日本の淡色黒ボク土,赤黄色土,酸性褐色森林土および中国の泰山の硬質褐色土,普通褐色土,山岳暗褐色土と山岳低木-湿草地土に対して,0.5%NaOH溶液および0.5%NaOHと0.1MNa_4P_2O_7 1:1の混液を抽出溶媒として,腐植を抽出し,その形態分析を行い,腐植酸の吸光曲線,光学的性質を調べた。これらの結果から腐植酸を分類し,腐植化度を検討した。日本の淡色黒ボク土の腐植酸はA型に属し,腐植化度が高く,赤黄色土のものはRp型で腐植化度は低い。酸性褐色森林土のものはRp型に近いPo型に属した。一方,中国の泰山の土壌の腐植酸はすべてRp型に属し(硬質褐色土の1:1混液抽出腐植酸P_±を除く),日本の褐色森林土のものより,赤黄色土のものに近く腐植化度が低かった。ただし,極微量のPgを含み,腐植化の比較的進んだ結合型腐核酸の割合が日本のものより高かった。
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