-
古嶋 亮一, 田中 諭, 加藤 善二, 植松 敬三
セッションID: 3A36
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
ロットゲーリングファクター(LF)は,多結晶セラミックスの各結晶軸をそろえたセラミックス配向体の配向の程度を評価する指標として良く用いられている.LFは無配向体と配向体のXRDピークの強度から簡単に求めることができる反面,物理的根拠に乏しく配向分布と結び付ける必要があった.我々は,LFと任意の配向分布関数を結び付ける手法を提案し,様々な材料においてその関係を定量的に求めた.その結果,同等の配向分布を持つ場合でも,LFは材料により異なる値をもつことがわかった.本研究では,以上の要因を結晶構造に起因するものと考え,結晶構造別に分類した材料間でのLFと分布関数の定量的関係の相違性について評価した.
抄録全体を表示
-
伊藤 孝浩, 黒木 雄一郎, 岡元 智一郎, 高田 雅介
セッションID: 3B01
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
我々は、ポーラスなGdBa2Cu3O7-δセラミックス線材に、室温である値以上の電圧を印加すると、線材の一部分が赤熱する現象を見出し、これをホットスポットと名付けた。ホットスポット発生後に線材を流れる電流は、電圧に依存せず、周囲の酸素分圧に依存することから、この線材は酸素センサとしての応用が期待できる。本センサの応答速度は、線材の表面から内部への酸素の拡散に依存するため、線材の断面積を小さくする事により応答性が向上すると考えられる。しかし、切削加工では0.5×0.5 mm2以下の断面積を有する線材を得ることは困難であった。本研究では、界面重縮合により有機無機複合繊維を合成し、焼成温度を検討することにより断面積が小さく、応答の速い酸素センサの作製に成功した。
抄録全体を表示
-
清水 文弘, 黒木 雄一郎, 岡元 智一郎, 高田 雅介
セッションID: 3B02
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
PTCR(Positive Temperature Coefficient of Resistivity)特性を有するLa添加BaTiO
3セラミックス線材は、室温で、ある値以上の電圧を印加すると、ホットスポット(局所的な高温部分)の発生により、定電流特性が現れるため、定電流素子としての応用が期待できる。消費エネルギーや安全性などの観点から、使用時の素子の温度は低い方が望ましい。ホットスポットの温度に関係すると考えられる材料のキュリー点は、Srの添加により低下させることが可能である。そこで、本研究では一般的な固相反応によりLa添加(Ba, Sr)TiO
3線材を作製した。電圧を印加したところ、線材上にホットスポットの発生を確認し、ホットスポット発生後は定電流特性を示した。線材表面の温度分布の測定から、ホットスポットの温度はSrの添加により低下した。
抄録全体を表示
-
竹内 信行, 上之原 勝, 小林 久芳
セッションID: 3B03
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
チタン酸バリウム(BaTiO3)半導体は室温で正方晶であるが、キュリー温度である130℃付近で立方晶に相転移し、比抵抗が急激に増加するPTCR(正の抵抗率温度係数)特性を示す。本研究では、微粒子で粒子径分布が均一なため焼結しやすいと期待される水熱合成粉末を原料とし、SiO2を焼結助剤として低温焼成で低抵抗のPTCR-BaTiO3の作製を目的とした。水熱合成BaTiO3原料粉末(堺化学工業製、平均粒子径 0.1 μm (BT01) ~ 0.2 μm (BT02))に,Gd(NO3)・5H2O ,(C2H5O)4Siを添加し,24 h湿式混合,乾燥後,一軸加圧成形し,1230~1300 ℃で2 h,空気中で焼成した。BT01とBT02の比抵抗-温度特性より焼成温度が1250~1300℃のいずれの温度においても、半導体化して約2桁のPTCRジャンプを発現することが明らかとなった。
抄録全体を表示
-
立石 貴志, 韓 重祥, 武田 博明, 保科 拓也, 鶴見 敬章
セッションID: 3B04
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
本研究では大気中焼成では困難であったBaTiO
3-(Bi
1/2Na
1/2)TiO
3半導体セラミックスの作製を、原料仮焼粉にCaOを添加することで半導体化させることに成功し、さらにPTC特性を付与させることにも成功した。
抄録全体を表示
-
松原 一郎
セッションID: 3B05A
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
無機有機ハイブリッド材料は様々な特徴ある物性を示し、次世代機能材料として期待されている。我々は、新規ガスセンサ材料を開発するためにインターカレーション型の有機/MoO
3ハイブリッドに注目した。ナノ構造や材料中の有機物と検知対象ガスとの親和性を考慮することにより、アルデヒドガスに対して従来材料では達成できなかった高い選択性を実現した。この特性を生かし、当該材料を新規センサとして応用するためには薄膜化プロセスの開発が鍵となる。我々は、MoO
3薄膜を気相法によって形成した後、有機物をインターカレートするプロセスを開発した。ホストとなるMoO
3薄膜を気相法で作製するため、再現性、信頼性の向上と共に、ハイブリッド薄膜の微細構造を制御することが可能である。本講演では、有機/MoO
3ハイブリッド薄膜の作製と揮発性有機化合物(VOC)に対するセンサ特性について紹介する。
抄録全体を表示
-
竹川 祐人, 寺西 貴志, 林 秀考, 岸本 昭
セッションID: 3B07
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
電気伝導体と絶縁体による複合セラミックスは、電気伝導セラミックスの体積比を増加させていくと、ある組成で急激に電気抵抗が減少する。これをパーコレーション転移と呼ぶ。このような複合材料に圧力を加えると、体積の減少により、電気伝導体の割合が増加し抵抗が減少することが期待される。この特性を利用し、高温中で使用可能な圧力センサを開発することが可能ではないかと考えた。これまで絶縁体としてマグネシア、アルミナ、電気伝導体として炭素系材料を用いて、圧力センサの開発を行ってきた。その結果、何れの場合もパーコレーション閾値に近づくにつれ、感度が向上すれることがわかった。閾値はマトリックと導電体の粒径比や形態により変化する。本研究では、平均粒径の異なる原料を準備し、粒径差による感度への影響を探った。
抄録全体を表示
-
伊藤 敏雄, 松原 一郎, 角崎 雅博, 坂井 雄一, 申 ウソク, 伊豆 典哉, 西堀 麻衣子
セッションID: 3B08
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
シックハウス症候群対策として揮発性有機化合物(VOC)センサの開発が望まれている。これまでに、金属酸化物によるガスセンサのVOC ガスに対する応答特性はVOC の族別に主に7分類出来ることを報告した。また、センサ感度が受ける湿度の影響の抑制にはPd の添加が有効であり、高湿度雰囲気下でのエージングによって更に影響を抑制出来ることも報告した。本研究では、住宅の空気質に含まれる各種VOC ガスを混合したガスを数種作製して応答特性を計測し、どの族のガス種が主に応答に寄与しているか検討した結果を報告する。
抄録全体を表示
-
加東 智明, 河又 巌, 石辺 信治, 高田 良雄
セッションID: 3B09
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
ZnOバリスタ素子の電気特性を改善し、ZnOバリスタを搭載した避雷器の保護性能を改善する一手法として、焼結体に含まれる絶縁粒子であるスピネル粒子の生成量を減らして電流パスを広げる手法が有効であると考えている。Sb2O3添加量を減らすことによってスピネル粒子の生成量は減少し、同時にバリスタ電圧(V1mA/mm)も低下するため、バリスタ電圧低下防止のためにはSb2O3添加量(MS)とBi2O3添加量(MB)や焼成温度の関係を調べ、バリスタ電圧の低下を抑えた配合、焼成温度を見出すことが肝要である。そこで、Sb2O3 とBi2O3添加量のモル比(MS /MB)と焼結温度に対する収縮挙動、かさ密度、バリスタ電圧の変化を調べた。それらの結果を踏まえ、遷移添加元素であるNi、CrがZnOバリスタ素子のもれ電流の安定性にどのような影響を与えるかを調べた。遷移元素としてNi, Cr, Mn, Co全てを加えたものを標準試料(Sample A)とし、Niを無添加としたもの(Sample B)、Crを無添加としたもの(Sample C)を作製した。遷移元素は全て酸化物で添加した。実験の結果、Niを無添加とすると、もれ電流は増加傾向を示すことが判明した。Ni添加の有無と素子(焼成体)の生成相の関係をXRDで分析したが、Bi2O3結晶形に顕著な違いは見受けられなかったため、EPMA分析により遷移元素の分布を比較した。その結果、Niを無添加(Sample B)とすると、スピネル粒子からわずかではあるがCoが検出された。Coは通常、焼結体全体に分散して存在することが知られている。Niを無添加とすることにより、Coが選択的にスピネル粒子に取り込まれたことが、もれ電流が増加傾向を示したことと関連すると考えられる。
抄録全体を表示
-
渡邉 高行, 秋山 雄司, 佐藤 祐喜, 吉門 進三
セッションID: 3B10
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
Bi-Mn-Co-Sb-Si-Cr-Niを添加したZnOバリスタにZrとYを同時添加したバリスタ電圧,漏れ電流,耐課電劣化特性への影響について調査した。Zrを0 – 0.6 mol%,Yを0 – 1.0 mol%添加した試料の漏れ電流は比較的小さくなった。また,Zrを1.0 mol%以上添加することでYを添加した試料の耐課電劣化特性が改善された。Zrを約1 mol%添加することでYの添加量を約3 mol%まで増加すると,漏れ電流は一定の値を得た。さらに,Zrを1.0 mol%,Yを5.0 mol%添加するとバリスタ電圧が約700V以上となりYを2.0 mol%添加した場合よりも100V以上高くなった。以上から,ZrとYの添加量を適切に選ぶことにより,耐家電劣化と癖に優れた高いバリスタ電圧を有するバリスタの作製が期待される。
抄録全体を表示
-
福盛 愛, 久保田 敦子, 佐藤 祐喜, 吉門 進三
セッションID: 3B11
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
現在,電子デバイスを用いた制御回路等の動作電圧は数ボルト程度と低く,低電圧用バリスタが必要とされる。本研究では一定の電極間隔を保持しながらZnO粒径を大きくする事で低電圧用バリスタを作製した。Bi系(Bi-Mn-Co添加)のZnOバリスタにZnO粒成長促進効果のあるBaとZnO粒径を揃える効果のあるSbを添加した。極微量のSbの添加は,ZnO粒子の粒径を小さくすることなく,その粒径分布の幅を小さくする効果があることが分かった。また,Sbを添加することでBaとMnの化合物が形成されなくなり,Mnが比較的均一に粒界に分布することで,耐課電劣化特性が改善された。
抄録全体を表示
-
石川 雄一朗, 下間 靖彦, 坂倉 政明, 兼平 真悟, 西 正之, 三浦 清貴, 平尾 一之
セッションID: 3B12
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
現在、半導体の高機能化を目的として、超短パルスレーザーを用いたZnO結晶の局所的構造改質に関する研究も盛んに行われているが、結晶表面での偏光依存ナノ周期構造形成やそれによる欠陥由来の緑色発光に関する報告がほとんどである。なぜなら自由励起子再結合による発光寿命が比較的短い(~ 1 ns)ため、結晶内部に直接誘起構造を形成することが困難なためである。
本研究では、超短パルス光のパルス幅を変化させることにより、レーザー照射領域での励起子密度を調整し、ZnO結晶内部の局所的構造を改質することに成功した。そこで誘起された構造について評価をおこない、内部加工が可能である閾値について調べた。
抄録全体を表示
-
渡邉 賢, 坂口 勲, 大垣 武, 安達 裕, 菱田 俊一, 羽田 肇, 大橋 直樹
セッションID: 3B17
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
チタン酸バリウムは絶縁体から半導体までの広い電気的特性を有しており、積層セラミックスコンデンサーやPTCサーミスタなど幅広く使用されている。実際には、希土類やマンガンなどの添加による特性の改善がなされており、それらの添加元素で制御される酸素欠陥と特性の関係が議論される事が多い。しかしながら、酸素欠陥とチタン酸バリウムへの添加元素の効果の研究は十分ではない。なかでも無添加のチタン酸バリウムに関する知見は、その材料設計の出発点として重要な意味をもつ。そこで、本研究では、無添加のチタン酸バリウム内の酸素欠陥に関する研究を酸素の自己拡散を通して行った。
抄録全体を表示
-
早乙女 遼一, Cross Jeffrey Scott, 櫻井 修, 篠崎 和夫, 木口 賢紀, 脇谷 尚樹
セッションID: 3B18
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
酸化物イオン伝導性を有するGd2O3添加CeO2(以下GDC)固体電解質は、固体酸化物型燃料電池の低温作動化に有望な材料の一つであり、現在焼結体に関する研究が多く行われている。しかし、高温での焼結による、添加したGd3+の偏析や と の欠陥会合が原因でGDCのイオン伝導度が低下することが報告されている。本研究では、均質性の高いGDCを、焼結を行わずに低温で合成することを目指して、新規有機金属原料を用いたCVD法によりGDC薄膜を作製するプロセスを検討し、得られた試料の面内方向の交流インピーダンス測定を行った。CVD条件の最適化により、Al2O3基板上に単結晶様及び多結晶膜の製膜に成功し、電気伝導度の酸素分圧依存性及び測定温度依存性の評価を行うと共に、活性化エネルギーを求め、酸化物イオン伝導のメカニズムを議論した。
抄録全体を表示
-
林 克郎, 千葉 哲也, 尾島 大樹
セッションID: 3B19
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
原子状酸素(O0, AO)は高い酸化反応性や選択的反応性を有している。その気相中での生成は、高周波プラズマを用いた技術が一般的である。酸化物表面には過渡的に活性酸素種が生成されており、高温の酸化物イオン伝導体等を透過膜様に用いることで、連続的に活性酸素種を生成できる固体源を構成する事ができる。本研究では、3%Y2O3添加正方晶ZrO2多結晶体の高温表面から、原子状酸素(AO)が真空中に高密度かつ独占的に放出される事を示す。この手法の真空技術向けの新しい酸化源としての適用性を検討するため、Siの低温酸化への適用を試みる。
抄録全体を表示
-
成松 栄一郎, 山本 吉信, 武田 隆史, 西村 聡之, 広崎 尚登, 南田 善隆, 小浜 恵一
セッションID: 3B20
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
リチウム二次電池の安全性・信頼性向上の観点から、全固体化に向けてリチウムイオン伝導性固体電解質の研究が行われている。LiSi2N3は大気中で安定な化合物であり、候補材料の一つであるが、実用化には、イオン伝導率のさらなる向上が必要である。本研究では、イオン伝導率を向上させるため、LiSi2N3のイオン伝導率に及ぼすCaドープの影響を調査した。Ca添加によりイオン伝導の活性化エネルギーは低下し、室温でのイオン伝導率が向上した。緻密なLi1-2xCaxSi2N3 (x=0.075) セラミックスの室温でのイオン伝導率は1.6×10-5Sm-1を達成した。
抄録全体を表示
-
伊勢田 幸範, 大瀧 倫卓
セッションID: 3B21
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
Abstract: 2次元的な層状構造を持つ物質は、層間距離を変えることで系の次元性が変化し、物性が劇的に変わることがある。層間隔の変化によって層状物質の物性を自在に制御することは極めて興味深い。本研究では界面活性剤の二分子膜ミセルを鋳型に用いた電解酸化析出法によりマンガン-コバルト酸化物ナノ超格子薄膜を合成することを目的とした。
抄録全体を表示
-
種村 和幸, 坂元 尚紀, 篠崎 和夫, 鈴木 久男, 脇谷 尚樹
セッションID: 3B22
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
酸化亜鉛(ZnO)-酸化インジウム(In
2O
3)系化合物は、Zn
kIn
2O
k+3(k=3, 4, 5, 6, 7, 9, 11, 13, and 15)の組成で表わされるホモロガス化
合物として知られている。この系は組成中のk の値が小さいほど高い導電率を持つ事が知られている。バルクにおいてk=1 組成である
ZnIn
2O
4 は存在しない。演者らは特殊な条件で薄膜とした際にZnIn
2O
4 を安定に作製出来る事を見出している。しかしながら、ZnIn
2O
4 薄
膜の詳細な結晶構造については未調査であったため、本研究では作製した薄膜の構造解析を主な目的として実験を行った。
抄録全体を表示
-
?野 泰数, 岸川 雄祐, 植田 和茂
セッションID: 3B23
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
透明導電膜はその特性から光エレクトロニクス分野に広く応用され多くの報告がされている。一般的な透明導電膜としてはITOが用いられるが、ITOのバンドギャップは3.75eVであり、310nm以下の光をほとんど透過しない。そこで、我々はITOよりバンドギャップの広いSnO
2を用い、Hfを添加することによりSnO
2の吸収端を短波長側へシフトさせる事を試みた。本研究ではRFスパッタリング法により薄膜を基板上に堆積させ、空気雰囲気中200℃~1000℃で1時間熱処理を施した。Hf添加濃度が0%から10%まで増加するにつれて得られた電気伝導率は147Scm
-1から0.171Scm
-1まで減少したが、吸収端は短波長側へシフトした。また、アニール温度200℃から1000℃まで高くなるにつれて、薄膜の電気伝導率は3.55×10
-2Scm
-1から6.80Scm
-1まで増加した。
抄録全体を表示
-
荻野 剛士, 菱田 俊一, 坂口 勲, 安達 裕, 中島 邦彦, 大橋 直樹, 羽田 肇
セッションID: 3B24
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
近年,携帯電話の多機能が進んでいるが,高周波デバイスの寸法は,信号の波長に依存するため,小型化が難しい.そのため,十分な実装スペースを確保できず,機種に応じて,限られた無線規格のモジュールを搭載している.
一方,携帯電話のディスプレイは大面積化している.そこで,ディスプレイ上に実装できる高周波デバイスの実現により実装スペース不足という問題の解決が期待される.勿論,そのデバイスが透明であることは必要不可欠な条件となる.しかし,透明導電性酸化物(TCO)は金属と比較して1桁以上抵抗率が大きく,損失が大きい.
本発表では,アンテナパターンにTCOを用いたモノポールアンテナに微細な金属細線を配置した効果について報告する.
抄録全体を表示
-
和田 彰文, 坂元 尚紀, 篠崎 和夫, 鈴木 久男, 脇谷 尚樹
セッションID: 3B25
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
透明電極を下部電極として利用することで、様々な透明デバイスへの応用が可能である。現在、透明電極はディスプレイや導電性フィルムなど様々なデバイスに応用されているが、代表的な透明電極であるITOはBixbyite型の結晶構造であり、ペロブスカイト型やスピネル型の結晶との格子のマッチングは必ずしも高くない。本研究では、ペロブスカイト型およびスピネル型のどちらの構造を持つ物質もその上にエピタキシャル成長させることが可能な透明電極としてZn2SnO4およびMgIn2O4薄膜に注目した。本研究の目的はPLD法で作製したZn2SnO4、MgIn2O4薄膜の結晶構造や配向性および熱的安定性を調査し、Zn2SnO4およびMgIn2O4薄膜の透明下部電極としての可能性を検討することを目的とする。
抄録全体を表示
-
木戸 博康, 高橋 雅也, 谷 淳一, 阿部 信行, 塚本 雅裕
セッションID: 3B26
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
Ybファイバーレーザによる酸化物セラミックスの改質について報告する。試料にはMgO、Al
2O
3、ZnO、SnO
2、TiO
2、SrTiO
3焼結体を用いた。レーザ照射によりMgO以外では変色が起こり、また電気的にはMgOとAl
2O
3以外では急激な電気抵抗の変化が観測された。これらは電子のトラップされた酸素欠損が原因と考えられる。
抄録全体を表示
-
森 竜也, 梶原 浩一, 金村 聖志
セッションID: 3B27
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
InF〈SUB〉3〈/SUB〉 3水和物の熱分解によって、窒素雰囲気中、常圧下でのInOFの単相合成に成功した。拡散反射測定によって、InOFの紫外光吸収端は~330 nm(~3.7 eV)に存在し、同様に測定されたIn〈SUB〉2〈/SUB〉O〈SUB〉3〈/SUB〉の光吸収端より短波長側に位置していることが確認された。InOFは新たな紫外透明導電性セラミックスとして利用できる可能性がある。
抄録全体を表示
-
喜多 正雄, 尾山 由紀子, 小俣 孝久, 松尾 伸也
セッションID: 3B28
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
新規なワイドギャップ酸化物半導体であるZn
2LiGaO
4の規則-不規則変態について高温からの液体窒素中へのクエンチと示差熱分析(DTA)により調査を行った.保持温度が700℃以上からクエンチした試料では,XRDの規則配列に起因するピークが非常にブロードとなり,陽イオンがランダムになる傾向が見られた.DTA曲線には昇温・降温中に600℃付近にそれぞれ吸熱ピークと発熱ピークが観察され,この温度域で規則-不規則変態が起こっているといえる.
抄録全体を表示
-
黒木 雄一郎, 岩田 修幸, 初瀬 敬, 岡元 智一郎, 高田 雅介
セッションID: 3C02
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
水熱合成した銅添加ヒドロニウムアルナイトは、電子線照射によって415 nm 付
近にピークを有する青紫色の発光を示す事を見いだした。また、この発光はヒド
ロニウムアルナイト中に含まれる一価の銅イオンと結晶水の共存によるものであ
ると報告してきた。本研究では、電子線の照射時間の経過と共に発光強度が低下
することを新たに報告する。熱分析から、600℃以下の温度で三段階の脱水反応を観測した。一段階目の脱水反応が終わった温度(380℃)での発光強度はおよそ2%に低下していた。従って、電子線照射時間の増加による発光強度の低下は、試料の一部が電子線照射により加熱され、時間と共に結晶水が脱離したためと考えられる。
抄録全体を表示
-
小向 哲史, 高塚 裕二, 吉澤 康平, 手束 聡子, 加藤 英樹, 垣花 眞人
セッションID: 3C03
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
Eu
2+で賦活したBaZrシリケートに着目し、水溶性ケイ素化合物を用いた水溶液法により高輝度化を検討した。SiO
2量およびEu量を最適化した結果、Ba
0.97ZrSi
3O
9:0.03Eu+0.3SiO
2で最大発光強度が得られた。得られた蛍光体はYAG:Ceの2.5倍以上の発光強度を示し、290nm~420nmの波長範囲にわたってフラットな励起スペクトル形状を有していた。以上から、BaZrSi
3O
9:Euが近紫外LEDで励起されて強発光する青緑蛍光体として有用であることを見出した。
抄録全体を表示
-
橘田 真実, 藤原 忍
セッションID: 3C04
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
無機蛍光材料のCePO
4:Tb
3+は,特徴的な強い緑色発光と高い耐久性から蛍光灯等に利用されているが,最近,この緑色発光の明滅が外部との酸化還元反応によって制御できることが報告された.この材料の発光は,Tb
3+の4f間遷移に起因するが,このTb
3+のf電子励起が,付活剤であるCe
3+からのエネルギー移動によって生じるため,Ce
3+を酸化してCe
4+にすることでTb
3+へのエネルギー移動が生じず,Tb
3+の緑色発光が消光する.しかしながら,この現象について,Ceイオンの酸化量とTb
3+の蛍光強度との関係を定量的に調査した報告はない.本研究では,Ce
0.9Tb
0.1PO
4を様々な濃度の酸化剤および還元剤水溶液と一定時間反応させた試料を作製し,結晶中の全Ceイオン中の4価に酸化された割合と,Tb
3+による緑色蛍光の消光との定量的関係を調べた.
抄録全体を表示
-
永水 廣太, 植田 和茂
セッションID: 3C05
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
最近の研究でペロブスカイト構造を持つCaSnO
3やCaZrO
3にTbとMgを共添加することで、紫外線照射下で強い緑色の発光を示すことが見出されが、Mg共添加によって著しく発光強度が増加する原因は未だ明らかになっていない。本研究では固相反応法と錯体重合法で作製したサンプルの蛍光強度を測定して、Mg添加効果の原因の解明を目的とした。錯体重合法のサンプルではAサイトへの共添加による蛍光強度の増大が見られた。また固相反応法に比べて、Mg以外の共添加サンプルでも蛍光強度の再現性が良く、蛍光強度のばらつきが少なかった。このため、Mg添加による蛍光強度増大の主な原因は電荷補償によるものだと考えられる。
抄録全体を表示
-
成瀬 則幸, 小柳 優, 冨田 恒之, 三浦 恭之, 片桐 清文, 垣花 眞人
セッションID: 3C06
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
アップコンバージョン(UPC)蛍光体とは、通常の蛍光体(ダウンコンバージョン蛍光体)と異なり、赤外光などの弱いエネルギーから可視光を放出する物質である。特に、生体を透過する近赤外光を励起源とするUPC蛍光体は、近年バイオ分野への応用が期待されている物質である。しかしながらUPC蛍光体は、高輝度を示すものはほぼフッ化物系の蛍光体であり、酸化物系蛍光体は比較的低輝度のものしか報告がない。そこで様々な希土類酸化物を母体とするUPC蛍光体を合成したところ、CeO2が強いアップコンバージョン発光を示すことが判明した。本研究では、錯体重合法を利用したセリウム系酸化物UPC蛍光体の高輝度化を目的として実験を行った。
抄録全体を表示
-
田中 壮多, 藤原 忍
セッションID: 3C07
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
種々の光源の分光放射エネルギー特性を改善するために蛍光体を用いる試みがなされている。このとき蛍光体は従来のような粉体ではなく、必要な光を散乱させないナノ粒子あるいは薄膜の形態をもつ必要がある。液相に分散された状態で威力を発揮するナノ蛍光体は固体デバイスには不向きであり、大面積への製膜が可能な蛍光体薄膜のほうが実用性・汎用性に優れている。しかしながら、蛍光体のホスト結晶は屈折率が高いものが多く、これを薄膜にすると入射光を反射させるとともに発光の大部分も全反射による導波モードによって端面へと逃げてしまう。そこで我々は、蛍光体薄膜に種々の反射防止(AR)機能を持たせることによって入射光損失を抑え、発光を膜表面から取り出せる構造を提案している。本発表では、アルミニウムを添加したYVO
4:Bi
3+,Eu
3+コンポジット型薄膜の表面に温水処理を用いてナノ構造を形成させて得られる高輝度面発光型薄膜の光学特性および耐久性について報告する。
抄録全体を表示
-
青山 真広, 早川 知克, 本多 沢雄, 岩本 雄二
セッションID: 3C08
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
ゼオライトは結晶中に微細孔を持つアルミノケイ酸塩の総称である。ゼオライトの基本構造は四面体構造を持つ(SiO
4)
4-及び(AlO
4)
5-であり、結晶全体としては負に帯電している。したがって電気的中性を保つために骨格中にカチオンが必要となる。このカチオンは他の金属イオンと容易に交換することができる。加えて、カチオンの量はAl
3+、H
+やNH
4+のような共存する他のカチオンにより制御することが可能である。本研究では、出発原料としてゼオライトを用いることによる賦活剤の均一添加、Eu酸化状態の制御、及び赤色発光蛍光体として最も良い発光特性を与えるEu添加量の調査を行ったので報告する。
抄録全体を表示
-
佐々木 貴之, 山口 一陽, 桑原 英樹, 関根 智幸, 黒江 晴彦, 幸田 清一郎, 板谷 清司, H. T. Hintzen
セッションID: 3C09
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
【緒言】演者らは,種々の酸窒化ケイ素バリウムの合成条件と,付活剤を加えた時の蛍光特性を調べている。最近,Liら1)は,(Sr
1-xCa
x)
2Si
5N
8:Eu
2+においてxを0から0.6まで変化させると,発光波長が620から642 nmまでシフトしたことを報告した。そこで,本研究では1種類のBaサイト(6個のN原子が配位)を有するBaSi
6ON
8と,NとO原子の配位状態が異なる3種類のBaサイトを有するBa
3Si
6O
9N
4のCe
3+付活による蛍光特性の違いを調べ,さらにBaサイトをCa
2+やSr
2+で置換した場合にこれらの化合物の蛍光特性がどの程度変化するか検討した。
【実験】(Ba
1-xM
x)Si
6ON
8: Ce3+の合成: BaCO
3,MCO
3(M= CaまたはSr),Si
3N
4およびCeO
2(付活剤; 3.0 mol%)を(Si/(Ba + M + Ce) = 6.0)になるように添加した。混合粉体(1.0 g)の成形体を1700ºC,2 h,N
2中で加熱して目的の化合物を得た。(Ba
1-xM
x)
3Si
6O
9N
4: Ce
3+の合成: BaCO
3,MCO
3(M= Ca
2+またはSr
2+),Si
3N
4およびCeO
2(付活剤; 3.0 mol%)を(Si/(Ba + M + Ce) = 2.0) になるように混合した。この混合粉体(1.0 g)の成形体を1250ºC,2 h,N
2中で加熱して目的の化合物を得た。評価:粉体の結晶相をXRDによって調べ,励起・発光スペクトルを分光蛍光光度計によって測定した。
【結果と考察】BaSi
6ON
8およびBa
3Si
6O
9N
4の合成条件の検討:(Ba
1-xM
x)Si
6ON
8のMサイトをCa
2+やSr
2+で置換するため,x値を0.05から0.20の範囲で変化させたところ,XRDではいずれも未知相が検出され,置換は難しいことが分かった。一方,(Ba
1-xM
x)
3Si
6O
9N
4の場合,x値を0から0.4の範囲で変化させたところ,XRDではBa
3Si
6O
9N
4以外の結晶相が認められず,BaサイトをCa2+やSr2+で置換できることが分かった。Ba
3Si
6O
9N
4中の3つのBaサイトは共有結合性の強い窒素原子だけではなく,イオン結合性の強い酸素原子が配位しており,これによってBaサイトのCa
2+置換が可能になったものと判断される。(Ba
1-xM
x)
3Si
6O
9N
4: Ce
3+の蛍光特性:MがSr
2+の場合,xの値が0から0.4に増加すると,304 nmの励起波長における発光波長は409から412 nmまでシフトした。これに対して,MがCa
2+の場合,304 nmの励起波長における発光波長は409から422 nmまで13 nmシフトした。また,(Ba
0.6Ca
0.4)
3Si
6O
9N
4: Ce
3+のYAGに対する相対発光強度は0.87であった。
以上の結果から,(Ba
1-xM
x)
3Si
6O
9N
4: Ce
3+のMサイトをCa
2+で置換すると,発光波長は13 nm長波長側にシフトすることが分かった。
1) Y. Q. Li, et al., J. Solid State Chem., 181, 515(2008).
抄録全体を表示
-
金 善旭, 増井 敏行, 今中 信人
セッションID: 3C10
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
赤色蛍光体(Gd,Ca)
2W
2O
9:Eu
3+を固相法により合成した。この蛍光体は励起波長394nm、及び464nmの照射により高い発光効率を示し、Gd
3+サイトをCa
2+で部分置換することによって発光強度が増大した。中でも(Gd
0.98Ca
0.02)
2W
2O
9:40%Eu
3+において発光強度が最大になり、市販の赤色蛍光体Y
2O
2S:Eu
3+に対し、励起波長394nmでは15.2倍、励起波長464nmでは29.1倍の相対発光強度が得られた。
抄録全体を表示
-
小松 啓志, 中村 淳, 大塩 茂夫, 赤坂 大樹, 齋藤 秀俊
セッションID: 3C11
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
本報ではユーロピウムを添加したストロンチウムアルミネート系粉体を担持した単結晶マグネシア基板を高温還元焼成する事で得られた試料について, 結晶構造の帰属を試みた.既存の各種結晶構造を仮定し, 計算によりXRDパターンを作成し, 得られたSr-Al-O:Eu
2+のXRDパターンと比較し, 結晶構造の帰属を試みた.仮定した結晶構造を立方晶系のNaCl構造とした場合, 回折角度および散乱強度を計算して得られたXRDパターンと回折角および強度と比較したが 無い結晶面が複数の角度で存在し, 完全に一致しなかった. 更にペロブスカイト構造についても同様の同定を行ったが完全に一致しなかった.
抄録全体を表示
-
島 將隆, 植田 和茂
セッションID: 3C12
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
我々は、ダブルペロブスカイト型酸化物La
2MgSnO
6にMnを添加すると紫外光照射下において深い赤色に発光することを見出した。本研究では、Mn添加ダブルペロブスカイト型酸化物CaLaMgMO
6(M=Sb,Nb,Ta)蛍光体の蛍光特性を評価した。Mn添加ダブルペロブスカイト型酸化物CaLaMgMO
6(M=Sb,Nb,Ta)は紫外線照射下で深い赤色に発光し、Mn添加ダブルペロブスカイト型酸化物La
2MgSnO
6よりも強い蛍光を示した。Mn添加ダブルペロブスカイト型酸化物CaLaMgMO
6の蛍光スペクトルは709nm 付近を最大値としてブロードなピークが見られた。これはMn
4+イオンの
2E→
4A
2遷移に帰属された。励起スペクトルは310nmと520nm付近にブロードなピークが見られた。これらはそれぞれMn
4+イオンの
4A
2→
4T
1と
4A
2→
4T
2に帰属された。
抄録全体を表示
-
内野 隆司
セッションID: 3C17A
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
近年,我々の研究グループでは,化学量論制御,欠陥構造制御により典型元素のみからなる化合物でも,さまざまな光・電子機能を材料に付加できることを示した。これらの結果は,軽元素化合物といえども,その作製条件,反応条件等を精緻に制御,活用することで,d-,f-ブロック元素を含む材料に匹敵する,あるいはd-,f-ブロック元素を含む材料でも成しえなかった光学的及び電子的機能を発現させることができる可能性のあることを示唆している。本発表では,紫外-可視発光,ランダムレーザー,光誘起カラーセンター相互変換現象など,MgO,Al2O3,SiO2の電子構造制御によって創出された様々な光機能の例について,最近の研究成果を中心に報告する。
抄録全体を表示
-
村瀬 至生, 楊 萍, 安藤 昌儀
セッションID: 3C19
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
CdTe量子ドットをゾル-ゲル法によってシリカ層で被覆し、さらに加熱還流する方法により、高輝度発光するガラスファイバーを得た。溶液中の界面活性剤(チオグリコール酸)、カドミウムイオン、アルコキシド(テトラエトキシシラン)、量子ドットの濃度を変えることで、チューブ状、ベルト状、ロッド状の形態のファイバーを作り分けることができた。緑から赤まで蛍光色を制御可能であった。光学材料、電子材料、センサなどへの応用が期待される。
抄録全体を表示
-
村瀬 至生, 楊 萍, 安藤 昌儀
セッションID: 3C20
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
ゾル-ゲル法を用いることで、金ナノ粒子の数を制御した集合体が作製できることを見出した。小さいサイズの金ナノ粒子(直径10 nm程度)では、ナノ粒子の表面の結晶面の性質に違いがあり、ガラスコートされ易い面とされにくい面があることがわかった。このために、金ナノ粒子表面にガラスの分子が堆積する際に異方性が生じ、これが集合体形成を促した。ゾル-ゲル反応が遅い場合には、金ナノ粒子は線形に繋がり、プラズモン吸収波長が長波長側に移動した。作製されたガラスコート金ナノ粒子は安定で、プラズモン吸収を利用した光計測に使えると期待される。
抄録全体を表示
-
井上 幸司, 佐合 徹, 橋本 忍, 本多 沢雄, 岩本 雄二, 森 悟史, 谷村 吉也, 辻 斉
セッションID: 3C21
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
本研究では,化学溶液法を用いることでMgをZnOにヘビードープされた青色蛍光体の合成に成功した.従来方法(固相法)ではMgを3mol%固溶させることが限界だったが,本手法(共沈法)を用いることでMgを12mol%まで固溶させることができた.
抄録全体を表示
-
谷本 俊朗, 正井 博和, 藤原 巧, 松本 修治, 高橋 儀宏, 徳田 陽明, 横尾 俊信
セッションID: 3C22
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
紫外光励起により青色発光を示し低融点性を有するSnO-ZnO-P
2O
5 (SZP)ガラスにおけるSnO含有量の物性に与える影響を調査した。溶融急冷法により得られたガラスのガラス転移温度は、SnO含有量の増加に伴い減少した。また、IR測定からは明瞭なガラス構造の違いは確認されなかった。蛍光励起スペクトル測定の結果、SnO含有量の増加と共にストークスシフトが大きく減少することが分かった。一方で、この発光の量子収率は実用蛍光体であるMgWO
4に匹敵する高い値であった。
抄録全体を表示
-
松村 一輝, 京免 徹, 花屋 実, 高島 浩
セッションID: 3C23
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
CaTiO
3:Bi, CaSnO
3:Bi,CaZrO
3:Bi蛍光体を固相反応法により合成し,X線回折実験,拡散反射スペクトル,励起・発光スペクトル測定を行った。BiはCaに対して0.2 at.%とした。これらの蛍光体は250-400 nmの範囲の紫外線照射によりそれぞれ黄白色,青白色,紫色の発光を示した。これらのフォトルミネッセンスはBi
3+のs-p遷移による発光であり,CaMO
3(M=Ti,Sn,Zr)のバンド間遷移による励起またはBi
3+のs-p遷移の励起のどちらでも引き起こされることを提案した。
抄録全体を表示
-
小林 健吉郎, 張 心予, 山本 歩, 藤田 亮
セッションID: 3C24
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
酢酸亜鉛を原料とする低圧CVD法により125-200℃でZnO薄膜を作製した。薄膜の透過電子顕微鏡観測により、4-6nmの粒子径を持つZnOナノクリスタルの存在が確認された。この薄膜のFTIRスペクトルにはCOOに起因する吸収ピークが存在し、多量の酢酸がZnO薄膜中の存在し、この有機物がZnO粒子の成長を抑制しているものと考えられる。この薄膜のPLスペクトルには、360-390nmの紫外領域に発光が観測され、基板温度の減少と共に短波長側へシフトした。20-300KのPL測定から、この紫外線発光は自由電子から欠陥への再結合によるものと判断した。
抄録全体を表示
-
関本 亮平, 藤代 史, 橋本 拓也
セッションID: 3C26
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
我々はこれまでに、4f遷移による高輝度かつ単色性の強い発光を示すEu
3+を置換したCuLaO
2が、Eu
3+の置換サイトの結晶場の対称性により通常観測されない
5D
0−
7F
0,1遷移による発光を示すことを明らかにしてきた。La
3+は他の希土類ともイオン半径が近いため、この系への希土類イオンの置換は新たな発光材料創製の可能性を秘めている。
この研究では種々の希土類イオンをCuLaO
2と、Eu含有赤色蛍光体の母材料として用いられているY
2O
3に置換した試料を合成し、結晶場による発光特性の違いを評価した。
抄録全体を表示
-
荒川 智則, 藤代 史, 橋本 拓也
セッションID: 3C27
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
SrTiO
3は化学的に安定で室温から融点まで相転移が無いため、希土類含有蛍光体の母材料として検討されている。しかしながら、通常の固相反応法では第二相が生成されやすいため希土類がSrTiO
3相に置換されている確証はない。再現性良く蛍光材料を合成するには、単相試料を合成してEu
3+の置換サイトを特定する必要がある。我々はEu
3+をCuLaO
2のLaO
6八面体サイトに置換し、通常PL強度が弱い
5D
0−
7F
0,1遷移が顕著になる蛍光材料の合成に成功している。従って、SrTiO
3のSr、Tiサイトに置換されれば同様なPLスペクトルを示すと予想される。この研究では単相試料を液相法により合成し、PLスペクトルから希土類の置換サイトの同定を試みた。
抄録全体を表示
-
四野宮 篤子, 忠永 清治, 辰巳砂 昌弘
セッションID: 3C28
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
メカノケミカル法は、室温でガラス微粉末を直接合成できるという特長を持つ。本研究では、Euイオンを含有するB
2O
3系蛍光体粉末をメカノケミカル合成した。仕込み組成をBaO・4B
2O
3(BaB
8O
13)としEu
2O
3を加え作製した試料は、XRD測定と熱分析から、ガラス状態であることが確認された。試料を空気中で熱処理するとBaB
8O
13結晶が析出した。熱処理前後で蛍光測定を行うとガラスの状態ではEu
3+の発光が確認されたのに対し、空気中での熱処理後はEu
2+に基づくブロードな発光ピークが現れた。空気中での結晶化によってEu
3+が還元されEu
2+の発光が見られたと考えられる。
抄録全体を表示
-
石原 嗣生, 藤田 晃司, 田中 勝久
セッションID: 3C29
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
応力発光が直接目視できる程度に高輝度で残光性を有する応力発光体の開発を目的として、希薄なGaを添加したZnS:Mnの仮焼温度が応力発光特性に及ぼす影響を検討した。種々の温度で仮焼したZnS:Mn
1Ga
0.1は、Mn
2+のd-d電子遷移による高輝度な蛍光および応力発光を示した。その応力発光強度は、1100℃と比較して、より高温の1200℃および1250℃で仮焼した試料の方が増加し、Gaを添加していない試料の約2.5倍となり、さらに温度が高い1300℃では逆に減少した。仮焼温度が高くなるに従い格子欠陥が増加していることから、適度な格子欠陥の生成が応力発光強度の増加に繋がっていると推測した。
抄録全体を表示
-
上村 直, 山田 浩志, 徐 超男
セッションID: 3C30
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
応力発光とは外部からの刺激として機械的な外力(摩擦、圧縮、引っ張り)を加えることによって材料自らが発光する現象である。現在、応力発光材料を用いた新しい応力センシング技術の開発が産総研を中心に活発に進められている。これまで開発されてきた応力発光材料はケイ酸塩やアルミン酸塩を母体とするものが主で焼成温度が高く、環境負荷軽減の観点からより低い温度での焼成が求められていた。リン酸塩は融点が低く原料が安価であり生体親和性に優れていることから、リン酸塩を母体とする応力発光体の開発が進められてきたが、今のところ発光強度が弱く実用化には至ってない。そこで本研究ではより応力発光強度の高い母体材料の探索に取り組んだ。その結果、肉眼でも確認できるほどの強い紫色発光を示す応力発光体SrMg2(PO4)2:Eu(以下SMPE)の開発に成功したのでその応力発光特性と発光メカニズムについて報告する。
抄録全体を表示
-
寺澤 佑仁, 山田 浩志, 徐 超男
セッションID: 3C31
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
応力発光体とは発光体の一種であるが、通常の発光体が電子線や紫外線等で電子が励起され発光するのに対し、応力発光体では外部からの圧縮や引っ張り、捩れ等の力学的な刺激により発光する[1]。これまでに応力発光体は紫外から可視領域まで(380-660 nm)が具現されている。しかし、近赤外~赤外にかけての応力発光の例は報告されておらず、発光波長が近赤外まで広がることにより応用が大きく広がるものと期待できる。近年、可視光を近赤外光に変換する現象としてダウンコンバージョンが広く研究されている。このダウンコンバージョンとはエネルギーの高いフォトンがエネルギーの低い複数のフォトンに変換される現象であり、フォトン数を増幅できることからソーラーパネルの高効率化などに利用されている。本研究ではダウンコンバージョンを利用して近赤外応力発光体を実現することを目的としている。
抄録全体を表示
-
手束 聡子, 加藤 英樹, 高塚 裕二, 垣花 眞人
セッションID: 3C32
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
白色LED用蛍光体として有用な黄色蛍光体(Sr, Ba, Eu)
2SiO
4に着目し、水溶性シリコン化合物と凍結乾燥法を組み合わせた合成手法を用いることにより構成金属(Sr, Ba,Eu)が高分散した前駆体を合成すると共に、フラックス剤としてBaCl
2を添加することにより、蛍光体の高輝度化を試みた結果について報告する。合成された試料は単相であり、励起スペクトルは300から450nmまでの幅広い範囲に存在し、励起波長445nm励起した時の発光ピーク中心は560nmであった。発光強度はIntematix社製の黄色蛍光体と同等であった。
抄録全体を表示
-
加藤 嘉成, 山崎 博樹, 吉田 智, 松岡 純
セッションID: 3D03F
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー