環境化学
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10 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • Takayuki URATA, Shuzo TOKUMITSU, Ryotaro KIYONO, Masayasu TASAKA
    2000 年10 巻4 号 p. 799-806
    発行日: 2000/12/20
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    To establish a method for removing residual chlorine and trihalomethanes from hot water effectively, an activated carbon column was placed in an electric pot. The variation in concentrations of those compounds was measured by altering the setting position of the activated carbon column and the flow rate of the test solution in the column.
    Activated carbon was found to act as a catalyst of the decomposition of residual chlorine. Removal capability based on decomposition decreased with increase in space velocity, and increased with temperature rise. Although activated carbon serves as adsorbent for the removal of trihalomethanes, the amount of trihalomethanes absorbed in activated carbon was quite small in hot water.
    The efficiency of residual chlorine removal was low when the activated carbon column was placed at the bottom of the pot. To realize a greater efficiency of the removal, a higher flow rate of test solution through the activated carbon column was required. When the column was placed at the outlet of solution circulation pipe, considerable part of residual chlorine was removed. As a consequence of removing residual chlorine the generation of trihalomethanes was prevented. The concentration of trihalomethanes in solution decreased when the solution was kept hot. The lifespan of activated carbon is very long since it acts as catalyst but not as adsorbent.
  • 鄭 境岩, 田中 敏之, 田中 辰明, 小林 靖尚
    2000 年10 巻4 号 p. 807-815
    発行日: 2000/12/20
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    居住用住宅における内装材などから揮散される揮発性有機化合物の挙動を把握するため, つくば地区において1998年夏季に竣工した一般居住用住宅について住宅引き渡し直後から約半年間に渡り, 室内空気中の揮発性有機化合物の発生状況を追跡調査した。各住宅とも引き渡し直後にトルエン, キシレンなどの溶剤系の人工有機化合物や木材起源と思われるα-ピネン, 3-カレンなどが高濃度で存在し, 時間の経過とともに減少していく様子が観測された。室内空気中の各種の揮発性有機化合物の揮散速度の変化と内装材として使用形態やその他の発生原因について個々の物質ごとに考察した。化合物ごとの減少速度の比較では, 沸点の高いキシレンがトルエンよりも速く減少し, 芳香族炭化水素のように同種類に属する化合物でも, 必ずしも沸点及び極性によって, 濃度の減衰速度を順番付けられるものではないことがわかった。
  • 井関 直政, 羽山 伸一, 益永 茂樹, 中西 準子
    2000 年10 巻4 号 p. 817-831
    発行日: 2000/12/20
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    東京湾周辺に生息するカワウ肝臓 (n=16) 中ダイオキシン類 (PCDD/Fs, Co-PCBs) を分析した。PCDD/Fs濃度は平均33, 000pg/gfatであった。すべての試料で2, 3, 7, 8一置換体が約90%を占め, 特に1, 2, 3, 7, 8-PeCDDと2, 3, 4, 7, 8-PeCDFが優占的にみられた。生物蓄積係数 (BMF) は, 2, 3, 7, 8-TCDF (0.82~1.4) から2, 3, 4, 7, 8-PeCDF (130~380) まで魚種や異性体によって大きな差がみられ, またCo-PCBsにおいてもCB77 (5.6~32) からCB169 (320~1900) まで幅広いBMFの値がみられた。これらの蓄積性はLog Kowや分子量, 構造のいずれの比較でも説明できず, 生物特有の代謝が考えられた。WHO-BirdsTEFを用いて求めた総TEQは, 27, 000pgTEQ/g fatであり, その半分をPCDD/Fsの1, 2, 3, 7, S-PeCDD (13%) と2, 3, 4, 7, 8-PeCDF (36%) , Co-PCBsのCB126 (28%) が大きく寄与していた。オランダ産カワウの報告例と比較すると1, 2, 3, 7, 8-PeCDDが高濃度であった。
  • 山下 正純, 脇本 忠明, 中村 裕史, 濱田 典明, 本田 克久
    2000 年10 巻4 号 p. 833-839
    発行日: 2000/12/20
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    本研究では, 人工ゼオライトによる焼却炉排ガス中のダイオキシン類の除去について, 性能耐久性に関する検討および, 人工ゼオライトに捕捉されたダイオキシン類の処理方法について検討した。小型焼却炉を用いた実験では, ガス態PCDD/DFについて, ガス温度150℃, SV値約10, 000h-1において, 除去率 (TEQ換算値) は運転初期で98.7%, 運転300hr後で91.8%であった。同族体別に見た場合, 低塩素側のPCDD/DFから破過が起きやすいことが確認された。300~350℃の窒素気流下において1hrの加熱処理により, すべての同族体において使用済み人工ゼオライト中PCDD/DFの99%前後が減少されることを確認できた。
  • 清家 伸康, 山下 正純, 大内 宗城, 宮本 伊織, 本田 克久
    2000 年10 巻4 号 p. 841-848
    発行日: 2000/12/20
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    沈降速度が速くかつろ過速度が速い凝集剤および捕集材を用い, 環境水中のダイオキシン分析に適用するための検討を行った。添加回収試験では良好な回収率が得られ, 界面活性剤が存在する状況でも回収率には影響がなかった。また固相吸着法として主に用いられているODS法と本凝集法を実際の河川水を分析することで比較すると, 凝集法は同様或いはそれ以上の結果が得られた。また本法の通水速度は1l/minであり, 通水時間の短縮が可能となった。これらのことから本法は, 環境水中のダイオキシン類分析として十分に適用可能であることが示された。
  • 中牟田 啓子, 福嶋 かおる, 松原 英隆, 神野 健二
    2000 年10 巻4 号 p. 849-855
    発行日: 2000/12/20
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    土壌ガス中のVOC分析法として, 炭素樹脂吸着管に土壌ガスを捕集したのち熱脱離し, GC/MSで分析する方法 (樹脂吸着法) について検討を行った。その結果, 従来より用いられているヘキサン固定法や検知管法の1000倍以上の高感度で, 多成分が同時に測定できることがわかった。この方法を用いてPCEによる地下水汚染現場で土壌ガス調査を行ったところ, 検知管では不検出の地点においても土壌ガス中のPCEを測定することができた。また, 未知の汚染源調査の目的で, 2kmメッシュで一般環境土壌のガス調査を行ったところ, 1, 1, 1-トリクロロエタンとTCEについて, 数地点で, 周辺大気より高濃度のVOCを検出した。これらの地点での, 汚染の可能性が推察された。
  • 浦田 隆行, 徳満 修三, 清野 竜太郎, 田坂 雅保
    2000 年10 巻4 号 p. 857-865
    発行日: 2000/12/20
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    液相と平衡にある気相のトリハロメタンの濃度は温度の上昇とともに増大する。さらに, 河川水を原水とした水道水中のトリハロメタンの主成分であるCHCl3は90℃においては液相よりも気相での濃度が高くなった。
    湯沸かし器で加熱水中に空気を吹き込み, 気相と液相の接触面積を増加させると, トリハロメタンは液相から気相に速く移動した。トリハロメタンを効果的に除去するためには, トリハロメタンを含む気体を装置外へ排出することが必要である。
    使用初期の活性炭は, 加熱水中でトリハロメタンを吸着した。細孔径が広く分布している活性炭は, 吸着したトリハロメタンを完全には脱離できないが, 細孔径が1.4nm程度の分布の狭い活性炭は, 100℃程度でも吸着したトリハロメタンをほぼ100%脱離することができた。したがって, トリハロメタンの除去のために, 分布の狭い活性炭は長い寿命をもっていた。
    2-メチルイソボルネオールは加熱水中でも活性炭に吸着され, 100pg/l程度の濃度であれば, 活性炭はその吸着性能を長期間維持した。
  • Shin-ichi HIRAYAMA, Kunio NAGASHIMA, Nobuo NAKANO
    2000 年10 巻4 号 p. 867-871
    発行日: 2000/12/20
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    A porous cellulose tape impregnated with a processing solution that includes N, N-Diethyl-p-phenylenediamine (DPD) sulfate, glycerin and methanol was developed for the detection of chlorine gas in air. When the sample is passed through the tape, chlorine reacts with DPD to form a red stain. The intensity of the red stain is proportional to the concentration of chlorine at a constant sampling time and flow rate, and was recorded by measuring the intensity of reflected light (555 nm) . The detection limit was 0.03 ppm of chlorine with a sampling time of 60 s and a flow rate of 200 ml min-1. The sensitivity of the tape could be maintained for at least 1 month when stored in dark clean box.
    Reproducibility tests showed that the relative standard deviations of the response (n=10) was 2.5 % for 0.1ppm of chlorine gas. No interference was observed from ethanol (1 vol.%), acetone (1 vol.%), trichloroethylene (1 vol.%), carbon monoxide (100 ppm), hydrogen sulfide (30 ppm), sulfur dioxide (51 ppm) or ozone (2 ppm) .
    The relative intensities of nitrogen dioxide and fluorine gas were 25 and 13 % of that of chlorine, respectively.
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