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栗栖 忠臣, 幸塚 広光
セッションID: 2C18
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
フリー
α-Fe
2O
3は比較的小さいバンドギャップを有しているが、吸光係数およびキャリア易動度が小さいため、大きい量子収率が得られない。WO
3はTiO
2と並んで光触媒活性をもつことが知られており、W
6+はFe
3+よりも価数が大きいため、α-Fe
2O
3にドープすることによって、ドナー密度が増大し、可視域での量子収率が増大する可能性がある。本研究では、バンド構造の観点から、2つの異なるn型半導体をゾル-ゲル法によって積層し、半導体接合することによって、Fe
2O
3-WO
3系積層膜を作製し、光照射により生成した電子・正孔の移動が容易になり、量子収率が増大することを期待した。また、積層膜中に生じる膜厚方向での組成傾斜が光触媒活性に及ぼす効果も調べた。
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桐原 聡秀, 宮本 欽生
セッションID: 2C19
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
フリー
フォトニックフラクタルは誘電体の自己相似的な配列により、内部に電磁波 を閉じ込める機能材料である。一方、フォトニッククリスタルは誘電体の周 期的な配列により、電磁波を回折させる機能材料である。我々の研究グループではCAD/CAMプロセスの光造形法とセラミック焼結技術を組み合わせ、三 次元のフォトニックフラクタルおよびクリスタルを作製した。誘電媒質はア ルミナであり、ミリメーターオーダーの構造により30GHz付近のミリ波の 制御を目指すものである。有限要素法による電磁波解析(TLM法)との比較も含めて、二つの機能性構造体が発現する電磁波制御効果について詳細を述 べる。
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赤井 智子, 劉 偉, 村上 方貴, 宮野 功, 山下 勝, 角野 広平
セッションID: 2C21
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
フリー
ナノポーラスガラスを焼結したシリカ粉末のVUV蛍光特性を調べた。そのTb、Dy、Tmなど希土類元素が比較的高い蛍光特性を示した。また蛍光強度の添加物依存性、マトリックス依存性を検討した。
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田部 勢津久, 張 徳宝
セッションID: 2C22
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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通信光増幅器用Erドープファイバの全エネルギー収支を評価するために、光スペクトラムアナライザと併用して、積分球を用いて、ファイバの横方向への自然放出光スペクトルとエネルギー絶対値を正確に評価した。約30%の光がファイバの横方向に散乱または放出され、40%のエネルギーが無輻射損失により失われること、結果として信号光パワー変換効率が約30%であることを明らかにした。
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荻原 毅
セッションID: 2C23
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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化粧品の目的は“…肌を美化し、魅力を増し、容貌を変え、…”ということが薬事法で定義されており、その表示できる効能効果は55項目に限られている。しかし、これとは別に光や色に関連したものはメークアップ効果として自由に演出できる。とくにメーキャップ化粧品では化粧効果として主に「隠蔽効果」「着色効果」「光沢調整効果」「持続効果」などが挙げられ、使用目的や使用部位によって様々な製品が販売されている。これらの効果を演出する技術は製剤技術も重要ではあるが、いわゆる顔料素材の特性を大きく反映している。ここでは化粧品に使用される顔料の紹介と、その光学的特性と化粧効果との関連を概論する。
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渡辺 晃, 河原 正佳, 福井 武久, 戸田 健司
セッションID: 3C01
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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Y
3Al
5O
12:Ce
3+は発光効率の高さや材料自身の高い化学的安定性のため、白色LED用の黄色蛍光体として広く使用されている。また、近年、新規な蛍光体の開発として、効率的な励起光の取り組みと発光の観点から、透明なガラス材料を利用した蛍光体材料が検討されている。本研究では、出発原料にFlash-Creation-Methodで作製したナノ粉末を用い、1600℃で6h焼成を行い、透光性の高いセラミックスを得た。当日はFlash-Creation-Methodによるナノ蛍光体の合成についても述べる。
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柳田 健之, 伊藤 健, 高橋 弘充, 佐藤 光浩, 榎戸 輝揚, 国分 紀秀, 牧島 一夫, 柳谷 高公, 八木 秀喜, 繁田 岳志, 伊 ...
セッションID: 3C02
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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放射線の検出は、一般に放射線をシンチレータと呼ばれる結晶で検出し、そこからの蛍光を受光機で読み出すという形式で行われている。シンチレータには従来、光学的に透明で、高い蛍光が得られる単結晶が用いられてきた。近年、レーザー分野での技術発展によって光学的に透明なセラミックスが得られ、これをシンチレータへ応用する研究が行われ始めた。日本では我々がYAG(Ce)、GYAG(Ce)といったセラミックシンチレータを開発し、また海外ではGEなどが中心となり、宇宙・原子核物理、核医学(PET、SPECT)などへの応用を志向している。本講演では、セラミックスシンチレータを用いた放射線検出器の現段階での開発、今後の展望について述べる。
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小玉 展宏, 松岡 紘樹, 高橋 智子
セッションID: 3C03
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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ガドリニウム複フッ化物CsGd
1-xY
xF
7およびCs
2NaGdF
6にEr
3+,Tb
3+を共添加した新規な結晶を合成した。 これら結晶の分光特性を明らかにすると共に,結晶中の希土類イオン対,Er
3+-Gd
3+-Tb
3+系でのダウンコンバージョンを利用した真空紫外域での4f-5d励起による可視の量子カッティング特性と,その結晶組成およびGd組成依存性を調べた。その結果を基に量子カッティングの機構を議論する。
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増井 敏行
セッションID: 3C04
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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微粒子であるにもかかわらず、高い発光強度を示す新規な蛍光体の開発を
目指し、六方晶_II_型の構造を有する希土類のオキシ炭酸塩を母体とする新し
い蛍光体を開発した。La、Gd、Yのオキシ炭酸塩のうち、
Gd
2O
2CO
3が高い発光強度を得るための
母結晶として最適であった。組成、合成条件、及びフラックスを最適化する
ことにより、市販蛍光体の発光強度を凌ぐものが得られた。
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小玉 展宏, 高橋 智子, 勝間 亜沙子, 栗田 厚, 西垣 賢一
セッションID: 3C06
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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Pr
3+添加アパタイト型単結晶SrY
4(SiO
4)
3Oを引き上げ法で育成した。育成結晶の発光,励起,吸収スペクトルを室温で測定した。また,低温4K,レーザー励起による高分解能の分光特性を明らかにした。その結果をもとに,4Kで,可視域の狭帯域の色素レーザーを照射し,照射前後の励起スペクトルを調べることにより,スペクトラルホールーニング発現の可能性を検討した。
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田中 滋, 石川 由加里, 鈴木 健伸, 柴田 典義
セッションID: 3C07
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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JFCCにて研究推進中のEr添加ZnO薄膜に関して、電界発光現象をプロトタイプのデバイスを試作し、検討した。マイクロパターン化されたAu電極薄膜を設けたサファイア基板全面に、Er添加ZnOをスパッタ、次いでITO薄膜をその上に連続してスパッタした。これをエッチングしてAu及びITOで直接挟まれている蛍光膜を有する約1000個の微小セルを作製した。この微小セルに適当な交流電界を印加したところ、近赤外領域1.5ミクロンにピークを持つ極めてブロードな発光を確認した。プロセス過程による膜ダメージや発光過程の消失はなく、本膜のデバイス化にとって有効な知見である。
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村崎 嘉典
セッションID: 3C08
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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蛍光体は電子線、X線、紫外線などの制御装置と組み合わされて、日本においては発光デバイスとして使用されるようになり80年ほど経過した。現在では周知の通り、蛍光体は様々の用途に搭載され、欠くことのできないキーパーツ的な存在になっている。そして本講演では、蛍光灯をメインとします照明用途及びPDP,LCD,CRTなどのディスプレイ用途の蛍光体に関しまして、過去の開発経緯、用途別の種類や発光特性、製造方法及び最近のトレンドを中心に報告させていただきます。また、最近になり照明とディスプレイの両方に注目されていますLED及びその蛍光体ついても、同様に経緯と状況について述べていきます。
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渡邊 美幸, 柿沼 克良, 山村 博
セッションID: 3C13
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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透明電極材料ITO(Indium Tin Oxide)は高導伝率、高透過性を持つ優れた材料であり、液晶ディスプレイやタッチパネルなどに広く用いられている。しかし、主原料In2O3が稀少であり代替材料の開発が求められている。当研究室では安価で安定供給が可能であるZnOに着目し研究を行ってきた。これまでに、ZnOにIn3+、Ga3+、といった三価の陽イオンを同時固溶させることで電気伝導度が上昇することがわかっている。本研究ではさらに電気伝導度の上昇を目指し、ZnO、Zn1-xInxO系(x=0.01mol)において焼成雰囲気の検討を行った結果について報告する。
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長田 実, 海老名 保男, 高田 和典, 佐々木 高義
セッションID: 3C14
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
フリー
本グループでは、層状化合物の単層剥離により得られる酸化物ナノシートを構築単位に用いて、ナノ組織体を設計的に構築する技術の確立と高度な電磁気機能の創製を目指した研究を進めている。本研究では、最近開発した強磁性ナノシートを利用した超格子作製技術と磁気光学デバイスへの応用の可能性について検討する。室温での磁気光学測定の結果、Co置換チタニアナノシートが室温で強磁性体として機能し、基礎吸収端付近の紫外線領域において従来の材料を凌ぐ巨大な磁気光学効果を示すことを見出した。さらに、積層数の異なる多層膜や、Fe置換チタニアナノシートを構成ブロックに加えた人工超格子を作製することで、磁気光学特性の自在な制御が可能となることを確認した。
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本間 隆行, 黒木 雄一郎, 岡元 智一郎, 高田 雅介, 金近 幸博, 東 正信, 谷口 人文
セッションID: 3C15
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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窒化アルミニウム(AlN)は、6.2 eVものワイドバンドギャップを有していることから、紫外、可視、近赤外領域において無色透明であり、透光性セラミックスとして期待されている。本研究では、焼結助剤として添加したCa系化合物の添加量がAlN焼結体の熱伝導率および光透過率に与える影響を欠陥の観点から調査することを目的とし、フォトルミネッセンス(PL)測定およびカソードルミネッセンス(CL)測定を行った。結果から、AlN焼結体の熱伝導率および光透過率に大きく影響を与えるのは、PL測定により観察された欠陥ではなく、CL測定により観察された酸素が関与した欠陥であると考えられる。
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鈴木 健一, 黒木 雄一郎, 岡元 智一郎, 高田 雅介
セッションID: 3C16
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
フリー
我々の研究グループはセラミックスのカップリングにより、界面に組成が連続的に変化する傾斜組成層を作製し、走査電子線を用いて元素組成(EDS)と発光特性(カソードルミネッセンス:CL)を同時に評価する手法を提案している。これまでに酸化アルミニウム(α-Al
2O
3)と酸化亜鉛(ZnO)の各組み合わせに本手法を適用することによって、界面に生成した拡散層が高い単色性と大きい強度を有する紫外発光(3.75 eV)を示すことを見出した。本研究では、これら拡散層に生成した材料の光学的特性について調査をおこなった結果について報告する。
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川田 哲
セッションID: 3C17
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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物質の機能評価において主成分組成と不純物含有量を高精度に定量し、物質機能との相関関係を求めることは重要な項目である。高精度定量のためには、現存する機器分析手法の中でも溶液試料を対象とした誘導結合プラズマ発光分光分析法または誘導結合プラズマ質量分析法が用いられる場合が多い。これら化学的な前処理を伴う分析法は、操作が煩雑で分析工程も複雑になる傾向がある。特にセラミックスは難分解性化合物であることが多く、試料の溶液化という点で分析的に多くの知識・経験が必要な物質である。本発表では、セラミックスの化学分析における問題点、分析法、分析値の精度などについて例を挙げながら報告する。
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戸田 健司, 白倉 重樹, 上松 和義, 佐藤 峰夫
セッションID: 1PC01
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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アスベストは純度の高いマグネシウムケイ酸塩であり、その害は繊維状の形態によって発生する。アスベストをそのまま加熱して繊維状の形態を消失させるためには、1500℃以上の温度が必要で、そのような超高温溶融炉による処理は需要に追いついていない。除去されたアスベストを廃棄するにも廃棄場所がないなど、二次被害の危険性も高くなっている。そこで、アスベストと反応する反応性フラックスを添加し、1200 ℃以下の低温でアスベストの繊維状の形態を消失させると共に、高付加価値を持つ蛍光体材料に変化させる。高付加価値化することにより、廃棄アスベストの収集活動に対して有利となる。
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川上 義貴, 上松 和義, 戸田 健司, 佐藤 峰夫
セッションID: 1PC02
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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現在、青色LEDの量産化に伴い、黄色蛍光体YAG:Ce3+との併用による白色LEDが開発されたことで白色LED用高輝度蛍光体の研究が多方面で進められている。白色LEDは高信頼性、高速応答、消費電力においても蛍光灯の1 / 2、白熱電球の1 / 8という低消費電力であり、寿命も蛍光灯・白熱電球の10倍と長寿命であるため、低コストかつ環境負荷が少ないという非常に優れた特性を持つ。このことから、蛍光灯に代わる照明技術としてかねてから注目を集めてきた。しかし、代替照明としては、明るさ、演色性(演色性:光源を照明として使用する場合の色再現性に関する指数)、発光効率の面で問題を抱えているため、更なる特性の改善には新たなLED用の蛍光体の開発・合成が必要である。本研究では、現在まで検討がほとんど行われていないアルカリ土類ケイ酸塩母体の蛍光体の合成と評価を行った。
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石川 宏典, 上松 和義, 戸田 健司, 佐藤 峰夫
セッションID: 1PC03
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
フリー
水分解反応に活性なTi4+、Nb5+、Ta5+遷移金属イオンは酸素八面体で構成されたd0電子状態をとるのが大きな特徴である。近年、d0電子状態に代わり、d軌道が完全に充填されたd10電子状態に関心がもたれ、井上らによりIn、Ga、Ge等のd10電子状態で構成された典型金属酸化物が、水の分解反応に対する光触媒活性を示すことが報告された。
そこで本研究ではd10型複合酸化物に着目し、In系層状ペロブスカイトLa2BaIn2O7を合成し、水分解活性評価を行った。また、TaをInサイトに置換し、水分解活性評価した。
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Bin Liu, Shu Yin, Ruxing Li, Yuhua Wang, Tsugio Sato
セッションID: 1PC04
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
フリー
Titania/nitrogen-doped titania nanocomposite was prepared by the following route: Nitogen-doped anatase titania photocatalyst TiO2-xNy was prepared by solvothermal reaction at 190℃for 2 hours by using HMT as nitrogen sources. It was mixed with certain amount of commercial titania in different ratio by milling in liquid acetone using agate mortar. The phase composition, crystallinity, specific surface area, photo chemical properties, and the photocatalytic abilities were characterized.
Some of the Titania/TiO2-xNy nano composite materials showed excellent photocatalytic ability for the oxidative destruction of nitrogen monoxide under irradiation of visible-light>510nm and the acetaldehyde decomposition ability under UV light irradiation. This might be due to the TiON acts as the acceptor of photoinduced electrons while TiO2 collects the holes. The recombination of the electron-hole was effectively depressed by the heterogeneous electron transfer.
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本間 剛, 紅野 安彦, 藤原 巧, 小松 高行
セッションID: 1PC05
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
フリー
フレスノイト型結晶に属するBa
2TiGe
2O
8(BTG)およびBa
2TiSi
2O
8(BTS)結晶は結晶化ガラスにおいてLiNbO3に匹敵する強い第二高調波発生が確認されており、光変調素子、光スイッチなどの光次世代フォトニクス材料として注目されている。本研究ではレーザ局所加熱(原子加熱法)によりBaO-TiO
2-GeO
2-SiO
2ガラス基板上にBTGおよびBTS結晶のラインパターン化を試み、その形態と第二高調波発生について調査した。
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石沢 均
セッションID: 1PC06
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
フリー
透過率が高く屈折率分散の低い優れた光学材料である蛍石(CaF2)の透明焼結体をコロイドプロセスにより作製した。湿式法により結晶性の高いCaF2微粒子を調製し、プレス成形、大気中焼結、アルゴン雰囲気中HIP処理を経て作製した。得られたCaF2透明焼結体の屈折率と分散は、nd=1.43、νd=95であり単結晶蛍石とほぼ同じであった。紫外域の透過率は単結晶蛍石より劣るものの、赤外域では同等であった。従来、るつぼ引き上げ法などの大規模な設備がないと作製できなかった蛍石が、湿式法による比較的簡単な方法で作製できた。また、焼結体の透明度を維持したまま蛍光物質としてEuまたはTbをドープすることができた。レンズとしてだけでなく透明蛍光体としての応用も期待される。
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松田 宗広
セッションID: 1PC07
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
フリー
Zn2GeO4は、蛍光現象を示す物質として、また、紫外光で水を水素と酸素に完全分解する物質として報告されている。この物質の光学特性による知見を得ることで、蛍光材料として、また、可視光で応答可能な光触媒材料として期待できると考えられる。
本研究では、Zn2GeO4系の置換を行うことによって光学特性の検討を行ったので報告する。
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水梨 智博, 藤原 忍
セッションID: 1PC08
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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beta-Ga2O3はバンドギャップ4.9eVを持つ化学的・熱的に安定な化合物であり,熱処理条件により絶縁体からn型半導体あるいは導電体に変化する。そのため,透明導電膜,高温ガスセンサーとしての応用が考えられている。また,紫外光励起により発光することから蛍光体としての研究もなされている。本研究では,低温溶液中で微細構造を制御しながら結晶成長させる化学浴析出法を用い,beta-Ga2O3の前駆体となるロッド状GaOOH膜を作製した。また,その過程で尿素およびEu3+イオンを添加することにより,Eu3+ドープGaOOH膜を形成し,その後の熱処理によってEu3+ドープbeta-Ga2O3を作製することができた。これを紫外線で励起するとbeta-Ga2O3由来の青緑色発光とEu3+由来の赤色発光が同時に観測された。また,励起波長を変えることによりこれらの相対的な発光強度を変調させることができた。
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萩原 宏章, 藤原 忍
セッションID: 1PC09
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
フリー
希土類蛍光体のホスト材料として酸化セリウムはほとんど研究されていなかったが,最近,EuおよびSmをドープした酸化セリウム薄膜において近紫外光励起による発光が確認され,ホストからのエネルギー移動が励起機構であることが示唆された。本研究では酸化セリウムに対して,バンドギャップがより大きく結晶構造の対称性が低い酸化ジルコニウムを固溶させ,ドープした希土類イオンの発光・励起過程について検討した。
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與口 聡, 伊藤 滋, 海老名 保男, 長田 実, 佐々木 高義
セッションID: 1PC10
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
フリー
新しい2次元ナノ物質である酸化チタンナノシートをホストに、Ti格子位置にCoを置換した磁性半導体ナノシートを合成した。Co置換量を系統的に制御した層状チタン酸化物K
0.8Co
xLi
(0.8-2x/3)/3Ti
1.6+(0.4-x)/3O
4(x=0.0-0.4)を合成し、イオン交換後、膨潤-剥離によりCo置換酸化チタンナノシートを得た。得られたナノシートを構築単位に用いて、layer-by-layer積層により多層膜を作製した。試料(x=0.4)の磁気光学測定の結果、基礎吸収端の紫外線領域において、強磁性特有の磁気光学効果を確認した。さらに、系統的な磁気光学測定を行い、磁気光学特性のCo置換量依存性について検討した。
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糸瀬 将之, 海老名 保男, 長田 実, 佐々木 高義
セッションID: 1PC11
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
フリー
二次元ナノ物質である酸化チタンナノシートをホストとし、Ti席の一部をFe置換させた磁性半導体ナノシートを合成した。まずFe置換量を系統的に制御するため、Liをコドープし、層状チタン酸化物K
0.8Ti
1.2+(1.6-2x)/3Fe
xLi
(0.8-x)/3O
4(x=0.8⇔0.0)を合成した。これらを酸処理後、単層剥離させることで、Fe置換酸化チタンナノシートを得た。得られたナノシートをレイヤーバイレイヤー積層で多層膜を作製し、磁気光学測定を行った。x=0.8試料では基礎吸収端の紫外光領域において、強磁性特有の磁気光学効果を確認した。さらに、系統的な磁気光学測定を行い、磁気光学特性のFe置換量依存性について検討した。
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末廣 隆之, 広崎 尚登, 解 栄軍, 三友 護, 垣花 眞人
セッションID: 1PC12
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
フリー
次世代の一般照明光源と目される白色LEDの実用化には可視光励起特性に加えて高エネルギー密度の励起源照射に対する耐久性を備えた波長変換用微粒子蛍光体の開発が求められている。近年、高効率な可視光励起特性と優れた耐久性を特長とする新規窒化物蛍光体の開発に高い関心が集まっているが、現状において確立していない多元窒化物微粉体の直接合成技術の創出が実用化への鍵となっている。本研究では、講演者らにより開発された新規な窒化物微粒子合成法(ガス還元窒化プロセス: GRN)を用いたサイアロン系、Si基多元窒化物等をホストとする可視光励起窒化物蛍光体の直接合成プロセスを紹介する。
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吉村 浩一, 濱上 寿一
セッションID: 1PC13
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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単分散球状粒子からなるコロイド結晶は次世代の光学材料や光学素子としての実用化が期待されている材料の一つである。我々は高品質なコロイド結晶を作製するために湿式プロセスである電気泳動法を用いて検討を行っている。電気泳動法はコロイドが分散した懸濁液に電極を浸漬し電気的な作用によりコロイドを移動させ基板上に堆積・固化させる手法である。本研究ではコロイドとして単分散シリカ球状粒子を採用するとともに、電気泳動プロセス条件がコロイド結晶の光学特性に及ぼす影響について検討した結果を報告する。
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早川 知克, 堀 真美子, 野上 正行, Pagnoux C.
セッションID: 1PC14
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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Au微粒子の表面プラズモン共鳴(SPR)に起因する光学的非線形性の向上のために、本研究では高屈折率セラミックス酸化物TiO2の被覆を可能にする微粒子合成技術の確立を目指している。これまで我々は4,5-Dihydroxy-1,3-benzene-disulfonic acid, disodium salt monohydrate(通称Tiron)を保護剤かつ還元剤として用いたAu微粒子の作製方法(Tiron法)について報告してきた。Tironは金属イオンとキレート結合する性質があることから、セラミックス微粒子の分散剤によく用いられている。今回、ゾル-ゲル法を用いて加水分解させたTiアルコキシドと、Tiron被覆Au微粒子と反応させることでTiO2とAu微粒子との複合化を試みた。この光触媒活性について合わせて報告する。
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西本 俊介, 松田 元秀, 三宅 通博
セッションID: 1PC15
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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可視光応答型光触媒CaTi
1-xM
xO
3 (M = Ir, Ru, Rh)の水素生成反応。
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上松 和義, 金子 紘明, 戸田 健司, 佐藤 峰夫
セッションID: 1PC16
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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MgSUB2/SUBSnOSUB4/SUBは紫外線励起により白色の発光を示し,且つその発光は緩和時間が長い,いわゆる長残光蛍光体である.この蛍光体を母体としてEuSUP3+/SUPを賦活すると赤色の発光を示すが,長残光ではなかった.MnSUP2+/SUPの賦活では緑色発光の長残光を示し,また,CrSUP2+/SUPの賦活では弱いながらも黄色の長残光を示した.賦活材の種類およびその賦活の方法を種々検討し,MgSUB2/SUBSnOSUB4/SUBの長残光蛍光体母結晶としての可能性を調査した.
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岡元 智一郎, 高田 雅介, 川本 昴
セッションID: 1PC17
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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カーボンナノチューブ(CNT)は、電気伝導性、熱伝導性、機械的強度に優れており、電子放出材料、リチウム電池の負極材料、ナノコンポジットのみならず、ナノデバイスへの応用研究が進展している。我々は、SiC線材の通電加熱により、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤ、カーボンナノオニオン等の各種ナノカーボン材料を作製することに成功している。今回の発表では、本手法により作製したナノカーボン材料の光学特性について報告する。
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大塚 雄一, 藤原 忍
セッションID: 1PC18
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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希土類ドープ蛍光体の研究において励起スペクトルの制御が注目されている。その制御においてホストの選択が重要である。本研究では酸化アパタイト型結晶において励起スペクトルの長波長化を行うことを目的とした。ゾルゲル法により薄膜を作製し,XRD,透過率,発光スペクトル,励起スペクトルを測定し発光特性を評価した。La
10(SiO
4)
6O
3をホストとしたEu
3+の613nmの赤色発光における最大励起波長は270nmであった。Laよりもイオン半径が大きい金属Sr
2+のドープ濃度を変化させることによるEu
3+の613nmの赤色発光における最大励起波長の変化を検討した。
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松本 貴子, 上松 和義, 戸田 健司, 佐藤 峰夫
セッションID: 1PC19
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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近年、GaNを始めとした窒化物半導体がLEDや光触媒に広く応用されており、窒化物の応用範囲は多岐に渡っている。一般に窒化物の合成はNH3雰囲気下の固相反応で行われるが、この場合、粒子の凝集による窒化反応の阻害などが起こりやすい。そのため固相反応では窒化の制御が難しく、均一な試料が得られない事が多い。今後の窒化物応用の展開のためには、均質な単成分系窒化物の効率的合成だけでなく、複数の元素が共存する多成分系窒化物を、均一な組成で合成できるプロセスの確立が不可欠である。そこで、本研究では、準安定な酸化物をアンモニア焼成で加熱分解しNを導入するという新しい合成方法により均一な窒化物の合成を試みた。
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岡野 聡, 妹尾 英樹, 西川 崇, 田中 寿郎
セッションID: 1PC20
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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水熱合成法を用いてブルッカイト型酸化チタンの作製を行い、その評価を行った。その結果最大で50%程度のブルッカイト相を含む酸化チタン粉末を得ることに成功した。
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木部 英敏, 上松 和義, 戸田 健司, 佐藤 峰夫
セッションID: 1PC21
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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タンタル系複合酸化物は水分解における光触媒として優れた特性を持つことが知られている。タンタル系酸化物は高いポテンシャルの伝導帯を持ち、水の水素への還元反応に対して有用であることから、光触媒材料を構成する主要金属元素として注目されている。そこで本研究では、希土類を含む層状タンタル酸塩NaRbLnTaO
5( Ln = La、Pr、Nd、Sm )を合成し、その光触媒特性の評価を行った。活性は希土類に強く依存し、Ln = Ndにおいて最も高い活性を示した。水分解における水素発生量は、911 μmol / hとなり、助触媒なしの光触媒単独の水分解活性としては非常に高い値を示した。
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関 聡美, 伊藤 豊, 上松 和義, 戸田 健司, 佐藤 峰夫
セッションID: 1PC22
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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近年、蛍光灯の代替照明として白色LEDが注目を浴びている。中でも現在使われているものは青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせた2波長型のものであるが、光の3原色のうち、赤色光成分を大きく欠いているために、擬似的な白色光であるといえる。そこで、紫外LEDを用いて赤、緑、青の3種類の蛍光体を励起する3波長型の白色LEDが検討されている。しかし、これら3種の蛍光体の輝度を比較すると、赤色蛍光体の輝度は、他の緑、青の蛍光体の輝度よりも劣っているのが現状であり、紫外励起白色LEDの普及の障害となっている。そこで、本研究では、この問題を解決するために、Ba2Gd3Li3Mo8O32構造にEuを付活した赤色蛍光体の合成と、その蛍光特性の評価を行った。
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森 由行, 木部 英敏, 上松 和義, 戸田 健司, 佐藤 峰夫
セッションID: 1PC23
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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層状化合物はその層間を反応場として利用することで反応表面積が増加したり、電荷分離が容易に行えるようになったり、光触媒反応に有利に働く事が期待されている。そのため層間架橋や層剥離など層間の積極的な修飾手法が行われてきた。
本研究室で研究してきた層状化合物NaRbNdTaO5は層間に大きな分子をインターカレートすることなく水中で剥離し、単層で存在するコロイド溶液として存在する。このコロイド溶液を用いた水の全分解反応において、H2とO2の生成を確認した。つまり、このナノシートは層状構造体として再構築することなく、水分解可能な光触媒として機能することが分かった。
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成海 洋輔, 松本 貴子, 上松 和義, 戸田 健司, 佐藤 峰夫
セッションID: 1PC24
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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強誘電体材料として知られている、SrBi2Ta2O9の性質としてHClによる層間溶解がある。この性質により層間を光触媒の反応場として用いることができる。この化合物は層間にBiを有する、Aurivillius層であることが報告されている。また、SrBi2Ta2O9中のTaは高いポテンシャルの伝導帯をもち、水分解における水素発生に有効である。そこで本研究では、この層間にあるBiを溶出させることで表面積を大きくし、この層間を水分解反応における反応場として利用し、活性の向上を目指した。Bi溶出の方法として、HCl中にてMBi2Ta2O9(M = Ba , Sr , Ca)を攪拌し、層間にあるBiを溶出させた。前述の物質を含むMBi2Ta2O9(M = Ba , Sr , Ca)を合成しその光触媒特性の評価を行った。層間をHClで処理することによりその活性は著しく向上した。
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新堀 知弘, 魚田 将史, 関田 正實, 酒井 剛, 木島 剛
セッションID: 1PC25
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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EuをドープしたY
2O
3は、赤色蛍光体として実用化されているが、ナノ構造制御による更なる特性の向上が期待されている。そこで、Y
2O
3を骨格とするSDSナノ複合体に3価のEuイオンをドープした試料の合成するとともに発光特性の評価を行った。
Y
2O
3/SDS複合体の発光特性の評価を行った結果、主要相がY
2O
2SO
4である試料は、主要相がY
2O
3の試料の約2倍の発光強度を示すことを見出した。しかし、これまでY
2O
2SO
4をホストとする高輝度発光体は報告されていない。そこで、EuをドープしたY
2O
2SO
4の直接合成も併せて行ない、発光特性を評価した。
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早川 知克, 田中 大樹, 野上 正行
セッションID: 1PC26
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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希土類イオン―ナノ粒子間エネルギー移動現象を利用した新しい蛍光体ガラスの開発を目指し、今回SnO2半導体ナノ結晶に青色発光を示すCe3+をドープすることも試みた。X線回折データのプロファイルフィッティング解析を行いCe3+イオンのSnO2への優先導入を調べると共に、ガラス作製条件と青色発光の関係を調べた。温度消光の実験データも紹介する。
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高坂 真一郎, 上松 和義, 戸田 健司, 佐藤 峰夫
セッションID: 1PC27
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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近年白色LEDが照明光源として注目され、研究が進められている。現在白色LEDの方式としては、(1)青色のLEDと黄色蛍光体を組み合わせる方法、(2)紫外LEDと赤・緑・青蛍光体を組み合わせる方法、(3)青色LEDと緑・赤色蛍光体を組み合わせる方法がある。その中で、発光効率やコストの点から実用化されているのは(1)の方式である。しかし、この白色LEDを照明用として用いる場合、その構成がInGaN系の青色LEDと黄色のYAG蛍光体を組み合わせたものであるため、光の三原色のうち赤色成分を大きく欠いていることから演色性(光源によって照明された物体の見え方を左右するその光源の性質)に問題がある。本研究では、(2)の方式に適する赤色蛍光体の合成と評価を行った。
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望月 圭介, 福士 大吾, 山本 博文, 川南 修一
セッションID: 1D01
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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酸化物単結晶は様々な分野で活躍している。サファイア単結晶はベルヌーイ法,EFG法,熱交換法(HEM),チョクラルスキ(CZ)法,キロプロス法など様々な方法で育成され,基板,窓,工業部品などに利用されている。ルチル単結晶は屈折率が高く,さらに複屈折による常光と異常光の分離幅が大きいため,光学部品として利用されている。本報告では,サファイア,ルチルなど酸化物単結晶の育成およびその評価について報告する。結晶育成方法の紹介ならびに異なる育成方法で育成した結晶の評価結果について述べる。
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細谷 正一
セッションID: 1D03
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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近年、著者らによって見出されたリチウムボレート系ガラスの中性子検出器用シンチレータについて、その調製方法、UV励起による発光強度のLi/B組成比および賦活剤濃度依存性、α粒子、X線および熱中性子励起による発酵減衰時間と信号強度の評価、また他の賦活剤との共添加、系内化合物単結晶育成の試みなどについて述べる。
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樋口 幹雄, 佐々木 洋佑, 高橋 順一
セッションID: 1D05
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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浮遊帯溶融法により、任意のバルク組成をもつNd:YAG-Al2O3およびRE:GdAlO3-Al2O3(RE=Ce、Nd)系の共晶体を作製し、組成と組織形態との関係を調べた。Nd:YAG-Al2O3系ではマトリックスであるAl2O3の体積分率が増大するにつれて、独立したNd:YAG相の形態はより複雑なものとなった。一方、RE:GdAlO3-Al2O3系では直径1mm程度の柱状のRE:GdAlO3が均一にAl2O3マトリックス中に分散した組織が観察された。Ce:GdAlO3-Al2O3の凝固体試料はシンチレータ材料として良好な蛍光特性を示した。
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大場 点
セッションID: 1D08
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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90年代半ばより、ArFエキシマレーザー半導体露光装置の光学系に用いられるための、高品質なフッ化カルシウム結晶の製造プロセス開発を進めてきた。レーザー光に対する耐久性や透過率を向上させるためには、原料中の吸着水分に起因する酸化物の除去が重要であり、また、ブリッジマン法によって結晶粒界や負結晶を含まない均質な大口径結晶を成長させるには、固液界面の形状や移動速度を把握して制御する必要がある。これらの問題に対し、原料とそれに添加するフッ化剤(スカベンジャー)との反応解析や、成長炉内の温度計測と熱解析シミュレーションを行って、高品質化に必要な技術を開発してきた。今回の報告では、その概要について紹介をする。
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石沢 伸夫
セッションID: 1D17
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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山梨大学の故児嶋先生の研究グループがFZ法で合成した標記
結晶の精密電子密度分布解析をおこなった。従来は同一位置を統計
的に置換すると思われていたLaとSrは実際にはわずかに違った位置
をこのむ。また、それぞれの周囲を取り囲む酸素の位置もやや異な
る。このような局所的な構造のひずみは、良質の微小結晶と精密な
放射光単結晶解析によって初めて検出できるものであった。正方晶
-斜方晶の相転移にあたえるSr置換の影響についてX線および分子動
力学計算から考察した。
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宍戸 統悦
セッションID: 1D19
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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ハライド、酸化物、金属をフラックスに用いて、数多くの化合物の単結晶の育成を試みた。
(1)多元系の新化合物探索、(2)対象が分解溶融型の化合物であって通常の溶融-凝固法が適用できない、 (3)対象が極めて高融点を有し、通常の溶融-凝固法を適用しにくい、(4)対象が融点差の大きな元素の組み合わせから成る化合物であり、溶融-凝固法を適用しにくい、(5)原料の中に蒸発しやすい成分を含み、溶融-凝固法を適用しづらい、(6)目的化合物と、生成エネルギーが近接する化合物が同時に生成し、溶融-凝固法では単相化を達成しづらい、これら(1)から(6)の場合に特にフラックス法は威力を発揮した。事例とともに発表する。
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