創傷
Online ISSN : 1884-880X
ISSN-L : 1884-880X
4 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
特集 ケロイドにおける電子線治療の有用性と適応
  • 栗林 茂彦, 宮下 次廣, 小澤 由季子, 黒川 茉梨絵, 秋本 裕義, 小川 令 , 赤石諭史 , 土肥輝之 , 百束 比古, 汲田 伸一 ...
    2013 年 4 巻 4 号 p. 191-195
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/01
    ジャーナル フリー
      ケロイドの術後照射には現在電子線が多く用いられているが,細長い手術創や強い曲面に存在する手術創には均一な照射線量を投与することが困難で,照射野辺縁は線量不足となることがある。当院では年々ケロイドの術後照射の対象者が増加しており,それに伴い以前よりも広域かつ複雑な形状を呈する手術創を対象とすることが増え,電子線照射(ERT)では対応が困難なケースが増加している。そこでわれわれは電子線治療では再発の懸念される部位に対して,2008年4月より高線量率小線源治療装置による表在照射(superficial brachytherapy, SBT)を開始した。今回,その治療成績および急性毒性について,当院で施行したERTの成績と比較・検討した。
原著
  • 鳥山 和宏, 八木 俊路朗, 高成 啓介, 小野 昌史, 筑紫 聡, 西田 佳弘, 亀井 譲
    2013 年 4 巻 4 号 p. 196-202
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/01
    ジャーナル フリー
      膝周囲の原発性骨悪性腫瘍切除後の再建では,一般に広範切除後に人工関節置換されるため,血流のよい組織での十分な被覆が必要となる。また,脛骨近位部の腫瘍では膝蓋靭帯が切除されるために,膝伸展機構の再建が必要となる。われわれは以前より腓腹筋弁を用いて人工関節を被覆し,膝蓋骨と下腿筋膜の連続性を再建してきた。今回,腓腹筋弁による再建11例の合併症,術後機能,追加手術について検討したので報告する。
      手術は広範切除後に腫瘍用人工関節または加温処理骨で置換して腓腹筋弁で被覆した。膝蓋靭帯が広範囲に切除された4例に対して腓腹筋弁と腸脛靭帯で膝伸展機構を再建した。
      腓腹筋弁は全例で生着した。4例において感染を認めたが,デブリードマンと人工関節の部品交換と腓腹筋弁の再利用で感染を沈静化できた。術後膝関節機能は,9例で良好であったが,感染した2例で不良であった。
      腓腹筋弁は膝周囲の骨悪性腫瘍切除後の再建に有用と考えられた。
  • 井田 夕紀子, 松村 一, 権東 容秀, 渡辺 克益
    2013 年 4 巻 4 号 p. 203-206
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/01
    ジャーナル フリー
      虚血肢大切断においては,心血管障害や脳循環障害を合併しているハイリスク症例が多く,麻酔方法の選択に関して制約が多い。今回,局所麻酔単独,あるいは局所麻酔と軽度鎮静を併用して下肢大切断を施行した症例に関し,その有用性を検討した。過去4年間における13例,13肢で,大腿部切断6例,膝部切断1例,下腿部切断6例であった。局所麻酔薬は0.5 ~1%キシロカイン(エピレナミン含有)® を用い,リドカイン塩酸塩として平均使用量は233mgであった。13例中7例でミダゾラム,プロポフォールを併用した。全例で合併症を認めず,術中術後と呼吸循環動態が安定していた。局所麻酔単独あるいは軽度鎮静を併用する方法は,ハイリスク症例で下肢大切断を行う場合の麻酔方法の一選択にあげられると考えられた。
速報
症例報告
feedback
Top