日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2011年年会講演予稿集
選択された号の論文の715件中551~600を表示しています
  • 篠崎 健二, 本間 剛, 小松 高行
    セッションID: 3D05
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    ガラス組成25CaF2-5CaO-20Al2O3-50SiO2 (mol%)となる酸フッ化物ガラス及びCaF2ナノ結晶(10-60 nm)を析出させた透明ナノ結晶化ガラスを作製し、その機械的挙動を調査した。評価にはVickers試験とナノインデンテーション法(準静的インデンテーションと連続剛性試験)を用いた。ビッカース硬度はガラスのナノ結晶化により、5.5 GPaから6.0 GPaに上昇した。インデンテーション硬度は200-500 nm程度の押し込み深さではガラスでは7.8-8.3 GPa、ナノ結晶化ガラス(700˚C熱処理)では8.4-8.8 GPaだった。また、ナノインデンテーションの結果から、表面変形機構の議論を行った。
  • 谷口 健英, 深澤 寧司, 伊藤 節郎
    セッションID: 3D06
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    一定の歪み速度による引張りと圧縮応力下でのNa2O-SiO2ガラスの変形をMD計算で調べた。引張り応力下ではNa2O量が増加するとガラスのネットワーク構造は切断し難くなり組み換えが容易になった。 しかし破壊歪みは9Na2O・ 91SiO2ガラスで最も大きくなった。圧縮応力下ではNa2O量が増加すると緻密化し易くなった。緻密化のし易さはガラス構造の空隙に依存した。
  • 小野 円佳, 谷口 健英, 植村 健, 伊藤 節郎, 原 憲太, 藤浪 眞紀
    セッションID: 3D07
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    陽電子寿命測定法では、オルソ-ポジトロニウムの寿命が物質中の空隙の大きさに依存することを利用して空隙の径を調べることができる。そこで、陽電子寿命測定法を用いて、仮想温度を変えたシリカガラス中の空隙の大きさを調べた。シリカガラスでは、仮想温度が低い場合、環構造の重合度が増加し、密度が減少(すなわち空隙率が増加)することが知られている。陽電子寿命測定法で観測された空隙サイズの減少と、全体の空隙率の増加を矛盾なく説明するには、陽電子寿命測定法の測定限界以下(大よそ半径0.1 nm以下と言われている)のサイズの空隙を考慮する必要がある。当日は、シリカガラスの空隙の描像について、分子動力学に基づいて計算した結果を交えて議論する。
  • 粕谷 祐介, 早川 知克, 野上 正行, フィリップ トーマス
    セッションID: 3D08
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    TeO2ガラスは高い3次非線形光学特性を有しており, 非線形光学デバイスへの応用が期待されている材料である. 本研究ではAg2O-TeO2ガラスおよび, d0電子系金属酸化物であるNb2O5をAg2O-TeO2ガラスに添加したAg2O-Nb2O5-TeO2ガラスに着目し, 各ガラスの光学特性とラマンスペクトルから求めたガラス構造について検討を行ったので報告する.
  • 白川 寒宇, 松岡 純, 吉田 智, 菅原 透
    セッションID: 3D09
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    ケイ酸塩、ホウ酸塩及びホウケイ酸塩ガラス融液の赤外吸収スペクトルを測定温度域100~1100℃、測定波数域2000~5000cm-1で測定した。ソーダ石灰ガラスでは、温度上昇に伴い、水素結合したOH 基に由来する吸収帯が減少し、遊離OH 基に由来する吸収帯が増加した。一方、ホウ素を含有するE ガラスは、これと反対の温度依存性を示し、2000~3000cm-1 にホウ酸塩ガラスと同様の強い吸収が存在した。Eガラスとホウ酸塩ガラスの類似性及び非架橋酸素の量の少なさから、この吸収はホウ素に関連するものであると考えられる。また、この吸収が非常に強いため、この波数域におけるOH 基による吸収の全吸収への影響は無視できると言える。
  • 田口 潤, 森島 大樹, 矢野 哲司, 岩本 正憲, 佐藤 敬蔵, 海老原 保興, 井上 悟
    セッションID: 3D10
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    現行のシーメンス型工業的ガラス溶融法では、ガラス原料を融液上で加熱溶解し、融液中での対流によって気泡を取り除き、組成の均質化を達成している。我々はより一層の省エネルギー化を可能とするため、革新的ガラス溶融技術である「気中溶解法」の開発に取り組んでいる。一方、作製されたガラス中に含まれているガス成分を分析することは、ガラスの品質制御に必要不可欠である。また、ガラス中に残存している気泡中のガス成分を定量的に調査することは、ガラス化の反応履歴を追うことが可能となるため極めて重要である。本研究では、気中溶解法で作製されたソーダライムガラス中の残存気泡に含まれるガス成分を、四重極質量分析計を用いて分析した結果、ガラス中の残存気泡ガスは二酸化炭素が主成分であり、副成分として硫化カルボニルが内包されていることが分かった。
  • 菅原 透, 瀬戸 雅博, 加藤 光夫, 吉田 智, 松岡 純, 三浦 嘉也
    セッションID: 3D11
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    ガラス融液中の硫黄の酸化還元平衡について微分パルスボルタンメトリー(DPV)とEMF測定により考察した.硫酸ナトリウムの分解反応温度をDPV測定のピーク電位から求めると極端に高温(2200-2870K)となる.これに対してEMF測定による活量データを用いて熱力学計算をすると1500-1620Kとなり,実際のガラス溶融炉での清澄反応温度とほぼ一致する.硫酸ナトリウムの分解反応温度はメルトにおけるNa2O活量に大きく依存する.EMF測定によるNa2O-CaO-SiO2系メルトにおけるNa2O活量の値から分解反応温度はNa2OおよびCaOの1mol%の増加に対して約10K増加することが判った.
  • 佐藤 崇史, 矢野 哲司, 柴田 修一, Christian Ruessel
    セッションID: 3D12
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    現在ガラス溶融における省エネルギー技術として酸素燃焼炎が広く導入されており、その結果溶融雰囲気中の水蒸気分圧が増加することによるガラス中の水分濃度の増加が引き起こされるため、ガラス中の水分とガラスの性質との関係は重要である。 矩形波ボルタンメトリーは高感度で高速な電位制御によるボルタンメトリーであり、ガラス融液における電気化学反応を調べる手法として最適である。 本研究では異なる水分濃度を持つガラス融液に対して矩形波ボルタンメトリーを用いてガラス融液中の水分が融液の電気化学反応に与える影響を調査し、ガラス融液中の水分が融液の性質を変化させ、融液の電気化学反応に影響を与えることが示された。
  • 高松 雄一郎, 佐藤 充孝, 中平 敦
    セッションID: 3G01
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    高温高圧の水溶液中の反応を利用する水熱合成法は、様々な新規構造を持つ酸化物を均一・高純度に低エネルギーで合成可能な手法である。さらに近年、単なる酸化物粒子合成にのみならず、独特の形態を持ったナノ材料の合成手法としても注目されている。本研究では酸化チタンからチタネートナノチューブを水熱合成する際の生成機構に着目し、遊星型の回転運動による新規チタネートの合成を試みた。遊星型の回転機構を遊星型回転水熱装置を用い、様々な条件で酸化チタン粉末を水酸化ナトリウム水溶液で遊星型回転水熱合成することで、長繊維のチタネートが合成可能であることが明らかとなった。
  • 川邉 裕祐, 佐藤 充孝, 竹内 雅人, 松岡 雅也, 安保 正一, 中平 敦
    セッションID: 3G02
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    当研究グループはこれまでに、陽極酸化プロセスという作製プロセスに着目し、ナノポーラス構造を有したアニオンドープ酸化チタンの作製とそれらの試料が可視光下での光触媒反応を示すことなどを報告してきた。また、陽極酸化時に溶液に硝酸を用いることで粉末状のナノポーラス構造を有するアニオンドープ酸化チタンの試料が得られることも報告してきた。本報告では硝酸に加えて硫酸、リン酸を用いることで共ドープ酸化チタンの作製とその評価を試み、ナノポーラス構造を有するリンと窒素、または硫黄と窒素の共ドープ酸化チタン粉末の作製ができた。また、それらの試料の可視光下での光触媒反応は窒素ドープ酸化チタン粉末より大きな反応量を示した。
  • 馬場 司, 小島 隆, 上川 直文, 掛川 一幸
    セッションID: 3G03
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    本研究では、アルコキシド法により水和チタニア粒子を合成し、得られた粒子内部における重縮合が不完全な部分の溶出による多孔性チタニア粒子の調製を試みた。アルコール中、アセトニトリルとアンモニアの共存下で金属アルコキシドを加水分解することにより、均一な球形水和チタニア粒子を調製した。得られた粒子をエタノール中に再分散することにより、多孔性粒子の調製を試みた。その結果、水和チタニア粒子合成時の水及びアンモニアの濃度を調整することにより、均一かつ球形で、多孔性の水和チタニア粒子を得ることができた。また、得られた粒子の熱処理により、多孔性を保ったままアナターゼ型に結晶化した粒子を調製することもできた。
  • Quang Duc Truong, Makoto Kobayashi, Hideki Kato, Masato Kakihana
    セッションID: 3G04
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    The ordered micro-sized TiO2 nanorods packed in spherical clusters were fabricated by simple, one-pot method using water-soluble titanium complex as precursor and sulfuric acid as shape-controlled reagent. The effect of various experiment conditions on the morphology as well as photocatalytic activity was investigated. The particles growth mechanism was proposed and discussed intensively.
  • 手代木 洋一, 松本 勇磨, 冨田 恒之, 三浦 恭之, 垣花 眞人
    セッションID: 3G05
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    化石燃料の枯渇が懸念されている現在、その代替エネルギーとして水素が注目されている。燃やしてもCO2を発生しない水素は地球規模で進んでいる環境問題に対する解決策の一つであると考えられている。水から水素を取り出す手段の一つとして光触媒による水の分解反応があり、光エネルギーを利用して水を水素と酸素とに分解するのが水分解光触媒反応である。本研究ではGaやNbといった異種金属のドープやスプレードライ法を利用した形態が与える活性へ影響を水溶液合成プロセスにより検討し、より高い水分解光触媒活性を示すY2Ti2O7の合成を目的とした。
  • 加藤 大樹, 吉田 道之, 田中 誠, 北岡 諭, 尾畑 成造, 大矢 豊, 櫻田 修
    セッションID: 3G06
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    イットリウム-チタン系複酸化物のひとつであるY2Ti2O7は酸素イオン伝導体,水を酸素と水素に分離する光触媒の他,耐還元性に優れていることから溶融金属接触部材へのコーティング材としての応用も期待されている。我々は既にチタンアルコキシドと乳酸から無色透明なTiO2前駆体水溶液が合成できること,水溶性のイットリウム塩から塩基性にpHを調整して水酸化物を沈殿させ,その水酸化物を酢酸で溶解することで無色透明なY2O3前駆体水溶液が得られることを報告した。そこで,本研究ではこれらの前駆体水溶液を用いてY2Ti2O7前駆体溶液の調製とその薄膜の作製について検討した。
  • 池田 達也, 緒明 佑哉, 今井 宏明
    セッションID: 3G07
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    室温における水溶液プロセスを用いて銅酸化物の結晶相・酸化状態および形態の制御を行った。2価の銅イオンを含む水溶液に有機分子を添加し、塩基性水溶液を加えてpHを変化させることでCu(OH)2, Cu2O, CuOなどの様々な銅酸化物を合成することができた。得られた銅酸化物を酸化剤や還元剤で処理することによる、酸化銅の合成も可能であった。さらに、添加する有機分子を変化させることで様々な形態をもつ酸化銅が得られた。
  • 久野 達也, 野々山 貴行, 平尾 喜代司, 加藤 且也
    セッションID: 3G08
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    バイオミネラルと呼ばれる生体の硬組織である骨や歯や貝殻は常温常圧の温和な条件で合成されるにも関わらず、高い機械的特性をもった材料である。この体内でのバイオミネラル形成(バイオミネラリゼーション)においては、タンパク質や脂質や多糖類のような有機マトリックスの表面上の有機官能基が重要である。そこで本研究では、バイオミネラリゼーションにおける有機官能基の効果について検討するため、単一シーケンスのペプチドを合成し、その触媒効果を評価した。また、合成されたシリカの構造特性を評価した。
  • 石田 浩章, 忠永 清治, 辰巳砂 昌弘
    セッションID: 3G09
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    無機固体電解質を用いた全固体薄膜リチウム二次電池は、安全性、信頼性に優れることから、様々な用途での応用が期待されている。無機固体電解質の一つとして非晶質のリチウムシリケートは、対応する結晶よりもリチウムイオン伝導性が高いことが知られている。そこで、本研究ではゾル-ゲル法によって、リチウムシリケート微粒子を作製した。XRDパターンと29Si MAS-NMRスペクトルから、出発溶液中のLi/Si原子比が1と2で作製した微粒子はそれぞれ、非晶質の二ケイ酸リチウム(Li2Si2O5)とメタケイ酸リチウム(Li2SiO3)相を有することがわかった。
  • 小澤 貢太郎, 坂元 尚紀, 脇谷 尚樹, 鈴木 久男
    セッションID: 3G10
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    カルシウムアルミネート系化合物である12CaO・7Al2O3(C12A7)は、かご型構造を有し、かご中に自由酸素イオンを包接している。近年、この自由酸素イオンを他の陰イオン種に置き換えることで、様々な特性を発現されるため、様々な分野への応用が期待されている。本研究では、包接された活性酸素の高酸化力を用いた酸化触媒への応用を目指し、ゾル-ゲル法によってC12A7粉末を合成し、遊星型ボールミルによる粉砕で高比表面積を有するC12A7微粒子を合成することを目的とした。
  • 佐々木 詩織, 黒澤 和浩, 吉田 希世奈, 坂元 尚紀, 脇谷 尚樹, 鈴木 久男, 宮崎 英敏
    セッションID: 3G11
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    二酸化バナジウム(VO2)は約68℃で金属-半導体相転移するため、スマートウィンドウに応用できる。本研究では二種類のゾルゲル法(アルコール系、水溶液系)によるVO2ナノ粒子を合成した。VO2にタングステン(W)をドープすることで、転移温度(Tc)を約-23℃/at.%下げることが出来る。アルコール系で合成した1.8at.%WドープVO2-SiO2ハイブリッドナノ粒子の場合、Tcは約60℃であった。これは、Wアルコキシドが水中でイオン化しため、Wがバッチ組成通りドープ出来なかったと考えられる。一方、水溶液系で合成した2at.%WドープVO2粒子の粒径は約50-100nm、Tcは約30℃であった。
  • 吉川 尚吾, 伴 隆幸, 大矢 豊
    セッションID: 3G12
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    これまでに、チタンアルコキシドと水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAOH)を混合し、水で希釈するだけで、層状チタン酸塩結晶の透明コロイド水溶液が調製できることを明らかにしている。層状金属酸塩を形成することが知られている、チタン以外の元素の溶液調製にもこの方法を応用できるのではないかと考えた。そこで本研究では、ニオブ酸塩のコロイド水溶液の調製を検討した。その結果から、チタン系と同様にニオブ系溶液でも、金属アルコキシドと水酸化アルキルアンモニウム水溶液を混合すると層状の結晶構造を持つ金属酸アルキルアンモニウムのコロイドが生成し、その透明コロイド水溶液が得られることが分かった。
  • 山内 悠輔
    セッションID: 3G17A
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    ナノ空間を有するメソ多孔体は,高度に設計された反応場・貯蔵場・集積場としての展開が期待されるセラミックス材料である.近年,材料の機能性を向上させるために,メソ細孔の配向の制御技術の確立が求められてきており,基礎・応用の両面から重要な課題である.特に,メソチャネルが垂直方向へ配向することで,超高密度記録媒体としての展開をはじめ,触媒・高感度センサーなど種々の応用につながることが期待できる.本講演では,磁場や制限空間を用いることによるメソ細孔の配列・配向制御に関する研究成果をまとめる.
  • 関根 可織, 土井 洋二, 高井 あずさ, 山内 悠輔, 黒田 一幸
    セッションID: 3G19
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    メソポーラスPt薄膜の細孔径制御はジブロックコポリマーとエキスパンダーを用いることで達成された。ジブロックコポリマーとしてPolystyrene-b-polyethylene oxide (PS-b-PEO)、エキスパンダーとしてポリスチレン (h-PS)をそれぞれ用いた。いずれのメソポーラスPt薄膜も、PS-b-PEOの分子量に関係なく球状メソ孔を有していた。PS-b-PEOの分子量が大きくなると細孔径は拡大した。PS-b-PEOに添加するh-PSの量に応じて細孔径は制御された。
  • 早瀬 冴子, 小堀 史門, 久保 亘, 宮田 浩克, 黒田 一幸
    セッションID: 3G20
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    ジブロックコポリマーを鋳型として用い、スピンコート法によりシリカメソ構造体薄膜を作製した。作製した薄膜はクラックのない連続膜であった。ジブロックコポリマーとSiのモル比および前駆溶液の撹拌時間を変化させることで、ラメラ構造・2Dヘキサゴナル構造および球状ミセルからなるメソ構造の形成を確認した。これら2つのパラメータはミセル親水部の大きさに影響を与え曲率を変化させるため、得られるメソ構造が変化したと考えられる。
  • 早坂 有希, 松田 圭悟, 川井 貴裕, 松嶋 雄太, 鵜沼 英郎
    セッションID: 3G21
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    Mn2+イオン、BrO3イオン、およびセチルトリメチルアンモニウムクロリドを含む水溶液から333KでメソポーラスなガンマMnO2薄膜をITOガラス上に析出させた。X線回折において低角度側に周期的なピークが見られたことから、規則的メソポーラス構造の存在が示唆された。メソポーラス薄膜は、高い表面積を反映して、サイクリックボルタモグラムにおいて緻密な薄膜よりも1~2桁大きな電流応答を示した。
  • 稲富 俊裕, 松田 元秀
    セッションID: 3G22
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    近年、ゼオライトが示す特異な特性をより高度に利用する立場から、ゼオライトの膜化が注目されている。現在我々の研究グループは、バルク状ガラスを出発材として、ゼオライト膜の水熱合成を検討している。バルク状ガラスを出発材とした膜作製では、適当な組成からなるゲルを用いた場合と異なり、ゼオライト源となる元素が溶液中に徐々に供給されるといった比較的マイルドな条件下で膜形成が進行する。これまでに同手法を用いて、MFI型ゼオライト膜の作製を試み、b軸配向体の作製に成功している。ここでは、得られた膜の微細構造や相変化について報告するとともに、膜形成機構を考察する。
  • 赤岩 正章, 松田 元秀
    セッションID: 3G23
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    分子と同程度の大きさで均一で剛直なミクロ孔を有するゼオライトは、産業分野において、吸着・分離材料および触媒として用いられている。近年、ゼオライトが有する細孔構造を活かし優れた機能性を得るために、ゼオライトの膜化が注目されている。当研究室では、ケイ酸ガラス粉末を出発材としたゼオライト膜の作製において、MFI型ゼオライトの配向膜の作製に成功している。本研究では、出発材としてケイ酸ガラスに代わって石英ガラスを用いてMFI型ゼオライト膜の作製を試み、2種のガラスにおける組成の違いが生成物の形態に与える影響について検討した。
  • 林 育生, 河村 剛, 武藤 浩行, 逆井 基次, 松田 厚範
    セッションID: 3G24
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    異方性を有する金ナノ粒子含有メソポーラスシリカ薄膜は、ゾル-ゲル・ディップコーティング法によってメソポーラスシリカ薄膜を作製し、メソ孔内で塩化金酸(_III_)を還元することによって作製された。TEMによる薄膜の断面観察では、ロッドのような形状の金ナノ粒子がきれいに一方向に並んでいる様子が観察された。また、偏光依存光学透過スペクトルも得ることができた。
  • 黒田 義之, 阪本 康弘, 黒田 一幸
    セッションID: 3G25
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    粒径40 nmのシリカナノ粒子と粒径20 nmのシリカナノ粒子を水に分散させ、これらを個数比が1:2の割合に成るように複合化させた。得られた複合体はAlB2型構造を有する超格子であることが分かった。さらに、この超格子を金ナノ構造体の鋳型として用い、表面に凹凸状のナノ構造を有する板状構造体を得た。生成物の構造観察から、超格子内部での金の結晶成長は、鋳型のAlB2型構造の{100}、{101}面に沿う傾向があり、窪みが格子状や縞状に配列した金ナノ構造体が形成されることが分かった。従って、超格子を鋳型として用いることで金ナノ構造体の凹凸構造の配列を多様化させられることが分かった。
  • 計良 匡俊, 後藤 隆幸, 岩月 将吾, 藤井 一郎, 中島 光一, 和田 智志, 長田 実, 黒岩 芳弘
    セッションID: 3G26
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    3次元にチタン酸ストロンチウム(ST)ナノキューブを集積させて、その界面にドーパントを添加させることができれば新規物性の発現が期待できる。そのためには形状や粒径の揃ったSTナノキューブを合成する必要がある。これまでチタン原料として酸化チタンナノ粒子やチタンテトライソプロポキシド(TP)を用いてSTナノキューブの合成を行ってきたが、TiO₂ナノ粒子のみを用いた場合、STナノキューブは広い粒度分布となり、緻密な集積体の作製が困難であった。また、TPのみを用いた場合、粒径は均一になる一方、キューブの形成が困難であった。そこで本研究ではチタン源としてTiO₂ナノ粒子とTPの2種類を組み合わせてSTナノキューブの合成を目的とし、仕込み原料比(TP/TiO₂比、Sr/Ti比)、反応温度の最適条件および集積化について検討を行ったので報告する。
  • 鎌田 海, 堀口 幸二, 藤田 尚子
    セッションID: 3G27
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    光化学反応により硝酸セリウム水溶液からセリアナノ粒子を合成した。硝酸イオンが光酸化剤として作用することでセリアナノ粒子が生成する。生成粒子の平均粒子系は硝酸セリウムの初期濃度によって制御できた。また、得られたセリアナノ粒子がスーパーオキサイドアニオンなどのフリーラジカル捕捉能を有していることを確認した。
  • 岡本 拓巳, 木村 勇雄
    セッションID: 3G28
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    磁性ミクロスフィアはドラッグデリバリーシステム(DDS)のキャリアとして使用されている。ミクロスフィアとして用いることで,ナノ粒子として使用する場合より,流動性,操作性,有用物質の輸送量などの向上が期待できる。本研究ではW/O/W分散系を利用して,コバルトフェライト(CoFe2O4)ミクロスフィアの生成を試み,界面活性剤濃度が粒子形態と生成相に及ぼす効果を検討した。生成物は薄片状ナノ粒子が集合した直径約5μmの多孔質ミクロスフィアだった。X線回折の結果,焼成なしでもCoFe2O4が得られることを確認した。結晶性はTween20濃度によって変化しなかったが,高いSpan80濃度では著しく低下した。
  • 内山 弘章, 白井 雄也, 幸塚 広光
    セッションID: 3G29
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    近年、原子・分子の自己組織化を利用したボトムアップアプローチによって作製されるナノ構造体が注目を集めている。結晶成長における駆動力の変化に伴う結晶形状の変化は、まさに自己組織化の一種といえる。本研究では、Sn4+イオンに有機高分子であるポリアクリル酸(PAA)のカルボキシル基を配位させ、SnO2結晶の析出を制御することにより、その形態制御を試みた。PAAの添加により、SnO2結晶の形状は、粒径2 μm程度の球状粒子から、長さ100 nm程度のロッド状粒子により構成された粒径200 nm程度の花弁状粒子に変化した。
  • 古賀 貴寛, 稲田 幹, 田中 優実, 榎本 尚也, 北條 純一
    セッションID: 3G30
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    マイクロ波水熱炭化によりグルコース水溶液からカーボンスフィアを合成した。グルコース水溶液をオートクレーブを用いて200度で加熱したところ3時間で球状粒子が生成した。一方、マイクロ波加熱では30分で球状粒子が生成した。マイクロ波がグルコースの炭化を促進したと考えられる。XRDより、すべての生成物で20度付近にハローが確認され生成物はカーボン前駆体であることが示唆された。
  • 木枝 暢夫
    セッションID: 3G31
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    水酸化銅と炭酸水素アンモニウムをアンモニア水に溶かした溶液を超音波噴霧し、それを窒素ガス雰囲気中で熱分解することで、窒化銅微粒子を合成した。単相を得るための条件としてもっとも重要だったものは回収フィルターの温度で、これが300-400℃程度より低くなると酸化物が、高くなると金属銅が混入した。雰囲気に少量の水素ガスを添加することで、この温度を200℃程度まで下げても単相を得ることができた。生成した粒子は数10nmの一次粒子からなるμmサイズの中空形状であった。
  • 田中 耕一, 田中 裕介, 高岡 秀充, 長田 晃
    セッションID: 3H02
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    Arプラズマガンを用いたプラズマ蒸着法により、Tiターゲットを窒素雰囲気中で多結晶WC焼結体鏡面研磨面上に反応蒸着させることにより、TiN薄膜を形成した。成膜条件のうち、成膜温度を100~400℃まで変化させたところ、いずれの条件でもTiN薄膜は50nm程度の微細な柱状晶により構成されていたが、基板温度が高い条件ほどWCとTiNの結晶界面にエピタキシャル成長が発現した。面内TEM観察により、二軸配向した微細組織は面内方向に高いアスペクト比を持つ直立平板状組織を有し、鏡面研磨面上の高次面上での拡散挙動に、シュワーベル障壁による異方性が生じたものと考えられる。基板に印加する負バイアス電圧を増加させると、WC結晶粒上で成長した微細組織の粒界が不明確となり、1つの単結晶上に1つのTiN結晶粒が形成されることがわかった。
  • 村瀬 智宏, 坂元 尚紀, 脇谷 尚樹, 鈴木 久男
    セッションID: 3H03
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
     InNは約0.7eVのバンドギャップや高い電子移動度を有することから、赤外領域における発光、受光デバイスや高速、高周波電子デバイス等に有望な材料である。しかし、InNはこれらの応用に向けた結晶成長技術については報告が少なく、高品質な結晶を得ることや結晶の形状を制御することは一般に困難である。  本研究では、InNの六方晶系を反映した結晶を作製し、そのInN結晶の成長メカニズムを理解するために結晶成長温度および成長時間を変化させた結果を詳細に検討した。また、フォトニック結晶としての応用を目指し、柱状構造InNの成長条件を検討した。
  • 石原 知, 末松 久幸, 中山 忠親, 鈴木 常生, 新原 晧一
    セッションID: 3H04
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    粉末を熱収縮チューブに充填し、パルス大電流を通すことで粉末を気化し、それが雰囲気ガスによって急速に冷却され、微粒子が形成するプロセスを開発した。本大会においては、炭化物セラミックス微粒子を合成することを目的として、ケイ素と炭素の混合粉末へのパルス放電による炭化ケイ素の合成を試みた結果を発表する。C/Si混合モル比を1としてパルス放電を実施し、回収された粉末をX線回折により評価した結果、Si相および立方晶のSiC相による回折ピークが強く認められた。そこで、C/Si混合モル比を2とした実験を行った。その結果、立方晶SiC相による強い回折ピークに加えてSi相とグラファイト相による回折ピークが弱く認められた。
  • 杉本 雅樹, 吉村 公男, 出崎 亮, 吉川 正人, 麻野 敦資, 関 修平, 佃 諭志, 田中 俊一郎
    セッションID: 3H05
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    高分子薄膜に入射するイオンビームの飛跡に沿って生じる高濃度活性種により直径ナノオーダーの高分子架橋体を形成し、これを溶媒抽出することでナノファイバーが作製できる。現在イオン加速器で利用可能なLETの上限は15000ev/nm程度であり、直立構造を形成するために必要な太さを有するナノファイバーが得られていない。そこで、ナノファイバー径の制御範囲を拡張する方法として、イオン照射に電子線照射を組み合わせた新たな方法を開発した。
  • 山岡 諒平, 鱒渕 友治, 本橋 輝樹, 吉川 信一
    セッションID: 3H06
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    ゲル化窒化法により合成した酸窒化ガリウムナノファイバーを種結晶として用いて750℃、10時間、NH3流量50ml/minの条件でこれを結晶成長させると幅30-150nm、長さ150µm以下でアスペクト比が5000以下のナノファイバーを得た。XRDおよびTEM-EDから、ナノファイバーが種結晶の方位に沿ってc面に平行方向に結晶成長したことを確認した。NH3流量や温度を変化させることでサイズやアスペクト比が異なるナノファイバーも得られた。
  • 趙 培, 伊藤 暁彦, 塗 溶, 後藤 孝, 加藤 丈晴
    セッションID: 3H07
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    レーザーCVD法を用いてYBa2Cu3O7-δ膜を合成し、その微細構造をTEMを用いて観察した。a軸配向YBCO膜は、主にa軸配向粒子からなっていたが、(100) CeO2 層との界面には、c-YBCO 相が存在していた。c軸配向YBCO膜は、ほとんどが基板と鉛直方向に成長したYBCO粒子からなっていたが、一部にc軸が傾斜したYBCO相や異相が存在が認められた。
  • 甄 玉花, 李 宝娥, 李 建永, 坂口 勲, 安達 裕, 西村 聡之, 羽田 肇, 大橋 直樹
    セッションID: 3H08
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    パルスレーザー蒸着において,ターゲット由来の酸素と,チャンバー内の酸素ガス由来の酸素とを識別し,プルーム中からの酸素取り込みと,雰囲気中からの酸素取り込みの効果について,独立して検討することを企み,同位体トレーサーを用いた検討を行った.すなわち,質量数が天然存在比の酸素(natO)を含む酸化スズターゲットと用い,質量数18の酸素(18O)でエンリッチした酸素ガスを雰囲気ガスとして導入しながら製膜を行い,得られた薄膜中の同位体存在比(18O/16O)を質量分析によって求めることで,ターゲット由来と雰囲気由来の酸素の薄膜への取り込みの様子を検討した.
  • Zhao Pei, Ito Akihiko, Tu Rong, Goto Takashi
    セッションID: 3H09
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    CeO2 films were prepared on (100) SrTiO3 single crystal substrate by laser chemical vapor deposition.
  • 宇佐美 了, 坂元 尚紀, 篠崎 和夫, 鈴木 久男, 脇谷 尚樹
    セッションID: 3H10
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    二次元周期構造を有する薄膜は物質により、表面自己洗浄材料、マイクロレンズアレイ、記録媒体、バイオセンサー、共振器アレイなどが挙げられる。本研究では、パルスレーザー堆積法 (PLD法) と単分散ポリスチレン (PS) テンプレートを用いてこのような応用の可能性を有する薄膜の作製を試みた。
  • 長谷部 康博, 大音 雅宏, 中村 淳, 野口 正広, Li Yu, 大塩 茂夫, 赤坂 大樹, 齋藤 秀俊
    セッションID: 3H11
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    エチレンジアミン四酢酸(EDTA)イットリウム錯体を原料としフレーム溶射装置を用いてアセチレンおよび水素の燃焼炎中での分解、酸化反応を利用した反応性フレーム溶射法により、イットリア膜を作製した。作製した膜はX線回折より、イットリア結晶を含む。水素炎を使用した反応性フレーム溶射により、スプラット構造を持つイットリア膜を得た。
  • 新田 安隆, 伊藤 朋和, 青島 利裕
    セッションID: 3H12
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    エアロゾルデポジション法(AD法)は、エアロゾル化したセラミックスの微粒子を高速で吹きつけることにより、基材上に緻密で高強度のセラミックス膜を形成させるプロセスである。またAD法で作製した膜(AD膜)は、溶射法等のセラミックス膜形成プロセスで得られる膜よりも密着強度が高い。AD製膜前後での基材表面の微構造の変化をレーザー顕微鏡、走査型電子顕微鏡にて観察し、AD膜の高い密着強度が発現する理由を、変化を分析した結果から考察した。
  • 鍋田 圭吾, 伊豫田 正彦, 鹿谷 真博, 柴山 義浩, 奥谷 昌之
    セッションID: 3H17
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    現在のエレクトロニクス産業において、実用化されている製膜法の多くが、高真空や基板の加熱を要するものである。近年は低融点材料に対する製膜の需要が増加しており、本研究では沿面放電を利用した製膜に着目している。コプラナー型電極から常温・大気圧下で発生する非熱平衡プラズマ放電は、基板を比較的低温に保ったまま局所的に高エネルギーを供給することが可能である。しかし、これまでは装置構成の問題から放電エネルギーが基板に伝わりにくく、有機金属前駆体の分解反応や結晶化が充分に進まなかった。本研究では印加電圧と周波数の最適化により放電の高エネルギー化を図るとともに、製膜時の雰囲気を従来の空気中以外に窒素、酸素中にすることによって酸化亜鉛薄膜の形成を試みた。
  • 伊豫田 正彦, 鍋田 圭吾, 鹿谷 真博, 奥谷 昌之
    セッションID: 3H18
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    スパッタリングや蒸着法など多くの製膜では減圧下や高温下での反応が利用されているため、実用性の観点からさらに簡便な手法が求められている。これまで本研究室では、沿面放電を利用した酸 化物薄膜の形成を試み、酸化亜鉛薄膜の単相化を報告した。そこでさらに酸化スズ薄膜の形成を試みたが、放電エネルギーの伝達にロスが発生して原料の分解反応が十分に進行せず、中間成生物が得られるのみであった。本研究は、従来のアルミナよりも比誘電率の高いジルコニアを誘電体基板として使用することで高エネルギーを発生する電極を作製し、酸化スズ薄膜の形成を検討した。
  • 石川 善恵, 越崎 直人, 馮 旗
    セッションID: 3H19
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    これまでに、液相中の粉体や基板ターゲットに高フルエンスのパルスレーザー光を照射することで様々なナノ粒子が得られる研究が数多く報告されてきた。これに対し、我々は液相中のナノ粒子に対する比較的低いフルエンスのパルスレーザー光照射によってサブマイクロメートル球状粒子が得られる現象に着目してきた。これらの大きな違いは、従来の高フルエンス領域では主にアブレーションによる激しいターゲット物質の放出が起こっているのに対し、我々が着目する低フルエンス領域では主に溶融が起こっている点である。この低フルエンス領域ではレーザー光のエネルギーの吸収による原料物質の溶融液滴化や、さらに溶融液滴同士の融合が起こっていると考えられ、表面が滑らかで原料粒子よりも大きなサブマイクロメートルの球状粒子が得られるのが大きな特徴である。本研究では幅広い用途を有する酸化チタンナノ粒子を原料とし、水とエタノール中でレーザー照射した場合の比較を行った。
  • 越崎 直人, Wang Hongqiang, 石川 善恵
    セッションID: 3H20
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    ZnOは通常の調製法では、安定な結晶面からなる六角柱状や六角板状のナノ構造体が得られる。ZnOの球状粒子の創製に関しての報告例は非常に少なく、わずかに報告されている球状ZnO粒子も、実際はナノ粒子やナノ板状結晶から構成された2次集合体である。我々はこれまでに、原料ナノ粒子を液相中に分散し、これに弱いレーザー光を照射することでサブマイクロメートル球状粒子を作製する手法を開発し、B4C粒子の反応合成やCu粒子の還元合成が可能であることを実証してきた。本発表ではこの手法をZnOに適用し、サブマイクロメートル球状ZnO粒子の合成を試みた結果および照射条件と生成粒子の関係について報告する。
  • 櫻井 慶太, 手嶋 勝弥, 李 先炯, 湯葢 邦夫, 宍戸 統悦, 大石 修治
    セッションID: 3H21
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    一酸化コバルト(CoO)は一次元形状に変化させることで,触媒やガスセンサーとして応用できることが報告されている。一次元形状CoOは,水熱合成法あるいはゾルゲル法によって作製されているが,その合成法や物性においてはさまざまな課題が残されている。フラックス法は高品質な結晶を育成でき,出発原料や温度条件により結晶組成や形状を制御できる。本研究ではフラックス法により,一次元形状CoO結晶を育成することを目的とした。フラックスにLiClおよびKClを用い,カーボン材料を添加することにより一次元形状CoO結晶の育成に成功した。またTEM観察にて,生成したCoO結晶は欠陥のない高品質な結晶であることがわかった。
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