廃棄物資源循環学会論文誌
Online ISSN : 1883-5899
Print ISSN : 1883-5856
ISSN-L : 1883-5856
24 巻, 6 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
論文
  • 高田 光康, 山本 周作, 西岡 良太, 竹峰 秀祐, 田中 周平, 藤井 滋穂, 渡辺 信久
    2013 年 24 巻 6 号 p. 105-112
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/17
    [早期公開] 公開日: 2013/11/26
    ジャーナル フリー
    最終処分場余水中の有機フッ素化合物(PFCs) が吸着した活性炭を,空気気流中で熱処理した後,酸素気流中で燃焼分解させ,ガス吸収液に捕集される無機フッ素(F) を調べた。空気気流中では,熱処理温度600℃までは温度上昇とともにFの捕集量は増加したが,熱処理温度700℃以上では燃焼分解と合わせた総捕集量が低下した。この理由は,活性炭表面の炭酸カルシウム等のアルカリ成分が熱処理温度の上昇に伴い活性化し,Fを固相に保持するためであると考え,活性炭を精製水もしくは希硫酸で洗浄した後,Fを計測する実験を実施した。その結果,精製水洗浄ではF回収量は熱処理温度の上昇に伴い低下したが,希硫酸洗浄では500~800℃の熱処理で変化はなく106~114 μg g−1であった。この量は活性炭に捕集された総PFCsと見なされ,同地点での採取試料で定量された同定可能なPFCsの濃度5~14 μg g−1の約10倍となった。
  • ――デンマーク,スイスの制度を対象に――
    田崎 智宏, 浅利 美鈴
    2013 年 24 巻 6 号 p. 113-124
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/17
    [早期公開] 公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
    本研究では,デンマークとスイスの使用済み小形電池の回収・リサイクル制度を調査した。リサイクル制度の基本要素として物質フロー,金銭フロー,情報フローに着目し,文献・ヒアリング調査により,これらの3つのフローが関係主体間でどのように,どれだけやりとりされているかを記述して特徴整理を行った。さらに,日本の制度との比較を行った。その結果,日本では二次電池のみが対象だがこれらの国では一次電池も含めた拡大生産者責任に基づく回収が行われていること,電池の価格に回収費用が内部化されていること,回収における自治体の役割が大きいこと,自治体が回収に要した費用は生産者によって充当され回収インセンティブがあることなどの特徴を把握することができた。この知見に基づき,日本での回収・リサイクルを促進するうえで有効となりうる制度上の7つの要点を指摘した。
  • 内田 遼, 窪田 光宏, 松田 仁樹, 植村 伸幸
    2013 年 24 巻 6 号 p. 125-132
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/17
    [早期公開] 公開日: 2013/11/26
    ジャーナル フリー
    4種の医薬品 (Sulfamethoxazole(SMX),Trimethoprim(TMP),Theophylline(TPL),Cyclophosphamide(CPA)) 水溶液 (初期濃度100mg/L) について,常圧N2下,303~348Kで過硫酸 120mol当量) による酸化分解実験を行った。 その結果,これらの医薬品は過硫酸により低温度で効率的に分解がなされた。333Kでの分解速度はCPA>SMX>TPL>TMPであり,特にCPAの分解速度は著しく大きかった。また,333KでCPAの完全無機化には約90min, TMP, SMXには400min以上が必要であった。一方,TPLの無機化率は400min以降でも約0.9に留まった。SMXの分解では333Kから348Kの温度上昇によって,400min後の無機化率は約0.9から0.98に増大した。このとき,含有炭素はほぼすべてCO2に変換された。
  • 嶋津 治希, 東山 浩士, 岩崎 光伸, 加来 孟, 馬場 一輝, 福 秀平
    2013 年 24 巻 6 号 p. 133-141
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/17
    [早期公開] 公開日: 2013/11/26
    ジャーナル フリー
    セメント,高炉スラグ微粉末,廃碍子微粉末からセメントペースト試験体を作成し,その圧縮強度,耐酸性について調査した。セメント:高炉スラグ:碍子の質量配合比が18種類の試験体で圧縮強度試験を実施し,防食被覆層に用いる耐硫酸モルタルの品質規格の圧縮強度基準を2配合比のみが下回った。碍子比をあげると圧縮強度が下がるが,本研究の結果から圧縮強度基準を上回る試験体を作成しようとする場合,碍子は40%程度まで添加可能と推定された。さまざまな配合比の試験体を5%硫酸,10%硫酸,人工酸性下水に浸漬する実験を行った。浸漬期間,硫酸濃度,気温も合わせて,反応層形成に寄与するかを調べ,碍子,高炉スラグ,気温,浸漬期間,硫酸濃度が影響因子であることを確認した。また,碍子は反応層の膨張を抑制することを明らかにし,セメントペーストを酸性環境で使用しても耐久性を向上させる可能性を示した。
feedback
Top