応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌
Online ISSN : 2424-0990
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8 巻, 2 号
選択された号の論文の25件中1~25を表示しています
  • 2018 年8 巻2 号 p. Cov-8-2_1
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー
  • 2018 年8 巻2 号 p. Tco-8-2_1-Tco-8-2_2
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー
  • 西尾 俊幸
    2018 年8 巻2 号 p. 89
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー
  • 貝沼 圭二, 齋尾 恭子, 渋谷 直人, 大坪 研一, 梅本 貴之, 青木 法明, 山本 和貴
    2018 年8 巻2 号 p. 90-93
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー
  • 市川 俊輔, 伊藤 敏之, 磯崎 一歩, 市原 舞子, 苅田 修一
    2018 年8 巻2 号 p. 94-101
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー

    微生物を培養することでセルロース系バイオマスの糖化を行う技術(Biological simultaneous enzyme production and saccharification: BSES)や,微生物を培養することでセルロース系バイオマスからの目的化合物生産をワンポットで行う技術(Consolidated bioprocessing: CBP)は,バイオリファイナリーの達成に向けた,セルロース系バイオマスからの化成品原料生産過程を効率化しうるものとして注目される.セルロース系バイオマス分解活性とエタノール生産能を有するClostridium 属細菌は,BSESやCBPの候補微生物に位置付けられている.本著では,Clostridium 属細菌によるセルロース系バイオマス分解機構と物質生産についてまとめて論じる.

  • 中島 将博, 田口 速男
    2018 年8 巻2 号 p. 102-109
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー

    β-1,2-グルカンは主にグラム陰性菌の生産する環状糖として存在する.本研究では,β-1,2-グルカンの分解代謝に関わる酵素群の探索と機能構造解析を行った.糖質加水分解酵素ファミリー(GH)94よりβ-1,2-グルカン合成可能な新規ホスホリラーゼ(SOGP)を発見した.また,この酵素を用いたβ-1,2-グルカンの大量合成法を確立した.Listeria innocua 由来sogp 遺伝子を含む遺伝子クラスター内のβ-グルコシダーゼホモログとABCトランスポーターの基質結合タンパク質ホモログの基質特異性の解析を行った.β-1,2-グルコオリゴ糖に対する鎖長特異性から,これらがSOGPと協同的にβ-1,2-グルコオリゴ糖代謝に関与することが示唆された.また,これら3つの酵素,タンパク質の基質との複合体構造から,結合位置特異性や鎖長特異性を生じる構造的要因を明らかにした.細菌由来β-1,2-グルカナーゼの同定を行ったところ,この酵素は新規アミノ酸配列を有していたことからGH144が創設された.さらに,この酵素が反転型の反応機構を有すること,基質との複合体構造を明らかにした.

  • 岩田 忠久
    2018 年8 巻2 号 p. 110-116
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー

    天然に存在する様々な構成糖と結合を有する高分子多糖類から,耐熱性,機械的物性,光学特性に優れ,射出成形や溶融紡糸も可能な,熱可塑性を有するバイオマスプラスチックの創製に成功した.本稿ではまず,微生物やミドリムシが生合成するカードランやパラミロンおよびプルランをエステル誘導体化することにより得られた熱可塑性ポリマーおよびゼロ複屈折ポリマーについて紹介する.さらに,虫歯菌から得られた酵素を用いて,非天然型の高分子多糖類を,試験管内で水系・ワンポット合成することに成功した.合成したポリマー自体は熱可塑性を持たないが,同様のエステル化により,ナイロンやポリエチレンテレフタレートよりも優れた熱的性質を持つことがわかった.天然型および非天然型高分子多糖類を用いた,これまでにない新しいバイオマスプラスチックの可能性について紹介する.

  • 中村 保典
    2018 年8 巻2 号 p. 117-123
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー

    筆者が穀類澱粉合成に関する研究を始めてから約30年が経過した.その間,この分野で研究潮流の大きな変化を体験できたのは,研究者として幸運だった.分子生物学的手法の導入,ゲノム情報解析時代の到来など,開始当初は思いもよらない生命科学研究環境のうねりに遭遇することもできた.澱粉を含む糖質は生化学の先駆け研究の対象となった物質であるが,植物の生命維持のための基幹物質としての糖質の構造と機能に関する奥深さは,古くて新しい興味とチャレンジ心をかきたててくれる.筆者はイネ胚乳澱粉の生合成解明研究に従事し,特に酵素アイソザイムの機能を解明するため,澱粉分子(特にアミロペクチン)の微細構造への寄与に重点を置いて研究してきた.穀類胚乳は澱粉の生産と貯蔵に特化した組織で,特有の細胞学的な発達を経て,種子が完熟する細胞死・脱水期には,細胞重量にして約85~90%も澱粉が占める.胚乳はアミロプラストを発達させながらその内部に構造が均一な澱粉を高効率かつ高速度で再生産する.胚乳での澱粉生産は植物の最も特徴的な代謝過程の1つである.イネ胚乳のアミロペクチンは均一性の高いクラスター構造を持つ.クラスター構造とその基本的な性質は,アミロペクチンの分子構造を最もよく特徴づけ,澱粉の結晶性や物性を左右するもので,日本人研究者が当初から解明に顕著な貢献をしてきたことを忘れてはならない.クラスター構造がどのような酵素の関与のもとで形成されるか,イネ胚乳では,様々なアプローチを用いて,植物の中で最も詳細に調べられてきた結果,全体像がほぼ明らかになってきた.鍵を握る多数の酵素のそれぞれの寄与が特定され,クラスターはアイソザイム間の緊密な協同作用の結果合成されることが明らかになった.ただし,クラスター構造の初期形成過程に関しては,多くのことがまだ不明で,現在も作業仮説を立てて一歩ずつ前進している.他方において現在は,酵素アイソザイムの機能と特性がほぼ解明された結果を踏まえ,アジア各国で,種々の澱粉形質を持つ新イネ品種を創出する試みが潮流となっている.これらのコメが機能性食品として利用され,一層活用されるための新技術が期待される時代が来ている.生合成分野では分子レベルでのメカニズムの解明研究に,応用分野では澱粉の新産業利用に移行する節目に当たり,独善を恐れず,研究現状を概説するとともに,次代の研究展開に向けた展望と課題についても述べてみたい.

  • 中村 禎子, 田辺 賢一, 中山 敏幸, 奥 恒行
    2018 年8 巻2 号 p. 124-128
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー

    我々は,腸内細菌が難消化吸収性糖質から産生する水素ガスに着目し,腸内細菌由来水素ガスは,吸入などによる水素ガスと同様の抗酸化作用があり,疾病の発症遅延や重症化予防に寄与するという仮説をたて,実験動物を用いて検証してきた.老化促進モデルマウスを難消化吸収性糖質含有飼料で長期間飼育し,学習・記憶障害を発症するSAMP8特有の症状発症と重症化の遅延を観察した.Passive avoidance testの結果では,フラクトオリゴ糖(FOS)5%含有飼料群の成績が対照飼料群に比較して有意に良好で,学習・記憶障害の発症が遅延した.FOS群では水素ガス体外排出が有意に高く,老化度得点,酸化ストレスや炎症の関連指標は有意に低値を示した.また,鉄過剰投与による肝障害モデルラットをFOS含有飼料で飼育した実験では,血液中のALTならびに酸化度は有意に低値を示し,肝障害の改善や発症遅延が観察された.以上の結果より,難消化吸収性糖質継続的摂取は,生体内水素ガス濃度をある程度高く維持し,疾病予防や重症化遅延に寄与している可能性がある.しかし,その機序については,今後の検討が必要である.

  • 村上 誓吾, 香田 智則, 西尾 太一, 追留 那緒子, 藤田 直子, 中村 保典, 西岡 昭博
    2018 年8 巻2 号 p. 129-137
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
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    我々の研究室では非晶性米粉を生地に添加することで米粉のみで良好な製パンが可能になることと,熱とせん断を米粒に同時に印加し粉砕することで米粒内の澱粉を短時間かつ簡便に非晶化可能なことを明らかにした.本総説では,非晶性米粉添加時の生地の一軸伸長粘度測定と製パン実験および中圧ゲル濾過法,キャピラリー電気泳動法を用いて米澱粉の分子量分布測定,鎖長分布測定を行った研究について述べる.「非晶性米粉の添加による米粉生地の物性への効果」については非晶性米粉の添加により,生地を伸長した際に粘度が急激に増加する現象がみられることと生地の発泡率が向上することがわかった.この結果から小麦粉生地と同様に非晶性米粉の生地において,伸長時に生地が硬化するひずみ硬化性が発現し良好な製パンを実現していることを初めて明らかにした.「新規非晶化技術による米澱粉の分子構造への影響」については,加熱・せん断粉砕を行うことで米粒内のアミロペクチン分子鎖が重合度35以上において切断され低分子化することを初めて明らかにした.

  • 角谷 亮, 穂苅 早織, 柳瀬 美千代, 久保 亜希子, 梶浦 英樹, 古屋 敷隆, 高田 洋樹, 鷹羽 武史, 栗木 隆
    2018 年8 巻2 号 p. 138-144
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー

    グリコーゲンはグルコースがα-1,4およびα-1,6グルコシド結合した球状の高分子であり,動物や微生物など天然に広く存在する.動物の貯蔵多糖として機能することが知られているが,一方で免疫賦活機能を有することが古くから報告されていた.我々は,国民の健康に寄与する素材として,グリコーゲンを産業的に利用することを考え,酵素を用いて植物原料からグリコーゲンを合成する方法を開発した.本方法で得られたグリコーゲン(ESG)は,天然のグリコーゲンと比較して,大きさ,形状,分岐構造など,種々の物理化学的性質が同等であり,かつエンドトキシン等の不純物の濃度が低かった.ESGは免疫賦活効果を有し,自然免疫受容体であるToll-like receptor 2を介してマクロファージ等の免疫細胞を活性化した.また,腸内環境改善効果や脂質代謝改善効果,肌質改善効果,認知機能改善効果など,様々な効果を有することがわかってきた.本稿では,グリコーゲン合成法の開発から,これまでに得られた生理機能研究および応用研究の成果について,現在取り組んでいる内容を含めて概説する.

  • ―抗感染,バリア機能,壊死性腸炎予防,免疫調整機能について―
    浦島 匡, 福田 健二
    2018 年8 巻2 号 p. 145-154
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー

    人乳には初乳で22~24g/L,常乳では12~13g/Lの濃度でミルクオリゴ糖と呼ばれる糖質成分が含まれている.それは人乳の固形成分の中でラクトース,脂質に継ぐ3番目の成分である.ミルクオリゴ糖は200種類以上のオリゴ糖の混合物であり,還元末端側にラクトース単位を有し,それにN-アセチルグルコサミン(GlcNAc),ガラクトース(Gal),フコース(Fuc),N-アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)が付加したような化学構造を有している.現在までに162種類の化学構造が決定され,それらはコア骨格に基づいて19のシリーズに分類される.大半のヒトミルクオリゴ糖(HMOs)は母乳栄養児が母乳を授乳した後,小腸で消化吸収されないで大腸に到達し,そこで有用腸内細菌の増殖を促進する,病原性細菌やウイルスが腸管上皮に付着するのを阻害するなどの機能を有すると報告されている.また少量のオリゴ糖は吸収されて,血管を通じた循環過程で免疫調整作用に係わることが示唆されている.それらの機能性に関する研究は,従来HMOsとともに上皮細胞や病原性微生物,またHMOsと内皮細胞や免疫細胞を使用したin vitro の系を使用して行われてきた.一方で最近一部のHMOsと同一の構造を有するオリゴ糖がグラム単位で供給されるようになったこともあり,とくに実験動物を使用したin vivo研究での進展が著しい.この総説では,2014年以降に行われたミルクオリゴ糖の機能性に関わる研究のうち,抗感染作用,腸管バリア機能,壊死性腸炎予防,およびに免疫調整機能に係わる研究を紹介する.

  • ―脳機能改善効果,吸収および動態,腸内細菌叢の調整―
    浦島 匡, 福田 健二
    2018 年8 巻2 号 p. 155-163
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー

    人乳には常乳で12~13g/Lの濃度でミルクオリゴ糖が含まれている.ヒトミルクオリゴ糖(HMOs)は若干の例外を除いて,還元末端にラクトース(Gal(β1-4)Glc)を含み,それにガラクトース(Gal),N-アセチルグルコサミン(GlcNAc),フコース(Fuc),N-アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)が結合した化学構造を有する.人乳には240種類ものHMOsの存在が報告されているが,現在までに162の化学構造が決定されている.それは母乳栄養児の小腸内で大部分は消化・吸収を受けないで大腸に到達し,そこで有用性腸内細菌の増殖・定着を促進する,病原性細菌・ウイルスが宿主腸管上皮に付着するのを防止する,腸管バリア機能を持つ,壊死性腸炎を予防する,などの機能を発揮する.また一部のHMOsは吸収され,血液とともに体内循環する過程で,免疫を調整し抗炎症性を発揮する,脳神経系の成分の合成材料として利用される,などの機能も報告されている.HMOsと同一の化学構造を有するオリゴ糖を産業レベルで利用するためには,大量に合成する技術がネックとなっていたが,近年少数のHMOsのグラム単位での合成方法が開発された.それに伴って,合成HMOsを使用したin vivoでの機能探索研究を行った論文が多数報告されるようになり,糖質科学の中でもっとも活発な研究領域になっている.合成2′-フコシルラクトース(2′-FL)を添加した育児用調合乳の製造販売も開始され,今後HMOs関連糖質を使用した食品素材や医薬品素材の開発によって新たな産業が立ち上がってくることが予想される.本総説では,近年報告されたHMOsの機能研究の中でも,脳神経機能への刺激,腸管での吸収と体内動態,腸内細菌叢の調整に関わる例とともに,少数のHMOsを添加した人工調合乳を摂取させたヒト乳児への介入試験例を紹介する.その中で,HMOsの機能研究や利用に関わる将来を展望する.

  • 松沢 智彦, 木村 信忠, 末永 光
    2018 年8 巻2 号 p. 164-167
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー
  • 伏信 進矢
    2018 年8 巻2 号 p. 168
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー
  • 浦島匡,並木美砂子,福田健二著
    佐藤 真与
    2018 年8 巻2 号 p. 169
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー
  • 2018 年8 巻2 号 p. 170-188
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー
  • 2018 年8 巻2 号 p. 189-200
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー
  • 2018 年8 巻2 号 p. 201
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー
  • 2018 年8 巻2 号 p. 202-204
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー
  • 2018 年8 巻2 号 p. App1-
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー
  • 2018 年8 巻2 号 p. App2-
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー
  • 2018 年8 巻2 号 p. App3-
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー
  • 2018 年8 巻2 号 p. App4-
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー
  • 2018 年8 巻2 号 p. App5-
    発行日: 2018/05/20
    公開日: 2022/03/09
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