ペトロケミカルスは本邦合成繊維, 合成樹脂などの新興高分子工業の主要原料となる可能性は極めて強い。
燃料としての石油は輸入が大部分で國産は極めて少ないから, 石油化学を取り上げた場合には, 原油がないからといって原料石油は輸入にまたなければならないというのが一般の通念である。しかし, ペトケミに使う使用料は全般の石油の消費量のたかだか数%にしか当らないのであるから, ペトロケミカルの基盤を確立する意味においても, 國内原油と天然ガスを一應考慮することは極めて大事な問題であろう。今般通産省鉱山局長川上爲治氏をわずらわして本稿を得た所以である。 (荒井溪吉)
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