-
長嶋 祐輔, 田中 諭, 古嶋 亮一, 加藤 善二, 植松 敬三
セッションID: 2P183
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
結晶配向は、電気的、光学的機能の向上に有効である。超伝導磁石によって発生される強磁場の利用により、弱磁性の結晶粒子を配向させた配向セラミックスが得られる。配向セラミックスの焼結では、異方的な焼結収縮挙動がみられる。異方性の収縮と粒成長には、粒子充填構造の異方性と焼結時の粒内の物質拡散の異方性が影響すると考えられる。c軸配向酸化亜鉛の異方性の収縮と粒成長を、焼結時の微構造を追うことから検討する。
抄録全体を表示
-
薛 闖, 田中 諭, 古嶋 亮一, 加藤 善二, 植松 敬三
セッションID: 2P184
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
本研究は粗大粒子数と粉砕時間の関係に着目する.異なるボールミル時間で粗大粒子を含む種々の粉体を調製した.各時間でボールミル処理した粉体中の粗大粒子は共焦点レーザー顕微鏡を用いた浸液透光法により評価した.各粉砕時間のスラリー中の粗大粒子数も同様の方法により評価した.50μm以上の粗大粒子を含む場合の観察体積は100mm3とした.また,粗大粒子サイズが5μm以上の時,観察体積は10mm3とした.粉砕が及ぼす粗大粒子の除去の影響を議論された.
抄録全体を表示
-
高石 大吾, 稲田 博文, 佐藤 昌利, 佐野 三郎, 川上 省二
セッションID: 2P185
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
昨今の世界的な環境問題への関心の高まりから,セラミックスの製造においても環境負荷低減のための技術開発が強く求められている。シート成形においては,有機溶媒系から水系への転換が強く望まれている。本研究では,水系スラリーを用いたシート成形技術の開発を目指し,各種有機成形助剤がアルミナスラリーの流動特性に与える影響について調べた。バインダー添加スラリーでは,バインダー無添加スラリーのゼータ電位測定から推測される分散剤の適正添加量よりも多くの分散剤を添加する必要があった。流動特性を最適化したスラリーを用いてシート成形を行った結果,クラックのない良好なグリーンシート及び緻密な焼成体が得られた。
抄録全体を表示
-
菅 智也, 青野 宏通, 定岡 芳彦, 栗原 正人, 坂本 政臣
セッションID: 2P186
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
我々はこれまでにRE[Fe
III(CN)
6]・nH
2O(REは希土類元素)多核錯体を合成し, その熱分解生成物がきわめて均質性の優れたREFeO
3ペロブスカイト型酸化物となることについて報告してきた。しかし, Srなどの2価の金属元素をREに部分置換したという報告はない。そこで, 新規 (NH
4)
2Sr[Fe
II(CN)
6]・nH
2O 多核錯体を合成し, 化学的にRE-Sr-Fe錯体を作製することについて検討を行ってきている。さらに検討を行ったところ, この錯体はRE[Fe
III(CN)
6]・nH
2O 多核錯体と物理的にボールミル混合・粉砕することにより結晶構造の異なる RE-Sr-Fe 系多核錯体の単相が得られることを発見した。これまで, 複雑な分子構造をもつ多核錯体を反応させるということは報告されておらず本研究ではこの合成方法について報告する。
この物理的混合•粉砕を用いる方法ではボールミルポッド内で反応させるため狙った化学量論比の錯体を作ることが可能となり, 新しい多核錯体の合成法として期待できる。
抄録全体を表示
-
山口 典男, 河野 将明, 武内 浩一
セッションID: 2P187
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
陶磁器を強化する原料として知られているトリジマイトの合成条件について検討した。原料にアモルファスシリカを用い、鉱化剤に炭酸カリウムを用いた。炭酸カリウムの混合量を7.5-12.5wt%、焼成温度を1350-1500℃、保持時間を30-120minとした。保持時間が長くなるにつれて、トリジマイトの生成量は増えた。合成温度の上昇に伴いトリジマイトの生成量は増加したが、1400℃で最大となり1400℃以上で生成量は減少しており、SiO
2の状態図と相関が見られた。
抄録全体を表示
-
林 滋生, 草水 亮太, 加賀谷 史
セッションID: 2P188
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
天然ゼオライト(秋田県産クリノプチロライト)微粉末に対する結合剤として性状の異なる2種類のシリカゾルを調製し,それらがゼオライトと共存した際の電気泳動堆積(EPD)挙動,ならびに結合剤としての作用を比較した。EPDにおいて,オルトケイ酸エチル(TEOS)を0.1M水酸化ナトリウム水溶液(HY)ならびに アンモニア水で加水分解して作製したシリカゾル(ST)を,各々サスペンションに添加した。ゼオライトとともにEPDによって堆積した量はHYシリカゾルよりSTシリカゾルの方が多くなった。堆積量が少なかった反面,HYシリカゾルの方が堆積膜の剥離を抑制する効果が大きく,結合剤としての効果は大きいものと考えられた。
抄録全体を表示
-
原 京太郎, 佐俣 博章, 永田 勇二郎, 水崎 壮一郎, 小澤 忠
セッションID: 2P189
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
銅系酸化物 Sr2CuO3 は一部の O2- を F- に置換することで、K2NiF4 型 (T型) の Sr2CuO2F2+d に構造が変化し、Tc = 46 K の超伝導が発現する。酸化物の代表的なフッ化手法には、F ガス、NH4F、MF2 (M:遷移金属) を用いる方法があるが、毒性や不純物の生成といった問題が指摘されている。本研究では、簡便なフッ化手法として、ポリフッ化ビニリデン (PVDF) を用いた固相反応法によりA2CuO3 (A = Ca, Sr, Ba) のフッ化を試み、その結晶学的・電気的性質について評価した。結晶学的性質は、粉末 X 線回折のデータを用いた Rietveld 法により評価し、電気的性質は、直流二端子法を用いて測定した。得られた試料は不純物として SrF2 が含まれるものの、PVDFを用いた固相反応法でも、Sr2CuO2F2+d の合成が可能であることが確認できた。
抄録全体を表示
-
谷地 拓美, 田中 諭, 高橋 拓実, 古嶋 亮一, 加藤 善二, 植松 敬三
セッションID: 2P190
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
窒化珪素(β-Si3N4)は高熱伝導率と高い絶縁性を有するため、放熱基板として利用が期待される。β-Si3N4はc軸方向に高い熱伝導率を有するが、ドクターブレードで成形されたβ-Si3N4シートでは、c軸に成長した柱状粒子がせん断応力によってシートに平行に配向する。高磁場成形では、β-Si3N4のc軸が磁場に対して垂直に配向することが報告されている。c軸方向の高い熱伝導率を利用するためには、シートの厚さ方向にc軸を配向させる必要がある。本研究では、回転高磁場成形を用いて、β-Si3N4のc軸を厚さ方向に配向させることを目的とした。焼結時での液相反応を考慮するために、成形段階では、良分散性の相と相のSi3N4混合スラリーを調製して、β-Si3N4のみのc軸を厚さ方向に配向させることとした。
抄録全体を表示
-
小柳 和也, 田中 諭, 加藤 善二, 植松 敬三
セッションID: 2P191
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
透光性セラミックスは光学材料等への応用が期待されている。従来、単結晶が用いられているが、形状自由度の高い多結晶体で置き換えることができれば、加工コストの削減が期待でき、さらに組成を制御することも可能なため単結晶を超える特性を期待できる。多結晶で透光性を持たせるためには、十分な緻密化と散乱源となる気孔径をナノサイズに制御することが必須である。その方法として、2段階焼結は有効な方法である。また、閉気孔内を無気体とする真空中焼結も期待できる。これは緻密化と容易な気孔除去を期待できる。本研究では、透光性多結晶セラミックス作製を目的とし、2段階焼結および真空焼結の効果を検討することとした。物質としては屈折率の高いチタン酸ストロンチウムを用いた。
抄録全体を表示
-
浅野 有佳里, 目 義雄, 幸田 清一郎, 板谷 清司
セッションID: 2P192
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
水酸アパタイト(Ca
10(PO
4)
6(OH)
2:HAp)は骨代替材料として,またβ-オルトリン酸カルシウム(β-Ca
3(PO
4)
2:β-TCP)は生体吸収性材料として使用されている。両化合物から成る複合セラミックス(焼結体)は,生体吸収性の制御可能な材料として応用が期待される。しかしながら,これらの焼結体は他の焼結体と同様に硬くて脆いため,加工が難しいという問題がある。本研究では,β-Ca
3(PO
4)
2添加HAp焼結体の作製条件をパルス通電加圧焼成(PCPS)法によって調べるとともに,得られた複合焼結体の高温塑性変形に及ぼすβ-Ca
3(PO
4)
2添加の影響について検討を行った。
抄録全体を表示
-
大橋 優喜, 押元 賢一郎, 長江 肇, 楠本 慶二, 杉山 豊彦
セッションID: 2P193
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
セラミック、プラスチック、塗料等の着色用顔料として製造されるものの中には、人体にとって極めて有害な金属(カドミウム(Cd)、セレン(Se)、鉛(Pb)等)が含まれており、その使用に関する規制が今後も厳しくなっていくものと思われる。従って、従来の顔料を毒性の疑いの少ない成分を含有する顔料に代替することが重要である。タンタル(Ta)は、毒性がなく、その5価の窒化物や酸窒化物は、環境親和性の高い顔料として、研究開発が行われてきた。しかし従来の合成法では、これらの窒化物及び酸窒化物の製造に際して、酸化タンタル等の出発原料を可燃性且つ毒性のアンモニアガスを大量に長時間流しながら窒化する手法を用いているため、安全性及びコスト面(大量合成が難しい)において、非常に大きな問題を抱えている。そこで、本研究開発では、アンモニアガスによる長時間の窒化プロセスを用いないで、より安全に、低コストで、タンタル(V)窒化物及び酸窒化物を製造することを可能にする新しい合成技術の開発を行った。
抄録全体を表示
-
田代 新二郎, 石井 啓介
セッションID: 2P194
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
BaTi
2O
5の合成に関して、ガラス粉末と酸化物粉末の2種類の原料粉末が比較された。ガラス粉末は赤外線加熱急冷装置を用いて焼結体を熔融・急冷することによって作製した。酸化物粉末は通常の固相反応法で作製し、仮焼を行わないBaCO
3とTiO
2の混合粉末と900℃-2hで仮焼した粉末を用意した。酸化物粉末を用いた場合には、熱処理温度や温度プロファイルを変化させてもBaTi
2O
5単相を得ることができなかった。一方、ガラス粉末を用いた場合には、1200℃から1250℃で熱処理すると容易にBaTi
2O
5単相が得られた。
抄録全体を表示
-
茨木 靖浩, 安達 直己, 横山 久範
セッションID: 2P195
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
低熱膨張材料であるチタン酸アルミニウム(Al2TiO5:AT)は溶融アルミニウムに対する耐食性が良好であることから、アルミニウム鋳造用部材としての応用が期待されている。本研究では、鋳込み成形によりATラドルを成形し、マイクロ波による急速焼成を試みた。また、焼成後における熱的、機械的特性について評価を行った。
抄録全体を表示
-
富永 佑輔, 撹上 将規, 柳瀬 郁夫, 小林 秀彦
セッションID: 2P196
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
マンニトールとホウ酸の縮合物を前駆体として用いて、不活性雰囲気下で焼成することで炭化ホウ素(B
4C)粉末の合成を試みた。調製した前駆体を1300℃-5h、Arガス流通下で焼成することにより、残留炭素をほとんど含んでいないB
4C粉末を得ることができた。また、残留炭素の低減と合成温度の低温化を目的とし、大気中熱分解操作を導入した。熱分解条件によりC/B
2O
3比を制御できることから、B
4C生成反応に適切なC/B
2O
3比とするために熱分解条件の最適化を行った。400℃-3hの条件で大気中熱分解を行った前駆体粉末を、1250℃-5h、Arガス流通下で焼成することにより、残留炭素をほとんど含んでいないB
4C粉末を得ることができた。
抄録全体を表示
-
大和田 武志, 大石 知司
セッションID: 2P197
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
近年、情報化社会の発展に伴って表示装置は必要不可欠な存在となっている。特に薄い・軽い・曲げられるといった性質を持つフレキシブルディスプレイは注目を集めている。このディスプレイにフレキシブル基板は必要不可欠であるが、柔軟性と高いガスバリア性が要求されている。本研究では、フレキシブルディスプレイに必要不可欠な材料として、簡便なゾルゲル法を利用した透明性・諸耐性に優れた基板材料の開発を行った。また、この基板上への溶媒に可溶なラテント顔料を用いたインクジェット(IJ)法とレーザ照射を併用したカラーフィルタの高速成膜法について検討した。
抄録全体を表示
-
工藤 竜成, 平野 義宜, 門馬 綱一, 福田 功一郎
セッションID: 2P198
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
Crystal structure of Li2BaSiO4 was reinvestigated by laboratory X-ray powder diffraction. The title compound was hexagonal with space group P63cm, Z = 6, unit-cell dimensions a = 0.810408(2) nm, c = 1.060829(4) nm and V = 0.603370(3) nm3. The initial structural model was successfully derived by the direct methods and further refined by the Rietveld method, with the anisotropic atomic displacement parameters being assigned for all atoms. The reliability indices calculated from Rietveld refinement were Rwp = 6.72%, S = 1.17, Rp = 5.06%, RB = 1.86% and RF = 0.98%. The maximum-entropy methods-based pattern fitting (MPF) method was used to confirm the validity of the structural model, in which conventional structure bias caused by assuming intensity partitioning was minimized. The final reliability indices calculated from MPF were Rwp = 6.74%, S = 1.17, Rp = 5.10%, RB = 1.49% and RF = 0.69%. Atomic arrangements of the final structural model were in excellent agreement with the three dimensional electron-density distributions determined by MPF.
抄録全体を表示
-
犬塚 晴也, 加賀 元了, 漆原 大典, 中野 裕美, 浅香 透, 福田 功一郎
セッションID: 2P199
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
A new aluminum oxycarbonitride, Al5(OxCyN4-x-y) (x ~ 1.4 and y ~ 2.1), has been synthesized and characterized by XRPD, TEM and EELS. The title compound was found to be hexagonal with space group P63/mmc, Z = 2, and unit-cell dimensions a = 0.328455(6) nm, c = 2.15998(3) nm and V = 0.201805(6) nm3. The atom ratios O : C : N were determined by EELS. The final structural model, which is isomorphous with that of (Al4.4Si0.6)(O1.0C3.0), showed the positional disordering of one of the three types of Al sites. The
MPF method was used to confirm the validity of the split-atom model, in which conventional structure bias caused by assuming intensity partitioning was minimized. The reliability indices calculated from the MPF were Rwp = 6.94% (S = 1.22), Rp = 5.34%, RB = 1.35% and RF = 0.76%. The crystal was an inversion twin. Each twin-related individual was isostructural with Al5C3N (space group P63mc, Z = 2).
抄録全体を表示
-
藤代 直樹, 北村 尚斗, 井手本 康
セッションID: 2P200
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
近年、環境負荷低減の観点から鉛を含むPZT系に代わる非鉛系強誘電体材料として、本研究では、BNTにNaNbO
3固溶(NN)、NaTaO
3固溶(NT)、さらにNaNbO
3, NaNbO
3を固溶した試料 (NNT)に着目した。これらの試料について強誘電特性について検討した結果、NN, NT, NNTで強誘電特性がみられたので結晶構造解析を行った。中性子回折からは、NN, NNTでは八面体の歪が増加し、NTでは八面体の歪が減少する傾向が見られた。MEMによる電子密度分布解析より、NNではBNTと同様にTiO6八面体のそれぞれのTi-O結合の共有結合性に異方性が見られ変化が見られなかったが、NTでは共有結合性の強さが等方的になった。これによりNTでは八面体の歪が減少することで、強誘電特性に変化が見られたと考えられる。
抄録全体を表示
-
古嶋 亮一, 田中 諭, 加藤 善二, 植松 敬三
セッションID: 2P201
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
セラミックス多結晶体の配向度を表わす指標の1つであるロットゲーリングファクター(LF)は,配向体のXRDパターンから簡便に求まるが,物理的根拠は乏しいため,明確な配向分布と関連付ける必要がある.これまでに著者らは,LFから配向分布を推定する方法を提案した(文献1).この推定法では材料ごとにXRDパターンを解析する必要があり手間がかかった.そこで本研究では、どの材料のLFからも配向分布を簡便に求めるための式を提案することを目的とする.
抄録全体を表示
-
高丸 真一, 中山 忠親, 高橋 勉, 吉村 淳, 鈴木 常生, 末松 久幸, 新原 晧一
セッションID: 2P202
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
セラミックスナノ粉末を溶媒に分散したスラリーは化粧品,塗料,等として様々な用途が展開されている.このようなスラリーの実用化において,もっとも重要となるパラメータは分散性と粘弾性であり,これまでに多くの研究においてナノ粒子の濃度と粒径がこれらのパラメータに及ぼす影響について検討されてきた.しかしながら,分散性と粘弾性においては,ナノ粒子の表面における剪断力が大きく影響を与えることから,ナノ粒子の形状は極めて重要な因子の一つであると予想されるがこれに関する結果は限られている.ここに本研究においては,溶融塩法を用いることで,様々な形状からなるナノ粒子の合成を試み,これらナノ粒子を分散したスラリーにおける粘弾性測定を測定した.
抄録全体を表示
-
二宮 佳亮, 井口 浩詠, 坂倉 輝俊, 石澤 伸夫
セッションID: 2P203
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
酸化物イオン導電体であるケイ酸希土類オキシアパタイトの単結晶を、フラックス法を用いて合成しようと試みた。X線回折の結果、Nd
2O
3を用いて合成した際には塩素アパタイトが得られ、La
2O
3、Pr
2O
3を用いて合成した際には酸化物イオンと塩素イオンの両方を含む六方晶系のO-Clアパタイトが得られた。これら構造を比較すると、オキシアパタイトと塩素アパタイトでは酸素イオンと塩素イオンの位置が大きく異なっていた。酸素は希土類がつくる正三角形の重心位置を占めるのに対し、塩素は酸素に比べてイオン半径が大きく原子価が小さいので、希土類とアルカリ土類がつくるふたつの正三角形の中間に位置する。より大きなイオン半径をもつ希土類の場合には,正三角形の中心にOが来ることが許される可能性が高い。
抄録全体を表示
-
細倉 匡
セッションID: 3A01F
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
-
鈴木 淳平, 鈴木 利昌, 水野 洋一, 鈴木 久男
セッションID: 3A03
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
電子機器の小型化に伴い、容量性素子の小型・低背化が求められている。しかしながら、既存の積層コンデンサ製造プロセスにおける誘電体の薄層化技術は限界に達しつつあり、更なる薄層化及び特性改善が見込まれる薄膜プロセス技術に関心が集まっている。薄膜作製法としては、スパッタをはじめとする物理気相成長法(PVD)が広く用いられているが、高額な設備を用いない簡便な方法という観点では化学溶液堆積法(CSD)が優れる。我々はCSD法を用いて作製したBaTiO3素子について報告を行なってきた。今回、BaTiO3層と下部電極の間に、シード層を導入し結晶成長に与える影響について検討した。その結果、高い結晶性・良好な電気特性を有する膜を得た。この膜の微細構造、および電気特性の評価結果について報告する。
抄録全体を表示
-
長坂 真臣, 岩崎 大, 坂元 尚紀, 符 徳勝, 脇谷 尚樹, 鈴木 久男
セッションID: 3A04
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
チタン酸バリウム(BT)は、ペロブスカイト型構造を有する代表的な強誘電体化合物である。BTは積層セラミックコンデンサ(MLCC)などに応用されている。近年、デバイスの小型化、高性能化のために薄膜化が求められている。本研究では、装置が安価、低温合成が可能、組成制御が容易といった優れた工業的メリットを有する化学溶液法(CSD法)によりBT薄膜を作製した。均質で高重合度を有する前駆体溶液を調製するために、部分加水分解法を用いて0.3Mの高濃度BT前駆体溶液を調製した。基板はPt/Ti/SiO
2/Si基板を用い、LaNiO
3(LNO)シード層上(LNO/Pt/Ti/SiO
2/Si)にBT薄膜を作製した。
抄録全体を表示
-
深町 浩平, 坂元 尚紀, 符 徳勝, 脇谷 尚樹, 鈴木 久男
セッションID: 3A05
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
チタン酸バリウムBaTiO3(BTO)は高い誘電率を持つために積層セラミックコンデンサなど様々な応用がなされている。しかし、BTOの誘電特性は温度により大きく変化するため、改善する必要がある。そこで、BTOのAサイトのBaをCaに置換したチタン酸バリウムカルシウムBa1-xCaxTiO3(BCTO)に注目した。薄膜化することによって基板の効果を利用し、バルクの特性を超える材料設計が可能である。本研究ではSi基板上にCSD法によりLaNiO3(LNO)下部電極を作製し、さらにLNO/Si基板上にスパッタリング法でBTO薄膜とBCTO薄膜を作製して誘電特性、強誘電特性を調査した。
抄録全体を表示
-
内田 寛, 近藤 陽太, 木村 純一, 多久和 至, 舟窪 浩
セッションID: 3A06
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
本研究では(擬)ペロブスカイト型結晶構造を有した界面層の導入によりSi基板上に高い結晶配向性を有する
MBi
4Ti
4O
15薄膜 (BLSD;
M = Ca, Sr)を作製した。結晶配向性を制御する界面層としてLaNiO
3薄膜およびCa
2Nb
3O
10ナノシートを採用し、これらを担持したPt電極付きSi基板上に化学溶液法を用いて目的の薄膜試料を成膜した。基板上に直接作製した試料ではBLSD結晶がランダムな配向性を有していた。一方、界面層として導入した試料ではBLSD(00
l)に対応する回折線が選択的に認められ、良好な結晶性を有するBLSD結晶が基板面方位に対して一軸配向成長したことが確認された。
抄録全体を表示
-
Dongyun Guo, Akihiko Ito, Rong Tu, Takashi Goto
セッションID: 3A07
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
BaTi2O5 (BT2) films were prepared on (100), (110) and (111) MgO substrates by laser CVD using Ba(DPM)2 and Ti(OiPr)2(DPM)2 as precursors. The orientation of BT2 films on (100), (110) and (111) MgO substrates was (020), (112) and (-113), respectively. The growth modes of BT2 films prepared on different MgO substrates were investigated.
抄録全体を表示
-
今井 隆之, 宮崎 孝晴, 坂元 尚紀, 脇谷 尚樹, 鈴木 久男
セッションID: 3A08
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)薄膜は、不揮発性メモリー、MEMS用薄膜アクチュエータ、各種センサなど様々なデバイスへの応用が期待されている。本研究では、200nm厚のCSD法LNO薄膜をSi基板上に形成し、その上にCSD法によりPZT前駆体薄膜を作製した。作製したPZT前駆体薄膜を420℃の電気炉を用いて10min間仮焼するか、より小さなレーザーパワーで有機物を除去した。基板を加熱しながら、集光レンズによりデフォーカスし、照射エネルギー密度(LEF)を変更して、KrFエキシマレーザーを照射し結晶化を試みた。レーザーアニーリングにより、200℃という低温で強誘電性を示す、(001)&(100)配向のPZT薄膜の作製に成功した。
抄録全体を表示
-
鈴木 諭, 保科 拓也, 武田 博明, 鶴見 敬章
セッションID: 3A09
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
近年,センサやアクチュエータなどのデバイスの小型化や集積化が進む中,半導体プロセスとの融合の観点から低温で圧電セラミックス厚膜を形成する技術が求められている.この低温セラミックス形成技術の1つにゾル-ゲル法があり,同法では溶液の塗布および焼成の工程を繰り返し,µmオーダーの厚膜を得ている.本研究では,1回の工程で厚膜を作製できるゾル-ゲル法プロセスの開発を目的に,作製するPZT膜と同組成の非晶質粒子をゾル溶液に添加することを考案した.非晶質粒子,ゾル,溶媒の比率および乾燥,焼成条件を最適化することで,1回の工程でクラックやピンホールのないPZT厚膜を作製することを目的とした.
抄録全体を表示
-
山下 清隆, 坂元 尚紀, 符 徳勝, 木口 賢紀, 篠崎 和夫, 鈴木 久夫, 脇谷 尚樹
セッションID: 3A10
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
ペロブスカイト構造を有するSrTiO3は極低温においても相転移しない量子常誘電体である。しかし、成膜中に磁場印加が可能なダイナミックオーロラPLD装置を用いて磁場印加成膜を行うと、ホモエピタキシャル成長SrTiO3薄膜においてP-Eヒステリシスループにおいて強誘電性が発現することを見出した。また、作製した薄膜はSr大過剰な組成であった(Sr:Ti = 1.4:1)。しかし、他の条件(組成Sr大過剰で0 G成膜、組成定比で0 G成膜、組成定比で2000 G成膜)では強誘電性を示さなかった。このことから、強誘電性を示す条件は、組成Sr大過剰、成膜時の磁場印加の2つの条件が同時に揃っていることが明らかとなった。さらに本研究では、磁場印加条件下で作製したSrTiO3薄膜において、誘電率温度依存性の観点から強誘電性の発現を検討した。
抄録全体を表示
-
中村 崇昭, 青柳 健大, 木口 賢紀, 内田 寛, 坂元 尚紀, 脇谷 尚樹, 鈴木 久男, 宇佐美 徳隆, 今野 豊彦
セッションID: 3A11
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
本研究では代表的なリラクサー型強誘電体のひとつであるPb(Mg1/3Nb2/3)O3(PMN)の作製と、リラクサー現象の起源とされる極性ナノ領域の解析を目的とした。PMNエピタキシャル薄膜の作製には比較的シンプルな化学液相法のひとつであるMOD(Metal Organic Decomposition)法を選択した。単結晶を得るために条件探索を行い、比較的状態の良いPMN単相の試料を得ることが出来た。透過型電子顕微鏡(TEM)用の試料作製は薄膜試料を機械研磨の後、Arイオンミリングにより薄片化した。得られたTEM試料の高分解能像よりPb原子のシフトが観察された。このようなシフトを幾何学的相解析により歪みとして解析したところ、数nm程の[111]方向に歪んだ領域が存在し、これが極性ナノ領域(PNR)とであり、リラクサー現象に寄与していると推測される。
抄録全体を表示
-
青柳 健大, 兒玉 裕美子, 木口 賢紀, 宇佐美 徳隆, 今野 豊彦, 江原 祥隆, 舟窪 浩, 山田 智明
セッションID: 3A12
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
本研究では、エピタキシャルPbTiO3膜における膜厚増加による残留歪緩和機構の調査を行った。透過型電子顕微鏡(TEM, Transmission Electron Microscopy)を用いて350nmおよび1000nmの膜厚を有する2種類のPbTiO3膜の微細組織を観察・解析し、両者の比較を行った。その結果、膜厚の増加に伴い膜内に積層欠陥が形成されることが明らかになった。これらの積層欠陥面は(001)面に平行であった。また、膜厚1000nmの膜の高分解能電子顕微鏡(HRTEM, High-resolution TEM)観察から90°ドメイン境界近傍に積層欠陥の存在しない領域が存在することが分かった。
以上の結果から、膜厚の増加に伴い積層欠陥が形成され、膜の残留歪を緩和していることが示された。
抄録全体を表示
-
木口 賢紀, 青柳 健大, 中村 崇昭, 江原 祥隆, 舟窪 浩, 山田 智明, 宇佐美 徳隆, 今野 豊彦
セッションID: 3A17
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
強誘電体の誘電特性には、自発分極が揃ったドメインの結晶構造と極性、並びにドメイン境界が重要な役割を果たしている。個々の極性領域の構造を調べるには電子顕微鏡(TEM)が有効であったが、従来の汎用型TEMでは軽元素の分解能の制約により酸素原子を含めた結像は困難であった。本研究は、収差補正HRTEM像による極性を含めたドメイン構造並びにドメイン境界における分極回転メカニズムについて詳細に調べた。ドメイン境界は厚さ約4単位格子分の約1.5nmの構造遷移層を持ち、この中では正方相から対称性の低下した歪んだ構造をとっている。しかし、カチオンと酸素原子の相対的な変位方向、つまり自発分極の方向は僅かに1°程度回転するもののドメイン内部とほぼ同じむきを向いている。しかし、ドメイン境界の中心線を境にして、酸素原子の変位方向が約90°回転しており、自発分極の向きが連続的に回転するのではなく、急激に変化することを示している。よって、ドメイン境界中心の格子に大きな歪みが集中していると言える。
抄録全体を表示
-
福住 正文, 才木 常正, 吉岡 秀樹, 樋口 行平, 前中 一介
セッションID: 3A18
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
タングステンブロンズ型構造のBa
2NaNb
5O
15(BNN)とBa
2NaTa
5O
15(BNT)の混合系であるBa
2NaNb
5xTa
5(1-x)O
15(BNNT)はNbとTaの組成比を変化させることでキュリー温度を変化させることができる.Nb/(Nb+Ta)比率が高くなるとキュリー温度は高くなり,人体の温度センサーとして利用可能な誘電率温度係数値0.2以上となるのはNb/(Nb+Ta)比率が0.4から0.55であることが分かった.RFマグネトロンスパッタリング法を用いて粉末ターゲットにてBNNT薄膜の作製を行った.Nb/(Nb+Ta)比率が0.4から0.55となるように酸化物粉末を調整し中央にくぼみがあるアルミニウム皿に固めてターゲットとした.NbとTaは目的組成を得ることができたが,Naは目的組成に対して減少することが分かった.また,BNN,BNT粉末を同様の方法で作製し,二元同時スパッタリング法により,ターゲットに負荷する高周波出力を変化させることでNbとTa組成を調整した.一元スパッタリングの場合と異なりNaは目的組成に近づいたがBaが減少することが分かった.
抄録全体を表示
-
岩崎 誉志紀, 鈴木 利昌, 水野 洋一, 常行 真司
セッションID: 3A19
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
BaTiO3は室温でTetragonal相を有する典型的な強誘電体酸化物であるが、その強誘電性は様々な条件(欠陥・不純物、応力、微粒子化、など)によって強く影響を受ける事が知られている。特に自由電子が存在する条件下では分極が遮蔽されることによって強誘電性は抑制されると考えられているが、実験的な電子ドープには必ずドナー・ドーパント(酸素欠陥、Nb5+ at Ti4+ site、等)が伴っており、キャリアの影響と同時に元素置換による格子歪の効果が含まれてしまう。このため、強誘電性の消失に関するキャリアの影響とドーパント原子による格子歪の影響を実験的に切り分けることは非常に難しい。今回我々は、第一原理計算を用いてこれらの影響を個別に明らかにした結果を報告する
抄録全体を表示
-
I-Kuan Cheng, Ting -Yu Chen, Ching-Li Hu, Che-Yi Su, Chun-Te Lee, Masa ...
セッションID: 3A20
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
Early stage of Solid-State synthesis of BaTiO
3 was characterized by cold field emission gun (CFG) installed scanning transmission electron microscopy. TiO
2 and BaCO
3 mixed powders quenched from several temperatures. Atomic surface diffusion of Ba was recognized as nano-bridging between of TiO
2 and BaCO
3 powders at 600
oC. The quenched from 700
oC show 2 nm in thickness of BaTiO
3 layer formation on TiO
2 powder with 50 nm width of Ba diffusion from the interface in the bridged powder, on the contrary, Amorphous like less than 1nm BaTiO
3 layer in non-bridged TiO
2 powder
抄録全体を表示
-
坂口 勲, 渡邊 賢, 大垣 武, 安達 裕, 菱田 俊一, 羽田 肇, 大橋 直樹
セッションID: 3A21
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
ホロミウムを添加したチタン酸バリウムセラミックス中の酸素拡散への効果を検討した。試料は研磨した後、大気雰囲気とH
2-Ar雰囲気で熱処理した。酸素拡散実験を行った後、酸素トレーサーの拡散プロファイルとイオン像をSIMSで測定した。解析の結果、Hoを添加すると、酸素拡散係数は2-3桁小さくなった。これは、Hoを添加する事で酸素欠陥濃度が減少した事を示している。また、大気雰囲気で前処理した試料のバルク拡散係数は、還元雰囲気で処理した試料の拡散係数よりも大きい。これを説明するにはHoがチタン酸バリウム格子内で占有する席の変化を考える必要がある。
抄録全体を表示
-
春日 慎之介, 岩瀬 勝彦, 川井 貴裕, 松嶋 雄太
セッションID: 3A22
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
積層セラミックコンデンサなどに利用されているチタン酸バリウムにおいて、希土類元素Hoのドープ挙動を調査した。この際、原料中の組成分布状態が焼結体中のドーパントの分布状態に与える影響を明らかにするために、従来の固相反応法で作製したドープチタン酸バリウムと、新たに開発したチタン酸バリウム前駆体水溶液を原料に用いた場合の比較を行った。その結果、液体原料という分子レベルで均一な液相原料を出発原料に用いることで、チタン酸バリウム格子中により高濃度のHoが均一にドープされることがわかった。
抄録全体を表示
-
村川 喜堂, 中野 幸恵, 山本 剛久
セッションID: 3A23
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
コアシェル構造の形成機構を明らかにする目的で単純なBaTiO3(BT)-Y-Mg系におけるモデル実験をおこなった。BT4Y2Mgについて還元雰囲気下で焼成したところコアシェル構造が形成されるのに対して、大気中で焼成したところ、YのBaTiO3粒内への固溶はほとんど進まず明瞭なコアシェル構造は得られなかった。また、低酸素分圧下ではYはBT格子のBaサイトに選択的に固溶する傾向を実験的に見出した。これらの実験事実から、MgによりYの固溶が抑制される効果と、酸素空孔濃度の増加に伴いYのBaサイトへの固溶が促進される効果とのバランスによってコアシェル構造は形成されると考えてモデル化を進めた。
抄録全体を表示
-
保科 拓也, 古田 努, 武田 博明, 鶴見 敬章
セッションID: 3A24
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
エアロゾルデポジション法(AD)を用いて,これまで作成が困難であったBaTiO
3系ナノ粒子セラミックスを作製し,そのサイズ効果について検討を行なった.AD法でSrTiO
3基板上に作製したBaTiO
3厚膜に600℃で熱処理を施すことで,BaTiO
3の自立膜を得た。またこれを様々な温度で再び熱処理することによって粒径の制御を試みた.その結果,粒径24~170 nmのナノ粒子セラミックスを得ることができた.誘電特性を評価したところ,本研究で得られた粒子の領域では,粒子の減少とともに誘電率が減少した.また,Ba(Zr,Ti)O
3は純粋なBaTiO
3以上にサイズ効果の影響を受けやすく,誘電率の低下が大きいことが明らかになった.
抄録全体を表示
-
中田 理沙, 喜多 達也, 近藤 修平, 藤井 一郎, 中島 光一, 武井 貴弘, 熊田 伸弘, 和田 智志, 鈴木 達, 打越 哲郎, 目 ...
セッションID: 3A26
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
近年、情報技術分野の著しい発展に伴い、電子デバイスの小型化および高性能化が急速に進んでいる。また、将来の大量拘束通信に対応する電子デバイスの基板技術として、基板内への電子部品を高密度で3次元実装するシステムオンパッケージ(Sop)が必要不可欠である。このSopを実現するためにフィルム状で比誘電率が現在40のところを最低でも100以上のフィルムキャパシタが必要となる。そこで、本研究ではソルボサーマル法を用いた高分散性チタン酸バリウムナノ粒子/ポリマーフィルムキャパシタの作製を目的とし、その誘電特性について検討を行った。
抄録全体を表示
-
中島 光一, 藤井 一郎, 和田 智志
セッションID: 3A27
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
ジルコン酸バリウム(BaZrO3)はペロブスカイト型酸化物の一種で、これまで水熱法や超臨界法を用いてBaZrO3のナノ粒子化に関する研究が行われきた1)-3)。その結果、数十nmのレベルまでBaZrO3を微小化することができたが、粒径の均一性や分散性について改善する必要性があった。そこで、本研究ではBaZrO3のさらなる微小化と分散性の向上を目的として、ソルボサーマル合成条件について検討を行った。また、機能性向上を目指して、BaZrO3のナノキューブ化について検討を行ったので報告する。
抄録全体を表示
-
木村 健志, 殷 シュウ, 橋本 孝俊, 佐々木 淳, 佐藤 次雄
セッションID: 3A28
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
溶融アルカリ法を用いて(Ba
1-xCa
x)(Ti
1-yZr
y)O
3 (
x, y = 0.00 - 0.50)固溶体の合成に成功した。得られたサンプルは、XRDやTEMを用いて特性評価を行った。
x, y < 0.20は単一相の固溶体が得られた。0.30 <
x, y < 0.40では、
x, y < 0.20と同様な一般構造式(ABO3)をもち格子定数の異なるペロブスカイト2次相が析出したものの、
x, y = 0.50では再び単一相に戻った。また、溶融アルカリ法を用いて合成した粒子径は100 nm程度であり、市販品と比べても微小で良結晶性であった。当日は電気特性についても報告する。
抄録全体を表示
-
党 鋒, 三村 憲一, 加藤 一実, 今井 宏明, 和田 智志, 羽田 肇, 桑原 誠
セッションID: 3A29
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
チタン酸バリウム(BaTiO3)は代表的な強誘電体材料であり、高い誘電率を有するため、積層コンデンサなどに応用されている。また、最近では高い圧電特性が報告されている。近年、電子デバイスの微細化に伴い、積層コンデンサの小型大容量化が益々進行しており、原料としてのチタン酸バリウム粒子に対しては、単分散性、微細化、形のコントロールが必要になっている。焼結法、水熱法、ゾル-ゲル法などの従来の合成法においては、チタン酸バリウムナノ粒子の形、粒径をコントロールすることが困難である。その様な観点から、単分散チタン酸バリウムナノキューブは非常に興味深い材料であるが、その合成例はこれまでに数報告のみである。本研究では水溶性チタン錯体(Titanium bis(ammonium lactate)dihydroxide, TALH)をTi源として用い、水溶液中で単分散チタン酸バリウムナノキューブを合成することを可能にした。
抄録全体を表示
-
三村 憲一, 党 鋒, 加藤 一実, 今井 宏明, 和田 智志, 羽田 肇, 桑原 誠
セッションID: 3A30
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
近年、サイズ効果などによる新機能の発現を示すナノクリスタルに対して関心が高まっており、形状やサイズ分布などが特性に密接に関連しているため、それらを精密に制御し、任意の構造にビルドアップすることで巨大物性等の発現が期待される。チタン酸バリウム(BT)およびチタン酸ストロンチウム(ST)を用いた人工超格子薄膜において大きな誘電特性を示すことが報告されており、ST/BTヘテロ界面による構造傾斜領域の導入のためであると考えられている。ナノクリスタルを集積させて三次元的にヘテロ界面を作製することができれば、巨大物性の発現が期待される。そこで本研究では、水熱反応により合成したBTおよびSTナノキューブを用い、溶液自己集積プロセスにより基板上へ配列構造体の作製および電気的特性の評価を行った。
抄録全体を表示
-
中村 圭佑, 緒明 佑哉, 今井 宏明
セッションID: 3A31
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
本研究では、ナノ結晶の均一で不規則な集積構造を有する酸化チタンの作製を行った。原料となるフッ化チタン水溶液のpHを調整し、得られた生成物を取り出して乾燥させることで1~5 mm程度の大きさを持つ透明なバルク状の集積体を得た。得られた集積体は大きさ3 nm程度のナノ結晶がナノメートルスケールで不規則に配列しているものの、マクロスケールで凝集せず、均一に集積した構造を持っている。このような集積構造は、過去に報告されているナノ結晶の超格子やメソクリスタル構造、一次粒子の不均一で不規則な凝集とは異なる、新規なナノ結晶の集積構造とみなせる。
抄録全体を表示
-
張 雅茹, 本橋 輝樹, 鱒渕 友治, 吉川 信一
セッションID: 3A32
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
SrTaO
2N powders were prepared by ammonia nitridation via precursors obtained from soft chemistry method and solid state reaction route. All the products crystallized in tetragonal
I4/
mcm space group with slight variation in the lattice constants,
e. g.,
a = 0.57023(1) nm and
c = 0.80786(1) nm for the soft chemosynthesis-derived sample. Neutron diffraction analysis suggested a tendency of short-range anionic ordering involving a cis configuration in TaO
4N
2 octahedra together with considerable anionic displacement within the
ab plane on their axial position. This direct evidence for local tilting of TaO
4N
2 octahedra was likely to play a key role in the unusual dielectric behavior of SrTaO
2N.
抄録全体を表示
-
岸本 亮, 今川 一輝, 小舟 正文, 大幸 裕介, 嶺重 温, 矢澤 哲夫, 藤澤 浩訓, 清水 勝
セッションID: 3A33
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
非鉛系層状構造強誘電体 (BLSFs)の代表物質であるチタン酸ビスマス (Bi
4Ti
3O
12; BIT)は大きな構造異方性をもつため, その諸物性においても異方性が現れる. 特に, a軸方向の自発分極はc軸方向のそれと比べても約10倍以上大きく,
a/
b軸配向膜の作製が可能になれば強誘電性は格段に向上することが期待できる.しかし, その構造異方性のため,
a/
b軸配向膜の作製には困難を要する. そこで我々は, 高温スパッタ法によりIrO
2(101)/Al
2O
3(012)基板上にBiサイトの一部をPrで置換した
a/
b軸配向BIT [(Bi
4-xPr
x)Ti
3O
12; BPT, x = 0.3-0.9]膜の作製を試みた. Pr置換量がx = 0.70のとき
Prは最大となり, その値は45 μC/cm
2であった. この値は他の既報論文のc軸配向BPT膜よりも高いものであり, 本研究のBPT-0.70膜はFeRAM素子材料として有望である.
抄録全体を表示
-
室井 諒, 北村 尚斗, 井手本 康
セッションID: 3A34
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
当研究室ではこれまでに、SrBi
2Ta
2O
9(SBT)のSrサイトにBiが一部置換し、TaサイトにWを置換したSr
0.8Bi
2.2Ta
1.95W
0.05O
9及びBi
2SiO
5(BSO)、Bi
4Si
3O
12を添加したバルク体試料について、強誘電特性と結晶構造を検討してきた。本研究では新たに、SBTのTaサイトをNbに置き換え、W,Moを置換したSr Bi
2(Ta,Nb,M)
2O
9(M=W,Mo)と、それらにBi
2SiO
5を添加した試料の、強誘電特性の評価を行った。さらに結晶構造解析を行うことで、結晶構造及び電子密度分布の置換種による変化と強誘電特性の関係を明らかにすることを目的とした。
抄録全体を表示
-
鈴木 宗泰, 明渡 純
セッションID: 3A35
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
ビスマス層状構造強誘電体(BLSF)で代表的なチタン酸ビスマス(Bi4Ti3O12, BiT)は、ホット-フォージング法1)やTemplated Grain Growth (TGG)法2)、磁気異方性を利用した強磁場中体積法3)など、様々な粒子配向化技術のモデルとして用いられてきた。常温衝撃固化現象を基にしたエアロゾルデポジション(AD)法は、室温で緻密なセラミック膜を高スループットで作製できることから、低環境負荷を実現するプロセス技術として近年注目されている。しかし、この方法での粒子配向制御に関する報告は非常に少ない。本研究では、BiT粒子を用いて、AD法における粒子配向制御の可能性を探索したので報告する。
抄録全体を表示