We analyzed the effects of hummocky microrelief on soil organic carbon (SOC) stocks of permafrost-affected soils (or Gelisols) in northern Canada. We compared the microrelief and SOC stocks in black spruce forests on clayey and sandy sediments in Mackenzie upland area. Hummock formation was maximal in clayey soils at the middle position of upland with a shallow permafrost table, where the soils were seasonally flooded by spring snowmelt and summer permafrost thawing. The higher water content due to poorer drainage, rolling permafrost table, and freeze-thaw cycles can promote greater hummock formation in the clayey soils. The soils on the strongly-developed hummocky microrelief have greater SOC stocks than those on weakly-developed microrelief. This can be explained by the retardation of microbial decomposition by summer flooding and accumulation of recalcitrant lichen and moss litters on strongly-developed hummocky microrelief. The concentration of oxalate-extractable short-range-order iron oxides in soils, which are enriched through redox cycles by seasonal flooding, can serve as a rough proxy for predicting local variation in SOC stocks in the mineral soils in black spruce forests on permafrost.
十勝地域における形成年代の異なる河岸段丘面に生成した土壌の断面形態,理化学的特徴および分類について検討した。最も形成年代の古い高位段丘面には,洪積土層の上に新期風化火山灰と古期風化火山灰を母材とした黒ボク土が生成していた。侵食による地形発達が顕著であり,微地形の影響によって火山灰テフラの欠除や堆積厚の違いが認められ,乾性型と湿性型の黒ボク土が分布していた。中位段丘面には,新期風化火山灰と古期風化火山灰を母材とした黒ボク土が生成しており,立地環境の違いに応じた乾性型と湿性型の黒ボク土が分布していた。低位段丘面では河川堆積物と新期風化火山灰から生成した黒ボク土が分布しており,形成年代の最も新しい低地では河川堆積物を母材とした沖積土が生成していた。高位段丘面および中位段丘面に分布する所謂「湿性型」の黒ボク土では50 cm以深から斑鉄が認められるため,農耕地土壌分類第3次改定版および日本の統一的土壌分類体系の分類名では湿性条件あるいは排水不良であることが反映されなかった。しかしながら,日本土壌分類体系では分類名から湿性が付与される場合があった。春先の融雪に伴う土壌水分状況が作物生産に影響を及ぼす冷温地帯において,土壌分類における湿性と乾性の判別は重要である。そのため,日本土壌分類体系における黒ボク土大群での湿性条件の分類基準は有効であると考えられた。また,十勝平野に類する扇状地における河岸段丘面の発達は全国でみられる。各河岸段丘面に発達した土壌型を明確にした上での土壌診断ならびに肥培管理が今後の持続的な農作物生産において重要であると考えられた。
作土の土壌炭素含量の地域的変異や圃場内差異は,衛星画像やドローン画像からそれぞれ容易に把握できる.そこで土壌炭素含量から間接的に推定する項目としてリン酸吸収係数に着目し,北海道十勝地域の火山性土地帯で両者の関係を検討した。その結果,土壌炭素含量からリン酸吸収係数の地域的変異は,母材が火山灰(グループ1),母材が火山灰/洪積堆積物および火山灰/河成堆積物(グループ2)で,それぞれ51%,70%説明することができた。また, 火山灰/洪積堆積物ではリン酸吸収係数の圃場内差異を土壌炭素含量から寄与率91%の精度で推定することが可能であった。