ストーマ造設後の合併症であるparastomal herniaと肥満の関連について検討した。1993年以来、直腸癌で単孔式S状結腸ストーマを造設した25例を対象とした。肥満の判定はBMI値が24以上を肥満傾向ありとして検討した。結果として4例(16%)にparastomal herniaがみられた。この4例のBMI値の平均は25.64、他の21例のBMI値は21.45で、前者は肥満傾向が明らかで、有意差を認めた。また、BMI値が24を越えた6例では3例にparastomal herniaが発症した。
stoma-site-markingにおける“腹部の頂点で患者が見やすい位置”は腹圧がかかりやすい位置でもあるため、肥満傾向、あるいは術後体重増加が見込まれる患者では造設予定部位よりやや高めの位置にmarkingを行う工夫が必要と思われた。
抄録全体を表示