看護職者が,インスリンを使用していない患者に対して,外来で30分以上かけて個別相談・指導を行っている全国の200床以上の病院179施設を対象に,看護職者による外来での個別相談・指導の実態を,自記式調査票を用いて郵送法により調査した.
281人から回答が得られた.外来での個別相談・指導に従事していた看護職者は,臨床経験が10年以上のものが70.1%で,管理職が28.5%もいたことから,個別相談・指導は,熟練を要する行為であり,相応の臨床経験が必要とされていることがうかがわれた.
看護職による外来での個別相談・指導を実施している施設では,糖尿病診療のための多職種チームの72.1%に看護職者が参画していたことから,看護職者が診療チームの一端を担う重要な存在であることが示唆された.
個別相談・指導にあたる看護職者の活動形態としては,診療の補助業務のかたわらで対応する場合が圧倒的に多く,専門部署の看護職者による個別相談・指導体制はまだ整っていないという現状が明らかになった.
個別相談・指導を実施する場所としては,相談・指導専用ではないながらも個室を利用するケースが多く,患者のプライバシーに留意していることがうかがえた.
糖尿病患者の受診時の対応として,糖尿病診療科の外来患者および糖尿病診療科の入院患者の退院後の受診時には,比較的よく対応されていたが,糖尿病診療科以外の糖尿病患者への接触は少なく,改善を要すると考えられた.
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