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李 智媛, 寺内 雅弘, 中山 忠親, 鈴木 常生, 末松 久幸, 新原 皓一, 港 賢一, 関野 徹, 金 長烈
セッションID: 2P133
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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水熱合成法を用い、TNTの合成に成功した。得られたTNTは外径10nm、内径3-5nm、長さ100-200nmほどであり、端は開いた構造であることがTEM観察結果より確認できた。合成したTNTを電極としてイカスミ色素を用いて作製したDSSCの発電特性を評価したところFig1のよって効率は0.0107%でFill Factorは0.22であった。このことからTNTとイカスミを用いてDSSCを作製することに成功したことが分かった。
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井川 直樹, 樹神 克明, 田口 富嗣, 社本 真一
セッションID: 2P134
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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Liイオン二次電池の正極材料LiMn
2O
4ついて、高出力化や安定性に関与する重要な因子である結晶構造とLi拡散経路を中性子回折法により解析した。リートベルト解析の結果、室温におけるLiMn
2O
4の結晶構造は空間群:
Fd-3
mであり、Li、MnおよびOは各々単位胞中の8
b、16
c、32
eサイトを占める。また、Li-金属サイト間のカチオンミキシングは起こらないことが判った。MEM解析の結果、Liの原子核密度分布は3次元ネットワーク状の広がりを見せることから、Li拡散はこのネットワークに沿って3次元的に生じていると考えられる。
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松崎 裕樹, 伊藤 滋, 藤本 憲次郎
セッションID: 2P135
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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リチウムイオン二次電池の正極活物質は、オリビン型や層状岩塩型といった構造の観点からも研究が行われている。その中で、我々は一次元トンネル構造を持つラムスデライト型に注目した。これはLi-Cr-Ti複合酸化物の理論上の固溶ラインの一部においてラムスデライト単一相を、そして約4Vの放電電位を示すことが報告され、その後コンビナトリアル手法によりさらに広範囲の組成条件において単一相が得られたためで、置換量・放電容量・結晶構造との関連性を精査する上で多くの情報が得られる可能性が高いためである。本研究では、コンビナトリアル手法にて単一相が得られた組成範囲において、固相合成法により粉末試料を作製し、充放電評価を行った。固溶領域に関しては溶液プロセスと比較すると狭くなっていた。またCrが寄与する電位に比べ、Tiが寄与する電位では良いサイクル特性が見られた。
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保村 竹彦, 松本 勇磨, 冨田 恒之, 垣花 眞人
セッションID: 2P136
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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環境やエネルギー問題といった観点から可視光応答型水分解光触媒の研究が広く行われている。その中で水素生成系にPt/SrTiO
3:Rh、酸素生成系にWO
3、電子伝達剤にFe
3+/Fe
2+を用いることで可視光域の光を利用し水から水素と酸素を生成出来ることが報告されている。しかし電子伝達剤を用いることで反応が多段階となり、エネルギーロスが生じていると考えられる。そこで電子伝達剤を用いないことで反応の多段階化を抑えエネルギーロスを減らし、活性が向上すると考えられ、Pt/SrTiO
3:RhとWO
3の複合光触媒を合成し水分解活性の調査を行った。
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志村 寿一, 藤井 一郎, 中島 光一, 和田 智志
セッションID: 2P137
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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持続的なエネルギー社会を実現化するために、現在、環境発電の中でも特に圧電発電技術の開発が要求されている。そこで、応力拡大機構の中でも最も単純な構造を持つユニモルフ型の圧電セラミックスを用いて、種々の材料定数と一定条件下での発電量との関係を明らかにする。発電量を向上させるには多孔質化が有効であるという測定結果が得られたので、それを満足する材料設計を行い作製した試料と、通常の作製方法により作製した試料の発電量を測定し比較することで、圧電発電における性能指数を特定することを目的として研究を行った。
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後藤 友哉, 北村 尚斗, 井手本 康
セッションID: 2P138
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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当研究室ではこれまでLiMn
1.5Ni
0.5O
4の合成プロセス、熱処理条件を最適化することによりサイクル特性が向上することおよびその要因について報告してきた。本研究では、更なる高容量化を目指すためにサイクル特性に優れたLiMn
1.5Ni
0.5O
4と4.6V以上で充電すると200mA/g以上の高容量を示すLi
2MnO
3-Li(Mn,Ni,Co)O
2固溶体との複合正極を新たに作製し、その電池特性、結晶構造変化ついて検討した。その結果、LiMn
1.5Ni
0.5O
4: Li
2MnO
3-Li(Mn,Ni,Co)O
21:9では複合前の試料よりも優れた電池特性が得られた。複合前より優れた電池特性を示す要因について調べるために放射光X線回折で結晶構造を検討したところ複合化により結晶構造が安定化されることがわかった。また、Cレートを小さくすることで放電容量の増加がみられた。
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中尾 友子, 高橋 雅也, 谷 淳一, 木戸 博康, 林 晃敏
セッションID: 2P139
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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安全性が高く、高容量が実現できる全固体リチウムイオン二次電池のニーズは高く、さらに薄膜化や希少元素使用量の低減も課題となっている。我々は以前、微粒子を固相状態のまま基板に衝突させて製膜するエアロゾルデポジション(AD)法により、リチウムイオン伝導性の高いLi4SiO4・Li3PO4 を常温で薄膜化し、固体電解質膜や全固体電池の作製法として期待できることを示した。本研究では、希少元素を低減した組成系の薄膜をAD 法を用いて
積層し、全固体二次電池への応用を試みた。
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有賀 敦, 佐々木 歩, 小澤 真一郎
セッションID: 2P140
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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酸化ニオブNb
2O
5を添加した炭窒化チタンTi(C
0.3N
0.7)基焼成体を作製して、その熱電特性を調べることにより、Ti(C
0.3N
0.7)の電子冷凍用熱電材料としてのポテンシャルを探った。試料の作製は、Nb
2O
5の添加量を0-10 vol%の範囲で、高周波加熱炉を用いて1673~2273 Kの温度範囲でアルゴン雰囲気中1時間常圧焼成した。焼成にはパウダーベット法を用いた。XRDの結果より、焼成温度1673 Kではまだ焼結せず、1873 Kで液相焼結し、2073 Kで酸化ニオブNb
2O
5の酸素が抜けて粒界相がNbO(主剤の炭素や窒素が侵入した形)になり、2273 Kでは固溶が進んで岩塩型の(Ti, Nb)(C, N, O)に変化した。抵抗率とゼーベック係数の温度依存性は、温度上昇に伴ない共に数値が増加する金属的な性質を示した。焼成温度2073 Kでは、抵抗率はNb
2O
5の添加量が多くなるほど高くなるが、ゼーベック係数はNb
2O
5の添加量にあまり依存せず、室温付近で概ね27 μVK
-1位だった。
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住野 誠, 小川 宏隆, 菅 章紀, 鈴木 正史
セッションID: 2P141
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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最近,150-400℃の中温領域で高いプロトン導電率(~10-2S cm-1以上)を示す無機・有機系,もしくはそれらのコンポジット体材料の開発が盛んに行われている.その中でも、SnP2O7のSnサイトに3価のカチオン(In,Al,and Sb)をドープしたリン酸二量体が高いプロトン伝導率を示すことが報告されている.本研究では, SnP2O7セラミックスのSnサイトにBiイオンを部分置換したSn(1-x)BixP2O7セラミックスの合成を行い,そのプロトン伝導特性を検討した. x=0.05~0.3の範囲において,第二相の生成は認められず,単相であることが確認された.導電率は0.05-0.15組成の変化でわすかに上昇している. Sn0.85Bi0.15P2O7セラミックスにおいて、220℃で9.34×10-3S/cm、100℃で3.97×10-3S/cmであり、中低温域において比較的高い導電率を得ることできた.
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菅 章紀, 住野 誠, 小川 宏隆, 鈴木 正史, 深谷 治彦
セッションID: 2P142
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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近年,Nafion®等に代表されるパーフルオロスルホン酸系高分子膜の種々の問題点を解決するため,中温領域,特に150~300℃付近で高いプロトン導電率(~10-2S cm-1以上)を示す材料が求められている.中温領域で高いイオン導電性を期待できる材料に無機酸素酸塩CsHSO4が挙げられる.CsHSO4は還元雰囲気において熱力学的に不安定であるが,酸化物(SiO2,Al2O3,TiO2)との複合化することで解決が検討されている[1].そこで本研究では,主としてCsHSO4-ZrO2セラミックスの合成を行い,そのプロトン伝導特性を検討した.組成xの増加に伴い,CsHSO4の相転移に起因する導電率の変化は抑制され,低温域では(1-x)CsHSO4-xZrO2の導電率は組成に依存して著しく増加した.以上のことからZrO2の添加により,低温域においてCsHSO4と比較して導電率のよい結果が得られた.
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安在 智佳子, 江場 宏美, 鈴木 晴絵, 宗像 文男
セッションID: 2P143
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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固体酸化物型燃料電池(SOFC)について、酸素イオン伝導率の高いランタンガレート(LaGaO
3)系電解質、La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O3-δ(LSGM)を採用し、電気泳動堆積法(EPD法)を用いた積層と焼成によりセルを作製した。ここで、燃料極および空気極とLSGMとの間には緩衝層としてGDC(Gd doped Ceria)を設けることで安定した出力が得られた。しかしながら、理論的に期待される出力に及ばないことが判明した。そこで、層間での元素の拡散について調べるため、断面試料のEPMA観察を行った。また、GDCとLSGMとの層界面における反応について調べるため、粉末を混合して焼成し、X線回折法(XRD)により生成物の同定を行った。その結果、LSGMからのLa欠損と高抵抗層SrLaG3O7の生成が確認されたため、GDCに代わる緩衝層として、LDC(La doped Ceria)の採用を検討した。
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梁 波, 鈴木 俊男, 濱本 孝一, 山口 十志明, 藤代 芳伸, 淡野 正信, イングラム ブライアン, カーター ジョン
セッションID: 2P144
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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NiO-GDC, NiO-YSZ, NiO-Fe2O3-GDC, NiO-Fe2O3-YSZ anode tube supported tubular fuel cells was fabricated at the co-sintering temperature from 1250 oC to 1400 oC to investigate the relation between the densification of electrolyte layer and the open-circuit voltage. To focus on the changing of anode tube, all the tubular fuel cells support a ScSZ electrolyte layer and a LSCF cathode layer. The microstructure of the electrolyte layer sintered under 1300 oC included pores inside it, and the densification of the electrolyte completed at the sintering temperatures above 1300 oC. As the increasing of co-sintering temperature, the ScSZ electrolyte layer on the anode tube will become structurally sound and crack-free. The shrinkage both in length and in diameter of a tubular fuel cell reaches as much as 20% at co-sintering temperature of 1400 oC. So, it will result in the changing of open-circuit voltage of fuel cell from 1.0 V to 1.1 V
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Kim Bok-Hee, Lee Kang-Sik, Ahn Byung-Guk
セッションID: 2P145
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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This study focused on the development of Cu impregnation process, investigation of carbon deposition and performance of (Ni,Cu)-SDC/YSZ/SDC/LSCF single cell in H2 and CH4 fuel. (Ni,Cu)O-SDC/YSZ/SDC could be prepared by dipping NiO-SDC/YSZ/SDC into the Cu(NO3)2∙3H2O aqueous solution and vacuuming with pumping. Ni-SDC/YSZ/SDC/LSCF single cell without Cu impregnation showed the maximum power density of 418.5 mWcm-2 in H2 fuel while it showed 261.0 mAcm-2 in CH4 fuel. (Ni,Cu)-SDC/YSZ/SDC/LSCF with four times Cu impregnation showed 251.2 mAcm-2 in H2 while it showed higher 382.9 mAcm-2 in CH4 fuel.
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宮田 素之, 山本 浩貴, 上原 利弘, 安田 信隆, 田中 茂徳, 山村 和広
セッションID: 2P146
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell,SOFC)は電極反応に触媒を用いる必要がないことや化石燃料の内部改質が可能なこと等の特長を有し、次世代の電力供給源として有望視されている。近年、運転温度を700~800℃まで低下させた中低温動作型SOFCの研究開発が進められており、インターコネクタとしてセラミックス材に比べて安価で、かつ信頼性のあるFe-Cr系合金材料の適用が検討されている。この合金材料の適用にあたっては、合金から揮発したCrが電極に析出して電池性能を劣化させるという課題が指摘されている。本発表では、合金からのCrの揮発を抑制するとともに、導電性を付与したガラスコーティング材について報告する。
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遠藤 慎, 中山 忠親, 江 偉華, 鈴木 常生, 末松 久幸, 新原 晧一
セッションID: 2P147
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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非平衡プラズマは,電子温度が他の粒子に比べて高いプラズマである.このプラズマは,真空下での放電によって容易に得られるが,大気圧下においてもナノ秒オーダーの高電圧短パルスによって得られる.大気圧非平衡プラズマでは,周囲の温度上昇を抑制しつつも試料に高いエネルギーを印加できる.したがって,ナノ秒パルス電源による大気圧非平衡プラズマを用いることによって,常温大気圧下で材料合成が行えるため装置の受ける制約を少なくでき,効率の良い材料合成が可能となる.これまで半導体オープニングスイッチ(SOS)を用いた高電圧大電流のナノ秒パルス電源の開発に成功し,約50kV,パルス幅(FWHM)約10nsのパルス発生を行うことが出来た.本研究では,これを利用し,有機金属錯体の分解と他の物質の合成が可能かどうか調べることを目的とした.
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折川 拓也, 小石 哲也, 石原 知, 中山 忠親, 鈴木 常生, 末松 久幸, 新原 晧一, 床井 良徳
セッションID: 2P148
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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パルス細線放電法は、他の気相法より1~2ケタ高いエネルギー変換効率を有し、Tiを含む卑金属超微粒子を作製可能な方法である。脆性が高く細線化が困難な金属間化合物の作製には、単体金属寄り線を原料に用いた方法が開発された。そこで、パルス細線放電法を用い、NiとAlの金属細線を寄り合わせた金属線を使用してNi-Al系金属間化合物の超微粒子の作製を行った。
XRDの結果、NiAl、Alが固有したNi、Ni3Alの超微粒子の作製に成功した。また、TEMの結果より作製したNiAl超微粒子の粒径を測定したところ、40nmであった。これらの結果より、Ni-Al系金属間化合物超微粒子は寄り線に用いるNiとAlの組成を変えることで各超微粒子を作製することが可能であることが判明した。
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関口 文也, 白幡 淳, 浅見 廣樹, 鈴木 常生, 中山 忠親, 末松 久幸, 新原 晧一
セッションID: 2P149
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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我々はこれまで、CrN に O を固溶添加した 3 元系 Cr(N,O) 薄
膜1)や、さらにこれにMg, Cu, Ni を添加し、NaCl 型構造 CrN と、
NaCl 型構造である遷移金属酸化物の固溶体である、 4 元系
(Cr,Me)(N,O)を提案してきた。そして、これらに次ぐ新しいコンセ
プトの薄膜材料として、常圧ではウルツ鉱型構造の材料として知ら
れている ZnO に着目した。 ZnO は高圧で NaCl 型構造へと遷移
する材料である。したがって、この、高圧相を CrN に固溶させる
事を目的として、これまで研究を行ってきた。今回は、この
Cr-Zn-N-O 薄膜について、組成と硬度の相関関係を調べることを目
的とした一連の実験について述べる。
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水谷 光, 水野 友哉, 北畠 拓哉, 宗像 文男
セッションID: 2P150
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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粘土鉱物は、インターカレーション・デインターカレーションや金属イオンの元素置換を行うことでイオン伝導体や環境触媒としての機能の発現も期待できる。そこで、本研究では粘土鉱物の中で最も単純な構造を持つカオリナイト (Al2Si2O5(OH)4) に注目し、Alサイトに遷移金属であるFeを置換したAl2-xFexSi2O5(OH)4 (x=0.00, 0.28, 0.42, 0.54)についてリートベルト解析を行い、元素置換による特性制御の可能性を検討する。
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白幡 淳, 佐藤 蒼生, 鈴木 和真, 関口 文也, 鈴木 常生, 中山 忠親, 末松 久幸, 新原 晧一, 浅見 廣樹
セッションID: 2P151
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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我々はRFスパッタリング法を用いて、耐熱性および潤滑性に優れるCrN薄膜に対し、OとSiを同時添加し、Cr-Si-N-O薄膜を作製した。これまでの調査より、ケイ素含有量の増加に伴い、機械的特性および微構造が大きく変化することを明らかにした。ここでは、微構造と機械的特性の関係を明らかとするために、走査透過型電子顕微鏡およびエネルギー分散型X線分光法、電子エネルギー損失分光法を用いた分析を行ったので報告する。
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安藤 嘉彦, 殷 シュウ, 佐藤 次雄
セッションID: 2P152
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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省資源、省エネルギー、快適空間創製等の観点から、可視光透明性近赤外線(NIR)遮蔽材料が求められている。WO
3にCsをドープしたCs
xWO
3は、Csドープにより結晶内の電子密度が増加し、赤外線遮蔽効果を示す。赤外線遮蔽効果や可視光透明性の向上には、それぞれCsドープ量の精密化(x=0.33)、粒子サイズを数十nmに制御し単分散化することが重要である。本研究では、粒子の最適化により、NIR遮蔽特性向上を目指し、溶媒組成を考慮したソルボサーマル反応により試料を合成し、さらに得られた試料の熱処理の影響について検討した。
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黄 昀昉, 殷 シュウ, 佐藤 次雄
セッションID: 2P153
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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Zinc oxide thin film with flowerlike superstructure were prepared via a soft solution route at 95oC. The ZnO/TiO2−xNy composite film with flowerlike superstructure was prepared by coating 3D ZnO thin film on a spinning coated nitrogen-doped titania thin film. The ZnO flowerlike/TiO2−xNy composite film showed excellent photocatalytic deNOx ability under both visible and UV light irradiation.
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原田 智洋, 山下 洋子, 上野 修司, 前田 祐
セッションID: 2P154
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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炭化バナジウム(VC)は,超硬合金(WC-Co)やWC焼結体を製造する際に,最も効果的な粒成長抑制剤として知られており,硬度や強度などを改善する目的で添加される.我々は水溶液系で金属錯体を合成し熱処理する方法でWCナノ粒子を開発してきたが,今回は本手法をVCに適用し, VCナノ粒子の作製を試みた.安価なバナジン酸アンモニウム(NH
4VO
3)とクエン酸を混ぜた錯体溶液を乾燥し,アルゴン雰囲気下において1150℃で熱処理を行った.粉末X線回折測定によりV
8C
7の生成を,走査型電子顕微鏡より約200nmの粒子を確認した.全炭素量の制御にはNH
4VO
3とクエン酸の量比が重要であり,最適化することにより,理論値に近い全炭素量のV
8C
7が作製できた.
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杉浦 知幸, 大野 智也, 渡邉 眞次, 鈴木 久男, 松田 剛
セッションID: 2P155
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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有機粒子表面にチタニアをコーティングし、コア粒子を熱分解することで中空型チタニア粒子を作製した。チタニアのコーティングは金属フルオロ錯体の加水分解平衡反応を利用した液相析出法で行い、有機コア粒子の表面状態とナノコーティングの関係を検討した。その結果、スチレンと親水基を有するヒドロキシメチルアクリルアミド(HMAm)を乳化重合し、これにヘキサノールを浸透した試料をコア粒子として使用することで、単分散性の高いTiO₂-PSハイブリッド粒子を得ることに成功した。また、得られた粒子からコア粒子を除去することで中空型粒子を得ることに成功した。
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董 強, 熊田 伸弘, 武井 貴弘, 米崎 功記, 木野村 暢一
セッションID: 2P156
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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簡単な水熱反応によって金属石鹸であるコバルトナフテンとニッケルナフテンを用いることで100nmから1µmの六角形ナノシート水酸化コバルトを合成することができた。さらに、合成されたナノシート水酸化コバルトが前躯体として、100nmから1µmの六角形ナノリング酸化コバルトナノ粒子を合成することができた。
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登内 駿介, 殷 シュウ, 佐藤 次雄
セッションID: 2P157
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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溶液法を用いた前駆体を利用して板状CeO
2粒子の合成に成功した。得られた試料の特性評価をSEM、XRD、薄膜透過スペクトル、酸化触媒活性測定で行った。低温(40℃)条件の溶液法で単分散板状炭酸セリウム水和物の合成に成功し、焼成後の立方晶CeO
2においても板状形態は維持された。CeO
2の粒径は数μmであり、CeO
2を紫外線遮蔽材として用いた場合の問題点である酸化触媒活性が低く、優れた可視光透明性と紫外線遮蔽能を示した。
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和泉 純, 富田 武蔵, 青野 宏通, 定岡 芳彦
セッションID: 2P158
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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ペロブスカイト型酸化物などの酸化物微粒子は, 触媒, 電極, ガスセンサなどへの応用が期待されている。これまで一般的に行われてきた化学的合成法には, 共沈法, 高分子化法, 錯体法などあるが, それぞれ不均一になりやすい, 粒子成長を起こしやすい, 構成する元素種が限られるといった問題点があり, 合成の際に方法を詳細に吟味する必要があった。そこで我々は硝酸塩混合溶液にエチレングリコール(EG), ジエチレングリコール(DEG)などの有機溶媒を添加することにより350℃の低温でLaFeO
3のXRD単相ピークが得られることを報告している。
今回, これらよりも沸点が高く毒性の低いグリセリン(GL)を添加・乾燥して得た前駆体粉末を熱分解することによる均質な複合酸化物微粒子の合成および生成機構について検討した。
これは, 有機溶媒のOH基の酸素に金属イオンが配位し, 金属クラスターの生成を抑制し均一な前駆体が形成されたためであると考えられる。また, これ以外のLa-Sr-Mn-O系についても検討を行った
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河村 剛, 奥野 照久, 武藤 浩行, 松田 厚範
セッションID: 2P159
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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金は他の金属と比べて化学的耐久性に優れており、ナノ粒子化し比表面積が著しく増大した場合でも、通常の環境下で比較的安定に存在することができる。そのため、ナノ粒子の形状変化による局在型表面プラズモン共鳴(SPR)の制御に関する研究が盛んに行われている。しかし、金は非常に高価であるため、目的のSPRを示す形状の金ナノ粒子を高収率で作製する必要があり、その手法の確立が望まれている。そこで本研究では、規則的な筒状細孔をもつメソポーラスシリカ-チタニアを鋳型とし、さらにチタニアの光触媒作用を利用することで、メソ孔内に析出する金ナノ粒子の精密な形状制御を試みた。
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青木 光子, 陶 究, 伯田 幸也, 佐藤 剛史, 竹林 良浩, 依田 智, 古屋 武, 日秋 俊彦
セッションID: 2P160
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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マイクロミキサを用いた連続水熱法によりペロブスカイト型酸化物蛍光体ナノ粒子の合成を行い単一相ナノ粒子の合成に成功した。また、滞在時間やKOH濃度の影響について検討し、粒子生成機構について考察した。
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宮坂 晶, 徳留 靖明, 中西 和樹, 金森 主祥, 花田 禎一
セッションID: 2P161
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
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酸化亜鉛材料は透明かつ導電性を有し、その様々な応用のために構造制御を目的とした研究が数多くなされてきた。本研究では、塩化亜鉛を出発原料として、結晶成長阻害剤および相分離誘起剤として働くポリアクリル酸(PAA)共存下、プロピレンオキシドをゲル化誘起剤として用いることで、亜鉛化合物多孔体をバルク体として直接作製し、その物性を評価した。PAAを加えていない系では、プロピレンオキシド添加により溶液のpHが均一に上昇すると、大きな結晶が析出するが、PAAを加えて結晶成長を抑制しつつ、pH上昇に伴う自発的相分離を引き起こすことで、30 nm程度の大きさの結晶により構成された、整った共連続構造を持つマクロ多孔質ゲルが得られた。
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上垣内 啓介, 細川 三郎, 井上 正志
セッションID: 2P162
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
Zn
2SiO
4は化学的安定性と光透過性から蛍光体のホストマテリアルとして広く用いられている。当研究室ではグリコサーマル法を用いて温和な条件で種々の複合酸化物が合成できることを見出しており、315 ºCという低温でZn
2SiO
4が得られることを報告している。本研究ではグリコサーマル法によりZn
2SiO
4:Mnを合成し、その発光特性を検討した。グリコサーマル反応により得られた生成物に250 nmの励起光を照射したところ、522 nmにピークをもつ発光が観測された。この試料を800 ºCで焼成したところ、発光強度は大きく低下した。一方、1100 ºCで焼成した試料では、合成直後のものと比べて発光強度は大きくなった。
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西村 達也, 増田 祐一, 細川 三郎, 井上 正志
セッションID: 2P163
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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希土類―鉄複合酸化物は触媒や磁性材料などとして広く用いられており、ABO
3型の構造には準安定相の六方晶構造と安定相の斜方晶構造が存在する。当研究室ではソルボサーマル法の反応条件の制御により六方晶と斜方晶を作り分けることに成功している。本研究ではより簡便な共沈法による六方晶希土類―鉄複合酸化物の合成を検討し、ソルボサーマル法、錯体重合法と比較した。希土類としてYbを用いた場合、ソルボサーマル法、錯体重合法および共沈法でNH
3水を一気に加えて合成した場合では単相の六方晶が得られたが、共沈法でNH
3水をゆっくり滴下した場合では六方晶、斜方晶、酸化物の混相が得られた。この結果から六方晶の生成には均一な前駆体の生成が重要であることを見出した。
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?杉 壮一, 松本 勇磨, 冨田 恒之, 垣花 眞人
セッションID: 2P164
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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LiTaO
3は水分解光触媒反応のうち還元反応を担う助触媒なしでの紫外線照射下において高い水分解活性が報告されている。今までに固相法、錯体重合法、スプレードライ法などでの合成が報告されているが、これらは高温で焼成するため焼結が起き粒子サイズが大きくなり、比表面積は小さくなる。そこで光触媒において重要なファクターである比表面積を向上させるため、ハイドロサーマル(HT)法、ソルボサーマル(ST)法による合成を行い、その水分解活性を評価した。
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佐伯 淳, 川合 智隼, 橋爪 隆, 寺山 清志
セッションID: 2P165
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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本研究では、電気化学堆積法を応用し、水溶液原料を用いてのCeO
2薄膜の作製を試みた。前駆体溶液はCe(NO
3)
3に8mol%M(NO
3)
3(M=Y,Sm,Gd)を添加した組成とした。前駆体溶液中に配置した電極に電圧を印加し、電極上に配置したガラス基板上にCeO
2膜を堆積させた。印加時間を20~60min、印加電圧を2.6~3.6V、基板-電極間距離を96μmに設定して成膜を行った。成膜洗浄後、自然乾燥し更に550℃で24h熱処理を行った。異なる添加剤、印可電圧や成膜時間などの成膜条件を変化させることによっても紫外光領域から可視光領域まで吸収する膜や、特定波長の紫外光の吸収を10%~40%まで制御した膜を作製することが出来た。添加剤は表面の荒れを防ぐのに有効なだけでなく、結晶性や表面形態、光学的性質に影響を及ぼしていた。
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山口 朋浩, 三宿 大, 樽田 誠一, 遠藤 守信, 北島 圀夫
セッションID: 2P166
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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シードを添加したポリヒドロキソアルミニウム(PHA)複合ゲルからのαアルミナの低温析出について調べた.出発原料として金属アルミニウム溶解法で調製したPHA水溶液を用い,シードとして5または10mass%のαアルミナを添加したPHA水溶液からゲルを調製した.シードを添加したPHAゲルを仮焼すると,800℃付近からαアルミナが析出し始めた.シードとともにAlF
3を添加したPHA複合ゲルでは低温域でのα転移がより促進され,生成するαアルミナの粒子径が小さくなった.シードとマンデル酸をともに添加した場合もα転移はより促進された.PHA水溶液にシードとマンデル酸及びVGCFを添加した複合ゲルを950~1000℃で仮焼することによりVGCF/αアルミナ複合粉末が生成した.
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竹田 有咲, 小林 亮, 加藤 英樹, 垣花 眞人
セッションID: 2P167
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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乳酸を配位子とした水溶性チタン錯体の水熱処理によって、酸化チタンの結晶が合成された。そのように合成された酸化チタンの結晶型は、チタン錯体の構造に強く依存している。ペルオキソチタン酸に乳酸を添加することによって得られる、黄色透明の乳酸チタン錯体水溶液から合成した場合、酸化チタンの結晶型は、ルチルとアナターゼの混相となった。一方、純粋な無色乳酸チタン錯体水溶液から合成した場合、結晶型はアナターゼ単相となった。したがって、黄色透明の乳酸チタン錯体水溶液中には、乳酸を配位子とした別の構造の錯体が存在し、その錯体がルチル核を生成しているのではないかと考えられる。
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岩月 将吾, 後藤 隆幸, 計良 匡俊, 中島 光一, 藤井 一郎, 和田 智志
セッションID: 2P168
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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界面に構造傾斜領域を有する人工超格子薄膜などは巨大な物性が発現することが報告されている。このことからチタン酸バリウム(BT,BaTiO3)とチタン酸ストロンチウム(ST,SrTiO3)2種のナノキューブ(20nm程度の立方体形状単結晶)を3次元的に交互に積み上げることにより界面構造を持たせ更なる巨大物性と新たな物性が期待できる。しかし、ナノキューブ界面の特性は解明されておらず、ナノキューブの特性評価が必要である。本研究では、集積体の隙間を他の組成の粒子で充たすことにより界面構造を持つBT-ST集積体セラミックスの作製を試み、その作製条件の検討及び誘電特性の評価を行った。
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河井 孝之, 柴田 裕史, 橋本 和明, 西尾 圭史, 酒井 秀樹, 阿部 正彦
セッションID: 2P169
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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界面活性剤に代表される両親媒性分子が形成する分子集合体を鋳型として調製されるメソポーラス材料は,均一な細孔径,規則的な細孔構造を有し,触媒,吸着剤などに応用されている.本研究では,アニオン性界面活性剤(SDS)存在下において,酸化亜鉛粒子の調製を行い,その構造特性についてX線回折,FT-IR測定,SEM観察で検討を行った.X線回折結果,低角度においてラメラ構造特有のピークが確認された.SEM観察より長径約2~7マイクロメートル,厚さ400~500ナノメートルの六角板状粒子が確認された.いずれの条件で得た粒子も六角板状のモルフォロジーを有することがわかった. FT-IRスペクトルの結果より,各試料にはSDSのCH基に帰属されるピークが見られたため,SDSのラメラ構造が鋳型となっていることが考えられる.
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大幸 裕介, 舩岡 達也, 矢澤 哲夫, 神 哲郎
セッションID: 2P170
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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植物資源(バイオマス)を原料とする燃料用バイオアルコー
ルは,石油代替エネルギーとして注目され,今後もさらに世界各国
で生産量を増加させる計画が進められている。酵母による発酵法で
は,濃度4~10 重量%のアルコールが得られるが,車載用燃料な
どとして利用する場合,エタノールを99.5 重量%程度にまで濃縮
する必要がある。現在のところ,バイオアルコールの濃縮には多量
の熱エネルギーを必要とする蒸溜法を用いており,少ないエネルギ
ーで高効率に水とアルコールを分離する技術の確立が強く求めら
れている1)。エタノールは水と任意の割合で混合するものの,アル
キル鎖のために疎水的な性質を有する。本研究では,液相ナノコー
ティング技術である交互積層(LBL)法を用いて,シリカ粒子の表面
に全フッ化スルホン酸高分子(Nafion)超薄膜をコーティングした疎
水性シリカ粒子を作製し,この粒子を利用した水⁄アルコールの高
速分離について検討している。ここでは,得られた疎水性シリカ粒
子表面へのエタノール吸着量およびアルコール分離特性などにつ
いて報告する。
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佐々木 徹, 山本 和広, 大野 幸亮, 冨田 恒之, 三浦 恭之, 小林 亮, 垣花 眞人
セッションID: 2P171
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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酸化チタン(TiO2)は光触媒として、抗菌、脱臭、汚染物質の分解などに利用されている。酸化チタンには常温常圧で8種類の結晶構造があり、天然に産出するものにはアナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型がある。その中でもアナターゼ型とルチル型が安定でかつ、合成しやすいことから様々な用途に広く使われている。これに対し、ブルカイト型は合成が非常に困難であることから利用例や研究報告数が少ない。そこで本研究では、水溶性チタン錯体を出発原料としブルカイト型酸化チタンの水熱合成を行った。また、得られたブルカイト粒子を用いてブルカイト型酸化チタン薄膜の作製を行い、光誘起親水性及び光触媒機能評価を行った。
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ヤーヤ ムハマド イズアリ, 石原 知, 鈴木 常生, 中山 忠親, 末松 久幸, 新原 晧一, 松原 浩
セッションID: 2P172
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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Ag は最も高い電気伝導度を有する金属として知られており、その粒子は導電ペーストなどに利用されている。さらに、これを特定の結晶方向のみに成長させて板状にしたAg ナノプレートは、異方性導電体などへの応用が期待されている。パルス細線放電(PWD)法は、気中で超微粒子を作製する際のエネルギー変換効率が高いことで知られており、超微粒子作製法として実用化が始まっている。また、液中PWD でも超微粒子作製が可能であるが、ナノプレートの作製例はない。これが可能となれば、一つのPWD 装置により、超微粒子からナノプレートまで様々な材料を作り分けることが出来る多品種少量生産に適した装置の実現が可能となる。本研究では、液中PWD により様々な基板上にAg ナノプレート作製と、ナノプレート作製メカニズム解明を行った。
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長谷川 貴彦, 加藤 英樹, 垣花 眞人
セッションID: 2P173
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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ケイ素アルコキシドは従来水に溶解することができず,水溶媒を用いた加水分解・縮合反応は水/ケイ素アルコキシドのエマルション系での反応に限られていた。しかし,WSS(水溶性ケイ素化合物)の開発によって水溶媒中での均一溶液系での加水分解・縮合反応が可能となった。これにより,ケイ素アルコキシドの加水分解・縮合反応における新たな合成プロセスへの展開が期待される。本研究ではWSSの加水分解・縮合反応により,シリカナノ粒子を合成した。WSSは塩基性条件下で加水分解し,シリカゾルを生成した。シリカゾルは,蒸発により乾燥され,得られたシリカ粒子は焼成された。シリカ粒子の大きさは10から20nmの範囲となった。また,シリカ粒子は凝集していた。
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井上 侑子, 鯉川 雅之, 鳥飼 紀雄, 渡 孝則, 矢田 光徳
セッションID: 2P174
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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層状構造を有するコバルト化合物/ドデシル硫酸イオンナノ複合体ナノワイヤーを合成し、フェリ磁性体であることを明らかにした。また、ナノ複合体ナノワイヤーを熱処理することにより酸化コバルトナノワイヤーに変換し、酸化コバルトナノワイヤーが反強磁性体であることを明らかにした。
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荒川 修一, 松尾 菜実子, Lu Wei, 神谷 格
セッションID: 2P175
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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PbSは量子サイズ効果を顕著に示し,粒径の制御により発光波長を変化させることができる.また,PbS粒子内には多重励起子が生成するため,基礎・応用両方の観点から興味を持たれている.界面活性剤として3-メルカプトプロピオン酸を使用し,水溶液プロセスによりPbSナノ粒子の合成を行い,発光特性を検討した.pHを12.5以下のアルカリ性とすることにより,PbSナノ粒子が室温において安定的に分散した分散溶液を作製できた.PbS粒子はMPAでキャッピングされ,そのカルボキシル基は解離型で存在していると考えられる.分散溶液の発光波長は,Pb/MPAおよびPb/Na2Sのどちらの組成比にも依存してシフトした.
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杉山 和宏, 北岡 諭, 菅原 義之
セッションID: 2P176
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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液相プロセスによりリン酸イットリウムの合成を行った。十酸化四リンを無水メタノール中で還流することで得られるリン酸エステルPO(OH)
x(OCH
3)
3-xをリン源として、イットリウムメトキシエトキシドをイットリウム源として用いた。リン酸エステルのメタノール溶液をイットリウムメトキシエトキシドのメトキシエタノール溶液に室温で滴下、攪拌することで淡黄色半透明溶液を得た。モル比はY :P = 1 : 1で行った。さらに得られた溶液からメタノールを除去することで茶色粉末を得た。茶色粉末に対してIR、TGにより分析を行った。IRよりY-O-P結合の形成が示唆された。TGより66.6%のセラミックス収率が得られた。また茶色粉末を1000℃、6h焼成を行うことで白色粉末を得た。白色粉末のXRDパターンから単一相リン酸イットリウムの合成を確認した。
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藤吉 国孝, 中田 邦彦
セッションID: 2P177
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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酸化チタンは光触媒として有名な材料であり、Nbドープにより、可視光領域における光触媒活性を高めることができることが知られている。また、近年、導電性膜としても検討されており、Nbドープは、導電性膜の比抵抗を下げるうえでも有効であることが知られている。一方、我々はこれまで、高濃度ゾルゲル法を用いてチタン酸バリウムのナノ結晶粒子を合成し、高分子分散剤を用いずに有機溶媒中に良分散させた塗布液を調製してきた。今回は、この高濃度ゾルゲル法を用いて、酸化チタンナノ粒子およびNbドープ酸化チタンナノ粒子を合成し、溶媒中に分散させた分散液の調製について検討した。
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山崎 滋章, 青井 芳史
セッションID: 2P178
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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ECRプラズマスパッタリング法を用いて、アモルファス炭素薄膜と、グラファイト化触媒として活性であることが知られているNiを含有したNi含有アモルファス炭素薄膜を成膜し、その構造と電気的、光学的特性について検討した。得られた薄膜中のGraphite-likeドメインの大きさまたは数はNi含有量とともに増大した。Ni含有アモルファス炭素薄膜の室温での電気伝導度はNi含有量の増大に伴い増大し、温度上昇に伴い電気伝導度が増大した。さらに、電気伝導形態は可変領域ホッピング伝導が支配的であることが分かった。また、ホッピング伝導の次元数がNi含有量に伴って増えた。
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中曽根 祐太, 山内 涼輔, 中井 裕和, 舟窪 浩, 宮宅 ゆみ子, 土嶺 信男, 小林 晋, 佐野 善史, 吉本 護
セッションID: 2P179
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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雲母は高絶縁性や耐熱性を有し、絶縁材料やガラス繊維への複合材料等に利用されている。しかし、薄膜化の研究はほとんど行われていない。そこで本研究では、雲母を利用した新規電子デバイス材料開発の可能性に向けて、PLD法による雲母薄膜作製の可能性を検討した。その結果、薄膜作製後に真空アニールすると、黒雲母のc軸配向由来と考えられるピークがXRDにより観測された。また、ラマン分光測定より、八面体シートを形成する陽イオンの並進運動、四面体シートを形成するSi-Ob-Siボンドの振動、Si-Onbの伸縮モード、OHの伸縮モードをそれぞれ確認した。以上から、黒雲母薄膜の合成に成功していると考えられる。
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文 淑英, 小笠原 俊夫, 関野 徹
セッションID: 2P180
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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酸化チタンは、従来白色顔料として、塗料、絵の具、釉薬、繊維、プラスチック製品、食品や化粧品の着色料としても広幅に利用されているが、近年は光触媒、ナノエレクトロンデバイス、センサー、太陽電池などの機能材料として注目されている。一方、炭素ナノチューブは電気的、物理的な特性が優れて様々なデバイス分野で多く研究されている。その炭素ナノチューブを実用化するためには電気伝導度を向上する必要がある。その方法としてホウ素(B)及び窒素(N)等をドーピングすることでその電気的特性を変化する。それで、本研究には炭素ナノチューブと酸化チタンの特性を制御することと共に二つの物質の複合体構造を製造し、その特性を評価する。
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菱田 俊一, 坂口 勲, 羽田 肇
セッションID: 2P181
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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イオンビーム誘起結晶成長は、主にイオンビームとの弾性衝突により与えられた運動エネルギーにより結晶原子の拡散を活性化し、結晶化を促すものであり、欠陥生成速度を超える結晶化速度が得られた時に進行する現象である。この時、照射したイオンが結晶格子に取り込まれれば、元の結晶とは異なる組成の結晶が成長する。本研究では、Sn+イオン照射によるSn固溶チタニア単結晶のイオンビーム誘起結晶成長について試みた。50keVのSn+をTiO2(110)面にイオン照射した。室温ではイオン照射による表面荒れが進行したが、823Kではイオンビーム誘起結晶成長が起こり、原子レベルで平坦な表面を有する結晶成長を実現できることが判った。
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仙波 亮太, 青野 宏通, 猶原 隆, 前原 常弘, 渡部 祐司, 平澤 英之
セッションID: 2P182
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
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癌の新しい治療法への応用を目的として交流磁場中において優れた発熱能をもつ磁性材料が期待されている。我々はこれまでにビーズミルを用いて物理的粉砕したY
3Fe
5O
12が優れた発熱特性を示すことを報告している。塞栓法では, 血管を傷付けずに塞栓させるために, 磁性材料を球状かつ粒子の大きさを20~30μmにする必要がある。本研究では, 交流磁場中で優れた発熱能をもつY
3Fe
5O
12を用い, スプレードライ法によってY
3Fe
5O
12フェライトマイクロ球体を作製し発熱特性の検討を行った。
Y
3Fe
5O
12フェライトマイクロ球体の作製は, 純水(11.25ml)と微粒子化したY
3Fe
5O
12粉末(4g)を混合し, スプレードライ法によって行った。スプレードライ法によって回収した粉末を32μmと20μmのふるいを用い, 20~32μmに分級した。
分級前は多くの粒子が混在しているが, 分級後はそろったマイクロ球体が見られた。この収率はスプレードライに入れた粉末材料4gに対して約6.6%であった。さらにスプレードライ後の発熱特性についても検討を行った。
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