4He原子のクラスターは「強い短距離斥力相関の下での弱結合少数多体系」の基本的典型例である.その3体系(束縛状態2個)はエフィモフ状態となる.その理論研究はエフィモフ物理や冷却気体原子(共鳴的相互作用系)の物理の基礎研究に重要な知見を提供してきた.最近,4体系のエフィモフ物理も注目されている.しかし,最も基本となる4He原子の4体系,特に励起状態の計算は困難であった.筆者等は,自身の「少数多体系のガウス関数展開法」を用いてその計算に成功し,4He原子の3,4体系の性質を分析した.その性質は,共鳴的相互作用のゆえに,原子核における 3,4体系とも類似点がある.本稿では,前後編に分けて,それらの研究と計算法を解説する.
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