ストーマ粘膜皮膚縫合部の離開を生じると、排泄物が創部へ浸入して創管理に難渋する。また、治癒した後もストーマ狭窄や変形をきたすためストーマ管理が困難となる。従って、ストーマ縫合部のトラブルを回避する術直後管理と、トラブルが発生した場合は早期に治癒させる必要がある。
今回我々は、ストーマ粘膜皮膚縫合部に発生した開放創に、ヒトbFGF製剤(塩基性線維芽細胞増殖因子)を使用し、肉芽形成に良好な効果が得られた症例を経験した。しかし、過剰肉芽となり創閉鎖まで長期間要した。ヒトbFGF製剤は、本例のような創管理困難例において新たな治療手段になると期待されているが、その使用法については今後の検討課題である。
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