日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
第19回秋季シンポジウム
選択された号の論文の729件中251~300を表示しています
  • 時山 拓也, 篠田 豊, 吉田 道之, 赤津 隆, 若井 史博
    セッションID: 3D20
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    微細結晶粒を有するB, C添加炭化ケイ素の高温変形挙動は、粒界の構造や異種元素の偏析によって大幅に変化し、原料粉末に付着している不純物酸素や微量添加したボロンの影響などが系統的に調べられている。ところで、近年、助剤としてB, Cに加えてAlを添加することにより、従来よりも300K程度低い温度で緻密な焼結体の作製が可能となった。この助剤は高温で安定な液相を生成するが、この液相は高温変形中のSiCの拡散を促進し、超塑性特性が向上すると考えられる。本研究では、微細結晶粒からなるAl, B, C添加炭化ケイ素焼結体を作製し、B, C添加炭化ケイ素の高温変形挙動に及ぼすAl添加の影響を調査した。
  • 室 健太郎, 篠田 豊, 吉田 道之, 赤津 隆, 若井 史博
    セッションID: 3D21
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    B,C添加HIP焼結SiCは優れた超塑性特性を示す。しかし、粒界に偏析するBとOにより粒成長が促進され変形応力が増大し変形が阻害される問題を抱えている。そこで本研究では、粒成長を抑制し超塑性特性を向上させる目的で、粒界ガラス相を含む液相焼結SiCにおいて粒成長を抑制する働きをすると言われる窒素を含有する材料を作製した。 平均粒径100nm以下の微細な焼結体が得られ、それを高温で引張試験したところ100%以上の超塑性伸びが得られた。変形の初期に顕著な歪み軟化が観察され、その後に歪み硬化が起きた。軟化と硬化が起きる原因として、粒界液相の組成変化、およびキャビテーションや粒成長といった微細組織の変化などについて検討した。
  • 伊豆 典哉, 申 ウソク, 松原 一郎, 村山 宣光
    セッションID: 1E01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    抵抗型酸素センサの実用化への課題の一つが応答速度向上である。この課題に対して、我々は厚膜を構成する粒子の大きさを小さくすることにより、応答速度向上に取り組んだ。カーボンブラックを添加する沈殿法により、酸化セリウムナノ粒子を合成し、それを用いて、粒径約100nm程度の多孔質厚膜を作製した。これを、高速応答評価装置により、応答速度を調べた。その結果、800および900℃での90%応答時間(t90)はそれぞれ22および12 msであった。比較例として、粒径が2,000 nmの多孔質厚膜を作製し、評価した結果、800、900℃でのt90はそれぞれ約40、16sであり、格段に早くなることが実証できた。
  • 大瀧 倫卓, 林 亮介
    セッションID: 1E02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    酸化物熱電変換材料バルク体にナノサイズの独立閉気孔(ナノボイド)を高分散することにより、電気的特性を下げずに熱伝導率κのみを低減できる可能性に着目し、ナノ粒子分散焼結プロセスによるナノボイドの形成条件や分散状態等と熱電特性との関係を詳細に調べた。AlドープZnOへのナノボイド構造の導入によってゼーベック係数Sが全温度領域において大幅に増大したため、性能指数Zはナノ粒子無添加試料と比べて著しく大きくなり、約1000℃における無次元性能指数は、n型酸化物の最高記録を約2倍上回るZT=0.65を達成した。
  • 和田 智志, 保科 拓也, 滝沢 佳世, 矢澤 亜希, 大石 真徳, 安野 弘明, 掛本 博文, 鶴見 敬章, 黒岩 芳弘
    セッションID: 1E03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    チタン酸バリウムナノ粒子を蓚酸塩の2段階分解法を用いて種々の真空度で作製した結果、表面層の厚さを種々に制御したメゾスコピック粒子構造を得た。これらのナノ粒子について誘電特性を測定した結果、表面層が2nm以下と薄いものは60nm付近に15000もの巨大誘電率を示すものの、表面層厚さが8nm以上のナノ粒子は誘電率のサイズ依存性において、極大を示さず、粒径の減少とともに単調に減少した。この原因について、メゾスコピック粒子構造に基づいて検討した。
  • 保科 拓也, 掛本 博文, 鶴見 敬章, 和田 智志
    セッションID: 1E04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    シュウ酸塩の2段階熱分解法により、20nmから1000nmの粒子径を持つチタン酸バリウム微粒子を合成した。これらの微粒子の誘電率を測定した結果、誘電率が粒子のサイズに大きく依存することがわかった。この起源を明らかにするため、チタン酸バリウムの誘電率の発現に関与している格子振動、特にソフトソフトモードについて検討を行なった。ナノ粒子のコロイド充填体を作製し、遠赤外における反射率を測定してすることにより、THz領域におけるチタン酸バリウムナノ粒子の誘電特性を評価した。格子振動を粒子サイズや温度のパラメータとして解析することにより、サイズ効果の解明を試みた。
  • 鈴木 啓悟, 寺内 正己, 木島 弌倫, 和田 信之, 坂部 行雄
    セッションID: 1E05
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    光の拡散反射スペクトルと電子エネルギー損失分光(EELS)により、BaTiO3ナノ粒子の光学特性のサイズ依存性を評価した。測定にはプラズマCVD法で作製したBaTiO3ナノ粒子を用いた。拡散反射スペクトルによれば、BaTiO3のバンドギャップはサイズ11.5nm以下の領域で微小化とともに増大し、サイズ6.7nmで3.47eVを示した(バルクでは約3.2eV)。一方、EELSの価電子励起スペクトルの立ち上がりからサイズ6nmのバンドギャップは約3.5eVと算出された。この値は、光学測定によるバンドギャップの値3.47eV(6.7nm)と良く一致した。損失関数のKramers-Kronig解析を通じて、BaTiO3ナノ粒子の誘電関数を算出したところ、サイズ微小化によって、O2p→Ti3d(t2g)のバンド間遷移エネルギーは増大し、O2p→Ti3d(eg)の遷移エネルギーは減少することが明らかとなった。
  • 佐藤 信寛, 飯島 志行, 塚田 まゆみ, 神谷 秀博
    セッションID: 1E06
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    チタン酸バリウムナノ粒子のゾルゲル合成過程で数種の分子構造、分子量の異なる界面活性剤を添加し、分散安定性への影響を検討した。使用した界面活性剤は、アクリル酸ナトリウムとアクリル酸メチルの比率と合成後の分子量を1200から5100の範囲で調製したもの(PAA)、EDTA(MW=404)、t-aconitic acid(MW=174)である。分散安定性とBaTiO3ナノ粒子の結晶相は界面活性剤の添加量と分子構造に依存した。PAAでは生成粒子への吸着量が多く、分散安定性が向上した。しかし、EDTA、t-aconitic acidでは吸着量が少なく、分散安定性も低かった。
  • 鈴木 一行, 西澤 かおり, 三木 健, 加藤 一実
    セッションID: 1E07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    FET型強誘電体メモリに適用することを目的として、強誘電体としてYMnO3系材料を、絶縁体としてHfO2を用い、MFIS(金属/強誘電体/絶縁体/半導体)構造を作製した。HfO2層の薄層化のために、前駆体溶液濃度や熱処理条件などを検討し、界面構造や膜の微構造の制御を行った。さらに、HfO2薄膜の状態が強誘電体膜の結晶性や配向性、微構造に与える影響を調べ、作成条件の最適化を図った。作製したHfO2薄膜及びMFIS構造について電気的特性の評価を行った。
  • 吾郷 浩樹
    セッションID: 1E08
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    単層カーボンナノチューブは微細な一次元構造と優れた電子輸送特性や熱伝導性を有していることから、将来のナノエレクトロニクスにおける重要なビルディング・ブロックとして注目を集めている。しかしながら、このような応用には金属_-_半導体の作りわけや位置と方向の制御を通じた集積化などの多くの課題を解決する必要がある。最近、我々はサファイア単結晶を基板として用いることで、単層ナノチューブが自己組織的にある特定の結晶方位に成長する現象を見出した。本講演ではこの自己組織的配向成長を中心に、そのメカニズムならびにデバイス応用について紹介する。
  • 馮 旗, 温 普紅
    セッションID: 1E09
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    層状金属酸化物のインターカレーション反応を利用して、層状構造を剥離させ、層状構造を構成する基本層のナノシートを得ることができる。このようなナノシートを少し形状や構造を変えることで新たなナノ材料が得られることから、ナノシートを利用する新規ナノ材料合成プロセスは有望的である。本研究では、剥離反応と水熱反応を利用して、チタン酸化物ナノシートやマンガン酸化物ナノシートからナノシート状BaTiO3やアナターゼ型TiO2の合成、多結晶基板上におけるBaTiO3やTiO2配向性薄膜の作成、マンガン酸化物ナノチューブやナノファイバーの合成などに成功した。これらの研究例から、ナノシートを利用した水熱合成プロセスはユニークでかつ有用であることを実証した。
  • 茶園 広一
    セッションID: 1E17
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    Niを内部電極とする薄層大容量積層セラミックコンデンサ(Ni_-_MLCC)の技術トレンドについて報告する。Ni_-_MLCCは現在、一層の誘電体厚みが1ミクロン以下で、積層数が1000層に近いものが量産されている。これらの商品化を可能にしたのは、材料技術、とりわけ、粉体合成・ハンドリング技術、分散技術、組成設計技術、焼成技術、微細構造設計技術等の高度化によることが大きい。
  • 佐々木 高義, 海老名 保男, 長田 実
    セッションID: 1E19
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    層状ホスト化合物の単層剥離による酸化物および水酸化物ナノシートの合成について概説するとともに、得られたナノシートを有機ポリイオン、多核水酸化物イオン、金属錯体イオンなどと組み合わせて交互吸着法によりレイヤーバイレイヤー累積し、機能ナノ薄膜を構築することを目指した最近の研究、具体的には光触媒機能、エレクトロクロミック性、磁気光学特性を示す薄膜合成について報告する
  • 宮内 雅浩, 徳留 弘優, 戸田 喜丈, 神谷 利夫, 細野 秀雄
    セッションID: 1E21
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    水熱合成法により金属チタン基板上に垂直方向に配向したチタネートナノチューブアレイを合成した。このナノチューブアレイ薄膜の水との接触角を測定したところ、高度な親水性を示した。 また、前記チタネートナノチューブアレイを真空中で熱処理することによって電気伝導性のあるチタニアナノチューブを合成した。このナノチューブの結晶構造はアナターゼ型構造で、酸素欠陥を含んでいる。真空中にてこのナノチューブアレイからの電界電子放出を評価したところ、室温にて顕著な電子放出特性を発現した。電極間距離100μm、印加電圧800Vの条件で、電流密度0.15 mA/cm2の電界電子放出が安定に、繰り返し観測された。
  • 久保 敬, 山崎 友紀, 中平 敦
    セッションID: 1E22
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    本研究では、水熱ホットプレス(HHP)法により、緻密でありながら高比表面積を有するチタネートナノチューブバルクの作製に成功した。チタニア・チタネート系ナノチューブは、酸化チタンを高濃度の水酸化ナトリウム水溶液で水熱処理することで合成され、その特徴的な構造や特性から、触媒をはじめ、様々な分野への応用が期待される注目すべきナノ材料である。本研究におけるチタネートナノチューブのバルク化の実現により、工業的応用をはじめ、さらなる発展が期待される。
  • 板野 真也, 関野 徹, 楠瀬 尚史, 中山 忠親
    セッションID: 1E23
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
     酸化チタンは特異的な光学的特性を持つ為、光触媒や色素増感型太陽電池の電極として用いられている。当研究室ではこれまで化学的手法による酸化チタンナノチューブの合成に成功し、電気的特性、光学的特性を評価してきた。また最近では酸化チタンナノチューブの高い吸着性、貴金属を複合化させることによる非常に高い光触媒特性が報告されている。今回の研究では酸化チタンナノチューブと化合物ナノ粒子の複合化を試みた。さらに複合体の微細構造観察、物性評価を行った。
  • 佐藤 仁俊, 李 継光, 石垣 隆正, 神谷 秀博
    セッションID: 1E24
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ナノ粒子の水及びアルコール分散スラリーにおいて、超音波照射が液中凝集サイズと見掛け粘度の低下に著しく作用することを2006年 年会で報告した。本研究では、酸化チタンナノ粒子/水系及びアルコール系濃厚スラリーを対象に、超音波照射による分散性と凝集サイズに及ぼす粒子濃度の影響を調べた。その結果、ボールミル混合と比較して、スラリーへの超音波照射による手法は、著しい凝集サイズの増大がなく、高粒子濃度まで低粘度化させることが分かった。又、見掛け粘度を極小化させる分散剤分子量は、粒子濃度による差異はなく、水系でもエタノール系でも、同程度の分散剤サイズを有していることが分かった。
  • 二階堂 雅則, 近藤 壮一, 古屋 幸子, 神谷 秀博
    セッションID: 1E25
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    カチオン界面活性剤存在下で調整したTiO2/多孔質アルミノケイ酸塩複合体が、紫外線照射により気相のアルデヒドを分解する一方で、混練樹脂の分解を抑制する効果があった。この複合構造形成に及ぼすカチオン界面活性剤の作用機構を解明するため、コロイドプローブ原子間力顕微鏡(AFM)法によりカチオン界面活性剤の添加条件に伴う2粒子間の相互作用の変化を解析した。2粒子間の付着力は、未吸着に比べ少量の界面活性剤吸着により減少し、飽和吸着により増大した。さらに、得られた複合体のアルデヒド分解速度は、カチオン界面活性剤の添加条件により大きく異なることを確認した。
  • 横山 久範, 尾畑 成造, 岩田 芳幸, 安達 直己
    セッションID: 1E26
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    無機粒子スラリーを利用した高精細インクジェット印刷を行うためには、100nm以下のナノ粒子の溶媒中への分散性がキーテクノロジーである。特に、環境問題の観点から溶媒には水系を用いることが望まれている。ナノ粒子の水系スラリー分散には、粒子の粒子径や比表面積、水中でのゼータ電位、分散剤の選定などが影響する。また、ナノ粒子の合成出発原料や合成方法による残存イオンも分散性に影響すると考えられる。本研究では、光触媒や白色顔料として利用される酸化チタンのナノ粒子などを用い、水系スラリーでのイオン濃度と分散性の評価を行った。その結果、わずかなチタンイオンの添加により急激な凝集状態が確認された。
  • 湯浅 豊隆, 櫻澤 麻希子, 塚田 まゆみ, 神谷 秀博
    セッションID: 1E27
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    リチウム二次電池用正極は有機溶媒と正極材料のスラリーから作製される。電池作製プロセスの安定化のため、有機溶媒中における正極活物質の分散・凝集挙動の解明が必要である。そこで、コロイドプローブAFM法により有機溶媒中で正極活物質の粒子間相互作用を評価した。その結果、スラリー中における正極活物質の長距離力が示唆された。さらに、正極活物質の分散性を制御するため、分散剤を添加したスラリーの粒子間相互作用、粘度及びゼータ電位を評価し、有機溶媒中の分散・凝集挙動を考察した。
  • 今須 淳子, 目 義雄, 不動寺 浩
    セッションID: 2E01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    Micro-molding in Capillaries (MIMIC)でセラミックスコロイドサスペンションをパターニングすることにより、微細構造をもったセラミックス機能性デバイスを作製することを目的として研究している。このプロセスには毛管現象とサスペンションの凝集現象が関わっているため、同じモールドを利用しても形成される微細構造の形状はサスペンションの特性により変わることがわかっている。今後様々な種類のセラミック粒子のサスペンションに応用するため、今回はゼータ電位、粘度などのサスペンションの物理的特性とパターニング形状との関係を調べ、報告する。
  • 依田 将和, 松田 元秀, 三宅 通博
    セッションID: 2E02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    一般的にSOFCのアノードの作製はNiOと電解質材料であるSSZなどの粒子を機械的に混合することにより作製されるが、本研究では水中での粒子表面の帯電に起因する相互作用を利用した高活性なアノード粉体の作製プロセスを検討した。また、得られたアノードの微構造評価、発電特性などを報告する。
  • 佐藤 和好, 上村 眞康, 近藤 光, 阿部 浩也, 内藤 牧男
    セッションID: 2E03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    機械的処理により作製したNiO-YSZ複合粒子を用いて、テープ成形により固体酸化物燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell; SOFC)アノード電極を作製し、スラリーの特性と電極の構造および特性との関係を調査した。電極構造の観察結果から、5分間複合化処理した粉体を用いて作製した試料では、テープの上面にYSZの偏析層が観察された。また、電極内にNiおよびYSZの粗大な凝集体が観察され、気孔構造も不均一であった。作製したセルの最大出力密度は800℃で0.44W・cm-2であった。これに対して、30分間処理した粉体から作製した試料では、上述の偏析層は認められず、前者と比較して微細な粒子と均一な気孔構造が観察された。その結果、最大出力密度は0.75W・cm-2に向上した。これは、機械的処理の時間の増加により、NiOおよびYSZの凝集体の解砕と微細混合が進行し、結果として水素の酸化反応場であるNi、YSZおよび気孔からなる三相界面が増加したためだと考えられる。
  • 萩原 明房, 保原 夏朗, 瀧澤 孝一, 佐藤 和好, 阿部 浩也, 内藤 牧男
    セッションID: 2E04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    固体酸化物形燃料電池は高効率発電装置としての期待が高いが、経済性を含めた実現には高出力密度化は必須となる。ここでは、要素電池性能向上を目的に、空気極微細構造設計に有効と考えられる電極材料((La,Sr)MnO3)_-_電解質材料(スカンジア安定化ジルコニア:ScSZ)を複合化した機能性複合粒子の電極材料への適用を考えた。複合粒子は機械的処理法と噴霧熱分解法を利用して製造し、電解質基板上に空気極として形成させ、その電気化学的特性を交流インピーダンス法により評価した。測定された界面抵抗値は、通常の混合法による作製された電極_-_電解質複合電極と比較して、大幅に低減し、複合粒子の適用が性能向上に効果があることがわかった。
  • 森田 孝治, 金 炳男, 吉田 英弘, 平賀 啓二郎
    セッションID: 2E05
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ジルコニア(ZrO2)セラミックスの機械的特性(特に破壊強度と超塑性特性)の改善を目的に、ボールミルと放電プラズマ焼結 (SPS) 法を用いてナノ組織を有するZrO2基複合材料を創製した。本発表では、創製したZrO2基ナノ複合材料の破壊強度と超塑性特性について報告し、ナノ組織との相関について検討する。  粒径dの減少とともに、破壊強度σfは増加する傾向を示し、d = 100nm程度で最大強度σf=2.0-2.5GPaに達した。これは、ZrO2/Al2O3複合材料で報告されている酸化物セラミックの最高強度に匹敵するものである。高σf値を示したZrO2/スピネル複合材の破面ではt-m相変態は認められないことから、本複合材における破壊強度の上昇は、細粒化にともなう欠陥サイズの減少が大きな要因と考えられる。
  • 多々見 純一, 渡邊 洋史, 脇原 徹, 米屋 勝利, 小豆島 明, 荒牧 賢治, 目黒 竹司
    セッションID: 2E06
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    粒子複合化プロセスによりTiNの原料となるTiO2ナノ粒子とSi3N4粒子からなる複合粒子を調製した.これに焼結助剤を添加した混合粉末を成形し,窒素雰囲気化でガス圧焼結法によりSi3N4セラミックスを作製した.得られた焼結体の摩耗試験をボールオンディスク試験により行った.その結果,TiO2ナノ粒子とSi3N4粒子を湿式混合によりプレミックスした後で粒子複合化することにより,TiNを分散していない場合と同程度の低い相手攻撃性を示すことが明らかとなった.
  • 山川 智弘, 藤 正督, 竹上 弘彰, 安達 浩一郎, 高橋 実
    セッションID: 2E07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    一般的にセラミックスは絶縁体であるが、導電性を付加することで放電加工や電磁波シールドとしての応用が見込まれる。一方、ゲルキャスティング法はポリマー重合反応を利用したニアネットシェイプを実現できる成形法である。そこで本研究ではこの成形法を利用した導電性セラミックスの作製を試みた。
  • 米屋 勝利
    セッションID: 2E08
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    窒化ケイ素セラミックスは優れた耐摩耗性によってベアリングなどの摺動部材への応用が注目され応用分野も拡大しつつある。著者らは、世界に先駆けてカーボンナノチューブ(CNT)を添加した窒化ケイ素セラミックスを開発した。この材料は、導電性と優れた機械的性質を共生させた点において特徴付けられる。ここでは、最初に窒化ケイ素セラミックスの歴史的な開発経緯を概説し、後半において新たに開発したCNT添加導電性窒化ケイ素の作製と特性評価について述べる。
  • Mohamed Radwan, Yoshinari Miyamoto
    セッションID: 2E17
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    The production of one-dimensional nano-ceramics has a great potential to promote the development of new composites and structures with superior properties. Aluminium nitride (AlN) has attractive physical properties and considered as a perfect electronic ceramic for fabrication of substrates and packages in microelectronics applications. In this research, we describe novel results on the formation of quasi-aligned AlN nano-needles by the nitriding combustion synthesis method. It was found that the combustion of Al-AlN mixture in presence of small amounts of yttria and ammonium chloride as promoting agents under low nitrogen pressures (< 1 MPa) enables the nitridation and unidirectional growth of AlN crystals inside individual Al particles and led to the formation of unique structures with empty core and shell consisting of aligned AlN needles with diameters less than 200 nm and lengths up to 10-15 microns. We suggest these nano-needles could be synthesized and grown from vapor-phase through spontaneous chlorination-nitridation reactions based on an interesting core-shell model in which an individual Al particle acts as a micro-reactor or micro-boat.
  • 渡辺 晃, 藤井  元治, 河原 正佳, 福井 武久
    セッションID: 2E18
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ナノ粒子は、大きな比表面積、高い活性を有している。またサイズ的特徴による機能発現が期待されており、研究開発が盛んに行われている。ナノ粒子の合成には、粒子の大きさや形状制御の観点から、ビルドアップ手法が主であるが、一般的に量産性に乏しく、また多成分系粒子の合成は困難である。我々は、ナノ粒子の合成方法として気相法に着目し、これまで酸化物ナノ粒子の開発を行ってきた。今回はこれらの開発の成果として、気相法による合成方法、作製粒子の種類や物性、またいくつかの評価項目について報告する。
  • 中山  忠親, 篠田 俊介, 横尾 知行, 江 偉華, 末松 久幸, 清野 智史, 関野 徹, 鈴木 常生, 新原  晧一
    セッションID: 2E19
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    GHz帯域の高周波電源と特殊構造電極を巧みに組み合わせることにより大気圧において安定的にプラズマを発生させることに成功した。このプラズマはグローとアークの両方の性質を持つため、常圧バルクプラズマと称している。 この種のプラズマ内には気相のみならず液相も導入することが可能であり、これを用いることで溶液法の手法と気相法の手法を融合した新規な活性場状態を形成することが出来ることを見いだし、これを種々の原料に適用することにより、ナノ粒子構造体を合成できることを明らかとした。本発表においてはプラズマ状態がプロセスに与えるメカニズムを明らかとすると共に、ナノ粒子合成手法としての本手法の優位性を明らかとする。
  • 阿尻 雅文
    セッションID: 2E20
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    超臨界水を反応場として利用し、無機ナノ粒子を合成しつつin-situで有機分子を表面修飾する手法について研究開発を進めている。ナノ粒子表面を任意の有機・生体分子で修飾することで、ハンドリング性を高め、また、高次構造形成を形成させるためのナノビルディングブロックとしての機能を付与することを目的としている。本発表では、表面修飾したハイブリッドナノ粒子の合成と生体分子を用いたナノ粒子配列構造制御について報告する。
  • 大原 智, 張 静, 梅津 光央, 名嘉 節, 阿尻 雅文
    セッションID: 2E22
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    超臨界水熱反応場に有機分子を共存させることにより、セラミックスナノ結晶のサイズ・形状制御を試みた。ナノ粒子表面を修飾する有機分子量の最適化により、セリアナノ結晶の結晶面制御を実現し、セリアナノキューブの作製に、世界で初めて成功した。
  • 宮本 浩史, 白川 善幸, 下坂 厚子, 日高 重助, 孫 仁徳, 土岐 元幸
    セッションID: 2E23
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    我々はプロトン伝導体への応用を目指して,酸化物均一粒子のアルミナによるマイクロカプセル化粒子の合成を試みた.その結果,シリカ均一粒子表面の親水性を利用した疎水・親水反応場によるアルミナナノカプセル化反応を検討し,シェル厚みと均一性の制御が可能な反応系を見出した.また,さらに微細な制御を可能とする系を見出すため,シリカ粒子表面状態が及ぼすカプセル化粒子の被覆状態への影響を検討し,溶媒の種類,組み合わせによる反応機構への影響および生成したカプセル化粒子の評価を行った.
  • 山内 悠輔, 大砂 哲, 門間 聰之, 逢坂 哲彌, 黒田 一幸
    セッションID: 2E24
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    溶媒揮発法を利用しリオトロピック液晶を導電性基板上に形成させ、電析法によりメソポーラスPt-Ru合金を合成した。生成物は、数百nm程度の球状粒子であり、その粒子内部には高規則性のメソポーラス構造が形成していた。本手法では溶媒揮発法用いてLLC液晶の形成を行っており、従来のLLC液晶と比べ高い規則性を有するLLC液晶が形成可能であった。本検討においては、このような高い規則性を有するLLC液晶を鋳型として用いることで、従来の報告にはない高い規則性・長周期を有するメソポーラスPt-Ru合金の合成に成功した。微細構造解析の結果、PtとRuは骨格中に均一に分布しており、ナノスケールでの相分離は確認されなかった。また、電子線回折ではfcc構造に帰属可能なリング状の回折円であり、RuがPtに置換固溶されているものと考えられる。
  • 田中 達也, 山田 朋文, 森 隆昌, 椿 淳一郎
    セッションID: 3E01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    テープ成形に用いるスラリーを定速濾過・応力緩和試験を用いて評価した.結合剤の種類及び添加量を変化させてスラリーを調製し,スラリーの応力緩和速度と成形したグリーンシートに生じる亀裂の数の関係を調査した.スラリーの応力緩和速度が大きくなると,グリーンシート中の亀裂の数は減少することが明かとなった.
  • 田中 洋介, 平田 好洋, 松永 直樹
    セッションID: 3E02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    比表面積 800 m2/g, 比表面積相当径3.4 nm、等電点pH 2.5のシリカ粒子を15 vol %含む水性サスペンションについて、0.1μmのメンブランフィルターを用いて、200 μm/minの速度で加圧ろ過を行った。pH 2.3 (ゼータ電位3.4 mV)とpH 9.2 (ゼータ電位-41.2 mV)のサスペンションを19 MPaまで加圧すると、それぞれ相対密度34%と31%に緻密化された。この粒子サイズでは、粒子の表面電荷が成形性に及ぼす影響は小さい。シリカ粒子1 cm3を固化するエネルギーは、pH 2.3と9.2でそれぞれ22と25 Jであった。この値は、サブミクロンサイズの粒子の固化エネルギーに比べて約7倍大きい。
  • 篠原 伸広, 堀田 禎, 阿部 浩也, 内藤 牧男, 植松 敬三
    セッションID: 3E03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    先進セラミックスの粉体プロセスによる信頼性向上について報告する.
  • 李 相起, 粂 正市, 佐藤 公康, 堀田 裕司, 渡利 広司
    セッションID: 3E05
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    アルミナ粉末を用い、固体濃度35vo%一定の条件で水系スラリーを作製し、バインダー及び潤滑剤の添加量を変化させ、スプレードライヤーで顆粒を作製し、それらの顆粒について圧縮試験を行い、強度と流動性を評価した.
  • 田中 諭, 岡田 毅, 牧谷 敦, 加藤 善二, 植松 敬三
    セッションID: 3E06
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    回転高磁場を用いた反磁性セラミックスの高機能化プロセスを提案する。回転磁場成形では,反磁性磁化率の大きな軸を一方向に揃えることができる方法である。適用する物質は酸化亜鉛,ニオブ酸塩とする。これらの原料粒子からスラリーを調製し,回転高磁場中で乾燥成形し,焼結させた。配向度はLotgering法によって測定した。いずれの試料においても配向度が0.9以上の焼結体が得られた。ニオブ酸塩を用いて圧電定数を評価した結果,2倍近い圧電定数が得られた。
  • 若井 史博
    セッションID: 3E07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    焼結の3次元数値シミュレーションを行い、結合形成、ポアチャネル閉鎖、閉気孔消失のミクロ力学と幾何学的な形態変化を解析した。粒子運動は、粒子に作用する焼結力ベクトルの和に駆動された。閉気孔収縮は、非平衡プロセスに対する焼結応力に対する応答として記述できた。粒子は隣接粒子との相互作用を通じて自らの形を変化させるため、配位数は焼結、ポア収縮、粗大化、粒成長に影響した。
  • 小林 慶朗, 大橋 忠, 藤森 洋行
    セッションID: 3E08
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    SiCは高強度・高熱伝導といった優れた特性をもつセラミックスだが、助剤起因の不純物を含み、また内部に多量の気孔が存在している。これらは、SiC適用分野拡大における制限となっていた。今回、焼結用に調整したアモルファスのナノSiC粒子を原料に放電プラズマ焼結することで、まったく気孔のないSiC焼結体を作製することに成功した。
  • 平賀 啓二郎, 金  炳男, 森田 孝治, 吉田 英弘, 目 義雄
    セッションID: 3E09
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    特別の装置やプロセシングを用いずに正方晶ジルコニアを微裁粒緻密化する手法として、I-W.Chenらが提唱した常圧二段焼結(I-W.Chen & X-H.Wang,Nature, 404(2000)168.)を検討した。対象には純3Y-TZPならびにMgOとTiO<SUB>2</SUB>の複合添加材を用いて結晶粒径_-_密度関係を調べ、以下の結果を得た。(1)非ドープの3Y-TZPでは、二段焼結における粒径_-_密度曲線が通常焼結(一段焼結)の時の曲線から分離し、本焼結法による微細粒緻密化が可能であった。(2)しかし、このような二段焼結の有効性には組成依存性が認められた。すなわち、MgOとTiO<SUB>2</SUB>をドープすると、このような曲線分離が消失し、二段焼結による微細粒緻密化の効果が失われた。
  • 松永 是, 新垣 篤史, 田中 剛
    セッションID: 3E13
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    酸化鉄磁気微粒子は磁気的に誘導が可能なことから、タンパク質や細胞の分離、核酸抽出などにおけるアフィニティー担体として、診断・医療・環境分野で広く利用されている。磁性細菌と呼ばれるバクテリアは、表面を薄膜で覆われたナノサイズの磁気微粒子を合成する。我々は、分子生物学的手法によって磁気微粒子の合成機構を明らかにし、その過程で発見したタンパク質を利用することで、粒子表面における機能性分子の設計技術を開発した。本講演では、バイオエンジニアリングによって可能となった機能性磁気微粒子の創製と、これを利用したバイオ計測応用技術について紹介する。
  • 春日 敏宏, 小幡 亜希子, 前田 浩孝
    セッションID: 3E15
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    骨再生用スキャホールドとしては、細胞親和性、生体吸収性が重要である。また、培養時のハンドリングと骨形成までの形状を保持できる程度の強度も必要である。細胞親和性の良い骨様アパタイトを迅速に生成する材料をバテライト微粒子とポリ乳酸を複合して作製した。この複合体は、バイオミメティック法により1日でその表層をアパタイト化できる。これはバテライト微粒子の適度な溶解性を利用したものである。多孔体、球体、膜状など用途に応じた成形が可能であり、細胞播種時などに十分耐えうる強度も確保できる。
  • 菊池 正紀, 小山 富久, 伊藤 聰一郎, 高久田 和夫, 四宮 謙一
    セッションID: 3E16
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    我々は、ソフトナノテクノロジーのキーテクノロジーの一つである自己組織化現象を利用し、骨類似ナノ構造を持つ水酸アパタイト/コラーゲンナノ複合化人工骨(HAp/Col)を合成した。HAp/Colは骨内に埋入すると、骨を食べる破骨細胞で吸収される。さらに、材料が吸収された後には骨を造る細胞である骨芽細胞が現われて骨新生を行うので、HAp/Colは正常な骨リモデリング代謝に取込まれて自分の骨に変わっていく世界初の材料であることがわかった。このように、ソフトナノテクノロジーは生物が作る構造をナノレベルから模倣するための有効なツールであり、これまでにない機能を持った材料の創成に役立つと考えられる。
  • 今井 宏明, 緒明 佑哉, 小太刀 明子, 八尋 洵子
    セッションID: 3E17
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    特異的な吸着特性を持つ有機分子あるいは高分子が共存する水溶液中で無機結晶を成長させるとナノ結晶が自発的に集積化した構造体が得られる。このような階層的な構造体とバイオミネラルとを比較するとともに、機能材料としての可能性を検討する。
  • 金光 義彦
    セッションID: 3E18
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ナノ粒子発光材料の光物性についてレビューする。機能性元素をドープしたナノ粒子の発光特性を報告し、発光材料としてのナノ粒子の特徴を議論する。
  • 増田 佳丈
    セッションID: 3E19
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    低消費エネルギー、低環境負荷、エッチングダメージ低減等の観点から、溶液プロセスによるセラミックス合成およびデバイス作製が提案されており、粒子・薄膜等の合成手法が拓けてきている。本研究では、発光材料として期待されるZnOの水溶液合成およびパターン化析出を実現した。また、蛍光特性向上のためには酸素欠陥の導入が有効であるが、水溶液中におけるZnO結晶の成長速度を制御することにより、六角柱、楕円体、多針体の形態を有するZnO結晶微粒子を作製してZnO結晶への欠陥の導入・形態制御を行い、可視発光特性の向上を行った。
  • 清水 和明, 永田 浩康, 齋藤 悠, 山田 正義, 小西 智也, 曽我 公平
    セッションID: 3E20
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ErをドープしたY2O3粒子を沈殿法により作製する際、前駆体析出時にポリアクリル酸ナトリウム共存下で共沈させることにより前駆体粒子の成長阻害が起き、熱処理後のY2O3粒子を微細化することができた。このときの熱処理は900℃ 0.5hの条件で行った。その結果粒子径は通常の沈殿法で平均粒子径60nm(結晶子42nm)であったのに対し、ポリアクリル酸ナトリウムの添加量の増大に伴ってその粒子径は減少し、CH2CHCOONa /Y2O3 = 20の割合で添加した粒子では平均粒子径は33nm(結晶子24nm)であった。また、他の高分子との比較では、ポリアクリル酸ナトリウム(分子量5100)で結晶子28nmであった添加量に対して、ポリビニルアルコール(分子量88000)では40nm、ポリエチレングリコール(分子量8750)では31nmであり、ポリアクリル酸ナトリウムが優位であるという効果を確認した。
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