電子写真学会誌
Online ISSN : 1880-5108
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34 巻, 2 号
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論文
  • 冨永 信秀
    1995 年 34 巻 2 号 p. 68-75
    発行日: 1995年
    公開日: 2007/04/06
    ジャーナル フリー
    本研究では,感熱紙における記録保存性の向上を目的として,高保存性顕色剤の開発を進め,染料と顕色剤の発色ならびに安定性について,分子軌道計算にもとづいて考察し,顕色剤の分子デザインを行った.その結果,変異原性陰性の2,4-ジヒドロキシ-2-メトキシベンズアニリド(SV-3)を新たに見い出した.
    分子シュミレーションにより,SV-3は電子受容性の顕色剤として働き,電子供与性の染料との間に電荷の移動が起こりやすい分子軌道を有していることが分かった.また,それぞれの軌道間の重なりが大きくとれる分子構造が発色の保存性に重要であることが明らかになった.
  • 北村 孝司, 白砂 貴司
    1995 年 34 巻 2 号 p. 76-82
    発行日: 1995年
    公開日: 2007/04/06
    ジャーナル フリー
    本実験は,電界中のトナーの運動の理解と位置制御を目的として行い,具体的にはトナー粒子を1個ずつ位置制御するための基礎実験として針電極先端とトナー間に形成する局所電界を利用して針電極先端へのトナーの吸着と転写を試みた.支持体上に一層のトナー層を形成し,そのトナー粒子に対し電解研磨した針電極を接近させ,針電極側からトナー電荷に対して逆極性の電界をかけることによりトナー粒子を針先端に付着させた.1個のトナーを吸着するのに必要な電圧は12.8Vであった.その後,トナーを吸着した針電極を普通紙上に移動し,吸着時とは逆の電界をかけることでトナーの転写を行うことができた.本実験でトナー粒子を1個ずつ位置制御することが可能であることが解った.
  • —トナー粒子径とトナー表面処理の影響—
    寺尾 和男, 重廣 清
    1995 年 34 巻 2 号 p. 83-88
    発行日: 1995年
    公開日: 2007/04/06
    ジャーナル フリー
    本報は電子写真における感光体とトナー粒子間の非静電的な付着力に関して,遠心分離法による付着力の測定,およびトナー表面処理の効果について述べたものである.
    トナーの付着力は数10nN程度で,トナー粒子径に比例する.また,微粒子をトナーに外添処理することによって付着力は約1/10程度に低減され,かつトナー粒子径にほとんど依存しなくなることを見いだした.また,Langbeinの式をもとにして,実験結果との対応関係から,トナーの付着力を低減するには接触点の数の少なくなるような大きめの外添剤粒子を用いることが有効なことを明らかにした.
  • 島田 昭, 寺嶋 勇
    1995 年 34 巻 2 号 p. 89-95
    発行日: 1995年
    公開日: 2007/04/06
    ジャーナル フリー
    2成分現像剤のトナー濃度を高精度で検出できるインダクタンス型センサを開発し,そのセンサを用いて実際の現像器における2成分現像剤のトナーとキャリアの混合・撹拌特性について検討した.開発したインダクタンス型トナー濃度検出器は,トナー濃度の変化を約0.01%の精度で測定できる.トナー消費および補給時の現像器の撹拌応答特性は,インパルス的にトナーを消費または補給した時のトナー濃度の時問変化から求めることができる.この撹拌応答特性の測定から,補給したトナーの撹拌混合特性は,主に補給トナーの摩擦帯電過程に依存していることがわかった.また,現像器のトナー濃度の時間変化は,この撹搾応答特性およびトナー補給特性とトナー消費特性を用いて,解析することができる.この手法を用いた解析結果は,実機のトナー濃度の時間変化と一致する.
資料
Imaging Today
『電子写真装置開発における計算機応用』
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