産業医学レビュー
Online ISSN : 2435-1059
Print ISSN : 1343-6805
34 巻, 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • ─動物実験データへの適用を中心に─
    広瀬 明彦, 西浦 博
    2021 年 34 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/13
    解説誌・一般情報誌 オープンアクセス
    近年、許容値などを設定するための参照値あるいはPODとして、NOAELを用いる手法に変わって、ベンチマークドース法が適用される事例が増えてきている。特に食品関連の化学物質の許容値設定において、欧州食品庁やWHO・FAOの合同専門家会議での用量反応評価ガイドラインでは、ベンチマークドース法の適用がデフォルトとなることが示されている。ベンチマークドース法によりBMDLを算定する手法については、従来は実験データに最も適合する統計モデルを各評価機関が設定したモデル選択規準に従って選定してBMDLを算出していたが、近年は二値データおよび連続値データをモデル化するのに適した標準的な数種の数理モデルを平均化してBMDLを算出することが主流になってきている。さらに実験データに数理モデルを適合させる手法は、従来の頻度論的手法からベイズ推定を用いた手法に代わりつつある。
  • 佐々木 那津, 川上 憲人
    2021 年 34 巻 1 号 p. 17-50
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/13
    解説誌・一般情報誌 オープンアクセス
    新型コロナウイルス感染症流行下(コロナ禍)における労働者の精神健康の状況と関連要因、対策に関して系統的レビューおよび個別論文、国内外の対策ガイドを検索し整理した。労働者におけるコロナ禍の精神健康の関連要因と組織および個人レベルでの対策が明らかになった。医療従事者は特に精神健康が悪化しやすい集団であった。課題として研究の絶対数が少ないこと、研究の質が高くないこと、介入研究がないことがあげられた。
  • 江口 尚
    2021 年 34 巻 1 号 p. 51-76
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/13
    解説誌・一般情報誌 オープンアクセス
    近年、難病患者の治療と仕事の両立支援(以下、両立支援)への関心が高まっている。本稿では、難病患者における両立支援に関する国内外の研究の現状を把握することを目的とし、対象疾患を、炎症性腸疾患、多発性硬化症、関節リウマチ、パーキンソン病として、それらの疾患の就労に関する文献レビューを行った。その結果、海外では様々な介入研究が行われているが、我が国においては介入研究がほとんど行われていないこと、就労に影響する要因については共通の部分と疾患特異的な部分があることがわかった。
feedback
Top