日本最大の閉鎖性海域である瀬戸内海に着目し、海洋ごみの削減に向けた大規模な対策(瀬戸内オーシャンズX)が実施される瀬戸内4県では、陸域および海域を対象としてプラスチックに焦点を絞った、エビデンスに基づく対策活動が進められている。ごみの種類全般を捉えて瀬戸内海全体の海洋ごみ収支を明らかにした既往研究の公表から10年以上が経過しており、プラスチックごみに焦点をあてた現状把握と対策が求められている。本研究では、瀬戸内オーシャンズXで実施された中小河川のごみに注目した川のごみの大規模調査および、既往研究を参考に収集したデータをもとに、瀬戸内4県でのプラスチックごみの陸域からの流入量、海域での発生量、回収量の現状バランスを明らかにした。