高分子
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19 巻, 11 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 大北 熊一
    1970 年 19 巻 11 号 p. 935
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
  • 英 一太
    1970 年 19 巻 11 号 p. 936-942
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    半導体工業の進展によって生まれた熱硬化性樹脂の新しい用途として,ICを始めとする半導体部品の樹脂封止がある.熱硬化性樹脂の特殊用途として,半導体の生産量の急増に対応して,その需要は急上昇しつつある.従来は金属やガラスで気密封止されていたものが,封止用樹脂の改質,封止技術の進歩によって封止効果が改良されたことと,半導体のコストダウンには樹脂封止に移行せざるをえないためである.しかし,封止用樹脂材料や封止後の樹脂の特性はきわめてきびしい特性が要求される.それは封止される半導体部品が湿気やイオン性の不純物にきわめて敏感なことと,成形圧力が高いと部品がこわれるためにほかならないが,樹脂の選定や成形技術に細心の注意を要するところである.これらの特殊性を考慮しながら,封止用樹脂(保護コーティング用樹脂および封入成形樹脂),樹脂封止の成形法,今後の動向について展望した.
  • 大井 龍夫
    1970 年 19 巻 11 号 p. 943-950
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    タンパク質は生命現象を研究するうえでの要石的存在であるが,近年科学技術の進歩によってその分子構造,複雑な立体構造までわかってきた.この巨大分子が,タンパク質によってきめられたアミノ酸配列順序に従って生合成された後いつしか独特の機能をもつ立体構造をとるのは,いくつかの試験管内実験結果から,熱力学的に安定な方向にすすむからと推定されている.一方合成ポリペプチド鎖は棒状のα-ヘリックスとなることがわかっているが,これもまた高分子のもつ自由エネルギーの大小に関係した問題として取り扱えるのである.そこでタンパク質や合成ポリペプチド鎖のコンフォメーションと, 自由エネルギーの一部である構成原子間の相互作用エネルギーとの関係を現在わかっている段階まで記述し,この方向の研究の状況を読者に紹介したいと思う.
  • 山本 博利
    1970 年 19 巻 11 号 p. 951-959
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    一つの材料に他の材料を添加し, これを均一に分散させる努力は数千年の昔から続けられている.プラスチック工業においては,プロセスとしての混合が重要であり,これについての技術的努力もたいへんなものである.すなわち,プラスチック工業には溶融した主原料ポリマー内に分散しにくい配合剤を均一に分散させるなどその理論的解析に困難を来す特有な複雑さがある.また一方石油化学工業における装置の急速な大型化に伴い,これら主原料の混合およびペレタイジング装置も大型化,自動化の一途をたどっている.すなわち,連続混合プロセスの採用である.しかるに他方一定の製品を長期にわたって生産する場合は少なく,その切替えが問題となる.現状においては,バッチプロセスと連続プロセスの組合せが一般的であるが,将来はそれぞれの混合操作に合わせた特殊なミキサーが開発されることであろう.
  • 関 集三
    1970 年 19 巻 11 号 p. 960-964
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
  • 三好 宏
    1970 年 19 巻 11 号 p. 966-970
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    何万tも使用されるプラスチックをコントロールしうるものの一つは副資材である.1/100-1/1,000のオーダーでプラスチックの生産性を上げ,欠点を改善し,美観を与える.マンモスをムチ一つで制御する,調教師の役目のような醍醐味がある.しかしながら副資材として使用されている裏には,おそらく天文学的な数の組合せが試みられ,そのほとんどは捨て去られてきたであろう.ポリ塩化ビニル,ポリオレフィン,ポリスチレンの3大樹脂の発展,エンジニアリングプラスチックの著しい進歩は副資材の必要性をますます大きいものにしている.副資材の相対的な評価,理論面の発展が今後のプラスチックの用途拡大に大きく寄与するものと考えられる.
  • 阿部 嘉長
    1970 年 19 巻 11 号 p. 971-983
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    PVC用安定剤を液状,粉末状に分け,その特徴を表示し,それに基き,軟質および硬質用途への適性を表示した.さらに具体的に,各種加工法,用途別に実際の配合例とそれに用いられる市販の代表的安定剤とを一覧表にまとめた.したがって現在用いられるPVC用安定剤の傾向は察知できるものと思う.次いで最近の動向を,最近数年間の内外文献および日本特許から,安定剤の種類別に取まとめ記述した.
  • 垣谷 晴昭
    1970 年 19 巻 11 号 p. 984-991
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    PVC用可塑剤の種類は数百種にものぼり,その生産量も30万tにも達している.PVCに可塑剤を添加して柔らかくするということは,古くから工業的に実施され,また多くの研究もなされているが,可塑剤の作用機構については不明な点が多い.しかしながら,多くの実験的データの積み重ねによって,しだいに明らかにされつつある.本稿は,これらのデータを基にして,まず可塑剤の基本的性質について考え次いで,可塑剤の性能と可塑剤の特性値との関係を整理してみた.可塑化効率,低温特性,移行性,揮発性といった可塑化PVCにとって重要な性質が,可塑剤自身の粘度,流動活性化エネルギー,誘電率,拡散定数などと関連づけることができる.また,可塑剤の分類を通して,可塑剤とは何かといった問題を考え,新たな性能を有する可塑剤の出現が期待されている実情を明らかにしようとした.
  • 本吉 正信
    1970 年 19 巻 11 号 p. 992-998
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    滑剤は成形加工を容易にするために熱硬化性,熱可塑性のいずれを問わず,ほとんどの場合に使用されている添加剤である.その滑性機構,ポリマーとその他の添加剤との交互作用については,あまり研究されていない.しかしZismanの研究以来,プラスチックの表面性に及ぼす影響が重視され,成形品のきびしい外観性の要求とともに新しい角度からの検討が必要であるとの認識がたかまってきた.硬質PVCは低価格のエンジニアリングプラスチックで,透明,難燃,安価などの独特の有用な性質をもっているが,流動性が悪く押出し,射出,カレンダリングなどの成形加工がむづかしい.しかし安定剤と滑剤とのたくみな活用により,最近長足の進歩を遂げた.本交はこのように流動しにくく分解しやすい硬質PVCを例にとり,どのように改良し易加工性にしていったか,特に流動と滑性の点からまとめたものである.
  • 常次 喜四郎
    1970 年 19 巻 11 号 p. 999-1005
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    合成樹脂の品質面,生産面,用途面における発展は著しく多岐にわたってきた.これらに使用されている着色剤はプラスチック製品の商品価値を決めるうえにおいて大きな要素を占めている.プラスチック着色剤には染料と顔料があるが,適性上顔料が大部分使用されている.合成樹脂の著しい進歩に伴って顔料に対する要求は色,着色力,分散性などをはじめとして光,熱,溶媒などに対する堅ろう度などの面において,より高度になってきた.したがってこれらの要求にこたえるため顔料技術者はたえず研究を続けている.その一端を最近の文献を通じて紹介することにする.
  • 林 寿雄
    1970 年 19 巻 11 号 p. 1006-1012
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    プラスチック難燃化の方向を日米における主要な応用面より説いて,特にアメリカにおける難燃プラスチックの法的規制の動きを, 自動車, テレビ, 航空機,その他について概説し,その動向のわが国の各業界に及ぼす影響を述べた.次には個々の難燃剤を,化学成分から,使用工程上から,ならびに難燃メカニズムからの分類を試みた.主な難燃成分については,その効果の比較を行なってみたのである.さらに,主要な難燃プラスチックである塩化ビニル,ポリオレフィン,ステレニックス,発泡ウレタン,およびポリエステルについては,現在行なわれている難燃化の実際にふれることとした.最後に, アメリカにおいて,火と煙の災害防止の立場から試みられている新動向についても,一二の例を引いてこれを概説した.
  • 丸茂 秀雄
    1970 年 19 巻 11 号 p. 1013-1020
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    静電気は2500年以上も昔から知られているにもかかわらず,今日でもなお発生の機構は漠然としている.合成高分子が発展するにつれて,静電気は障害として,われわれの日常生活の中まで入ってきている.帯電防止剤は20年前にも繊維工業において製造,加工の面で使用されていた.繊維のみならず,プラスチック,塗料,印刷インキ,ゴム,接着剤など広く合成高分子の最終製品で静電気障害が問題になるにつれて,帯電防止剤も独自の変貌を遂げてきた.今日では繊維の一部を除いては合成高分子は,練込んで使用する内部用帯電防止剤によって,十分に静電気障害を克服できるようになっている.つまり現在では帯電防止剤は高分子の添加剤として,確固たる地位を築いている.
  • 山本 康夫
    1970 年 19 巻 11 号 p. 1021-1026
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    プラスチックに充テン剤,補強剤を配合して強度,剛性を向上せしめたものを複合材料(コンポジット)と呼称されている.一般に充テン剤は増量剤としての目的に使用されることが多く,微粉末状のものが用途により選択される.補強性については,ゴム工業におけるほど期待できないので,この目的には繊維状のものが利用されている.プラスチックに充テン剤を配合するうえで,必要条件があげられる.これらについて述べてみたいと思う.
  • 島田 潤一
    1970 年 19 巻 11 号 p. 1027-1031
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    紫外線はプラスチックに吸収され,光化学反応を起こす.その結果プラスチックの種の特性,すなわち色,抗張力,伸びなどに大きい影響を与える.紫外線吸収剤はプラスチックが紫外線の存在する環境で使用されても,性能の低下を防ぐため加えられる添加剤の一つである.プラスチックに対する紫外線の作用機構,それに対する紫外線吸収剤の役割の機構などはまだ解明されておらず,不明なところが多分にある.本稿ではプラスチックの紫外線による劣化とそれに対する紫外線吸収剤の作用について考察した.
  • 勝村 龍雄
    1970 年 19 巻 11 号 p. 1032-1037
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    高分子成形物は紫外線,酸素の存在下に徐々に経時変化(劣化)してゆくが,われわれはできるだけ劣化の時間を引延ばす手段として紫外線吸収剤および酸化防止剤を併用することを発見した.今日プラスチック工業がかくも隆盛をきわめた一つの理由は優秀な紫外線吸収剤と酸化防止剤の発明に負うところが多大であると信じる.ここでは著者は酸化防止剤について今日活用されている例を記し,あわせて一般に知られておりよく使用されているものを列記した.特に最近食品包装容器の毒性が問題になっているが,アメリカのFDA,西ドイツ,イギリス,フランス,イタリア各国政府の規制基準を記載した.わが国においても近々(おそらく今年中)業界の自主規制から政府規制基準の表示に進んでゆくであろう.
  • 川嶌 保夫
    1970 年 19 巻 11 号 p. 1038-1044
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    発泡プラスチックの応用分野は,従来まで自然資源の需要分野であった衣料,建材,浮子などの機能本位の用途に進出した。すなわち高発泡成形物は,かつてゴム,PVCに限られていたが,PEの出現,さらにEVAの上市に至って,ビーチ・サンダルがEVAにおきかえられ,また低発泡成形物は,軽量であること,物性が良いこと,外観や感触から,合成木材また合成紙へと大幅な開発が進められている.このように,プラスチックの台頭と,発泡プラスチックの驚異的な伸展に伴って,従来ゴム・スポンジ製造用の副資材であった発泡剤は,プラスチック用発泡剤へと転換しつつあり,また発泡化におけるその性状特性に対する認識の向上と相まって,発泡プラスチックの分野で大きく伸びることが期待され,その生産設備の拡大に意欲的である.
  • 山崎 研一
    1970 年 19 巻 11 号 p. 1045-1050
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
  • 1970 年 19 巻 11 号 p. 1064-1065
    発行日: 1970/11/01
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
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