局所麻酔術後縫合創の処置は,抜糸まで患者に自己処置を指導する場合も多いが,手技の煩雑さや,慣れない処置への不安感などの問題点がある。局所麻酔手術を施行した21例に Mepirex® Border Post-Op を使用した。患者には抜糸までは処置なしとし,抜糸時の来院を指示した。抜糸来院時に,創縁の皮膚障害や感染,出血,創離開などの合併症の有無を確認し,密着性や貼付感,皮膚のかゆみ,剝離時の痛みにつき聞き取りした。3例は密着不良にて剝がれてしまい,1例は術後出血により貼り替えを要した。ほかの17例は抜糸まで剝がれず経過した。皮膚障害や感染,創離開は認めなかった。密着性や貼付感はおおむね良好で,皮膚のかゆみや剝離時の痛みなどの訴えは全例において認めなかった。本製品は,皮膚に優しい貼付材により,スキントラブルが少なく,吸収力と保水力が高く,患者のQOL向上が期待できる術後縫合創用被覆材と考えられた。
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