創傷
Online ISSN : 1884-880X
ISSN-L : 1884-880X
3 巻, 1 号
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原著
  • 鳥山 和宏, 亀井 譲, 八木 俊路朗, 蛯沢 克己, 佐藤 秀吉, 小野 昌史, 神戸 未来
    2012 年3 巻1 号 p. 1-7
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/01/01
    ジャーナル フリー
    感染創の基礎的研究を行うには,簡便で一定期間持続する感染創モデルが必要である。単純に黄色ブドウ球菌を液体培地に混濁して皮下に局所注射するだけでは,3日間で感染が消退してしまう。そこで,この培地にさらに寒天を添加して半流動培地として皮下に局所注射を行い,良好な結果を得たので報告する。
    半流動培地に黄色ブドウ球菌 (5 × 108 colony formation unit/ml) を混入すると,寒天が適度なバリアとなり,この中で移植後 3 日までに細菌のコロニーが形成された。移植後 5 日ではコロニー数が増加すると同時に膿瘍が形成され,移植する細菌数を増加するとこの膿瘍の大きさが細菌数依存性に増大した。また,腹部,背部,頭部のいずれも感染創ができ,術後 9 日目まで感染が持続した。以上より,本モデルは細菌を混入した液体培地に寒天を混合し半流動培地とするというきわめて簡便な方法で 1 週間以上感染が持続でき,有用と考えられた。
  • 矢部 哲司
    2012 年3 巻1 号 p. 8-12
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/01/01
    ジャーナル フリー
    陥入爪の治療にはさまざまな方法が報告されている。手術治療の目的は確実に爪母を除去することであり,低侵襲が望まれる。今回,顕微鏡下に低侵襲に爪母を切除する方法を考案したので,報告する。117症例,132趾,181部位に本法を施行した。再発や爪棘形成は認めず,約 2 週間で創は治癒した。本法は従来の手術法と比べ低侵襲なため,ダウンタイムは短縮し,術後の疼痛も軽減した。陥入爪の治療法の1つとして有用と思われる。
  • 綾部 忍, 吉本 聖, 永松 正代
    2012 年3 巻1 号 p. 13-18
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/01/01
    ジャーナル フリー
    重症下肢虚血 (Critical Limb Ischemia : 以下CLI) は末梢動脈病変の最も重症化したものである。CLIは死亡率・切断率ともに高く,すみやかな治療が必要とされる。血行再建法としてバイパス術や経皮的血管形成術 (Percutaneous Transluminal Angioplasty : 以下PTA) などが一般的に行われている。しかし,CLIに対する最適な血行再建法に関して明確な基準はなく,判断に迷うことが少なくない。また,ほとんどの症例でなんらかの合併症を有し,透析患者も多く,他科医師・コメディカルとの協力の下でのチーム医療が必要とされる。そのような経緯で,当院では2009年に形成外科が中心となり創傷治療センターを開設した。チームでアルゴリズムを共有することにより円滑に治療を進めることができた。
症例報告
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