみを肥料源としたエンサイの水耕栽培において,水中の懸濁物質(SS)に着目し,エンサイの生育に及ぼす影響から,栽培に適した水路長および導入水の流速を検討した.その結果,水路に沈積したSSによりエンサイの生育は促進され,エンサイは水溶性の肥料成分のみならず,SSからも養分を吸収していることが明らかとなった.SSの沈殿特性は,湖沼水中のSS含有量や,導入水の流速により異なった.水路の上流から下流にかけて生育が均一で高い収量を得ることができ,且つ排水の水質がより改善された条件として,野菜生産と水質浄化の両面から,本実験の条件下では,水路長は20 mまでが好ましく,流す水量は10-20 L/minが最適であると考えられた.
  • 佐々木 大, 井上 直人, 倉内 伸幸
    2013 年 6 巻 1 号 p. 8-12
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/08/04
    ジャーナル フリー
    青色光と赤色光の比率がエンサイの茎の形態に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.供試したエンサイは,台湾で流通している在来系統である.光源に白色光,紫赤色光と青色光の3種類の蛍光灯を用いて,これらの蛍光灯から3本を組み合わせて青/赤色比の異なる4つの処理区を設定した.それらの青色光(450 ± 10 nm)と,赤色光(660 ± 10 nm)とのエネルギー比(B/R)は2.0~23.9である.すべての蛍光灯は連続照射とし,光強度は植物体の頂端でPPFD 200 μmol m-2 s-1となるように調節した.子葉が完全に展開するまで成長させたエンサイを各処理区へ移し,10日間の照射処理を行った.第1節間の茎径を測定した後に,茎の切片を光学顕微鏡を用いて観察して,皮層,髄,空隙の幅(間隙径)を調査した.茎径はB/Rの増加に伴い太くなったが,皮層厚には差が無かった.髄厚はB/Rの増加に伴い有意に肥大し,茎径と髄厚は高い正の相関を示した(r = 0.808,P < 0.001).髄厚,茎径の肥大は,B/Rの増加による髄の細胞サイズの増加と細胞数の増加が関係していた.間隙径はB/Rの最も低い区が他区に比べて有意に小さかった.これらのことから,青色光/赤色光の比率が高いとエンサイの髄の成長が促進され,品質の向上や安定化に効果があると考えられた.
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