「がんゲノム医療」は,遺伝子検査で腫瘍のゲノムプロファイルを把握し,測定結果に意味付けをすることにより,最適な治療選択肢・治療薬を提案,各腫瘍,各個人に最適な治療を提供する医療である。切除不能進行再発大腸がんでは,いくつかのゲノム検査が臨床実装されており,2次治療以降の適切なタイミングにおいて遺伝子パネル検査を実施することも推奨されている。また,血液検体を用いてRAS遺伝子を測定するOncoBEAM RAS CRC検査が臨床実装されており,薬剤の抵抗性の理解や治療選択の補助として使用されている。ゲノムプロファイリングによる腫瘍のサブタイプに基づいた治療選択やリキッドバイオプシー検査のさらなる活用,また今後の展望などについて解説する。
緩和ケアはWHOにより「生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族のQOLを,痛みや その他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで,苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチである」とされているとおり,患者の生を支える積極的医療である。しかし現在でも終末期医療のイメージが強く,対応が後手に回っている感がある。本稿では,日本の緩和医療の現状と,今後の展望について述べる。
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