日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2003年年会講演予稿集
選択された号の論文の613件中451~500を表示しています
  • 吉村 昌弘, 荒木 俊二, 鈴木 宏昌, 山川 泰明, 坂元 尚紀, 渡辺 友亮
    セッションID: 2H40
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    一般に、セラミックスを形成する方法は、粉末成形・焼結法が選ばれることが多い。しかし、量産を考えた場合、鋳造法に比べて焼結法は非効率的である。金属と同様に、セラミックスも鋳造法を選択できる可能性を示すために、本研究では、ガラス形成成分を含まない混合物を融体凝固法で作製することを試みた。アークイメージ炉を用いて、3成分もしくは4成分系共晶組成近傍の混合物を溶融し、水冷銅板で冷却し凝固させた。その結果、共晶組成を急冷凝固すると得られやすい準安定相、非晶質体を得ることができた。さらに、得られた非晶質体を任意の温度(800~1000℃)でアニールすることにより、ナノ結晶バルク体を得ることもできた。
  • 近藤 直樹, 石崎 雅人, 大司 達樹, 安藤 元英
    セッションID: 2I01
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    ルテチウム酸化物(ルテチア、Lu2O3)を焼結助剤として用いた窒化ケイ素のガス圧焼結条件を調べた。9wt%Lu2O3-1wt%Si02 および 8wt%Lu2O3-2wt%SiO2 を助剤として含む窒化ケイ素は緻密化できたが、10wt%Lu2O3を含む窒化ケイ素ではできなかった。緻密化できた窒化ケイ素中には棒状粒子からなる組織が形成されていた。いずれの窒化ケイ素とも室温で 600MPa、1500℃で400MPaの強度を示した。
  • 瀬戸島 賢, 北山 幹人, 太田 能生
    セッションID: 2I02
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    窒化ケイ素粒子内の固溶酸素の存在が、窒化ケイ素の熱伝導率に影響を及ぼすことはよく知られている。最近、MgSiN2を焼結助剤として用いることにより、固溶酸素量を低減させ、高熱伝導化に成功したことが報告された。本研究では、種々の窒化物系および炭化物系の助剤を添加した焼結体を作製し、固溶酸素量に注目して焼結助剤の効果について検討した。
  • 天野 朋宏, 北山 幹人, 太田 能生
    セッションID: 2I03
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    Si3N4セラミックスの誘電性特性(εr'またtanδ)はネットワークアナライザーを使用し、1から10GHzのマイクロ波誘電特性を測定しました。気孔率と希土類酸化物の焼結助剤の影響について調査した。εr′の気孔率依存性は、マックスウェルの関係式によって記述することができる。またtanδは気孔率との依存性を示さなかった。気孔率60%のSi3N4焼結体は、比誘電率εr'=3、 誘電損失tanδ=10×10-4と非常に低い値を示した。Si3N4セラミックスは、AlNセラミックスで報告された大きな誘電分散を示さなかった。
  • 林 裕之, 平尾 喜代司, 山内 幸彦, 神崎 修三
    セッションID: 2I04
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    窒化ケイ素を放熱基板材料として用いる場合、熱伝導率もさることながら強度、靭性が一定レベルにあることが必要である。これまでに我々は高熱伝導率を示す窒化ケイ素焼結体の作製に成功した。しかしながら機械特性の評価は行っていなかった。そこで本研究では様々な熱伝導率を示す焼結体の機械的特性を評価することを目的とした。焼成時間の増加に伴い熱伝導率は増加したのに対し、強度、靭性は低下する傾向を示した。
  • 板谷 清司, 岡本 匡史, 岡田 勲
    セッションID: 2I05
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    Si_3N_4-Y_2O_3を原料粉体として固相反応によるY_2Si_3O_3N_4の合成条件を検討した。混合したSi_3N_4粉体とY_2O_3粉体とを一軸加圧したのち、その成形体を1500℃から1700℃の範囲で2時間以上加熱した。混合粉体の成形体を1650℃,2時間加熱した時、Y_2Si_3O-3N_4の単一相を得ることができた。得られたY_2Si_3O_3N_4の成形体を1800℃で4時間以上焼成すると、焼結体の相対密度は約95%となった。また、ビッカース硬度は最大14.9 GPaを示した。
  • 稲垣 良昭, 茂垣 康弘, 安藤 元英, 大司 達樹
    セッションID: 2I06
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    焼結助剤として酸化ルテチウムと酸化ケイ素を添加して作製した粒子配向性窒化ケイ素の機械特性を評価し、気孔率、徴構造などとの関係を検討した。高温強度に優れた市販の緻密材と比べて、気孔率が22%の場合、常温では強度は劣るものの破壊エネルギーは約6倍の大きな値を示した。さらに窒素中1500℃での強度は同程度であったが、破壊エネルギーは緻密材で大幅に低下したのに対し、多孔体では常温と同程度の値を維持していた。
  • 日向 秀樹, 平尾 喜代司, 山内 幸彦
    セッションID: 2I07
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    窒化ケイ素/W複合材料をホットプレスによって作製した。得られた焼結体のXRD観察の結果、焼結体中の主な構成相はb-Si3N4,W,W2B,W2Cであった。摩擦摩耗試験の結果、従来の窒化ケイ素に対して、初期WB添加量の増加とともに試験材及び相手材ともに比摩耗量が小さくなることが確認された。窒化ケイ素の場合表面に多くの凝着物が確認されたが、窒化ケイ素/W複合材料においては、摺動痕外部に凝着物があるが中央部には確認されなかった。また、窒化ケイ素の場合、凝着物が無い部分では粒界相が除去及び粒子の脱落等が観察されたが、窒化ケイ素/W複合材料の場合、これらがほとんど確認されていない。摩耗面のEDS分析の結果、摺動痕外部の凝着物においてW, Si, Oが増加していた。この摺動時の生成物は窒化ケイ素及び表面酸化相に対して凝着性に乏しく、摺動時の凝着摩耗を抑制しているものと考えられる。
  • 加賀 洋一郎, Jones Mark I., 平尾 喜代司, 神崎 修三
    セッションID: 2I08
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    反応焼結を利用して、高い靭性を有するα-サイアロンの作製を試みた。窒素雰囲気中で焼結後にα-サイアロン組成となるようにSi, Y_20_3, Al_2O_3およびAlN粉末を所定量秤量し、混合後、成形体を作製した。成形体を1350℃で窒化することで、相対密度約70% の焼結体が得られた。さらに、1900℃で焼成することで、長さ10μm以上の柱状のα-サイアロン粒子を含んだ組織となることが分かった。焼結体のビッカース硬度および破壊靭性を測定した結果、17(GPa), 5(MPam^<1/2>)と高い値が得られた。
  • 上脇 聡, 井口 もえ木, 堀田 幹則, 多々見 純一, 目黒 竹司, 米屋 勝利, 大森 守, 平井 敏雄
    セッションID: 2I09
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    サイアロンは,高強度,高硬度,耐酸化性などの優れた特性を持っており,高温雰囲気下や極限環境下での使用が期待されているエンジニアリングセラミックスである.我々はこれまで、SiO2-Al2O3-CaO系の炭素還元窒化法によりナノサイズの一次粒子からなる中空球状 Ca-αサイアロンナノ粉末の合成、放電プラズマ焼結によるCa-αサイアロンナノセラミックスの作製を報告してきた. この焼結体の耐食性試験を行った結果, 5mass% H2SO4 よりも35mass%H2SO4のほうが高い耐食性を示し、また5mass%H2SO4よりも5mass%HNO3のほうが高い耐食性を示した.
  • 広崎 尚登, 末廣 隆之, 山本 吉信, 三友 護
    セッションID: 2I10
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    Ceは多くの酸化物蛍光体の発光中心となっているイオンであり, Ceを含有するα-サイアロンは蛍光体となると期待される. 本研究では,サイアロンを形成しやすいCaと共存させることによりCa-Ce-α-サイアロンを合成した. α-Si3N4, AlN, CaCO3, CeO2を混合し, N2中で2000℃2時間ガス圧焼結した. Ceだけを添加した系では,生成相はβ-Si3N4とJEM(CeSi5Al2ON9)でありα-サイアロンは合成できなかった. 一方,Caと共存させるとCa-Ce-α-サイアロンが生成し,2成分系によりCe含有サイアロンが安定化することがわかった. また,この材料はCeイオンを発光中心とする蛍光体であることが確認された.
  • 井上 幸司, 佐藤 章宏, 山口 明良
    セッションID: 2I11
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    β-SiAlONは,優れた耐熱性、耐クリープ性を生かし、アルミニウムなど各種金属の鋳造時に使用される治工具をはじめとする高温構造材料への利用が期待されている。また、優れた耐磨耗性,低動摩擦係数を生かしたベアリングボールやフローティングプラグへの応用など、幅広い分野での利用法が検討されている。本研究では,これらの応用への基礎としてβ-SiAlONを緻密に焼結させるための条件の確立を目的とした。本研究ではSi、SiO_2、Al、Al_2O_3、MgOなどを組み合わせた混合粉末を焼結助剤として用いて緻密に焼結させることを試みた。
  • 多々見 純一, 永留 東, 李 強, 目黒 竹司, 米屋 勝利
    セッションID: 2I12
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    ナノサイズのβ-サイアロン粉末を放電プラズマ焼結することによってβ-サイアロンセラミックスを作成した.得られたβ-サイアロンナノセラミックスは市販の窒化ケイ素セラミックスよりも非常に高い耐食性を示した.走査型プローブ顕微鏡による腐食表面観察の結果,粒界にガラス相がほとんどないために,β-サイアロンナノセラミックスの腐食は非常にゆっくりと進行することが確認された.
  • 李 鳳錦, 多々見 純一, 目黒 竹司, 米屋 勝利
    セッションID: 2I13
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    本実験はゼオライトとカーボンの混合粉末を1450℃, 2時間, 0.51/minで焼成を行い, 700℃空気中で残留カーボンを除去した.得られた粉末に対してはXRDとBETによる構成相の同定, SEMによる粒子形態の観察を行った.結果としては70nmの一次粒子から構成されたβ-サイアロンの単一相であることが確認された.
  • 平尾 隆, 平尾 喜代司, 山内 幸彦
    セッションID: 2I14
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    材料への固体潤滑材の添加により、摺動特性の改善が期待される。本研究では、ドクターブレード法により窒化ケイ素のシートと窒化ケイ素に固体潤滑材として窒化ホウ素を添加したシートを作製・交互に積層し、ホットプレスすることで交互積層構造材料を作製し、これについて方向性と摩擦・摩耗特性の関係について検討した。摩擦係数は、材料の方向により異なった。これには、窒化ケイ素粒子の配向性が影響しているものと考えた。
  • 石崎 雅人, 近藤 直樹, 大司 達樹, 安藤 元英
    セッションID: 2I15
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    8%の酸化ルテチウムと2%のシリカを焼結助剤とした窒化ケイ素の窒素圧0.9MPa下でのガス圧焼結条件の検討を行った。焼結温度2050℃にて、約3.4g/cm3の密度の焼結体が得られた。詰め粉に含まれるシリカ成分に最適値があることが示唆された。
  • 間野 晶子, 三浦 嘉也, 難波 徳郎
    セッションID: 2I21
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    アルカリホウ酸塩結晶R2OB2O3結晶(R=Li,Na,K)の3つの結晶にDV-Xα分子軌道計算法を適用し、アルカリ種(R)の変化が電子状態に与える影響を調査した。アルカリ(R),3配位ホウ素(B3),4配位ホウ素(B4)と酸素(O)間の有効共有結合電荷(BOP)と結合距離の関係を検討した結果、アルカリ種依存性は、R-O結合で認められた。しかしながら、B-O結合に関してはBOP、結合距離共にアルカリ種依存性は認められなかった。
  • 亀島 欣一, 寺島 弘晃, 岡田 清
    セッションID: 2I22
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    DV-Xα法を用いたクラスター法による電子状態の計算を行い, SiCのα相とβ相の構造の違いが内核軌道にどの様な影響を与えるかを調査した. α型に6H-SiC, β型に3C-SiCを用い,Siが中心のクラスターを作成した. 各クラスターについてDV-Xa法でセルフコンシステントになるまで計算を行い, Si2p軌道のエネルギー値を算出した.各エネルギー値はクラスター全体のHOMOを基準にした. Si2pの軌道エネルギーは種類によらず85~89eVを,光電子に比べて10eV以上小さな値であった. SiC4のような小さなクラスターは光電子ピークと同じ傾向を示したが,大きなクラスターではα相とβ相で明確な差は見られなかった.
  • 鶴田 健二, 三宅 貴史, 東辻 千枝子, 東辻 浩夫
    セッションID: 2I23
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    SiCなどの共有結合性材料の微粒子間には5~10Å程度のアモルファス的に乱れた構造が安定に存在し,これは共有結合性物質の高エネルギー粒界で頻繁に観察される。本研究では、結晶粒界におけるアモルファス的な構造の熱的構造安定性を,古典分子動力学(MD)法、オーダーN並列タイトバインディング(TB)MD法により解析する。SiおよびSiCに対し、それぞれ2つの経験的原子間ポテンシャルモデルおよびTBモデルを用いて系統的に比較解析した結果、予めアモルファス層を挿入した場合と挿入しない場合のいずれも同じ層幅で安定化することが分かった。またTB計算から、粒界付近の構造乱れを反映して結合秩序指数の増大が観察された.
  • 板原 浩, 野村 浩, 谷 俊彦, 松原 秀彰
    セッションID: 2I24
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    配向セラミックの組織設計を行うために焼結・粒成長のモンテカルロシミュレーションを行った。本研究のシミュレーションは、機能性セラミックス(熱電・圧電材料など)に広く適用できるテンプレート粒成長法の初期条件を最適化するのに有用な方法であることが示唆された。
  • 松原 秀彰, 松本 修次, 野村 浩, 清水 正義
    セッションID: 2I25
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    焼結性の異なる焼結体を接合して焼結する場合、その接合部分でお互いに影響しあい、焼結速度や形状が変化することが考えられる。そこでモンテカルロ法により共焼結の液相焼結シミュレーションを行ない、焼結速度や初期構造の違いによる影響などについて調査した。その結果、接合して焼結したことによる焼結速度や形状への影響が見られ、特に接合部分では著しい変化が見られた。このことを実際の現象と比較することで、シミュレーションでの材料設計の可能性があることが見いだせた。
  • 小木曽 久人, 吉田 三喜子, 明渡 純
    セッションID: 2I26
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    AD法で作成したAl2O3薄膜表面の弾性特性分布を超音波AFM法(UAFM)を用いてナノメートルオーダーの分解能で計測し、粒子間結合状態の推定を試みた。UAFMはカンチレバーと試料表面を接触した状態で振動させ、その共振特性を検出することによって、試料の弾性的な性質を評価する方法である。試料はガラス基板上に、平均粒径0.25μm、平均結晶子サイズ0.15μm、のα-Al2O3の粒子を、吹きつけることによって作成した。搬送ガスはHeを用いた。成膜された薄膜は表面は全体として平坦(RMS:16 nm)でポーラスのような構造は観察されなかった。また、ビッカース硬度で、Hv :1500の硬さがあった。この膜をUAFMで観察した結果、カンチレバーとの共振周波数が小さく、共振のQ値が小さくなっていた直径数100 nmのドメインがあることがわかった。これは、この部分の弾性率が他の部分に比べて小さく、また振動に対してエネルギー散逸がある事を示している。同時に測定したAFM像では、このドメインは高さ数10 nmの隆起部分と一致していることがわかった。共振特性から考えると、この隆起部では、粒子間結合が弱くなっていることが推定される。このような知見は他の方法では得られず、UAFM法の有効性を示した結果といえる。
  • 岩島 みのり, 松任 良貴, 中野 裕美, 浦部 和順, 尾形 知彦, 鶴見 徹
    セッションID: 2I27
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    窒化珪素の添加によるスポジューメンセラミックスの熱膨張係数とヤング率への影響について研究を行った。β-スポジューメンとα─窒化珪素の複合体は1523Kで焼成することにより得た。複合体の焼結密度およびヤング率は窒化珪素が添加されていないスポジューメンと比較して著しく改善された。また、窒化珪素を23mass%添加することにより293Kから300Kの間で平均熱膨張係数が-0.032×10^<-6>/Kとなった。
  • 井田 隆, 嶋崎 聖悟, 日比野 寿, 虎谷 秀穂
    セッションID: 2I29
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    粉末X線回折ピーク形状を詳しく解析することにより,結晶粒の平均的な大きさだけでなくサイズの分布をも評価する新しい方法について述べる。集中法型の粉末X線回折装置の主な収差であるKα2サブピークや光学的な収差の影響はデコンボリューションにより除去され,試料の本質的なピーク形状が抽出される。結晶粒の形状を球形,粒径の分布を対数正規分布と仮定すれば,理論的な回折ピーク形状を実測のピーク形状に最適化する単純な方法により粒径分布が求められる。SiC微粉末の粉末X線回折データに適用した結果が示される。
  • 大柿 真毅, 山下 仁大
    セッションID: 2I30
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    X線回折法は非破壊でセラミックスの構造が解析可能であるという利点があり、薄膜X線回折法では、表面から僅かな内部層までの層変化を観測することができる。本研究では、セラミックス膜の内部構造を含む薄膜X線回折データと表面近傍の回折データとを用いて、内部だけに依存する回折ピークを独立して観測する手法を展開した。この手法は、これまで表層の回折強度に妨害されて解析し難かったセラミックス内部の独立した回折データを非破壊で収集することができる。本方法を前報告より発展させ,生体機能性セラミックス膜であるリン酸カルシウム層に応用した結果、水酸アパタイト層の場合とα型リン酸三カルシウム層の場合とでは層の表面近傍構造と内部構造の状態に違いがあることが明らかになった。さらに、これらの層の内部層構造だけに帰属するX線回折ピークデータを見積もることに成功した.
  • 中曽根 文, 工藤 学, 大川 肇, 杉本 渉, 熊田 伸弘, 劉 崢, 寺崎 治, 菅原 義之
    セッションID: 2I32
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    Aurivillius 相 Bi_2W_2O_9 から得られた層状タングステン酸 H_2W_2O_7 の構造についで透過型電子顕微鏡を用い詳細な検討を行った。[001]入射の HREM 像において ReO_3 型の層に由来する規則的な格子状の配列が見られたことから、酸処理によりReO_3 層が保持されたまま酸化ビスマス層の溶出が起こっていることが予想される。[110]入射の像ではBi_2W_2O_9 から酸化ビスマス層を除いた構造モデルのシュミレーションとよく一致した像が得られたことから、2つのWO_6 八面体が頂点共有し層状構造を形成していると考えられる。またWO_6 八面体の配列を表す、W-W が ab 平面となす角度は 91±2゜でありBi_2W_2O_9 よりも小さいことが示された。このことから、層状タングステン酸への変換反応における ab 軸長の変化はWO_6 八面体の配列の変化に起因するものであることが分かった。
  • 佐々木 厳, 右京 良雄, 須田 明彦, 杉浦 正洽, 黒田 光太郎, 大橋 文徳, 荒井 重勇, 坂 公恭
    セッションID: 2I33
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    セリアジルコニア固溶体は大きな酸素吸蔵放出容量を持つため、自動車排気ガス浄化のための助触媒として有用である。この材料の酸素吸収に伴う構造変化を検討するために、Ce_2Zr_2O_<7+x>の規則配列化した酸素欠損を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて直接、観察することを試みた。その結果、周期的に1/4だけ酸素欠損が生じている酸素列が白い輝点となって観察されることがコンピューターシミュレーションとの比較で明らかになった。このように酸素欠損のみが強調された格子像は、特定の観察条件下で[001]方向から観察した場合のみ得られた。
  • 石村 大樹, 八島 正知, 酒井 篤士, 森 瑞樹, 大内 健二郎, 青柳 忍, 加藤 健一, 大山 研司, 山口 泰男
    セッションID: 2I34
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    酸化ビスマス(Bi203)が、高温粉末中性子、放射光回折法により研究された。回折データはリートベルト法により精密化された。δ-Bi203の等核密度面の図より酸素原子が正四面体状に広がっていることを確認した。また、(O─11)面上の核密度分布図より酸素が<111>方向に広がっていることが分かった。さらに、酸素イオンの間に核密度がOではない場所が確認できる。従ってこの場所を通って酸化物イオンがホッピングして伝導すると考えられる。
  • 梶谷 昌弘, 松田 元秀, 三宅 通博, 神山 崇, 泉 富士夫
    セッションID: 2I35
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    ペロブス力イト型構造を有するランタンガレート系酸化物であるLaGaO_3 (LG) とLa_0.8Sr_0.2Ga_0.8Mg_0.20_2.8 (LSGM8282)の室温における結晶構造は中性子回折法により検討された。精密化の結果、母体であるLGの結晶構造は斜方晶系、空間群Pbnmに属することが分かった。また、LGの構造中ではGaO_6八面体がb及びC軸から傾いていることが明らかになった。一方、SrとMgが導入されたLSGM8282の結晶構造は立方晶系、空間群Pm-3mとして精密化された。LSGM8282の構造中では、母体であるLGにみられたようなGaO_6八面体の傾きは観察されず、理想的なペロブス力イト型構造を有していることが明らかになった。
  • 大内 健二郎, 八島 正知, 酒井 篤士, 森 瑞樹, 石村 大樹, 田中 雅彦, 森 丈晴, 大山 研司, 山口 泰男
    セッションID: 2I36
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    高温中性子粉末回折(HERMES, JRR-3M, 原研)と高温・高分解能放射光粉末回折(BL-3A@PF,KEK)でSrZr03 の回折データを得て構造変化を調べたので報告する。本研究の実測中性子粉末回折データでは各々の相における特徴的な(M-点、R-点)超格子反射の消失により2つの相転移を確認することができた。中性子回折では中間相の空間群および中間相の数を正確に決めることができない。これを確認するためにより高い角度分解能を有する回折装置を用いてブラッグ反射ピークの分裂と強度比を観測した。その結果、Pnma→Imma→I4/mcm→Pm-3m のように相が転移することが確認された。これらの相転移はZrO6配位八面体の回転により記述される。この回転の角度は温度の上昇と共に減少した。
  • 八島 正知, アリ ローション, 田中 雅彦, 森 丈晴
    セッションID: 2I37
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    200℃で通常の実験室系X線粉末回折装置で測定した回折プロファイルと、同じ温度で測定した高分解能粉末回折図形を比較した。通常の装置に比べて、放射光粉末回折データでは(1)半価幅が約 1/4 とかなり狭い、(2)Kα1とKα2のような分裂が無い、(3)非対称性が少ないという理由により、200と020反射の間の分裂をはっきりと捉えることができた。そのためプロファイルフィッティングにより得られたピーク位置の精度およびそれから得られる格子定数の精度も大幅に向上した。転移点付近も含めて温度の上昇と共に格子定数は連続的に、かつ可逆に変化することが初めてわかった。この相転移のオーダーパラメータηをη≡b/a-1と定義する。ηは温度の上昇と共に連続的に減少して転移点で0になった。ηの温度依存性に対してべき乗則を適用することにより、相転移温度を精密に349.3±0.6℃であると決定することに成功した。臨界指数は 0.75であると見積もられた。この値は典型的な二次相転移に対する値0.5より大きい。このことは軸率b/a が通常の二次相転移と比べてよりなだらかに変化していくことを示している。
  • 張 文剛, 熊田 伸弘, 武井 貴弘, 木野村 暢一
    セッションID: 2I39
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    BaO-CuO-Nb_2O_5系では, ペロブス力イト型構造を持つBa_<2.5>Nb_<1.5>CuO_<7.25>およびBaNb_<0.67>Cu_<0.33>O_3などの数種類の化合物が報告されているだけなので,新しい化合物の探査を行った.その結果,六方晶系Ba_4M_3LiO_<12>(M=Nb/Ta)と同じ結晶構造を持つBa_4Nb_<3.16>Cu_<0.13>O_<12>の単結晶を合成することができたので,その結晶構造解析を行った.
  • 塚原 学, 田口 秀樹, 長尾 眞彦, 木戸 博康
    セッションID: 2I40
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    酢酸カルシウム、酸化ネオジム、酢酸コバルトを出発原料として用い、固相反応法により(Ca2-xNdx)CoO4を合成した。1.0≦X≦1.3 の範囲でK2NiF4型構造をとることがXRDの測定からわかった。単位胞の体積はxとともに増加する。試料の電気抵抗の測定から、いずれも半導体であり、室温付近での電気抵抗はxとともに増加することがわかった。
  • 熊田 伸弘, 清水 宏幸, 武井 貴弘, 木野村 暢一
    セッションID: 2I41
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    PDP(Plasma Display Panel)用青色蛍光体にはBAM(BaMgAl_10O_17:Eu^<2+>)が既に応用されているが、BAMは蛍光強度の劣化が生じることから新しい蛍光体の開発が行われている。本研究ではBaCa_2MgSi_2O_8:Eu^<2+>に注目し、その結晶構造と蛍光特性を評価した。
  • 尭 巍華, 張 中太, 唐 了龍, 羅 紹華
    セッションID: 2J01
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    10 mol% SrO and 20 mol% MgO doped LaGaO3 (LSGM1020) was directly synthesized via a gel combustion process. The properties of the powder as-obtained were characterized by XRD, Raman, BET and SEM. It has rhombohedral structure even without high temperature calcinations. The powder has porous morphology and its specific surface area reaches 122 m2/g.
  • 中村 宗太郎, 車田 全盛, 宗像 文男, 藤江 良紀, 井口 栄資
    セッションID: 2J02
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    ランタンガレート系ペロブスカイト型酸化物La_<1-x)Sr_xGa<1-y>Mg_yO_<3-δ>は広い酸素分圧下において高いイオン伝導率を有し、新たなSOFC用電解質として期待されている。酸素イオンの拡散による電気伝導を、酸素イオンのダイナミクスとして捉え、関連付けることは非常に重要である。本研究ではクエン酸法により作製されたLa_<0.8>Sr_<0.2>GaO_<3-δ>粉末を成型、焼成した試料を用いた。温度範囲500Kから1100Kで、4端子直流抵抗測定及び誘電緩和測定を行い、酸素イオンの伝導挙動について検討を行った。
  • 大塚 和也, 桑原 彰秀, 中村 篤智, 松永 克志, 山本 剛久, 幾原 雄一
    セッションID: 2J03
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    高温変形試験によりイットリア安定化ジルコニア単結晶に転位を多数導入した。変形試験は転位線の向きを一方向に揃えるために、2次以降のすべり系が活動しない条件で実施した。変形した試料の導電率を転位線に対して平行な方向と垂直な方向の2つの方向に電場を印加して、導電率を複素インピーダンス法で測定することにより、塑性変形の異方性を調査した。測定結果から塑性変形による導電率の向上に異方性は見られず、等方的に向上することが明らかになった。このことから、塑性変形による導電率の向上は結晶方位や転位線の向きとは無関係であると考えられる。
  • 嶺重 温, 大村 典之, 小舟 正文, 矢澤 哲夫
    セッションID: 2J05
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    固体酸化物形燃料電池(SOFC)電解質としてCeO2系酸化物を用いた場合に、燃料側の還元雰囲気における電子導電性の発現を抑制するための指針を得るために、SOFC作動時におけるCeO2系電解質内部の混合(電子・イオン)導電性を評価した。ラマン分光法を用いて発電状況下で電解質内に生ずる酸素ポテンシャル分布を評価したところ、開回路状態でH2-Ar雰囲気側から空気側に向かって酸素ポテンシャルは緩やかに上昇し、空気側付近まで混合導電性領域が広いことがわかった。発電条件で同様に実験を行ったところ開回路状態と比べて酸素ポテンシャルは全体的に上昇するという結果を得た。よって作動時には混合導電領域が狭くなっている可能性があることが示された。
  • 春日 敏宏, 脇田 剛誌, 河瀬 美香, 中野 雅支, 野上 正行
    セッションID: 2J06
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    メタリン酸塩ガラスを水和させて高粘性のハイドロゲルが作製できた。このゲルは30~70℃で20~40 mS/cm という高い電導度を示した。これはゲル中のPOH基と水分子間をプロトンがホッピングすることによると思われる。
  • 河瀬 美香, 大幸 裕介, 春日 敏宏, 野上 正行
    セッションID: 2J07
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    CaO/P_2O_5比と電導度の関係を交流インピーダンス法を用いて,ハイドロゲル中のリン酸塩鎖状構造と温度との関係を<31>^P MAS-NMRスペクトル法を用いてそれぞれ検討した. 電導度はリン酸量の多いハイドロゲルの方が高く,ハイドロゲルを70℃以上で熱処理することでも電導度は上昇した.
  • 野崎 洋一郎, 鈴木 智史, 宮山 勝
    セッションID: 2J08
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    無機固体電解質はプロトン導電率が低いが、100℃以上の中温域においても化学的、物理的に安定であるため、プロトン導電率を増大させることにより中温作動用燃料電池の電解質として用いる研究が進められている。自己組織化法を用いて合成したシリカメソ多孔体の微小細孔内にリン酸イオンを固定化することによって優れたプロトン伝導性を持つ材料の作製を試み、その導電率の評価を行った。シリカメソ多孔体とリン酸の混合により導電率は著しく増大した。しかし、リン酸混合試料では、100℃以上の中温域および繰り返し測定により導電率の著しい低下が見られた。そこで混合試料を550℃焼成したところ、中温域での導電率の低下が抑制された。
  • 藤森 宏高, 垣花 眞人, 井奥 洪二, 後藤 誠史, 吉村 昌弘
    セッションID: 2J09
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    Raman spectra of SrZrO3 have been successfully obtained between 600 and 1050°C. The Pnma to Imma and Imma to I4/mcm phase transitions were observed by measuring the variation of energies of phonon modes as a function of temperature. The results can be accounted for by terms of coupling between a zone-center optical mode and an elastic strain associated with a soft q≈0 acoustical phonon.
  • 鈴木 智史, 宮山 勝
    セッションID: 2J10
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    自己組織化法により合成したシリカメソ多孔体薄膜に電解液を複合させる事で固液複合イオン伝導体を合成した。界面活性材として塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(C16TAC)とトリブロックコポリマー(Pluronic F127)の2種類を用いた。(Pm3n)立方晶構造で直径3nmの細孔を持つ薄膜はC16TACを用いて合成し、(lm3m)立方晶構造で直径5nmの細孔を持つ薄膜をPluronic F127を用いて合成した。インピーダンス測定の結果より、C16TACを用いた試料で1.1×10^<-4>S/cmの導電率が得られた。
  • 須田 聖一, 石井 啓之, 金村 聖志
    セッションID: 2J11
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    ペロブス力イト構造を有する(La,Li) TiO3 (LLTO)セラミックスは、高いイオン導電性を示す固体電解質として知られている。我々はこれまでにエマルションを反応場としたイオン交換-ゲル化法によりリチウム、チタンからなる非晶質球状粒子(LT粒子)を、さらにLT粒子中のリチウムの一部をランタンでイオン交換することによってリチウム,ランタン,チタンからなる非晶質球状粒子(LLT粒子)を様々な組成で合成できることを明らかにした。このLLT粒子を熱処理することによってLLTO球状粒子の合成が可能であり、この球状粒子を使用してマイクロメータオーダーの全固体型リチウム二次電池の構築が可能となる。そこで本研究では,マイクロ二次電池構築に向けたLLT粒子の熱処理条件,加えて電極として利用できるLi4Ti5O12 (LTO)粒子の合成について検討した。
  • 林 晃敏, Angell C. Austen, 水野 史教, 南 努, 辰巳砂 昌弘
    セッションID: 2J12
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    出発原料にP_2S_5およびPEG_<400>を用いてハイブリッドポリマーを作製し、そこにリチウム源としてLi_2S を添加することで得た電解質の電気伝導度および、ガラス転移温度について調べた。得られた電解質は、室温において粘性液体もしくはゴム状固体として存在し、室温で最大10^<-6> S cm^<-1>の伝導度を示した。また、イオン伝導機構についての知見を与えるデカップルインデックスについて検討したところ、典型的なポリマー電解質と比較して、硫化物-ポリエーテルマトリックス中におけるカチオンの伝導は、ポリマーセグメント運動にあまり支配されていないことが示唆された。
  • 荒川 修一, 塩津 高志, 林 真輔
    セッションID: 2J13
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    La_<1/3-x>Li_<3x>TaO_3中のリチウムイオン伝導メカニズムが,インピーダンス分光法と^7LiNMRによって検討された.伝導率スペクトルのスケーリング解析を行なった結果,このリチウムイオン伝導体は,強電解質としてふるまうことが明らかになった. リチウムイオン移動の相関時間をNMRスピン─格子緩和時間から見積もり,x=0.06の組成において,室温での相関時間は10^<-9> sの オーダーであることがわかった.直流伝導率と相関時間の活性化エネルギーは, Funkeのジャンプ緩和モデルで示されているように,べき乗則指数nで関連付けられることが明らかになった.
  • 川部 和広, 蔵岡 孝治, 矢澤 哲夫, 小西 明男, 谷上 嘉規, 若林 肇, 平尾 一之
    セッションID: 2J14
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    ゾルゲル法により無機-有機ハイブリッド導電膜を作製し、その評価を行った。 加湿条件下での導電性は、70℃、湿度95%の条件で4.20-3 (S/cm)を示した。
  • 川野 誠, 岸本 昭
    セッションID: 2J15
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    我々はチタン酸バリウム/ジルコニア複合体の分極による強度変化をすでに報告してきた。この複合体の曲げ強度は縦分極には増大し、横分極には減少した。しかし、強度の変化率は約15%と大きなものではなかった。そこで、我々はナトリウムβ─アルミナセラミックスを作製し、部分的にNa^+からK^+へのイオン交換を行うことで機械的特性の変化を評価した。ビッカース硬さは交換時間30分間までは時間の経過につれて増大し、その後、 緩やかに減少していった。また、最大25%以上の変化率を得ることが出来た。
  • 當金 英和, 五十嵐 香, 清水 紀夫
    セッションID: 2J22
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    ZnOとCaOは平衡状態ではほとんど固溶体を生成しない物質である.本研究ではパルスレーザーデポジション(PLD)法によりこれらを非平衡状態において固溶させることを試みた. PLD によって得られた薄膜を粉末X線回折により測定した結果, ZnOの格子定数が増加した. このことからZnOへCaOが固溶したことが確認された.
  • 植田 和茂, 高藤 晃平, 細野 秀雄
    セッションID: 2J24
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    LnCuOS (Ln=La,Ce,Pr and Nd)はいずれもLnO層とCuS層からなる層状構造をとる。Ceを除< LnCuOS (Ln=La, Pr and Nd)は透明p型伝導性や励起子吸収・発光特性を示すワイドギャップ半導体である。一方、CeCuOS は単位格子体積が収縮して、黒色で縮退半導体的な電気伝導性を示し、励起子による吸収・発光を示さない。以前の報告においてLnCuOSの電子構造を正・逆光電子分光法で観察し、CeCuOSのみにEf付近に非占有バンドを見出し、そのバンドがCeCuOS特有の電気・光学的特性を示すものと解釈した。本研究では、LnCuOS (Ln=La,Ce,Pr and Nd)の結晶構造を精密化し、その電子構造の変化を結晶構造、特に原子間距離と化学結合様式の視点から考察した。
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