日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2011年年会講演予稿集
選択された号の論文の715件中651~700を表示しています
  • 日向 秀樹, 周 游, 北 英紀, 平尾 喜代司
    セッションID: 3K25
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    希土類の中でも窒化促進効果の高いCeO2に着目し、CeO2添加がケイ素の窒化に与える影響に対して、その添加量等に着目して研究を行った。 ケイ素粉末に対して、CeO2を所望の量を添加し混合粉末とした。それぞれの混合粉末を、熱重量分析により重量変化から計算により窒化率を算出した。ケイ素のみの場合と比較して、CeO2を添加した試料の窒化率は、同条件下で、いずれも高くなる傾向を示した。添加量に着目するとCeO2添加量を多くすることで、同条件下では明らかに窒化率が高くなり、その窒化開始温度もまた、わずかではあるが低温化していることが確認された。
  • 嶋津 季朗
    セッションID: 3K27A
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    機械・建築・自動車等、様々な分野で振動対策は重要な技術であり、構造材料自身に高い制振性を付与することは現在のレベル以上の微細な制御や観察をするために有効と考えられる。本研究ではセラミックス多孔体を基材とした高剛性な制振材料の開発を進めてきた。セラミックスは一般に剛性が高く制振性は低いが、本研究ではチタン酸アルミニウム(Al2TiO5)系に着目し、Al2O3-TiO2-MgO系において異常粒成長を促進させ、非常にアスペクト比が高い数十~200μm程度の長大な粒子が複雑に成長し、かつほとんどの粒界に微細な亀裂状の気孔が生成した微構造を得た。本開発材料は非常に大きな可撓性により粒子界面において機械的な摩擦を生じ、剛性は低いものの高い内部摩擦(Q-1=0.03)を示した。さらに高分子と複合化することで、ヤング率50~60GPa、内部摩擦0.01~0.03の、高剛性と制振性を併せ持つ材料を開発できた。複合材料の特性には高分子の特性が大きな影響を与えることがわかった。
  • 武藤 浩行, ホウ シン, 羽切 教雄, 片桐 清文, 河村 剛, 松田 厚範
    セッションID: 3K29
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    新規な複合材料作製手法である静電吸着複合法を提案して、アルミナ添加高分子マトリックス複合材料を作製した。スクラッチ試験を行った結果、耐傷性が飛躍的に向上していることが分かった。
  • 細川 純平, 羽切 教雄, 河村 剛, 松田 厚範, 逆井 基次, 武藤 浩行
    セッションID: 3K30
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    本研究で提案する、静電吸着複合法を用いてアルミナ基ナノ複合材料を作製した。母材として、粒径の異なる三種類のアルミナ造粒粒子を、添加物として、炭素微小球をそれぞれ用いた。静電吸着複合法を用いることにより、複合材料の微構造を制御した。複合材料の機械的特性は、得られた微構造の変化に大きく依存した。
  • 陳 衛武, 東城 哲朗, 宮本 欽生
    セッションID: 3K31
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    エコカー、LED照明、その他の省エネルギー機器等に使用される電子装置の小型化、高出力化、高集積化に伴い、熱制御が重要な課題になっている。この場合、放熱機能だけでなく、電気絶縁性や高強度、軽量性が求められる。我々は新たなセラミックボンデッドカーボン(CBC)複合材を設計・創製し(Fig.1)、電子材料のパッケージや基板等の高機能熱制御材料、その他への応用を図る基礎技術の確立を目指している。カーボンにセラミックス界面を導入することにより、軽量高強度、耐酸化、耐磨耗、耐発塵、電気絶縁、高熱伝導等が付与できる。また、CBCは同種あるいは異種セラミックス層との接合も図れる(Fig.2)。本講演では、ホットプレスによるAlNセラミックボンデッドカーボン(AlN/CBC)の創製について、プロセスの確立と焼結の最適化、及びAlN層との接合に関する最新の研究結果を報告する。
  • 松村 功徳, 香川 豊
    セッションID: 3K32
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    高温環境から入射する熱輻射エネルギーを耐熱コーティングや断熱材の表面で反射できれば、熱の流入を防ぎ断熱特性を向上できる可能性がある。熱輻射エネルギーの高反射を実現する手法の一つである酸化物セラミックス多層平板膜は、熱輻射エネルギーの特徴である広い波長範囲と広い入射角度範囲に対して、十分に反射できない。 単層膜がマトリックス中にランダムに分散した複合材料は、ランダムな構造を持つため熱輻射の入射角に対する依存性の低い材料となり得る。本研究では、Al2O3フレーク層分散YSZ複合材料を作製し、反射率の波長及び入射角度依存性を調べることにより、熱輻射エネルギー反射材料としての可能性を明らかにすることを目的として研究を行った。
  • Jianfeng Zhang, Rong Tu, Takashi Goto
    セッションID: 3K33
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    SiO2 thin layer was coated on cBN (cBN/SiO2) by rotary chemical vapor deposition (RCVD) using tetraethoxysilane (TEOS) as a precursor. Al2O3-cBN/SiO2 composite was compacted by spark plasma sintering (SPS). The phase transformation temperature of cBN to hBN in Al2O3-cBN/SiO2 composite was 1773 K, 200 and 100 K higher than that in Al2O3-cBN/Ni and Al2O3-cBN composites, respectively. The highest relative density of Al2O3-cBN/SiO2 composite was 99.5% at 1673 K and 30 vol% cBN with 1.9 mass% SiO2. The maximum hardness of Al2O3-cBN/SiO2 was 28 GPa for Al2O3-30 vol% cBN/SiO2 (SiO2 content: 1.9 mass%) composite sintered at 1673 K and 100 MPa.
  • 羽根川 博, 塗 溶, 後藤 孝
    セッションID: 3K34
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    TiCNは高硬度、優れた耐磨耗性および低い摩擦係数を有することから、切削工具材料として応用されている。TiCNは難焼結性の材料であるため、従来はNiやCoなどの焼結助剤と直接混合して焼結してきた。しかし、この手法では焼結助剤の偏析および硬質相同士の接触によるTiCNの機械的性質の低下が問題である。そのため、少量の焼結助剤を均一に分散させることが求められる。本研究では、焼結前処理として回転式CVD法によりTiCN粉体上へNiを被覆し、SPS法によりNiを被覆したTiCN粉体の焼結を行った。TiCN/Ni焼結体の密度、硬度および破壊靱性に及ぼすNi被覆の影響を調べた。
  • Wubian Tian, Hideki Kita, Hideki Hyuga, Naoki Kondo
    セッションID: 3K35
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    TiB2-C preforms formed with different composition and processing parameters were reactively infiltrated by Si melts at 1450 degree C to fabricate TiB2-SiC-Si composites. Phase constituent and microstructure of these composites were analyzed by X-ray diffraction (XRD) and scanning electron microscopy (SEM). The resulting composites are generally composed of TiB2 and reaction-formed beta-SiC major phases, together with a quantity of residual Si. Unreacted carbon is detected in the samples with a starting composition of 2TiB2+1C formed at higher pressure and in all of the ones at the composition of 1TiB2+1C. The distribution of these phases is fairly homogenous in microstructure. TiB2-SiC-Si composites show good mechanical properties, with representative values of 19.9 GPa in hardness, 395 GPa in elastic modulus, 3.5 MPa1/2 in fracture toughness and 604 MPa in bending strength. The primary toughening and strengthening mechanism is attributed to the crack deflection of TiB2 particles.
  • 西堀 麻衣子, 伊藤 敏雄, 伊豆 典哉, 松原 一郎, 申 ウソク
    セッションID: 3L01
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    化学的な機能を利用するマイクロガスセンサでは、その性能および機能の向上を実現するために機能性材料をデバイス上へ集積化する必要がある。中でも、触媒燃焼反応を利用したマイクロガスセンサの場合、デバイス集積化に特化した高い燃焼性能かつ高い安定性を示す燃焼触媒の開発が求められる。本研究では、マイクロデバイスに集積化するメタン燃焼用触媒としてアルミナ担持パラジウム触媒を開発し、触媒調製方法および担体によるデバイス上での燃焼性能変化について検討した。
  • 又吉 翔太郎, 平田 好洋, 松永 直樹, 鮫島 宗一郎
    セッションID: 3L02
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    食物残渣や焼酎粕のメタン発酵で発生するバイオガスは、60 %のメタン(CH4)と40 %の二酸化炭素(CO2)を含む。本研究室では、50%CH4-50%CO2混合ガスを、電気化学セル上で反応させ、800℃で45.8 % H2-47.5 % CO-0.73 % CH4-5.24 % CO2混合ガスに改質した。本研究では改質ガスをさらに水と反応させることで、水素の増量を試みた。その結果、Feセルでは反応は起きなかった。Fe2O3セルでは、COが反応し、Fe3CとCO2が生成した。Co2O3触媒では、400-500 ℃でCH4とCO2の生成(メタン化反応)が促進された。
  • 長瀬  健太郎, 西本 俊介, 亀島 欣一, 三宅 通博
    セッションID: 3L03
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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     バイオマスが嫌気性発酵をすることで発生し、地球温暖化の原因ともなる「バイオガス」の回収利用技術の開発が望まれている。  一方、ハイブリットカーなどの普及に伴い今後急速に増加すると見込まれる使用済みニッケル水素電池の再資源化を目指している。  我々のグループでは、廃ニッケル水素電池負極材からNi系成分の分離、回収に成功しており、回収したNi系試料(以後wNiO)がCH4ドライリフォーミング(CH4 + CO2 → 2H2 + 2CO)の触媒として高い活性を示すことを見いだしている。この性質を応用して、今回はwNiと試薬のNi試料を-Al2O3およびBaTiO3に担持させた触媒を用いてバイオガス改質性能評価を行ったので報告する。
  • 蔵岡 孝治, 植田 浩介
    セッションID: 3L04
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    多孔質アルミナ管状膜上に有機-無機ハイブリッドオレフィン分離膜をゾル-ゲル法を用いて作製した。作製した膜の気体透過特性を298、323、373Kで評価した。また、50%エチレン-50%エタンの混合ガスを用いてそのエチレン分離性能を評価した。気体透過特性の評価より、作製した膜は膜中に銀イオンを担持しており、このイオンの効果によりエチレンに対して高い選択性を示すことがわかった。
  • 上田 拓, 本橋 輝樹, 鱒渕 友治, 吉川 信一
    セッションID: 3L05
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    BaYMn2O5+δの酸素吸収放出速度を熱重量分析により調べた。その反応率αは還元時間t/t0.5(t0.5はαが0.5の時の時間)に対してプロットすると、いずれの測定温度でもα<0.5の範囲ではほぼ同じ曲線に従っており、同一の反応機構で説明できると考えられた。これは酸素吸収放出反応が表面反応律速であることを示しており、活性化エネルギーは酸素吸収反応で約0.7eV、酸素放出反応で約1.0eVであることがわかった。
  • 清水 麻衣, 磯部 敏宏, 松下 祥子, 中島 章
    セッションID: 3L06
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    本研究では,細孔壁に様々な化学種を付与した多孔体を作製し,その性質がCO2ガス分離に及ぼす影響を検討した.アルミナフィルタを鋳込成形法で作製し,その細孔壁をベーマイトとシランカップリング剤で化学修飾した.得られたフィルタの気孔率はいずれも約40%,平均細孔径が約800 nmで,細孔径分布はシャープだった.ベーマイトとシランカップリング剤で化学修飾したフィルタは目的の構造を有した.得られたフィルタのCO2とN2のガス透過特性を,差圧法を用いて調査したところ,ガス透過率は1.7 - 3.5 x 10-8 kmol∙m∙m-2∙s-1∙kPa-1となり,表面特性によりN2/CO2選択率が変化した.また,90%N2/10%CO2混合ガスを用いてガス分離試験を行ったところ,約5%のガス分離能が見られた.
  • 深澤 一晃, 藤代 史, 橋本 拓也
    セッションID: 3L07
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    地球温暖化防止のため化石燃料使用時に排出されるCO2を効率よく分離・回収する技術の確立が強く望まれている。中でもCO2を化学反応により気相から固相へと回収する方法が有望であり、CO2吸収材料の候補物質としてBa2Fe2O5が検討されている。しかしながら、Ba2Fe2O5がCO2と可逆的に反応し分解する化合物がBaFe2O4とBaCO3であるにもかかわらず、本物質はFe2O3とBaCO3からも合成可能である。従って、反応に伴う重量変化や結晶構造解析を定量的に行うことがこの物質のCO2吸収能解明に必要不可欠である。この研究では、Fe2O3とBaCO3の混合粉からBa2Fe2O5の合成及びBa2Fe2O5の可逆的反応完了までの重量変化の定量測定を試みた。
  • 大塚 紘史, 柳瀬 郁夫, 小林 秀彦
    セッションID: 3L08
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    α-LiFeO2は425℃付近で高いCO2吸収能を示す一方で, α相からβ'相へ構造相転移してしまう。β'-LiFeO2はα-LiFeO2に比べCO2吸収能が低いため,構造相転移によりα-LiFeO2のCO2吸収能が低下してしまう。そこで, 本研究では, α-LiFeO2のCO2吸収能を改善するための新たな手法として, α-LiFeO2に微粒子を被覆することで構造相転移を抑制することを目的とした。
    CeO2添加α-LiFeO2はCeO2微粒子とα-LiFeO2粉末を水溶液中に分散させることで調製した。この手法によりα-LiFeO2粒子にCeO2を被覆することができた。その得られた混合粉末にCO2を吸収させると,CO2吸収のときのα相からβ'相への構造相転移を抑制することができた。その結果, α-LiFeO2のCO2吸収能を改善することができた。
  • 小林 亮太, 大石 克嘉, 吉村 昌弘
    セッションID: 3L09
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    Li4SiO4は、CO2吸収材として期待されている材料の一つである。我々は、Li4SiO4の結晶構造中のLiサイトの静電ポテンシャル計算を行い、LiイオンとCO2との反応性と計算結果を比較した。計算されたポテンシャルは-11.6 eVから-17.3 eVの範囲に分布していた。-13.5 eVを浅いサイトと深いサイトの境界線に取ると、境界線より浅いサイトと深いサイトにあるLiイオンの数は26:30となった(おおよそ1:1)。この結果は、Li4SiO4の化学式の中のLiイオンのうち2つだけがCO2と反応することを説明しているように見えた。
  • 磯部 敏宏, 大山 朝美, 清水 麻衣, 松下 祥子, 中島 章
    セッションID: 3L10
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    部分焼成法による多孔質セラミックスの作製の一環として,2段階焼成法で細孔径の制御を試みた.鋳込成形法で得られた成形体の気孔率と平均細孔径はそれぞれ42.0%と72.6 nmだった.1段階焼成の場合,焼成温度の上昇と共に気孔率,平均細孔径共に減少した.1300°Cで焼成すると気孔率2%以下の焼結体が得られ,平均細孔径は測定できなかった.1段階焼成法では気孔率と平均細孔径がほぼ直線の関係となった.一方、2段階焼成法では,気孔率が一定のまま平均細孔径が変化した.この焼成条件では,主な物質移動は粒子表面からネック部への表面拡散または体積拡散が支配的と考えられる.このため,焼成収縮は起こらず,平均細孔径のみが増加したと考えられる.
  • 前田 浩孝, 今泉 晴貴, 石田 秀輝
    セッションID: 3L11
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    水質環境を改善する吸着材料として、炭酸カルシウムの多形であるバテライト多孔体の合成を試みた。しかしながら、バテライト多孔体の合成に関する報告例はこれまでにない。本研究ではケイ酸カルシウム水和物との複合化による多孔質化固化を考えた。バテライトとシリカゲルからなる成型体を飽和水蒸気圧下で水熱反応を実施することにより、ケイ酸カルシウム水和物が生成し、これがバテライト粒子間のバインダーとして作用し、強度発現に寄与したと思われる。この多孔体は気孔率が約65%であり、0.1~1 µmの範囲に細孔径分布を持つ細孔特性を示した。
  • 柳澤 和道, 松本 未来, 恩田 歩武, Matamoros-Veloza Zully, Rendón-Angeles Jua ...
    セッションID: 3L12
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    水熱処理を施したガラス粉末をマイクロ波加熱することにより,球状多孔体を作製した。多孔体の生成機構は以下のように考えられる。水熱処理によりガラス中に導入された水はマイクロ波を吸収することができるので,マイクロ波を照射することによりガラス粉末を加熱することができる。ガラスだけが加熱されるので,ガラス粉末の中心部に熱が蓄積される,中心部から融解が開始し,水の放出により一つの気孔が形成される。連続的にマイクロ波を照射することにより,溶融物の量だけでなく気孔の径も増大する。このようにして, 15 wt% の水を添加し200°C で6 h水熱処理したガラス粉末を,380Wで10分間マイクロ波を照射することにより,ルツボの形状を有する球状多孔体が作製できた。
  • 脇原 徹
    セッションID: 3L17A
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    ゼオライトはミクロ孔を有する結晶性多孔質アルミノケイ酸塩の総称であり、イオン交換特性、触媒特性、吸着特性、分子ふるい特性などを有する。現在、各種特性向上を目的としたゼオライト合成および生成メカニズム解明に関する研究が行われている。サイアロンや窒化ケイ素セラミックスは高強度・高靭性・高耐食性といった特性を有しており、構造材料として広く用いられている。原料粉末は様々な方法で合成されるが、ナノスケールでの微構造制御のため、プロセス条件と生成物の相関を調べる研究が盛んに行われている。本講演では、これまでに行ってきたゼオライト、窒化ケイ素、サイアロンの合成及びその生成メカニズム解明に関する研究を発表する。
  • 劉 振剛, 笹井 亮, 伊藤 秀章
    セッションID: 3L19
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    低濃度の酸溶媒を用いた水熱処理により、使用済みDPF(Diesel Particulate Filter)に担持されたPt触媒の回収を試みた。その結果、硝酸と塩酸の混合水溶液を溶媒に用いて、200℃、1.5 h、HNO3/HCl/Pt = 500/100/1(モル比)の水熱処理条件において、99%以上のPtを[PtCl6]2-の形態で回収できた。
  • 佐藤 充孝, 中平 敦
    セッションID: 3L20
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    高炉スラグは、製鉄プロセスにおいて更なる有効利用が望まれている物質である。本研究では高炉スラグの組成およびその安定性を利用し、スラグを出発原料として用いたゼオライトの合成を試み、高炉スラグの更なる有効利用の可能性を調査した。HClおよびHNO3で酸処理後した水砕スラグを水熱合成して得られた試料は、いずれもA型ゼオライトに起因する回折ピークが得られた。また、SEM観察から、いずれの場合においても、A型ゼオライト特有のキューブ状の粒子が観察された。
  • 伴 なお美, 橋本 忍, 武田 はやみ, 本多 沢雄, 岩本 雄二
    セッションID: 3L21
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    ジオポリマーは,フライアッシュと水ガラス,水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液を混合させることによって形成される.本研究では一度作製されたジオポリマーを低いエネルギーで構造体として再利用するために,ジオポリマーの再固化試験を行った.ジオポリマーを粒子径500μm以下になるまで乳鉢で粉砕し,円筒形の金型に充填して加熱と加圧を同時に行った(ホットプレス).再固化されたジオポリマーの圧縮強度試験による測定を行ったところ,加熱温度150℃,圧力20MPa,保持時間1時間の試料が,圧縮強度35MPaという,オリジナルのジオポリマーと同等の高い値を示した.
  • 加藤 純雄, 鈴木 聖, 小笠原 正剛, 中田 真一, 若林 誉, 中原 祐之輔
    セッションID: 3L22
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    デラフォサイト型酸化物CuFeO2のFe3+サイトにGa3+を置換したCuFe1-xGaxO2(0≦x≦1)の合成を行い,OSCと構造安定性の評価を行った。Ga3+置換量の増加に伴い,OSC発現温度は高温側にシフトした。一方,OSCの値はx = 0.1,0.3の場合に400℃以上で増加した。H2-TPRおよびTG測定の結果より, Ga3+置換によりCuFeO2中のCuイオンの酸化還元温度を低下し,OSC特性が向上したと考えられた。x = 0.1-0.3組成ではOSC測定後にわずかにCuのピークが見られたが,デラフォサイト相の分解は抑制されており、CuFeO2中のFe3+をGa3+で置換することでOSC特性および酸化還元雰囲気下での構造安定性が制御できることが明らかとなった。
  • 清原 瑞穂, 鈴木 清香, 手嶋 勝弥, 上川 秀哉, 大石 修治
    セッションID: 3L23
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    Na2Ti3O7は無機イオン交換体の一つであり,耐酸性,耐アルカリ性,耐熱水性および特定の金属イオンに対する選択性など,有機イオン交換体とくらべさまざまな特性を示すため,近年,関心が高まっている。本研究では,フラックス法にて作製したNa2Ti3O7結晶のイオン交換特性を評価し,浄水器に応用することをめざした。イオン交換前後での結晶の変化を調査した。さらに,量産化に向けた大量バッチの結晶育成を試みた。生成する結晶相はフラックス蒸発率に依存した。フラックス蒸発率が低いとき,板状を基本形状としたNa2Ti3O7結晶が生成した。生成したNa2Ti3O7結晶は,水溶液中に含まれる9種の金属イオン(Al,Cr,Mn,Fe,Ni,Cu,Zn,CdおよびPb)を90 %以上除去できた。
  • 金 莎茹拉, 亀島 欣一, 西本 俊介, 三宅 通博
    セッションID: 3L24
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    ゴミ焼却炉から生じるダイオキシン類や重金属の除去には,活性炭とキレート剤が使用されているが高価であるため,廉価な材料が切望されている。モンモリロナイト系酸性白土は,酸性土壌環境下での同形置換から,構造中にルイス酸点を有する粘土である。酸性白土は,モンモリロナイトが有する陽イオン交換性をもち,さらにルイス酸点をもつことよりダイオキシン類のπ電子の吸着も期待される。一方,モンモリロナイトは重金属イオン吸着には優れているがルイス酸点がない。そこで,活性炭とキレート剤の代替材料として有望な酸性白土のイオン交換性能を向上させることを目指し,層間にNa+を挿入した酸性白土を作製,その重金属除去特性を検討した。
  • 三須 大, 佐藤 充孝, 中平 敦
    セッションID: 3L26
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    層状複水酸化物(LDH)は、ブルッカイト類似の水酸化物層並びにアニオンと層間水から構成される中間層が交互に重なりあった構造を持つ。その様な構造を持つLDHは、水酸化物における金属イオンの種類や中間層におけるアニオンの種類などを選択できることから、層間の制御や新規機能の発現するハイブリッド材料として期待されている。これまでに、様々な研究が行われてきたが、粉末形体しか得られないという問題があり、その利用範囲は制限されている。そこで本研究では、低温で緻密化が可能である水熱ホットプレス(HHP)法に着目し、LDHのバルク化を試み、得られたLDHバルク体の各種評価を行った。
  • 笹井 亮, 松本 千誉
    セッションID: 3L27
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    一般式M1-x2+Mx3+(OH)2(An-)x/n・mH2O(M2+:2価金属、M3+:3価金属、x = 2 ~4)で表される層状複水酸化物(LDH)は、無機化合物では珍しく陰イオン交換特性を示す化合物である。金属種や組成が比較的自由度が高く、合成も容易であることから様々な分野で利用されている。特に近年の環境保全に対する意識の高まりから、陰イオン性有害物質を除去するための材料の一つとして注目されている。最近では、金属組成による選択性の発現1, 2)や単なるイオン交換反応では説明できない現象1)などが報告されており、選択性を付与することにより資源枯渇問題の解決にも寄与できる可能性が示されている。このような現状から、高い陰イオン選択性を示すLDHの創製に大きな期待が寄せられている。本研究では、合成したLDHがイオン篩機能により選択性を発現することを明らかにした結果について報告する。
  • 亀島 欣一, 西本 俊介, 三宅 通博
    セッションID: 3L28
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    層状複水酸化物に種々の非水系溶媒中でのアセチルサリチル酸のイオン交換と層間導入に関して調査した.種々の溶媒によるアセチルサリチル酸溶液を調製し, 市販のLDHと反応させた.エタノールでは,温度上昇に伴いLDH由来のピークが弱まり,アセチルサリチル酸とLDHの複合体のピークへと変化した.種々の溶媒を比較したところ,極性が大きな溶媒ほどイオン交換が進行し,エタノールが最も溶媒に適していた.
  • 神崎 拓也, 亀島 欣一, 西本 俊介, 三宅 通博
    セッションID: 3L29
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
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    層状複水酸化物(LDH)は、層間に陰イオンを有する陰イオン性粘土として知られている。層間の陰イオンは、他の陰イオンと交換することが可能であり、一般に電荷密度の大きい陰イオンが層間に取り込まれやすい。種々の陰イオンの中でも、炭酸イオンはLDHの層間に最も取り込まれやすく、安定であることが知られている。LDHの合成法の一つであるイオン交換法は、溶媒に水を用い、イオン交換が容易な硝酸型や塩化物型LDHを用いて行なわれる。本研究では、エタノールを溶媒に用いた場合に、炭酸型LDHの炭酸イオンと金属塩化物イオンとの交換が起こることを見いだしたので報告する。
  • 川? 加瑞範, 蛯名 武雄, 花岡 隆昌, 津田 統, 茂木 克己
    セッションID: 3L30
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    我々は、粘土を主原料とした耐水性、耐熱性、柔軟性に優れた新規透明膜の開発を行っている。前回我々は、市販の合成スメクタイト層間のナトリウムイオンを、耐熱性の高いテトラフェニルホスホニウムイオンで交換した高耐熱有機化粘土により、新たな透明自立膜の作製を行った。作製した透明自立膜は300℃以上の耐熱性と、可視光透過度が>80%の透明性、直径4mmに曲げることが可能な柔軟性、耐水性を有していた。また、2種類の合成スメクタイト混合物を原料として透明性の異なる膜が作製できた。しかし、特性の差異を与える要因は明確ではなかった。 本研究では、2種類の合成粘土を原料とし、これをテトラフェニルホスホニウムイオンでイオン交換した高耐熱有機化粘土から作製した自立膜の特性のうち、特に透明性、柔軟性に影響する要因の解明を目的とし、各種機器分析を用い膜特性の検討を行った。
  • 小田 浩之, 濱上 寿一, 河村 剛, 武藤 浩行, 松田 厚範
    セッションID: 3L31
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    光学特性の変化を原理とする室温作動型オプティカル水素センサ材料への応用を目的として、低温プロセスによるPd/チタニア薄膜の作製と評価を行った。ゾル-ゲル法と温水処理を組み合わせた低温プロセスによりチタニア膜を作製し、その光触媒作用を利用した光析出法によってPdを析出させた。得られた薄膜は水素ガスに対して良好な光学特性の変化を示した。透過型電子顕微鏡を用いて観察した結果、ゾル-ゲル・温水処理法で作製した多孔質なチタニア膜中に、Pdナノ粒子が析出した特異的な構造が確認された。この構造は、Pdの水素化と脱水素化に伴う体積変化を抑制でき水素センサとしての耐久性を向上させることが期待できる。
  • 藤田 光延, 濱上 寿一, 河村 剛, 武藤 浩行, 松田 厚範
    セッションID: 3L32
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では室温大気圧下で行われる交互積層法を用いて、ガラス基板上へリンタングステン酸(WPA)交互積層膜の作製と水素ガスに対する応答性を光学的に評価した。 WPA交互積層膜の作製にはWPAとポリジアチルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA) を用いて作製し、その後光電着法によりPdを膜表面に形成した。 作製した試料のTF-XRD結果から作製した試料の明確な回折ピークは検出ず、光電着した試料では金属パラジウムの回折ピークが検出された。これは紫外光照射によりWPA中の電子が励起され、溶液中のPdイオンが還元され析出したためであると考えられる。この試料は水素に対して応答することが確認された。
  • 伊藤 淳, 登 操生
    セッションID: 3L33
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    ガソリン自動車の排気ガス浄化用にハニカム形状の触媒担体が使用されているが、廃車・解体時に触媒担体は破壊され、担体のコーティング層に含有される貴金属類が回収・再利用されている。ハニカム形状の触媒担体は比表面積が極めて大きな構造体であるため、種々の表面反応場に再利用できれば資源有効利用という観点から望ましい。 本研究では、ハニカム触媒担体の構造を維持しながらコーティング層のみの厚み(付着量)を制御できる新開発の加工方法を適用し、ハニカム形状の触媒担体が光触媒担体として再利用できるか、その可能性について調べた。
  • 馬場 創, 佐藤 宏司, 舟橋 良次, 明渡 純
    セッションID: 3M02
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    AD法でソーダガラス基板上に膜剥離することなく,700μm/min以上の成膜速度で厚さ2mm程度の(Bi2Te3)0.2(Sb2Te3)0.8厚膜を成膜できた.得られた厚膜はX線回折の結果から原料粉末と同じ結晶構造を維持していたと同時に結晶子サイズの低減が認められた.次にAD膜とバルクの熱伝導率を評価した結果,バルクは1.01W/mK(熱拡散率:1.87×10-7m2/sec)に対し,AD膜はそれより約80%低い0.225W/mK(熱拡散率:7.85×10-7m2/sec)であった.これらの結果からAD法を用いるとBi-Sb-Te系の熱電材料を高速に成膜できるとともに微結晶粒構造による低熱伝導率化から熱電性能の向上も期待できることが明らかとなった.
  • 万 春磊, 王 一峰, 河本 邦仁
    セッションID: 3M03
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    A layer of MS was intercalated into the van der Waals gap of TiS2 layers to form a “natural superlattice” (MS)1+x(TiS2)2 (M = Pb, Sn, Bi) and the lattice thermal conductivity was much decreased because of softening of transverse sound velocities. Moreover, the stacking manners of the MS and TiS2 layers can further tune the lattice thermal conductivity. A translation displacement of the SnS layer relative to its neighboring TiS2 layer in (SnS)1.2(TiS2)2 and and the stacking disorder of the BiS and TiS2 layers in (BiS)1.2(TiS2)2 can systematically reduce the thermal conductivity to an extremely low level. Raman spectrum was then used to analyze the vibration modes of these materials to understand the unusual thermal conductivity mechanism.
  • 谷 淳一, 高橋 雅也, 木戸 博康
    セッションID: 3M04
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、Mg2Siと金属酸化物、炭酸塩、水酸化物の反応を利用して、酸化物還元法によりマグネシウムシリサイド系熱電複合材料を作製し、その微細組織、輸送特性および熱電特性について検討を行った。金属酸化物、炭酸塩、水酸化物としてAl2O3、Bi2O3、Sb2O3、La(OH)3、Li2CO3、Ag2O、CuO、 Ga2O3、In2O3、Na2CO3、 Y2O3を用いた。ホール効果測定の結果、その輸送特性は添加物の種類によって大きく変化することが分かった。Al2O3、 Sb2O3、 Bi2O3、 La(OH)3 を添加した場合の熱電無次元性能指数(ZT)の最大値は、それぞれ0.58 (862 K) 、0.68 (864 K) 、0.63 (863 K) 0.06 (865 K)であった。
  • 室井 良太, 永井 秀明, 奥谷 猛
    セッションID: 3M05
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    微小重力下,及び常重力環境下での一方向凝固を用いて,Zr-Ni-Snハーフホイスラー合金を作製した。常重力環境下で作製された試料は結晶配向を示さなかったが,微小重力環境下で作製された試料は,冷却方向への〈100〉結晶配向を示した。微小重力環境下で作製された試料は,異方性の電気伝導度を持つことを示した。微小重力環境下で作製された試料は,常重力環境下で作製された試料よりも低い熱伝導度であった。結果的に,Zr-Ni-Snの無次元性能指数ZTは,微小重力環境下での一方向凝固によるZr-Ni-Snの配向制御によって改善された。
  • 新井 皓也, 松原 正典, 坂本 達也, 飯田 努, 西尾 圭史
    セッションID: 3M06
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究ではp形半導体としてNaCo2O4、n形としてMg2Si、電極にNiを用いたπ型熱電変換モジュールを、放電プラズマ焼結法(SPS法)により作製し、熱電性能の評価をおこなった。この際、NaCo2O4とNiの接触抵抗が大きいという知見を得たため、本研究では良好な電気伝導を示すp形半導体SrRuO3とNiの混合粉体をNaCo2O4とNi電極界面に挿入、焼結させることで接合し、接合部における接触抵抗を大きく減少させることに成功した。改良後の熱電性能は、温度差500Kにおいて、開放電圧109mV、最大電流4034mA、最大出力109mWであった。
  • 杵鞭 義明, 砥綿 篤哉, Guilmeau Emmanuel, Maignan Antoine
    セッションID: 3M07
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    Typical mean free path (MFP) of electron in oxides stays lower than 10 nm, while FP of phonon widely disperses in the range of 5-1000 nm. Such MFP gap enables to engineer thermoelectric properties, namely enhancing figure of merit via reduction in thermal conductivity (k) taking along with moderate increase in resistivity (r). Here, we demonstrate the MFP gap strategy in Zr doped In2O3 by tuning boundary scattering (BS). Employed range of the BS was 20-2000 nm, which was manipulated by grain size (L) of the ceramics with relative density higher than 90%. It was confirmed that the variation of k well agreed with Debye-Callaway model in which L was incorporated as FP of BS, while increase in r caused by the BS reasonably followed the Boltzmann equation assuming energy-independent scattering, i.e., MFP=L. Above formalism along with the expression of Seebeck coefficient by the Boltzmann equation offers a methodology for the optimization of MFP by the BS.
  • 安川 雅啓, 河野 敏夫, 植田 和茂, 柳 博, 金 聖雄, 細野 秀雄
    セッションID: 3M08
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    スズ酸バリウムBaSnO3をベースとして、元素置換により作製したN型の(Ba,Sr)1-xLaxSnO3(x=0.002~0.070)及びP型のBaSn1-xCoxO3(x=0.03~0.15)セラミックスについて、370~1070Kの高温で熱電特性を調べた。N型のBa1-xLaxSnO3セラミックスはいずれも縮退半導体的特性を示した。出力因子はBa0.995La0.005SnO3セラミックで最高となり、1070Kで4.3×10-4Wm-1K-2の値を示した。このセラミックの1070Kでの熱伝導率は4.7Wm-1K-1と評価され、1070Kでの無次元性能指数は約0.1であった。また、Baに対するSrの置換は電子移動度を減少させ、出力因子を系統的に低下させた。P型セラミックスはいずれも熱活性化型の半導体的特性を示し、Coイオン間での正孔ホッピングが示唆された。出力因子のCo濃度依存性はほとんどみられず、いずれのセラミックスも3×10-7Wm-1K-2以下の値を示した。
  • 櫻井 はるか, 坂井 舞子, 伊藤 滋, 藤本 憲次郎
    セッションID: 3M09
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では我々が開発・運用しているコンビナトリアルシステムを用いてCa3Co4O9+δ系多元素置換体を作製し新規熱電候補材料を見出すことを最終目標とし、Coサイトの一部を Fe,Mn,Al,NiおよびCuで置換した一元素置換によるライブラリーを作製し、その候補元素を見出すことにした。手法には静電噴霧堆積法を用いた。Fe置換試料ではx=0.22まで層状構造単一相を示した。当該系は既報においてx≦0.2の固溶領域を示すことを報告しているが、本手法は液相プロセスに基づいているため、ほかの置換体に関しても固溶領域の拡大が期待できる。なお、Ni置換体ではx=0.16、Mn置換体ではx=0.17、Cu置換体では仕込み値x=0.1まで、Al置換体では仕込み値x<0.7までCa9Co12O28の単一相であることを確認できた。また熱電特性に関して、本研究において「低い電気抵抗率」、 「ゼーベック係数S[V/K]が150以上」を指標としたところ、Cu、AlおよびFe置換体(0≤x≈2)が無置換体より望ましい値を示した。
  • 長谷川 明彦, 西山 伸
    セッションID: 3M10
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    CaFe2O4、Ca2Fe2O5、それぞれにドープを施したCa(Fe, Mg)2O4、Ca2(Fe, Mg)2O5、および(Ca, Na)(Fe, Mg)2O4焼結体を作製し、その熱電特性の評価を行った。CaFe2O4およびCa2Fe2O5にNaまたはMgをドープをする事により、キャリア濃度が増加し単相と比べ電気伝導率が向上した。キャリア濃度が増加したため、ゼーベック係数は単相と比べ減少した。電気伝導率およびゼーベック係数から出力因子を計算した。電気伝導率が向上した事により出力因子は単相より高くなり、Ca0.9Na0.1Fe1.98Mg0.02O4焼結体が600ºCにおいて最大値1.1×10-5 Wm-1K-2をとった。
  • 長谷川 利行, 小舟 正文, 大幸 裕介, 嶺重 温, 矢澤 哲夫, 吉田 晴彦, 森 英喜, 本多 沢雄
    セッションID: 3M11
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    近年、エネルギー枯渇の問題が深刻化しており、このエネルギー問題を解決する材料として熱電材料が注目されている。しかしながら、我々の生活や産業社会において熱電材料の普及は進んでいない。熱電材料の普及には無害かつ安価で高性能であることが必要不可欠である。我々の研究室では、環境負荷が少なく、比較的安価で入手し易いTiO2とCo3O4に注目した。本研究では、TiO2へのCo(II価、III価)添加効果により高い導電性を得て、熱電特性の向上をはかることを目的とした。本材料では低温領域(<660℃)ではn型伝導を示し、高温領域ではp型伝導を示すことが明らかになった。これは温度増加に伴い、支配的なキャリアが電子から酸素空孔に変化することを示している。
  • Yifeng Wang, Chunlei Wan, Yaoshuai Ba, Nanhee Park, Kunihito Koumoto
    セッションID: 3M12
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    We investigated the effect of grain boundary Nb-doping on the thermoelectric performance of La-doped SrTiO3 bulk ceramics. Grain-boundary-Nb-added samples showed a similar electrical conductivity than that of the non-added samples, while the Seebeck coefficient value of the former was significantly higher than that of the latter, even at a close carrier concentration, suggesting a possible role as energy filter of the Nb-doped grain boundaries.
  • 水野 伸寛, 南山 真一, 大幸 裕介, 嶺重 温, 小舟 正文, 武尾 正弘, 矢澤 哲夫
    セッションID: 3M17
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    高いプロトン伝導性を示す材料は,燃料電池などへの応用が可能であり,各方面で研究が進められている。発電効率や燃料多様化のためには200℃を超える温度域で燃料電池動作することが有効であるが,当該温度域で安定に高プロトン伝導性を示す材料はこれまでほとんど報告されていない。我々は,シリカ/アルミナ複合酸化物がブレンステッド酸点を有することに注目して,熱的・化学的耐久性に優れたプロトン伝導体の合成について検討をすすめている。シリカ/アルミナ複合酸化物のブレンステッド酸点については,Si-O-SiネットワークのSiの一部が3価のAlと同形置換することで,電荷補償として導入されるプロトン(Si-OH-Al結合)が重要であると考えられている。我々の研究においても第一原理計算からSi-OH-Al結合における架橋水酸基の共有結合性が末端シラノール基(≡Si-OH)より低いことが確認された。以上から高プロトン伝導性を得るためには,高濃度にSi-OH-Al結合を生成する必要があると考えられる。本研究では,酸-塩基反応に注目して,Si-OH-Alを高濃度に有する複合酸化物の合成について検討した。テトラエトキシシラン(TEOS)および塩化アルミニウム(AlCl3)を無水雰囲気で直接反応させることで,≡SiOR + =AlCl → ≡Si-O-Al= + R-Clで示す反応が進行し,SiとAlを効率的に交互に重合できると考えた。反応条件や得られた複合酸化物のプロトン伝導性について報告する。
  • 浜尾 尚樹, 北村 尚斗, 井手本 康
    セッションID: 3M18
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    これまで高温型プロトン伝導体としてペロブスカイト型酸化物が広く研究され、その結晶構造について様々な研究が行われてきた。しかしながら、結晶中でのプロトン周辺の局所構造や伝導経路は明らかになっていない。そこで、本報ではLaBaGaO4 に対してLa, GaをそれぞれBa, Mgで置換したLa1-xBa1+xGa1-yMgyO4-δ (LBGM, x=0~0.1, y=0~0.1)に着目し、平均、局所構造解析と第一原理計算を用いて、この構造におけるプロトン周辺の局所構造と伝導経路について検討を行った。
  • 北 英紀, 日向 秀樹, 近藤 直樹, 樋本 伊織
    セッションID: 3M19
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/30
    会議録・要旨集 フリー
    物質とエネルギー双方の資源性を一元的に表現できるエクセルギー・エントロピー概念と実験計画との融合を試みる。具体的には、事例として金属融液や蓄熱体の搬送に使用できる高温断熱容器を検討対象として、下図に示す円筒状、キャスタブル構成の従来品と、球状で中空セラミックス(新デザイン)とした場合の製造、使用、廃棄に関わる資源消費をエクセルギー概念に基づき計算を行う。その結果を基に資源消費を抑える新デザインの高温容器の目標値を設定することを目的とする。
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