本研究の目的は,プリセプターへの支援体制をプリセプタープログラムの分析から明らかにすることである.1980年代後半から1990年代前半の早期に導入している病床数300床以上の総合病院20施設のプログラムを分析し,以下の結果を得た.
1. 教育担当部門による支援は,「プリセプターへの集合研修の企画・実施」がすべての施設で行われていたが,その他の活動をあげている施設は少なかった.
2. 婦長による支援は,実に多岐にわたっており,婦長には多くの役割が期待されていた.
3. スタッフによる支援は,プリセプターエイド中心型(8施設),チームリーダー中心型(4施設),全員参加型(7施設)のおよそ3パターンに類型化され,各施設の特性とプリセプターシップへの考え方等で工夫されていた.
以上のことから,プリセプターへの支援は,婦長1人への過剰な負担と活動の限界が考えられた.そのため,支援体制を充実させるためには,スタッフによる支援を効果的に機能するよう確立していくこと,また,教育担当部門においても研修の企画・実施だけではなく各病棟でのプリセプターシップを支援するような組織的活動を行っていく必要性が示唆された.
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