自律神経
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第73回日本自律神経学会総会
  • 澤井 摂, 桑原 聡
    2021 年 58 巻 3 号 p. 216-221
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/24
    ジャーナル フリー

    Fabry病はα-galactosidase A酵素をコードする遺伝子の異常によって起こる先天性脂質代謝異常症である.酵素活性低下で分解できない糖脂質が全身組織に蓄積し,多臓器障害を起こす.根本的治療として酵素補充療法が開発された.使用開始から10年以上が経過し,長期臨床効果が示され,Fabry病における標準治療となった.また,新規治療として薬理学的シャペロン療法が開発され,治療の選択肢が増えてきている.これまでの研究から,臓器不全に進行する前に治療を開始することが有効だと言われており,早期の治療開始を実現するため,病態や症状の正しい理解に基づく早期診断が重要である.

  • 鈴木 圭輔
    2021 年 58 巻 3 号 p. 226-230
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/24
    ジャーナル フリー

    抗重力筋の一つである顎筋の筋活動消失はREM睡眠の特徴であり,REM muscle atoniaにはGABAやグリシン介在性脊髄運動ニューロンおよび中枢では橋背外側部や延髄内側部が関与する.一方筋活動消失を伴わないREM without sleep atonia(RWA)は,REM睡眠中の夢の行動化をきたすREM睡眠行動異常症(RBD)でみられる特徴所見である.中高年以降に発症したRBDはパーキンソン病を代表とするシヌクレイノパチーの特異度の高い疾患前駆マーカーと考えられている.さらにisolated RWAやREM sleep behavioral eventsといったRBDの前駆段階を示唆する報告がある.また日中過眠や情動脱力発作を特徴とするナルコレプシーでは,RBDを30–60%に合併する.本講演ではRWA,RBDと神経疾患の関連を含めて解説する.

  • 大道 智恵, 角谷 寛
    2021 年 58 巻 3 号 p. 231-234
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/24
    ジャーナル フリー

    睡眠中の呼吸調節は覚醒中とは一部異なり,神経調節系および行動調節系が抑制され,化学調節機構が中心となる.睡眠障害の中でも,睡眠関連呼吸障害,特に閉塞性睡眠時無呼吸(OSA: obstructive sleep apnea)は非常に頻度の高い疾患である.OSAでは,呼吸停止や酸素飽和度の低下,頻回の覚醒反応などが起こり,無呼吸イベント後に心拍数が上昇する.心拍変動を対象に機械学習を行うことでOSAの予測を行うことも可能である.

ミニレビュー
  • 谷田 守
    2021 年 58 巻 3 号 p. 237-240
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/24
    ジャーナル フリー

    白色脂肪組織から分泌される摂食抑制ホルモンであるレプチンが発見されて20年以上が経過した.摂食調節機構の破綻は肥満,糖尿病などの生活習慣病発症に関わる為,摂食調節ホルモンの作用を明確にすることは,生活習慣病発症機序の解明に役立つことが期待されている.これまでの研究から,レプチンによる自律神経系への作用は,摂食や代謝などの生体機能維持に関与することが分かってきている.特に交感神経遠心路の褐色脂肪枝,肝臓枝,腎臓枝は,熱産生調節,糖代謝調節,循環調節にそれぞれ関与することから,本稿ではレプチンの自律神経調節作用を中心に,これまで示唆されてきた脳・視床下部での調節機序と末梢から中枢神経系への求心路の作用経路について解説する.

  • 秋山 泰樹, 平田 敬治, 上田 陽一
    2021 年 58 巻 3 号 p. 241-245
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/24
    ジャーナル フリー

    シスプラチンは,悪心・嘔吐などの副作用が知られており,ストレス反応を引き起こす可能性がある.今回,バゾプレッシン(AVP)-eGFPトランスジェニックラットを用いてシスプラチンの末梢投与が視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸および自律神経系へ及ぼす影響を検討した.シスプラチン投与により視床下部室傍核小細胞領域(pPVN)でのAVP-eGFP緑色蛍光輝度が増加し,FosB免疫陽性となり,AVP,eGFPおよびCRH mRNAが有意に増加した.血中カテコラミン濃度の増加を捉えることはできなかったが,コルチコステロンは有意に増加した.シスプラチンの末梢投与は,AVP・CRHを介してHPA軸を活性化することを明らかにした.

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