ペドロジスト
Online ISSN : 2189-7336
Print ISSN : 0031-4064
61 巻, 1 号
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巻頭言
ペドンペーパー
  • -非アロフェン質の黒ぼく表層の分布中心およびアロフェン質との分布境界の土壌断面-
    山口 典子, 久保寺 秀夫, 草場 敬, 島 武男, 渕山 律子
    2017 年 61 巻 1 号 p. 3-15
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

     南九州から中九州には黒ぼく土が広く分布し,その多くはアロフェン質であるが,大分県久住高原や熊本県阿蘇北外輪には非アロフェン質の表層土(15 cm深まで)が分布する。久住高原では表層だけではなく15 cm以深の土壌データを含めた,日本の統一的土壌分類体系第二次案による土壌分類が実施されたものの,阿蘇北外輪では未実施である。本研究では阿蘇北外輪での非アロフェン質の表層土の分布中心付近の西湯浦(地点1)と非アロフェン質とアロフェン質の表層土の分布境界に位置する大観峰北方(地点2)の2地点において,100 cm深までの土壌断面調査およびそれに基づく土壌分類を行った。

     地点1のA層(0~24 cm)のAlp/Alo比は0.55であり,非アロフェン質黒ぼく層の要件の一つであるAlp/Alo比0.5以上に該当していた。しかし,24 cm以深の土層のAlp/Alo比は0.5未満であり,厚さが25 cm以上との要件より1 cm薄いために非アロフェン質黒ぼく層には該当しなかった。一方,地点2のAp層(0~15 cm)とA層(15~27 cm)のAlp/Alo比は0.48と0.41であり,値は0.5に近かったものの,100 cm深までの全土層でAlp/Alo比は0.5未満であり,非アロフェン質黒ぼく層には該当しなかった。以上のように,15 cm深までの土壌は非アロフェン質またはそれに近い特徴を示したが,100 cm深までの土壌分類では両調査地点ともに日本の統一的土壌分類体系第二次案の厚層多腐植質アロフェン黒ぼく土に分類された。

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