要旨:近年,建設事業を行う際は環境アセスメントが行われているが,海岸保全施設整備事業においては先行事例が少なく予測手法も確立されているとは言い難い状況にある.そこで本研究では,海生生物の生息・生育状況と物理環境との関連性を,現地調査で得たデータを用いて統計解析により明らかにし,これらの関連性を踏まえて影響予測を行うとともに,今後のモニタリング調査時に着目すべき生物項目の抽出を試みた.
その結果,海岸保全施設整備事業における環境への影響予測手法を具体的なデータを用いて示すことができた.今後,同様の事業を実施する際には,本研究のプロセスを参考とすることで,事業と関係する生物項目を過不足なく抽出することができ,効率的な検討が可能になると考えられる.
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