本稿の目的は,横浜市パートナーシップ推進モデル事業の成果を評価し,成果があがった要因を把握することで,効果的なパートナーシップの推進方策を示唆することである.
まず,事業の成果を,行政の事業担当者と市民へのインタビューの結果,ケーススタディを参考にしながら,事業目的との整合性と,事業参加市民へのアンケートの結果を比較することで,多面的に評価した.また,成果の差の要因を,予算配分の有無などの事実関係を考慮しながら,行政の事業担当者と市民へのインタビューの結果を基に,考察した.
その結果,市民が予算を与えられ,施設でのサービス提供を担ったり,市民提案が政策反映されたりするなど,決定権と責任がより明示的に共有されていた事業ほど,成果があがっていた傾向が示された.一方で,NPO/市民活動が多くの決定権と責任を担うには,それに足る十分な信頼性をいかに構築できるかが,今後の課題として浮かび上がってきた.
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