熱帯農業研究
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8 巻, 2 号
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原著論文
  • 松田 大志, 樋口 浩和
    2015 年8 巻2 号 p. 43-46
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/29
    ジャーナル フリー
    レイシ品種‘Bengal’と‘Chakrapat’の花粉保蔵試験を,農家で簡便に再現可能なさまざまな湿度と温度の組合せにより行った.保蔵前に65%の発芽率を示した‘Chakrapat’の花粉を冷蔵庫を想定した気温5ºCで湿度30%の条件で保蔵すると,花粉発芽率はゆっくりと低下して8週間後に40%になった.室温を想定した気温20ºCで湿度50%の条件で保蔵すると,発芽率は急速に低下して8週間後に0%になった.一方,シリカゲルとともに花粉を乾燥条件(湿度<10%)で気温5ºCまたは20ºCで保蔵すると,1週間後に発芽率は35%まで低下したが,その後の8週間はほとんど低下しなかった.花粉を-40ºCで保蔵すると,1か月後でも保蔵前と変わらない発芽率が維持された.保蔵前に60%以上の発芽率を示した‘Chakrapat’の花粉を1年間-10ºCまたは-40ºCで保蔵すると,保蔵後の発芽率は30%であった.しかし,保蔵前の発芽率が50%以下の花粉を使って同様の試験を行うと,発芽率は著しく低下した.以上から,レイシ花粉を数週間保蔵するには深冷凍(-40ºC)が望ましいが,実用的で簡便な方法としては湿度30%で冷蔵(5ºC)するのがよいと思われた.レイシ花粉を1年間保蔵するには,冷凍(-10ºC)または深冷凍(-40ºC)するのがよいと思われた.
  • 金城 和俊, 渡嘉敷 義浩
    2015 年8 巻2 号 p. 47-52
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/29
    ジャーナル フリー
    本研究ではジャーガルと国頭マージにおける硫安の施肥による塩基の可溶化のメカニズムを考察した.硫安の施肥量の増加に伴い,両土壌では共に土壌pHが低下し,硝酸の生成量は両土壌間で異なった.ジャーガルでは施肥した硫安由来のアンモニア態窒素の多くは硝酸態窒素に変化し,国頭マージでは硝酸態窒素の生成量は少なかった.土壌間における硝酸態窒素の生成量の違いはジャーガルと国頭マージの塩基の可溶化のメカニズムが異なることに起因した.土壌塩基の可溶化のメカニズムをまとめると,ジャーガルでは硝化作用に伴い,放出される水素イオン,国頭マージでは硝化されずに残存したアンモニウムイオンと一部硝化作用で放出される水素イオンが塩基の可溶化に関与していることが示唆された.
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