わが国では,バイオマス利活用推進を目的とした「バイオマス・ニッポン総合戦略」が策定されているが,十分な利活用がなされていないのが現状である。本研究では,バイオマスタウン構想が実施されている福岡県大木町,宮崎県小林市,大分県日田市のバイオマス施設へのヒアリング調査を行い,物質,経済,環境の視点から循環システムの評価を行った。さらに,北九州市若松区を循環モデル地区とし,都市部におけるバイオマス利活用の可能性を考察した。
3市町の循環システム運営による年間CO
2削減量は,大木町3.1ton,小林市529.2ton,日田市181.2tonであった。循環システム評価により,堆肥の利活用が可能であるという条件の下で家畜排泄物を堆肥化する循環システムが高効率であるということが明らかになった。
若松区循環モデル地区におけるCO
2削減量は311tonであった。賦存するバイオマスが生ごみ中心である都市部においても,環境負荷削減が可能であるということが明らかになった。
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