産業医学レビュー
Online ISSN : 2435-1059
Print ISSN : 1343-6805
最新号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 武藤 孝司
    2025 年 38 巻 1 号 p. 1-29
    発行日: 2025/05/01
    公開日: 2025/05/16
    解説誌・一般情報誌 フリー
    組織の公正と従業員の健康との関連についてのコホート研究や断面研究によって、組織の公正が低いことがうつ病、精神的不調、睡眠障害、バーンアウト、いじめなどのメンタルヘルスのリスク要因であるだけでなく、冠動脈疾患、血圧、メタボリック症候群などの身体的疾患のリスク要因であることが明らかになった。さらに、組織の公正が会社への病気報告、医療機関受診行動、疾病休業、復職、労働安全に影響することも明らかにされた。組織の公正を高めることが従業員の健康の向上に有用であることが示唆されたことから、今後は組織の公正を高めるプログラムの効果を検証する介入研究の成果が期待される。
  • 永田 智久, 小笠原 彩菜, 山本 彩加, 簑原 里奈, 森 貴大, 廣里 治奈, 福井 優人, 山 明日美, 永田 皓太郎, 小田上 公法 ...
    2025 年 38 巻 1 号 p. 30-52
    発行日: 2025/05/01
    公開日: 2025/05/16
    解説誌・一般情報誌 フリー
    本稿は、労働者の健康と労働災害との関連についての学術研究をレビューすることを目的とした。健康は、病気/疾病、生活習慣、健康関連指標とし、また、検索の過程でメカニズムに関連する一部の働き方(長時間労働等)も加えた。産業保健実務でこれらの研究知見が活用され、また、労働者の健康と労働災害との関係について未解明なテーマや、両者の関連のメカニズムを明らかにする研究に発展することを期待する。
  • 大塚 泰正, 落合 由子
    2025 年 38 巻 1 号 p. 53-77
    発行日: 2025/05/01
    公開日: 2025/05/16
    解説誌・一般情報誌 フリー
    本論文では、心理的安全性と産業保健における意義について解説した。はじめに、心理的安全性の理論的背景や定義について紹介し、続いて心理的安全性の先行要因とその影響、心理的安全性の代表的な測定尺度について紹介した。心理的安全性が低いと、組織としての学習行動が減少し、ミスの報告を含めた労働者の発言が減り、沈黙が増える。このような傾向は、産業保健における主要な活動の弊害となる可能性がある。産業保健スタッフには、日頃から、心理的安全性の高い職場風土づくりを支援することが求められる。
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