日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
第19回秋季シンポジウム
選択された号の論文の729件中101~150を表示しています
  • 加藤 恵介, 太田 慎吾, 太田 裕道, 河本 邦仁
    セッションID: 2B07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    熱電材料の熱電変換性能はZT=S2σ/κで表される。現在、n型酸化物半導体の中でSrTiO3(Ti site Nb 20%)が最高であるZT=0.37(at ~1000K)を示す事が知られている。本研究では、熱電特性をさらに向上するために、SrTiO3と同程度の格子定数であり熱電特性を持つEuTiO3と複合化させることによってEu置換によるフォノンの揺らぎを利用し、熱伝導率を減少させることを目的とした。そして、組成を制御した(Sr1-xEux)TiO3はPower factorを維持したまま、SrTiO3の 熱伝導率を下回るという結果を得たので報告する。
  • 大瀧 倫卓, Nong Ngo Van
    セッションID: 2B08
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    擬一次元構造コバルト酸化物Ca3Co2O6(Co-326)および二次元層状コバルト酸化物Ca3Co4O9(Co-349)のCaサイトへの後期希土類ドーピングを検討した。両系ともHoドープにより高温で顕著に熱電能が増大し、Co-349では焼結体試料として最大級のZT=0.37が得られた。
  • 藤代 芳伸, 山口 十志朗, 鈴木 俊男, 濱本 孝一, 在原 香代, 淡野 正信
    セッションID: 2B09
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    機能性セラミック材料を利用する物質およびエネルギー変換デバイスとしてのセラミックリアクターの開発は重要である。本研究発表では、マイクロ押出成形や微小空間への多層電極形成プロセスとナノ?ミクロでの電極構造形成技術を利用するミリ?サブミリ径のチューブセルの集積スタック構造の開発現状について報告する。さらに、それらセルおよびスタックを用いる燃料電池発電(SOFC)等への利用における評価等についての結果を示す。
  • 堀内 弘星, 柿沼 克良, 山村 博
    セッションID: 2B17
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    Aサイト欠陥を含む(Ca1-xLa2x/3□x/3)TiO3系は0.0≦x≦0.2で斜方晶、0.3≦x≦0.5で立方晶の単一相が得られた。また、Aサイトのイオン半径比からCa2+よりLa3+が大きいために格子体積が直線的に増加した。BサイトのTiはLa3+の固溶量が増大するとTi4+Ti3+の混合原子価である事をXPSで確認した。直流四端子法による温度依存性の測定を行った結果、x=0.3付近で電気伝導度が最も高く、半導体的挙動から半金属体的挙動になった。これは固溶量が増えるにつれて電子伝導が発現したと考えられる。また、酸素分圧依存性から耐還元性に優れているのでSOFCのアノード電極に有効であると考えられる。
  • 彦坂 英昭, 飯尾 聡, 島森 融, 山口 哲央, 松原 秀彰
    セッションID: 2B18
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    電子ビーム物理蒸着(EB-PVD)法により、固体酸化物形燃料電池の電極材料として用いられるペロブスカイト酸化物(La,Sr)MnO3のコーティングを、8YSZ固体電解質上に行った。蒸着源と同じ組成、且つEB-PVD特有の柱状組織を持つ(La,Sr)MnO3膜を合成することができた。また、8YSZプレコートという手法による界面構造制御および(La,Sr)MnO3膜の組織制御を行い、電極の反応抵抗および集電抵抗を改善することができた。
  • 橋本 真一, 森 昌史, 須田 栄作, 國本 崇, 森賀 俊広
    セッションID: 2B19
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    セリア系酸化物は、500℃付近で作動するIT-SOFC用電解質として 検討されている 。この際、電極基板上への薄膜化による電気抵抗の低 減が不可欠となり、安価で、環境負荷の小さい薄膜形成技術が望まれて いる。本研究では、Ce0.9Gd0.1O1.95(CGO)ナノ粒子に焼結助剤のCo3O4 を少量添加してスラリーを作製し、スラリーコーティング法による燃料 極基板上へのCGO薄膜の作製を検討した。その結果、Co3O4を2cat%添加 したCe0.9Gd0.1O1.95(CGO)ナノ粒子スラリーは、Co3O4を添加していな いものよりも、基板との収縮率の差があっても、薄膜が緻密化すること が分かった。
  • 内田 裕之, 渡辺 政廣
    セッションID: 2B20
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    安定化ジルコニアなどの酸化物イオン導電性固体を電解質とする固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、多様な燃料を用いることができ、電池本体の高い変換効率に加え、高品位廃熱の利用により極めて高い総合変換効率が期待できる。SOFCの運転温度を従来の1000℃から700_から_800℃に低温化できれば、材料劣化速度が緩和され、安価で幅広い構成材料の使用が可能になる。本研究では、低温作動化の必須課題である高性能電極を開発した。 本講演では、1) 電子_-_イオン混合導電体への金属触媒高分散による活性化機構、2) 電極性能に及ぼす微細構造制御効果、3) ナノサイズ金属触媒と混合導電体との相互作用の解析 について発表する。
  • 籠宮 功, 飯島 高志, 高村 仁
    セッションID: 2B22
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    我々は、酸素をメタンガス中に注入することで、高効率に水素を製造する方法(部分酸化改質法)に注目している。この改質法を実現するためには、大気中から酸素のみを分離する酸素透過性セラミックスの開発が不可欠となる。Ce0.8Gd0.2O1.9-CoFe2O4複合セラミックスは、800℃以上で高い酸素透過速度を示す酸素イオン-電子混合伝導体であり、上記に用いる酸素透過性セラミックスの有力な候補である。しかしながら、800℃以下で酸素透過速度が急激に減少するといった問題点がある。本研究では、800℃以下の酸素透過速度の向上を図るために、この系のグレインをナノサイズに制御し、それが酸素透過速度に与える影響を調べた。
  • 後藤 裕治, 小俣 孝久, 松尾 伸也
    セッションID: 2B23
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    各種Niの有機塩を原料とし、有機界面活性剤中で200_から_300℃での熱分解反応により、Niナノ結晶を合成した。オレイルアミン中に溶解したニッケルアセチルアセトナトを原料溶液とした場合、反応温度が250℃では立方晶のNiが、300℃では六方晶のNiが生成し、反応温度により生成相を制御することができた。これらのNi結晶を用い、CeO2とZrO2をベースとしたサーメットを作製した。
  • 三輪 純也, 佐藤 健司, 本多 沢雄, 橋本 忍, 淡路 英夫
    セッションID: 2B24
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    固体酸化物型燃料電池(SOFC)はクリーンかつ高効率なエネルギー源として期待されている.その燃料極としてNi_-_ZrO2多孔体が最も多く研究されているが,作動環境下においてNi粒子が凝集,焼結し性能が低下するという問題がある.また燃料極の電気化学反応は,Ni,ZrO2,気孔からなる3相界面で起こることが知られている.そこで本研究では特殊な条件下で粉末を合成し,3相界長がより長くなるような微構造組織の制御を試みた.さらにNiをZrO2 が覆い隠したような組織を有するNi_-_ZrO2多孔体を作製することで,作動環境下でのNi粒子の焼結防止を試みた.
  • 車田 全盛, 小峰 重樹, 森下 豊, 井口 栄資
    セッションID: 3B01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    多結晶LSGMについて酸素空孔の伝導挙動を550-760Kの温度領域で調べた。イオン伝導はトラッピングセンターから熱的に解離した酸素空孔の移動に起因しており、誘電緩和解析により活性化エネルギーを解離エネルギー(E0)と移動エネルギー(EM)に分離した。多結晶LSGMの結晶粒内の伝導挙動は単結晶LSGMの伝導挙動とよく似ていることから、多結晶LSGMの結晶粒内は単結晶LSGMと同様にドメインとドメインウォールを持つ双晶構造で構成されており、等価回路は並列回路であることを示唆した。このことがLSGMの高伝導度に大きく起因していることを解明した。
  • 吉岡 秀樹
    セッションID: 3B02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    アパタイト型のランタンシリケートは中温域で比較的高い酸化物イオン伝導性を示す。本研究では、中温型SOFC用固体電解質材料としての適用を目指して、陽イオンのドーピングや焼成条件の検討を行った結果、550℃以下でランタンガレート(LSGM)より高い伝導度を示す固体電解質材料を開発した。
  • 平松 剛, 平田 好洋, 鮫島 宗一郎, 松永 直樹
    セッションID: 3B03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    ガドリニウム固溶セリア(GDC, 700 μm)を電解質、La0.6Sr0.4CoO3(LSC)とLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3(LSCF)を正極とする燃料電池を評価した。負極には、Ni / GDC系サーメットを用いた。3 vol%の水蒸気を含む水素を用いた最大出力密度は、1073KにおいてLSC系で53 mW / cm2、LSCF系で113 mW / cm2であった。正極のオーム抵抗および過電圧は、LSC系よりLSCF系で小さくなった。
  • 石原 達己, 閻 景旺, 榎木 真紀子, 松本 広重
    セッションID: 3B04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    レーザーアブレーション法を用いるLaGaO3系酸化物の薄膜化を検討した。基板としてNiO-Fe3O4-SDCからなる緻密基板を用いると、緻密なLaGaO3系酸化物膜が析出できることがわかった。得られたセルは水素還元すると多孔質化し、燃料電池へ応用可能であった。ほぼ理論起電力を示すとともに、700℃において最大出力密度は3.4W/cm2という高い値に到達することがわかった。このセルは500℃でも612mW/cm2という高い出力を示し、低温作動型SOFCとして期待される。内部抵抗の解析から電解質の薄膜化により、過電圧も低減でき、薄膜セルでは400℃でも電極過電圧は小さく抑制されることがわかった。
  • 西野 華子, 劉 宇, 橋本 真一, 森 昌史, 藤代 芳伸, - -
    セッションID: 3B06
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    高酸化物イオン伝導度を有するセリア系酸化物は、中温型SOFCの電解質材料として有望な材料である。しかし、目標とするSOFC作動温度773Kでの酸化物イオン伝導性は充分でないことから、電解質の10μm程度への薄膜化が必要である。そのため、電極を強度材とし、電解質薄膜を作成する方法を考えている。この手法では、焼成工程において電極と電解質を共焼結させるため、それらの焼結挙動を合わせることが重要である。本研究では、還元させることで多孔質電極として使用する酸化ニッケル_-_セリア系燃料極材料に注目し、共焼結法に関連する知見について検討した結果を報告する。
  • 八木 勇誌, 柿沼 克良, 山村 博
    セッションID: 3B07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    高酸化物イオン伝導を有するBa0.3Sr0.2La0.5InO2.75の母体材料であるペロブスカイト型酸化物LaInO3系のAサイト置換系試料(La1-xSrx)InO3-δとBサイト置換系試料La(In1-xMgx)O3-δの固体中における酸化物イオンのダイナミックス特性について誘電緩和の観点から研究し、酸化物イオン伝導度との関係を明らかにすることを試みた。誘電測定は空気中で測定温度573Kから1273Kで100Kおきに測定周波数13MHzから5Hzの範囲で行った。誘電測定より得られたデータの解析を行い、交流伝導度の各温度での周波数依存性の違いや比誘電率の周波数依存性などについて議論した。
  • 斉藤 美和, 柿沼 克良, 山村 博
    セッションID: 3B08
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
     高い酸化物イオン伝導性を示すペロブスカイト型(一般式ABO3)酸化物は固体電解質型燃料電池(SOFC)や酸素センサーへの応用が期待されている。近年、Ba2In2O5は次世代のイオン伝導体として注目されている。Ba2In2O5は900℃付近で相転位を起こし、酸化物イオン欠陥が秩序配列したブラウンミラライト構造(一般式A2B2O5)から酸化物イオン欠陥が無秩序配列したペロブスカイト構造になることが報告されている。本研究ではInサイトに着目し、平均イオン半径をInに一致させるように種々の3価のカチオンを2元固溶した系の合成を試みたところ、いくつかの組み合わせでブラウンミラライト構造が単一相として得られたので、酸化物イオン伝導との関係を議論する。
  • 林  晃敏, 原山 貴司, 南 圭一, 辰巳砂 昌弘
    セッションID: 3B09
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    機械的エネルギーにより室温で反応を進行させるメカノケミカル法を用いて、リチウムイオン伝導性Li2S-P2S5系ガラスと様々な有機オリゴマーから、無機_-_有機ハイブリッド電解質を合成した。FT-IRとラマン分光測定から、得られた材料には出発原料には存在しないP-O-C結合の存在が確認された。硫化物ガラスに少量のアルカンジオールを導入することによって、導電率を増大させることに成功した。ハイブリッド電解質について、リチウムイオン輸率や電気化学的安定性、イオン伝導機構についても検討した。
  • 嶋 勇人, 江坂 享男, 坂口 裕樹
    セッションID: 3B13
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    リチウム貯蔵合金Mg〈SUB〉2〈/SUB〉Geは炭素材料より大きな充放電容量をもつ有望なリチウム二次電池負極材料であるが、初期の不可逆容量が大きいこと、サイクル安定性が乏しいことが問題となっていた。われわれのグループでは前者についてはリチウムを機械的に添加すること、後者についてはガスデポジション法を用いることにより合金系電極の特性を著しく改善することに成功した。
  • 藤谷 伸, 米津 育郎
    セッションID: 3B14
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    携帯電話やノートパソコンなどの情報通信関連のモバイル機器に用いる電源として、小型二次電池は年々、高エネルギー密度化してきているが、1990年にニッケルカドミウム電池に比べ同じ体積で約2倍の容量をもつニッケル水素電池が、更に負極に炭素を用いた小型・軽量で3.6 Vという高い放電電圧を特長とするリチウムイオン電池が1991年に商品化された。これらの背景に鑑み、本講演では、民生用ニッケル水素電池とリチウムイオン電池電池の開発の焦点となっている高エネルギー密度化、高出力化および信頼性を確保する技術として、新しい正極、負極および電極構成を例示の上、今後の開発の展望を述べる。
  • 境 哲男
    セッションID: 3B16
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    リチウムイオン電池は,軽量でコンパクトなため携帯機器で広く利用されており,我が国では全電池販売の40%を占めるに至っている.携帯電話などの高機能化の進展に伴い,電池容量の更なる増大が求められているが,材料技術の変革がないとこれ以上の高容量化は限界となっている.そこで,従来の黒鉛系負極の2_-_3倍の高容量化が可能な合金系負極が注目され,ナノ材料技術を駆使して,高容量化で長寿命な新負極材料の研究開発が行われている.2005年2月にソニーがSn-Co/炭素系負極を用いた新型リチウムイオン電池を商品化して,30%の高容量化を図ったことで開発競争が一段と活発化している.ナノ構造制御により低温特性や出力特性も向上することも大きな利点となっている. 本稿では,筆者らの成果も含めて,最近の開発状況を紹介する.
  • 山田 淳夫, 小泉 洋, 西村 真一, 菅野 了次, 米村 雅雄, 中村 龍哉, 関 志朗, 大野 泰孝, 小林 陽, 宮代 一
    セッションID: 3B18
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    LiFePO4の充放電機構について、X線回折、中性子回折、熱量測定、平衡電位測定によって詳細に調べた。その結果、LixFePO4において格子定数の両端定比化合物からの逸脱、リチウムの部分占有と部分欠損、配置エントロピー変化に伴う熱異常、平衡電位の定値からの逸脱が観測された。これらの結果は、従来言われているようなFePO4/LiFePO4の完全相分離ではなく、中間リチウム組成の相を介して反応が進行するモデルにより矛盾なく説明することができる。
  • 藤田 善岐, 西村 真一, 山田 淳夫, 菅野 了次
    セッションID: 3B19
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、インターカレーションホスト材料として、現在積極的に検討されているオリビン型LiFePO4よりもさらに安価で高安定性を持つ可能性を有する材料として、γ-又はβ-Li3PO4構造を有するケイ酸塩化合物Li2MSiO4 ( M = Fe , Mn , Co )に注目した。合成条件と最適化を行った結果、Li2FeSiO4について理論容量での充放電を初めて確認した。さらに、これまでに報告例のないM=Mn,Coの系についても充放電動作を確認し、その発生電圧順はCo>Mn>Feとオリビン型系列と同様の傾向を示した。
  • 細野 英司, 藤原 忍, 本間 格, 市原 正樹, 周 豪慎
    セッションID: 3B20
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    高容量および高出力特性を併せ持つ電池材料は、モバイル電化製品や電気自動車を主とする様々な用途において期待されている。Liイオン二次電池の高出力化のためには、電極内に電子伝道パスと電解質イオンの拡散パスを同時に有する電極構造を作製することが重要である。本発表では、ナノ構造遷移金属酸化物(NiO,Fe2O3,Co3O4)膜を自己テンプレート法を用いてNiメッシュ上に作製し、その高出力ならびに高容量を維持したLi貯蔵デバイスについて報告する。
  • 印田 靖, 加藤 高志, 馬場 守
    セッションID: 3B21
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    ガラス中にNASICON型の結晶であるLiTi2P3O12系の結晶を析出・成長させたガラスセラミックスを開発した。このガラスセラミックスは、大気中や水分に対して非常に安定で、かつ10-4Scm-1以上の高いイオン伝導性を有する。このガラスセラミックスを薄板状に加工し、片面にLiCoO2正極活物質とする正極を、もう片面にLi4Ti5O12負極活物質とする負極を貼り合せることで、全固体リチウムイオン二次電池を作製した。充放電測定の結果、作製したリチウムイオン二次電池はまだ理論容量には達しないが、繰り返し充放電可能であった。
  • 溝口 悠, 藤原 忍
    セッションID: 2PB01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    色素増感太陽電池の電極として,現在は主にn型半導体であるチタニアにRu色素を吸着させたフォトアノードが用いられている。しかし,理論的にはp型半導体を用いたフォトカソード電極を作製することも可能である。本研究ではp型酸化物半導体であるNiOに注目し,メタノール_-_水混合溶媒中での化学溶液析出法により水酸化酢酸ニッケル膜を合成し,それを熱処理することにより多孔質なNiOフォトカソードを作製した。膜の析出条件とその後の熱処理条件を検討することにより,p型色素増感太陽電池としての変換効率の向上を目指した。
  • 魚田 将史, 辛島 健, 吉村 巧己, 酒井 剛, 木島 剛
    セッションID: 2PB02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    フラン樹脂モノマーに鋳型剤である2本鎖型界面活性剤DDABと触媒及びSnO2粉末を配合した後、空気中と窒素中で逐次的に加熱反応させた。その結果、添加したSnO2の一部が添加成分の1つである臭化物イオンと反応しSnBr4として脱離する一方で、残ったSnO2が微細化され、さらに炭素成分と反応し還元されることによりSn超微粒子が高分散担持されたカーボンが生成することを見いだした。このSn担持カーボンは、Sn未担持カーボンに比べてその静電容量が著しく増大し、SnO2仕込み量50wt.%(Sn担持量21wt.%)のとき、最大の静電容量222F/gを示した。
  • Xiangeng Meng, Katsuhisa Tanaka, Shunsuke Murai, Koji Fujita
    セッションID: 1C02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    We report on a novel blue emission from pentavalent tantalum ions embedded into silicate glass host under ultraviolet (UV) irradiation. Optical absorption and fluorescence spectra were measured for undoped and tantalum-doped silicate glasses. An absorption band with large absorption coefficient appeared in UV wavelength region when tantalum ions were incorporated into glass host. The as-prepared sample exhibited highly enhanced blue emission when excited by UV photons, which seems that it is distinctly different from emission of defects. We suggest tentatively that the localized 5d0 energy level of Ta5+ is responsible for the appearance of the intense blue emission.
  • 山下 達弥, 大石 泰丈
    セッションID: 1C03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    0.54μm帯用レーザ媒体の実現を目的として、Tb3+を添加した光増幅媒体の検討を行っている。本媒体にYb3+を共添加すると、Tb3+の新たな励起方法として、0.98μm帯の励起光源によるアップコンバージョン励起が可能であると考えられる。本研究では、Tb3+-Yb3+共添加シリケートガラスを溶融急冷法により試作し、Tb3+のアップコンバージョン励起特性について検討した。本系において、0.98μm帯の励起光によるTb3+からの緑色蛍光(5D47FJ)を観測できた。さらに、Yb3+2F5/22F7/2遷移の蛍光寿命に対するTb3+の添加濃度依存性を検討し、Tb3+添加濃度の増加に対してYb3+の蛍光寿命は減少することを確認した。観測された緑色蛍光はYb3+-Tb3+間の協同エネルギー移動機構によるものであり、そのエネルギー移動率はTb3+とYb3+の添加濃度に大きく依存することを確認した。
  • 西川 和宏, 李 春亮, 安藤 昌儀, 榎本 博行, 村瀬 至生
    セッションID: 1C04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    半導体ナノ粒子は新規発光材料として様々な分野への応用が期待されているが、多くの半導体ナノ粒子は人体に有毒なカドミウムが含まれているために応用範囲が限られる。これまでに、水溶液法で合成した後に紫外光を照射する方法により、高輝度発光するセレン化亜鉛ナノ粒子を作製した。さらに、合成時と紫外光照射時に微量のカドミウムイオンを添加する事で青色領域の発光波長制御に成功した。本研究では、セレン化亜鉛ナノ粒子にテルルイオンを添加し、青色領域で発光するカドミウムフリーのナノ粒子の作製を行った。得られたナノ粒子は、発光効率が30%で、発光波長450nmと鮮やかな強い青色発光を示す。さらに、得られたナノ粒子をゾルゲル法によりガラス中に分散し、発光スペクトルと発光効率をほぼ維持したカドミウムフリーのナノ粒子分散ガラスを得た。
  • 大石 泰丈
    セッションID: 1C05
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    光ファイバ中のパラメトリック過程を用いると波長変換、光増幅、波形整形、光スイッチング等全光信号処理に必要な光波制御を行うことが可能である。これまで光信号処理は光半導体や石英光ファイバを用いて研究がなされてきたが、実用にはいたっていない。高非線形ガラスの材料の研究もなされてきたが、位相整合を満たすための高非線形ガラス導波路構造研究は今後の課題である。  また、金属イオン添加レーザ媒体は、固体レーザ開発や光ファイバ増幅器の研究開発でわかるように、光波の創生および制御に優れた材料である。光学活性イオンの周囲局所構造制御により、特性向上および新機能の創出がなされてきた。 本講演では、将来の超高速光情報通信に必要な光波創生・制御素子実現を目指した研究状況について述べる。
  • 土谷 武史, 勝又 哲裕, 稲熊 宜之
    セッションID: 1C07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    希土類イオンをドープしたペロブスカイト型酸化物を合成し、Bサイトの固溶効果と発光特性の相関について調べた。Ca(TixZr1-x)O3:Pr系については、XRDパターンから全て同じ空間群Pnmaを持つ斜方晶系のペロブスカイト構造を有していた。また、拡散反射スペクトルから、バンドギャップの吸収端が連続的に変化した。これらのことからBサイトにTiおよびZrが固溶しているといえる。発光特性についてはCaTiO3、CaZrO3にPrをドープした試料は既存の報告通りの発光を示す一方、固溶体については、UV励起によって発光はしたものの、その効果が弱まることが分かった。今後、詳しく解明する予定である。
  • 阿部 祥子, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司, 福田 由美, アルベサール アリアン 恵子, 三石 巌
    セッションID: 1C08
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    AlNは高強度、高耐食性、高熱伝導性に優れおり、様々な研究が行われている。しかし、AlNにEu2+がドープした蛍光体の研究はあまり行われてはいない。本研究では、AlNにSi3N4、Eu2O3とアルカリ土類炭酸塩またはCaCN2を混合して、蛍光体を作製したので報告する。
  • 川名 道哉, 板谷 清司, ヒンツェン エイチ ティ, 幸田 清一郎
    セッションID: 1C09
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    酸化ガドリニウム(Gd2O3)と窒化ケイ素(Si3N4)の混合粉体を窒素雰囲気中で1700℃、2h加熱して、メリライト構造を有する酸窒化ケイ素ガドリニウム(Gd2Si3O3N4)を合成した。この化合物を母体結晶にして種々の付活剤を添加し、それらの蛍光特性を評価した。付活剤としてCe3+を添加した場合には、395 nmにピークを有する励起スペクトルを観察した。このCe3+に加えて、さらにもう一種類の付活剤を添加し、395 nmに励起ピークを有する蛍光体を合成するための諸条件を検討した。その結果、Ce3+とTb3+を共付活した場合にはCe3+からTb3+へのエネルギー伝達が観察されたが、これによって395 nmの光を発する紫外LEDにより励起可能な緑色蛍光体を合成することが可能になった。
  • 加藤 栄, 松本 泰治, 伊東 裕恭, 山田 隆之, 後藤 義昭
    セッションID: 1C17
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    六角板状形態を有するリンデQゼオライト中の交換性陽イオンであるK+をEu3+でイオン交換し、加熱することによる板状赤色蛍光体の作製に成功した。Eu3+イオン交換リンデQゼオライトは800℃の加熱においても構造が安定しており、かつ六角板状の結晶形態を保っている。この試料の励起波長395nmにおける蛍光スペクトルを測定したところ、610nm付近に赤色発光ピークが確認された。復水処理を施した試料においても、同強度の赤色発光が認められた。
  • 文 致原, 西 正之, 三浦 清貴, 平尾 一之
    セッションID: 1C18
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    長残光蛍光体は、太陽光等の外部エネルギーにより励起され、励起停止後も暫時光としてエネルギーを放出する物質であり、腕時計などの夜光表示や停電時の緊急避難標識用の材料として注目されている。本研究では、ぺロブスカイト構造を持った酸化物多結晶体を固相反応法により作製し、その光学特性を吸光度測定や蛍光分光測定等により評価した。作製した多結晶体からは、大気中裸眼で見えるような残光が確認された。
  • 解 栄軍, 広崎 尚登, 佐久間 健, 高橋 向星, 三友 護
    セッションID: 1C19
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    We have already reported orangish yellow Ca-alpha-SiAlON:Eu2+ phosphors, and applied them to fabricate warm white light-emitting diodes (LEDs). In this presentation, we report the preparation and optical properties of greenish yellow Li-alpha-SiAlON:Eu2+ phosphors, and use them to create daylight when coupled to an InGaN blue LED chip (450 nm). The newly discovered phosphors emit at shorter wavelengths of 569 - 577 nm under the 450-nm excitation, and have comparable luminescence efficiency with Ca-alpha-SiAlON:Eu2+. A white LED with CCT = 4500K and luminous efficacy of 55 lm/W was obtained using the yellow-green alpha-SiAlON and a blue LED chip.
  • 國本 崇
    セッションID: 1C20
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    真空紫外線励起用蛍光体は、プラズマディスプレイや平面放電ランプなどの希ガス放電により発生する紫外線を励起光として用いるデバイスにおいて、3原色の可視光もしくはそれらを組み合わせた白色光を得るための蛍光体である。励起光のエネルギーが最低でも7eV程度と非常に高いため、これを適度に吸収する母体材料と可視光を発する発光中心イオンとの組み合わせが高輝度かつ安定な蛍光体を得るために極めて重要となる。我々は希土類イオンを発光中心として、母体にケイ酸塩鉱物及びその派生物を選択することで幾つかの有用な真空紫外線励起用蛍光体(CaMgSi2O6:Eu等)を見いだしている。これらについて紹介する。
  • 神 哲郎, 池 波, 矢澤 哲夫
    セッションID: 1C22
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    希土類酸化物系蛍光体Y2O3:Eu3+を水熱処理とその後の空気中における加熱処理により合成した。結果として得られた酸化物を用いてX線回折による同定ならびにEDXによる組成分析を行ったところ、酸化イットリウム結晶格子中に3価のユウロピウムイオンが均一に分散したY2O3:Eu3+が生成していることがわかった。この酸化物蛍光体のフォトルミネッセンスならびに真空紫外励起蛍光特性を蛍光分光光度計により検討した。
  • 阪中 裕太, 沼田 真央, 吉田 達郎, 村井 啓一郎, 國本 崇, 森 昌史, 須田 栄作, 森賀 俊広
    セッションID: 1C23
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    白色LEDは青色LEDと黄色発光の蛍光体を組み合わせる事により実現されており、その黄色発光の蛍光体の母体材料にはYAG(Y3Al5O12)が使用されている。 YAGの合成には固相反応法が最も簡単なためよく用いられるが、YAGの単一相を得るためには、一般に1600℃程度の高温で1日以上の長時間焼成が必要である。本研究では、母体材料であるYAGのYの一部をCeで置換したYAG:Ce蛍光体に注目し、出発原料に粒子状態の異なる種々の原料を用いて合成する事により、通常よりも低コストな焼成条件で単一相のYAG:Ce蛍光体を得る事を目的とした。また、昨年行ったクエン酸_-_ゲル法により合成したYAG:Ce蛍光体と比較する事により発光特性を評価した。
  • 藤原 忍
    セッションID: 1C24
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
     従来,数ミクロンサイズの粒子粉体として用いられてきた蛍光体は,LED,ディスプレイあるいはその他の新規用途に応じて材料形態を精密に制御することが求められるようになってきた。特に粒子サイズを小さくしたナノ蛍光体や透明な薄膜蛍光体が注目されているが,その発光特性に対してナノサイズ化・薄膜化にはメリットと同時にデメリットもある。また,ひとくちにナノサイズといっても,蛍光体の種類によって最適なサイズは数ナノメートルから数百ナノメートルと大きな幅がある。本講演では,今までに他分野で培われてきた材料技術を組み込んだ新しい形状・形態の蛍光体合成指針とその応用について述べる。
  • 黒木 雄一郎, 長田 実, 岡元 智一郎, 高田 雅介
    セッションID: 1C26
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    情報量の増大に伴う記録密度の向上の為に、青色よりも大きな光子エネルギーを持つ発光デバイスの開発に大きな期待が寄せられている。二硫化銅アルミニウム(CuAlS2) はカルコパイライト型半導体のうち最も大きな3.5eVというバンドギャップを有しており、紫外発光デバイスとしての実現が期待されている材料である。しかし、結晶内部に欠陥を形成し易く、良質な発光を示す結晶の作製が困難とされている。本研究ではCuAlS2粉末を作製し、Photoluminescence(PL)およびChathodoluminescence(CL)によって発光特性を評価した。また結晶内の局所欠陥構造をラマン散乱によって評価した。
  • 青木 大介, 池内 薫, 間嶌 亮太, 村井 啓一郎, 森賀 俊広
    セッションID: 2C01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ペロブスカイト型LaTiO2Nは光学バンドギャップが可視光領域(Eg=2.1eV)に存在する。通常物質の色は、その光学バンドギャップによりほぼ決定され、光学バンドギャップを変化させるには陽イオンの方を置換するのが一般的である。ところが、このLaTiO2Nは反応条件(反応時間、アンモニアガス流量)により、陰イオン量(酸素、窒素比)を変化させるだけで試料の色(光学バンドギャップ)が変化する物質であることがわかってきた。 そこで本研究では錯体重合法によりアモルファス金属酸化物前駆体を作製し、そこからアンモニア窒化法によりLnTi(OxN1−x)y(Ln=La,Nd)を合成して窒化条件を変化させることでその光学特性を制御することを目的とした。
  • 有光 直樹, 中島 章, 勝又 健一, 亀島 欣一, 岡田 清
    セッションID: 2C02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    酸化チタン多結晶薄膜において,光誘起超親水性が応力に依存することや,表面が紫外光照射によって硬くなることが報告されている.これらの報告から,酸化チタン表面で構造的な膨張が起きていることが示唆される.近年,この膨張現象を大きな粒子の酸化チタン多結晶薄膜の原子間力顕微鏡における表面粗さ変化として直接的に観察できることがわかった.表面粗さ変化とぬれ性の変化の間には関係があると考えられているが,十分な検討は行われていない.そこで,本研究では原子間顕微鏡による観察を雰囲気制御しながら行い,構造変化に対する水の解離吸着の影響について明らかにするとともに,構造変化の原因について考察する.
  • 志村 勝也, 伊藤 秀章, 吉田 寿雄
    セッションID: 2C03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
     本研究室では酸化チタン光触媒を用いて常温でのメタン水蒸気改質反応(2H2O+CH4→4H2+CO2,ΔG 298K=113 kJ/mol)に成功した。そこで本研究では水の完全分解に有効なランタンドープタンタル酸ナトリウム光触媒(NaTaO3:La) を検討した。NaTaO3:Laの本反応に対する活性は低かったが、助触媒としてPtを添加すると高活性を示した。またLa以外のドーパントとして希土類(Y,La,Nd,Ga,Yb)やアルカリ土類金属(Ca,Sr,Ba)を検討したところ、光触媒活性はLaをドープしたときに最高となり、原子価が大きく、イオン半径がNaに近い金属を適量ドープすると高活性を示す傾向が見られた。
  • 佐藤 次雄, 殷 シュウ
    セッションID: 2C04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    三塩化チタンとヘキサメチレンテトラミン等を種々のアルコール中で反応させるソルボサーマルにより高結晶化度の窒素ドープ酸化チタンナノ結晶を合成した。結晶相は反応条件により、アナターゼ、ブルッカイト、ルチルに変化し、いずれも可視光照射下でNO酸化やアセトアルデヒド酸化に対する優れた光触媒活性を示した。また、これらの光触媒活性は、ガンマアルミナ、層状チタン酸等との複合化等のパノスコピック形態制御により向上した。
  • 三島 隆寛, 松田 元秀, 三宅 通博
    セッションID: 2C06
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    近年、紫外光でしか活性を示さない酸化物系光触媒に窒素をドープし可視光照射下で電子を励起させるという手法が提案されている。ZrO2はその高い還元電位から水素を生成する光触媒として有能であり、これに窒素を導入することで高活性可視光応答型光触媒になるのではないかと期待される。これまでに本研究室では、Zr2ON2が可視光照射下において犠牲試薬存在下での水素生成反応に活性を示すことを報告した。そこで今回はZr2ON2光触媒の酸素生成反応や、さまざまな助触媒の活性への影響について検討した。
  • 岡崎 義弘, 三島 隆寛, 岡村 洋, 西本 俊介, 松田 元秀, 三宅 通博
    セッションID: 2C07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    最近、Rhなどの貴金属をドープしたSrTiO3が可視光照射下でメタノール水溶液から水素生成に高活性を示すことが報告されている。これまでに、可視光応答応答型触媒となりうる酸化物系セラミックスの報告は少なく、新たな光触媒材料の開発が必要とされている。本研究室では、以前にSrTiO3と同様にCa-Ti系ペロブスカイトCaTiO3にRhドープを施すことで可視光下での光触媒活性を示すことを報告した。そこで、本研究では、ペロブスカイトと類似構造を持つCa-Ti系層状ペロブスカイトにRhなどの貴金属ドープを行い、その光触媒活性を検討したので報告する。
  • 井上 泰宣
    セッションID: 2C08
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    水の分解反応において、ほぼ化学量論比で水素と酸素に完全分解できる光触媒は、Ti4+、Zr4+、Nb5+およびTa5+遷移金属イオンを含む遷移金属酸化物(NiOxやRuO2が助触媒として用いられる)がよく知られている。これらの光触媒は、d軌道が空のd0電子状態をもつ。これに対し、d軌道が完全に占有されたd10電子状態の典型金属イオンGa3+、In3+、Ge4+、Sn4+、およびSb5+イオンを含む典型金属酸化物も水の分解反応に活性な光触媒となることが最近見出されている。d0とdd10電子状態の光触媒を比較し、金属酸化物の局所構造およびDFT計算に基づくバンド構造の解析から、光触媒に及ぼす構造および電子的因子について述べる。
  • 植田 嘉宏, 冨田 恒之, 垣花 眞人, 加藤 英樹, 工藤 昭彦
    セッションID: 2C17
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    エネルギー・環境問題の観点から、水素はクリーンエネルギーとして注目されている。水素製造の手法の一つとして、光触媒を用いた水分解による水素生成が研究されてきた。光触媒の多くは固相法と呼ばれる手法で合成されているが、高温焼成を必要とするため比表面積が小さくなり、また原料に粉体を用いるため少量の金属イオンのドーピングには不向きであり、活性に再現性がないことが難点とされている。そこで本研究では、可視光照射下で水素生成に高い活性を示すことが報告されているロジウムドープチタン酸ストロンチウム光触媒を、原料に水溶性チタン錯体を用い錯体ゲル法、噴霧凍結乾燥法により合成し、更なる高活性化を目指した。
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