家電リサイクル法の施行により,使用済み家電4品目に再商品化処理が義務づけられ,その再商品化率の向上には,プラスチックのマテリアルリサイクルは重要な技術である。使用済み家電混合プラスチック (混合プラスチック) から選別回収したポリプロピレン (PP) は,純度99.8%以上で新材相当の機械的物性を有し,さらに金属不活性剤を添加することで新材相当の長期耐熱性を得られることから,家電製品への適用を進めてきた。
本稿では,混合プラスチックから選別回収したアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体 (ABS) およびポリスチレン (PS) の機械的物性および長期耐熱性を評価した。リサイクルABSおよびPSは,新材に比べて高い長期耐熱性を示し,80℃で6,800時間までは分子鎖が切断するほどの劣化に至っていないことを確認した。よって,リサイクルABSおよびPSは,家電製品に適用可能な材料であることを確認できた。
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