原子衝突学会誌しょうとつ
Online ISSN : 2436-1070
19 巻, 4 号
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  • 梶田 雅稔
    原稿種別: 解説
    2022 年19 巻4 号 p. 54-61
    発行日: 2022/07/15
    公開日: 2022/07/15
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    分子の振動回転遷移周波数の多くはテラヘルツ領域に分布し,その精密計測は未知の物体の化学的分析や標準理論を超える新しい物理学の発展に有用である.本解説記事はテラヘルツ領域における周波数標準となる遷移周波数の候補を紹介する.光格子内の 40Ca19F 分子の Q(0),Q(1)振動遷移周波数(17 THz)は二光子遷移で観測すべきであるが 17 桁の確度で測定できる可能性がある.一光子遷移で P(1) 遷移を観測することも可能でこの場合の到達確度は 16 桁程度と思われる.QH+分子イオン(Q:II 族原子 の偶数同位体)や RH+分子イオン(R: 希ガス)の回転遷移周波数も 15 桁程度の確度を得られると考えられる.

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