著者は農家の日常作業による疲勞の消長を知るために茨城縣一農村の農家10戸の男子11名女子9名計20名を對象としてドナジオ反應 (DR) の動的観察を用いてこれを周年に亘つて測定してきたのであるが, 本報においては秋の農繁期 (昭和26年9月10月11月) におけるDR値の攣動の状況を農作業と比較的對照しつつみてきた、その結果當期間におけるDR値の攣動からみて著しい特長は第5報における冬期の大農腹期から春期農繁期への移行が急激なのに反し, 本報における夏期の小農閑期より秋期農繁期への移行が緩漫なこと, ならびに當測定期間におけるDR値の攣動が春期農繁期におけるそれに比較して “比較的” 高値かつ分散の程度にとどまつたことであつた。また女子のDR値の平均値が男子のそれに比較して9月には概して高く10月11月にはこれと逆であつたことから秋期農繁期における女子の仕事の特殊性について考察を試みた。
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