1.DIG標識cDNAプローブを用いたCSVdの検出を試みた。RT-PCRで増幅したCSVdをクローニングし,これを鋳型にPCRでDIG標識プローブを作製した。ナイロンメンブレンにキク葉から抽出したRNAを変性して吸着し,DIG標識プローブとハイブリダイゼーションし,抗DIG抗体を用いて,メンブレン上で免疫学的方法で検出した。CSVd罹病株からは陽性の紫色のスポットが検出できたが健全株からはスポットの検出はなかった。
2.CSVd罹病キク葉0,05gから抽出した核酸20μlの2μlを変性し,その1/16を使用するだけで検出することができた。また,抽出RNAを1,000倍に希釈しても紫色のスポットを検出することができた。
3.CSVdの検出方法として,ドットプロットハイブリゼーション法を生物検定法,RT-PCR法と比較した。検定の精度は,RT-PCR法とほぼ同程度で,生物検定法と同程度かそれより優れていた。検定操作は生物検定が最も簡単であるが,100%の成功率は難しい。ドットプロットハイブリダイゼーションは,RT-PCR法よりも操作が簡単であった。検定時間は,ドットプロットハイブリダイゼーション法が最も短時間で,一度に扱える試料数も多かった。
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