経済教育
Online ISSN : 2432-9150
Print ISSN : 1349-4058
39 巻, 39 号
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  • 2020 年 39 巻 39 号 p. 1-2
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー
  • 2020 年 39 巻 39 号 p. 3-
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー
  • 合田 哲雄
    原稿種別: シンポジウム
    2020 年 39 巻 39 号 p. 4-5
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    2017年の学習指導要領改訂は,データがない,曖昧な状況の中で対話や協働を通じて納得解を形成する力を持つ持続可能な社会の担い手を育むことを重視している。経済教育においては,例えば,中学校社会科公民的分野の内容項目として「現代社会の見方・考え方の基礎となる枠組みとして,対立と合意,効率と公正などについて理解」し,「課題を追究したり解決したりする活動」が規定されていることを踏まえ,「対立と合意」「効率と公正」といった思考の軸を踏まえて思考し,シビアな社会的な対立をいかに合意に転換するかを学ぶことが求められるという意味で,その重要性が一層高まっていると言えよう。

  • 竹澤 伸一
    原稿種別: シンポジウム
    2020 年 39 巻 39 号 p. 6-7
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    大学生のキャリア形成の淵源を,大学におけるビジネス教育に止めず,高等学校及び中学校における経済教育にまで遡って検証する。近年,研究が進んできたレリバンス(関係性)という概念を援用し,「経済教育からの学びの職業的レリバンス」を検証する。2人の新卒社会人の学びの履歴をナラティブアプローチを用いて丁寧に辿り,経済教育の固有の理論である経済的社会化を具体的に実証する。

  • 個の学習をグループ学習へとつなげ,学びに向かう生徒を育てる学習
    伊藤 達也
    原稿種別: シンポジウム
    2020 年 39 巻 39 号 p. 8-11
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    本報告では,教科書だけを使った座学を中心にした経済的分野の学習ではなく,日常生活の中で起こりうる出来事をシミュレーションすることで学んだ知識を楽しみながら体験することがどのような教育的効果があるかを発表した。グローバル化の進展に伴いより複雑化する経済社会で生きていく初等中等段階の経済学習の目指すところは,より現実の生活に即した内容を授業でシミュレーションしていくことで生徒個々の経済に対する知識や思考・判断力の向上につなげていくことである。その結果として国民1人1人の合理的判断力の向上にもつながり,賢い国民の育成につながると考えた。

  • 脱,検定至上主義の授業改革
    森 尚久
    原稿種別: シンポジウム
    2020 年 39 巻 39 号 p. 12-13
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    検定至上主義からの脱却。高等学校で行われる商業教育では,従来の検定試験を中心に据えて展開されてきた授業の見直しと,商業教育の学びと実社会との関係性を生徒自身が感じられる指導内容が求められている。「商業は実学である」この言葉の意味を考え,指導内容,指導方法を再考することで,経済教育を商業科で受けた生徒が,さらに内容を深め,学び続けるために大学へ進学することになるのではないか。

  • 2020 年 39 巻 39 号 p. 15-
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー
  • 竹澤 伸一
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 16-21
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    名古屋産業大学現代ビジネス学部竹澤伸一研究室は,所属ゼミ学生に共同研究を推奨している。2019年度の4回生は9名で構成され,一般学生が5名,教職専攻学生が4名である。長期間の研究協議の結果,一般学生は「トレーニングの経済的付加価値」,教職学生は「『いじめ』の経済的損失性」を共通テーマとして研究を推進することとなった。さらに教職学生の要望により,両テーマを中学校現場で活用可能な教材に落とし込み,授業実践による有効性の検証を図ることとなった。

  • 箕輪 京四郎
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 22-29
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    協同組合は,むき出しの資本主義に対抗し,人と人とが助け合いながら生きることを目指す有力な組織の一つである。協同組合の間の協同,あるいはNPOなどと組んでの地域づくりも重要である。

     「日本における協同組合の数は約3.6万で,およそ8千万人の市民が何らかの形で協同組合のメンバーになっている」。このメンバーが…まとまれば,社会変革への力は計り知れない(『世界』岩波,2012年11月号の特集「協同が社会を変える」)。

     しかし協同組合は順調に歩んできたわけではない。現在も問題が多い。その推移と現状を,生協を中心に,農協にも少し触れて,高校生にどう教えるか。

  • 土居 拓務
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 30-36
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    近年,森林資源は充実している一方で林業労働力が不足している問題がある。将来世代の労働力を確保するにあたり職業体験が効果的とされる。森林の魅力を伝える環境教育は一般的だが,林業の魅力を伝えるそれは多くない。著者は林業関係者らと話し合い森林環境教育ならぬ林業環境教育のツールを2種類開発した。それは実際の林業作業に近い内容であり,林業の魅力を伝えられる構成になっている。一つは林内巡視作業を模した宝探しゲーム,もう一つは視距伐開作業を模した除伐体験である。地元小学生を対象にこれらを実施したところ,特に除伐体験の満足度が高かった。除伐体験が伝える林業の魅力は,自分たちの手で林内の景観を創り変える点である。林業の魅力を把握し,それを教育として上手に発信していくことが重要である。

  • 田中 淳
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 37-41
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    筆者は,東京都立産業技術高等専門学校・高専荒川キャンパス(以下,本校と略す)において,インターンシップや就職活動の学生支援を行ってきた。進路指導の中で,人事担当者との交流により,就職活動の合否の理由を聞ける機会が多数あった。大学の就職活動における自由応募とは異なり,本校は推薦制であるが,近年は,厳選採用となっていることがわかった。学会発表で話した内容から,本校に関する経験上の知識となってしまうが,個々の事例に基づく就職活動におけるミスマッチの理由と,合格・不合格になりやすい学生の特徴を整理・検討したいと思う。

  • 中村 賢治
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 42-47
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    日本の雇用慣行に対する信頼が取り戻されつつある。日本経済の長期低迷は,中国や韓国などの経済発展により既存の産業が衰退し,それに代わるビスネスモデルをまだ構築できていないことにあり,雇用システムに原因があるのではない。日本の雇用システムで重要なのは,「終身雇用」や「年功制」ではなく,人材育成の仕組みにある。日本の企業では人材育成が重要な経営課題となっているが,人材育成に必要な人材が育っていないという問題が生じている。指導教育力は,教職課程の学生だけに求められる能力ではなく,教育の専門機関である大学教育の場ですべての学生を対象に養成されるべき能力の1つである。香川大学経済学部では,2015年から大学生が高校生に経済学を教える教育プログラムを導入して,教えることを実体験させている。

  • 竹達 健顕
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 48-53
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    近年,高等学校全日制普通科において発達障害等(疑いを含む)のある生徒の入学が増加傾向にある。そこで課題となっているのは,各教科において適切な学習支援がなされていないことである。さらに,生活面や対人関係面への支援を含む校内支援体制の構築は,現在の高等学校に共通する課題であるといえよう。本事例は特別支援教育の視点を取り入れた学習支援の実践報告であるが,発達障害等のある生徒の中には,並外れた才能を併せ持つ生徒がおり,苦手なスキルを補償するだけでなく,得意な力を伸ばすことも必要となってくる。本事例は,そのような才能を併せ持つ生徒に対して行ったシミュレーション教材による経済・金融教育の実践事例である。

  • 越田 年彦
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 54-58
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    キャリア教育は経済的現実の理解を踏まえるべきであるとともに,そのポイントは職業生活における生きがい,キャリア・アンカーの模索に生徒を導くことであると考える。

  • 法と経済学の行動主義的アプローチ−
    炭谷 英一
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 59-63
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    2018年3月告知された高等学校学習指導要領では公民科の科目構成を見直し,共通必履修科目としての「新科目『公共』(2単位)は,原則として入学年次及びその次の年次の2か年のうちに履修させること」と指示されている。「法的」,「政治的」,「経済的」等の主体として思考力・判断力・表現力等を身に付け「合意形成」「社会参画」をめざすとある。新科目「公共」を「どのように学ぶか」について,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて,「アクティブ・ラーニング」の視点から「経済的主体」,「法的主体」の育成を「法と経済学の行動主義的アプローチ」から新科目「公共」の可能性と課題について視座を示したい。

  • 長谷川 浩昭
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 64-67
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    特別設定授業の教科・科目として,「生活と職業」を設置した。本校生徒は,小中学校において,長期欠席の経験や個別支援を受けるなど学習に課題を抱えている者が大半を占めている。なかには将来的に自立的な生活を送ることが困難と予想される生徒も少なからず在籍している。高校卒業後に社会人として働き,自立した生活を送ることができるように基礎的な知識や技能を身につけさせるとともに,実務を経験させる実践を試みた。

  • 田中 博章
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 68-73
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    次世代社会(Society5.0)においては,人間の雇用が機械に一程度代替されることや,人々が求める価値が高度化・多様化することが予想されている。そのような未来の社会でも「価値創造(≒誰かの役に立つこと)」ができる人材が求められており,人間固有の強みである「創造性(クリエイティビティ)」等の力が重要になる。内閣府や経済産業局の事業ではそうした力を育むため,無形の価値あるもの(例:知的財産,ビジネスモデル)を意識した学びのプログラム(小学校~高等学校・高等専門学校)が検討された。児童生徒が社会と接点を持ち,能動的で深い学びが生まれるようプログラムを設計・実施した。愛知教育大学附属高等学校では「現代社会」(金融教育とキャリア教育)の授業内容を汲んだプログラムを実施した。高校生が教科書で学んだ内容を社会のリアルな事象と紐付け,新たな気づきを生み出し,また学習意欲の向上にもつながった。

  • 教員免許状更新講習における調査結果を手がかりとして
    田村 徳至
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 74-78
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    本稿は,長野県内の各学校における金融を中心とする消費者教育の現状を把握し,一層の推進を図るために,2018年11月に実施した消費者教育に関わる教員免許更新講習の受講者(長野県内の幼・小・中・高校教員)を対象に行ったアンケート調査の結果を整理したものである。この調査の結果,金融を中心とする消費者教育の必要性が(とても・まあ)ある」と回答した教員は全体の約89%であるが,「今後,消費者教育を行おうとする意欲が(とても・まあ)ある」と回答した教員の割合は約46%であった。金融に関わる消費者教育実践の必要性に関する意識と実際に実践しようとする意識とは約2倍もの差があることが明らかとなった。

  • 新里 泰孝, 大坂 洋, 橋本 勝
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 79-83
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    2016年度に富山大学教養科目総合科目として,文系,理系の専任教員13名(および非常勤2名)で,「富山から考える震災・復興学」の授業を立ち上げた。2011年の東日本大震災をきっかけとするこの授業では,3つの目標を掲げた。第1は,富山という地点から多角的に幅広く考察し,さらに,原発の仕組みと課題,放射線の影響とその利用等を自分の視点から学ぶこと,第2は,被災地との連帯感を高め,自分たちのありようを主体的に考えること,第3は,未曾有な災害が発生した時の心構えについて学ぶことである。そのために,アクティブラーニングの手法を取り入れた。本報告では,授業実践の内容と評価,課題を考察する。

  • 井草 剛, 竹田 英司
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 84-86
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    経済教育においても,学生自身によって学習を「振り返る」ことが必要である。しかし,日本の大学で展開されている経済学教育,とりわけアクティブラーニングでは,この振り返りが不十分なことが多く,その結果,アクティブラーニングが効果的になされていないという問題がある。学生が学習を「振り返る」ためには,効果的な「振り返り支援」が必要である。その一事例を本稿で報告する。

  • ウェブ調査による後悔の特性の検討
    長谷川 岳雄
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 87-92
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    人生100年時代において,職業人生の移行期であるトランジション(転機)が増える。後悔は,そのトランジション(転機)において生じる可能性が高い。本研究では,日本人ビジネスパーソンの後悔の内容と特性を明らかにするために,20年以上のビジネス経験を有する現役の387名のビジネスパーソンにWeb調査を実施した。

     行為後悔(やった後悔)と強い後悔は役に立つということが示唆された。行為後悔と強い後悔は,その後の思考・行動の変化に反映される可能性が高い。そして,後悔の後に自身の思考・行動に反映(変化)させたことを通して,キャリアの満足度にポジティブな影響を与えている。行動することは重要であるが,その後の内省・反映が更に重要であることが示された。

  • 変容段階を中心に
    金森 敏
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 93-97
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    本研究では,キャリア教育として正課外における学びのコミュニティの変容段階に焦点をあて研究を行った。具体的には,変容段階では,どのような出来事が生じるのか。また,それはなぜか。そして,どうすればコミュニティは再活性化するのかを明らかにした。その結果,実践コミュニティにおける変容段階で再活性化を目指すには,①繰り返しコミュニティの目的を伝えること,②中心メンバーを増やしつつ,プロジェクトの質と量のバランスを取ること,③コミュニティにおける象徴的存在がコミュニティに加入していない人に良い印象を与えることの重要性を示した。

  • 事前的な学習経験と事後的なFP能力への影響
    北野 友士
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 98-103
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    本稿は筆者による高等教育機関パーソナルファイナンス(PF)教育および金融リテラシー(FL)教育の実践例について,事前的な学習経験と事後的に獲得するファイナンシャル・プランニング(FP)能力の観点から分析したものである。大学での広義の金融教育は非常に活性化してきているが,一層の普及のためには体系化を図る必要がある。そこで筆者はPF科目とFL科目の受講者それぞれの事前的な学習経験と,学習成果の共通の尺度として日本FP協会のPF教育スタンダードを用いて分析した。その結果,PF教育については身近な経済的成功者の存在がPFの内容理解に結びつき,タックスプランニングの理解が幅広いFP能力の獲得につながることが示唆された。またFL教育においては各単元と結びつく事前的な経験を明らかにするとともに,リスク管理の理解が幅広いFP能力の獲得につながることが示唆された。加えてこれらの結果はPF教育スタンダードに基づいて,さまざまな金融教育実践の効果を体系的に評価可能であることも示している。

  • 佐々木 謙一
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 104-108
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    小論では,租税教育に関する現職教員と教育学部学生の意識調査を行った。その結果,現職教員と学生が抱く税に対するイメージは「社会に必要」や「義務」が過半数を超えている。税に関する授業の必要性を「感じる」と回答した割合は全体の9割を超えており,回答者の多くは,専門家の講話に対して,児童・生徒が財政・租税の課題をより身近に感じる効果を期待している。しかし,外部講師への講演依頼は場所や時間に制約があるため実現できないという回答もあった。学校が専門家と協働して子どもの教育に取り組む環境づくりを進め,児童・生徒の税に対する理解と納得感を高める租税教室を続けることが検討課題となりうる。

  • 北島 啓嗣
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 109-112
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    高大連携の一環で高校経済経営研究課題の指導がどういう事になっているのか,また改善するためにはどうしたらいいのか,ということが本稿の課題である。課題研究とか総合学習とか様々な名称のもとに,高校生,生徒が自ら課題を見つけ,それの解決策を見つける,そして論文を作る。地域や企業や自治体に提言するタイプの授業は,多くなってきている。PBL(プロジェクトベースドラーニング)の一環でもある。

     しかし現状では,社会科学,経済経営分野では高校教員はこの運営に悩み,困難さ,特に成果のレベルが低いという問題に直面している。そのレベルが低いという原因は,知識,理論,方法論の3つが,高校の体系の中では不足しているのがその原因である。

     単にフィールドに放り出して学んで来いというのは無茶である。そのため,「調べ学習」に止めるか,論文・提言型を行うのであるなら,自由度を狭め,そして大学との関係を密にするという提言を行う。

  • A consideration on primary education teachers‘moral dilemma for economic education
    高橋 勝也
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 113-120
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    日本の小学校では道徳が教科化され,現在,道徳教育の充実が一層図られている。しかし,社会科で行われる経済教育では,豊かな心を育む道徳教育における目標と相反するようなことを教えなければならないことがある。本稿では,希少性のある資源の配分に注目して,本来,並ばなければ買うことができないモノを,並ばずして(ルールを破るかのように)お金を払うだけで手に入れてしまう行為について,初等教育教員がどのような捉え方をするか,また,そのことを子供たちにどのように教えようとするかを題材に,経済教育の課題とこれからあるべき方向性について論じる。

  • 中学校公民的分野での検証
    梅枝 駿
    原稿種別: 論考
    2020 年 39 巻 39 号 p. 121-127
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    社会的見方を構築するための発問には,いつ・どこで・誰が・何を・どのように・なぜのように様々な種類がある。なかでも「なぜ」という問いは社会事象の因果関係を推理・推測させる機能があり,課題探究型の授業では特に重視される必要がある。これまでの研究では,中学校社会科における「なぜ疑問」の設定条件として意外性・知識既有性・非明示性・検証可能性・予測可能性を提示した。さらに設定条件の構造化を図り,中学校地理的分野においてその有効性について検討した。本稿では,拙稿の『中学校社会科における「なぜ疑問」の設定条件とその構造化』の理論を引用し,中学校公民的分野においても有効であるかについて検証する。

  • 2020 年 39 巻 39 号 p. 129-
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー
  • 地域経済学を通じた認知能力の涵養
    竹田 英司, 井草 剛, 安田 俊一
    原稿種別: 論文
    2020 年 39 巻 39 号 p. 130-142
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,問題解決型学習(Problem-Based Learning)を通じて,学生たちはどのような認知能力(Cognitive Skills)を養うことができたのかを検証することである。筆者らが立ち上げた松山大学経済学部「2018年度愛媛県の経済と課題」では,特定地域の経済的課題に対する問題解決型学習と振り返り支援によって,学生たちに①認知能力,「基礎的な知識・技能」,「専門性・専門知識」,「問題解決力」,「批判的思考力」と非認知能力「主体性」の涵養,②自発的学習の継続,という2つの成果が得られた。また問題解決型学習を通じて,学生たちの認知能力と非認知能力が並行して伸びていることも本研究では明らかとなった。

  • 水野 勝之
    原稿種別: 論文
    2020 年 39 巻 39 号 p. 143-150
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    基礎ミクロ経済学の消費理論を教えるとき,2財のモデルで無差別曲線,予算線,最適消費点,価格-消費曲線,需要曲線の導出を教えていく。だがそれはあくまでも概念的な教え方であり,現実社会に対応していない。学生も論理的には理解するが,それが実際にどのように役立つのかわからない。授業を有効にするためには,授業内容が役立つことを伝えたい。本稿では,2財モデルを用いての具体的な需要曲線の導出を独自の試みで行う。ミクロ経済学が実際に役立つものとして大学生に理解してほしいからである。

  • 髙橋 桂子
    原稿種別: 調査報告
    2020 年 39 巻 39 号 p. 151-154
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    直接金融の比重が以前に増して大きくなっている今日,生活者は預貯金といった間接金融関連の知識だけでなく,株,債券や金融経済全般に関する確かな知識を持つことが求められる。どのような行動特性が直接金融の知識に有意な影響を与えるのか。金融広報中央委員会が実施した「金融リテラシー調査」をベースに,独自調査項目を加えたアンケート調査表を作成し,大学生に調査した。その結果,直接金融に関する知識得点は,毎月の支出金額を把握していると回答するほど,高くなる傾向にあることが確認された。

  • ジェンダー差に着目して
    塙 枝里子
    原稿種別: 調査報告
    2020 年 39 巻 39 号 p. 155-170
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    本研究では,高校生4,308名を対象に,行動経済学的特性に関する質問を含んだ独自調査を実施し,ジェンダー差に着目して検証を行った。分析の結果,高校生の方が成人以上に比べてやや近視眼的な側面があるが,成人以上で明らかになっていた特性が高校生にも一部当てはまること,高偏差値校の男子校の男子と女子校の女子は高偏差値校の共学校の男女と比べて「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきであるか」という質問について賛成と反対に有意差があり,ジェンダー・ステレオタイプであること,高校生の行動経済学的特性は,単純な男女差よりもジェンダー・ステレオタイプか否かが関係していることが明らかになった。

  • 経済的社会化に着目して
    松村 謙一
    原稿種別: 調査報告
    2020 年 39 巻 39 号 p. 171-180
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    平成29年版中学校学習指導要領において「経済についての見方・考え方」がより詳しく明示され,一つの単元で考察,構想,表現をしていく授業が求められるようになった。「教科書で」よりも「教科書を」という考え方で授業を行う社会科教師が多いなかで,教科書の記述内容を分析していくことは,今日の経済教育の現在地を示すものになると考えられる。本研究では,教科書分析を行う上でより詳細な視点を得られることができる,アメリカの経済教育研究・運動団体が示す経済リテラシーをもとに,平成20年版中学校学習指導要領に準拠した現行の教科書を分析し,経済的社会化を目指した経済単元に関わる授業開発の方向性を明らかにしていく。

  • 補習授業校・継承語学校での遠隔講義を踏まえて
    金子 浩一
    原稿種別: 研究ノート
    2020 年 39 巻 39 号 p. 181-186
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
    ジャーナル フリー

    本稿は,比較生産費説に関する模擬取引について,実践に基づく注意点も踏まえて考察する。筆者は補習授業校と継承語学校に対して遠隔講義を行ったが,小学生対象であったため,児童の2人がパンとソーセージを作り,交換しながらホットドックをできるだけ多く作る平易なゲームで実践した。得意なものの生産に特化する結論だけでなく,カードを用いて途中の交換のプロセスが可視化されるようにした。また,高校向けの応用例では,絶対優位の状況下で,両者が完全特化するとは限らないケースがあることにも気づくことができる。さらに,交換比率を一対一以外にすることで,貿易における先進国の途上国への配慮についても考察が可能になる。

  • 新井 明
    原稿種別: 書評
    2020 年 39 巻 39 号 p. 187-188
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
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  • 2020 年 39 巻 39 号 p. 189-
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
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  • 2020 年 39 巻 39 号 p. 190-
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
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  • 2020 年 39 巻 39 号 p. 191-193
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
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  • 2020 年 39 巻 39 号 p. 194-
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
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  • 2020 年 39 巻 39 号 p. 195-201
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
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  • 2020 年 39 巻 39 号 p. 202-
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/11/12
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