廃棄物資源循環学会論文誌
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21 巻, 4 号
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論文
  • 金子 栄廣, 森川 正, 三木 健嗣, 平山 けい子, 平山 公明
    2010 年 21 巻 4 号 p. 143-148
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/09/16
    ジャーナル フリー
    生ごみ処理機まで生ごみを運搬して投入する際の手間や衛生面の問題を解決する方法のひとつとして,生分解性プラスチック製の袋を生ごみの容器に用い,これを生ごみとともに処理機に投入する方法が考えられる。しかし,この方法が有効であるためには,生ごみとともに投入される生分解性プラスチックが生ごみと同様に速やかに分解されることが必要である。本研究では,モデル実験としてデンプンを共存基質とするコンポスト化材料中で,PBSAとデンプンを主成分とする生分解性プラスチックフィルムがどのような分解挙動を示すかを調べた。その結果,生分解性プラスチックの速やかな分解には,十分な細菌が存在することに加え,共存基質が少ないことが必要であることが明らかとなった。
  • 熱田 洋一, 多田 遊, 藤江 幸一, 大門 裕之
    2010 年 21 巻 4 号 p. 149-154
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/09/16
    ジャーナル フリー
    食品リサイクル法で求められているように,食品系廃棄物等の有機循環資源の有効利用法の開発が進められている。特に,飼料化は国内原料自給率の向上にも寄与するため,優先されるべき技術である。中でも,従来の飼料に比べ,様々な利点を有している液状飼料化が注目されている。しかし,これまでの液状飼料化技術の原料は,食品工場等から廃棄される一部の食品副産物に限られていた。本研究では,高い加水分解能力を有する水熱反応を用いて,従来の方法では利用が困難であった有機循環資源の液状化について検討した。反応条件は,温度180~200℃および反応時間720分以下である。その結果,飼料価値の高いタンパク質を多く含む有機循環資源は,短時間で液状化できることが示された。特に,羽毛のタンパク質は,反応温度200℃および反応時間30分で,そのほとんどが分子量1,000Da以下のペプチドにまで分解されていた。また,羽毛の飼料において,その価値を評価するために重要な指標であるタンパク質の可消化率は,およそ96%と高い値を示した。
  • 山内 正仁, 小村 洋美, 山田 真義, 大六野 洋, 長野 京子, 内田 一平
    2010 年 21 巻 4 号 p. 155-164
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/09/16
    ジャーナル フリー
    これまでに焼酎粕培地でエリンギ,ヒラタケの栽培試験を実施し,従来品より高付加価値なキノコを高収量かつ低コスト生産可能であることを明らかにした。しかしながら,焼酎粕培地でキノコを量産化するにあたり,培地水分率が高くなるにつれて培地の粘性が強まり,従来の瓶詰め装置での培地材料の充填が困難であるという工業的課題が残された。また,焼酎粕の地域資源循環システムを構築するためには,焼酎粕廃培地の利用法を検討する必要があった。本研究では,まず,蒸気 (水分) 注入穴あけ装置を開発し,従来の瓶詰め装置と組み合わせることで工業的課題を解決した。次に廃培地を利用した発酵混合飼料を調製し,緬羊による消化・採食試験を実施した。廃培地使用区では対照区と比較して消化率はやや低いが,可消化養分総量,乾物摂取量については有意差が認められなかったことから,廃培地を5~10%混合した発酵混合飼料を家畜に給与することが可能であることがわかった。
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