創傷
Online ISSN : 1884-880X
ISSN-L : 1884-880X
8 巻, 4 号
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原著
  • 松本 紘子, 松末 武雄, 益岡 弘
    2017 年8 巻4 号 p. 132-136
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー
     足背部における皮弁採取部に人工真皮を貼付後,二期的に分層植皮を行った 7 名 8 例の合併症について調査した。皮弁採取から植皮までの期間は平均 36.25 日,疼痛,不快感,晩期潰瘍形成を生じた症例を 1 例認めた。これまでの報告では,足背部から皮弁採取すると,植皮後も疼痛や潰瘍形成などの合併症が生じやすいとされている。ただし,これらの多くは一期的に分層植皮をされているか,二期的に分層植皮を行っていても植皮までの待機期間が 2 ~ 3 週間であり,われわれの症例よりも短い。自験例で合併症を生じた 1 例は,植皮までの待機日数が 8 例中最も短く,他の 7 症例に比べて植皮時の肉芽形成が不十分であった可能性が高い。一方,待機期間を長くとった症例は合併症を生じていないため,足背の皮弁採取部は人工真皮を貼付し,時間を要しても厚い肉芽で覆われるまで局所処置を継続してから二期的に分層植皮を行うことで,合併症を最小限にできると考えられた。
  • 落合 美奈, 櫻井 由妃子, 栗原 里美, 加藤 友紀
    2017 年8 巻4 号 p. 137-142
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー
     脊髄損傷患者の多くは,車椅子を使用し活動性の高い生活を送っているにもかかわらず,知覚麻痺を有するため褥瘡が重症化しやすく,再発を繰り返す例が多い。褥瘡治療には,患者それぞれの褥瘡発生要因を明確化していくことが重要であるが,具体的な方法や指導内容などの報告は少なく,その方法に苦慮することが多い。
     当院では,データーベースに沿って患者の詳細な生活状況を問診し,そこから患者の問題点を抽出し,指導を行っている。指導を行うことで,再発防止につながり良好な結果を得ている。また,時間はかかるが閉鎖術を行わずとも治癒する場合もある。当院で行っている生活環境整備,生活習慣指導について,閉鎖術を行わずに治癒した症例を例にあげて報告する。
症例報告
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