ペドロジスト
Online ISSN : 2189-7336
Print ISSN : 0031-4064
64 巻, 2 号
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巻頭言
ペドン・ペーパー
  • 小林 孝行, 隅田 裕明
    2020 年 64 巻 2 号 p. 71-84
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/12/31
    ジャーナル フリー

    米国アイダホ州北部Selkirk山脈における標高の異なる2地点のポドゾル土壌の断面調査および一般理化学性分析より土壌分類をおこない,両土壌断面のポドゾル生成過程について比較した。両土壌断面とも未分解有機物層(O層),および漂白層(E層)とポドゾル性集積層(Bh層,Bhs層,Bs層)を持ち,Soil TaxonomyではSpodosols,WRBではPodzols,日本土壌分類体系ではポドゾル大群と分類された。低標高(745 m)に位置する土壌は,融氷河流によって生成した扇状地内に存在し,砂含量が全層位で94%以上と極めて高かった。春の雪解け水による針葉樹リターからの酸性有機物の溶出と,E層からBh層への高い透水性がポドゾル生成の大きな要因であると考えられた。高標高(1809 m)に位置する土壌は,6700-6800年の年代を持つオレゴン州Mt. Mazama由来(現在はCreator lakeと呼ばれるカルデラ湖)の火山灰を母材のひとつとし,低標高に位置する砂質ポドゾルに比べ砂含量が低く透水性はやや劣るが,Abies lasiocarpa(Subalpine fir)が生育する冷温湿潤な環境の下でポドゾル生成が進行すると考えられた。

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