東レグループ(以下,東レと略)では,2002年以降,自前主義からの脱却を研究・開発方針に掲げ社外連携を進めている.特に最近は,「オープンイノベーションの推進」を主要課題に掲げ,重点的に取り組んでいる.その主な理由は研究・開発活動を強化することにあり,具体的には,より短期間,より低コストで,より高度な技術や商品を開発することにある.東レのオープンイノベーションへの取り組みは,1)技術研究組合やナショプロを活用した技術の育成・獲得,2)オープンイノベーション拠点によるサプライチェーン一体となった製品開発,3)グローバル拠点を活用した情報収集や連携,4)社外技術導入支援型プログラムを活用した技術の獲得,等からなる.本稿では,これらについて具体例,成果,課題,展望についてまとめる.
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